学長挨拶



 産業医科大学長  東  敏昭

  

  

 産業医科大学は、昭和53年に開学し、平成29年度で創立40年目を迎えます。働く人の健康を守ることは、活力ある社会の礎です。また、働くこと、社会に参加することは、人の生き甲斐、人生の充実をもたらす最大の健康増進要因です。
  本学は、今までに産業医学・産東学長(切り抜き).jpg業保健そして医療分野の人材の育成とともに、働く人の健康を守り、増進する基礎ならびに応用分野の研究を担う日本を代表する機関として成長してきました。短い歴史の中ではありますが、教職員はもとより、社会の中核で活躍する世代となった卒業生が、我が国の産業医学分野の研究、産業保健の実践で中心的役割を果たすに至っています。


 本学教職員、卒業生が蓄積してきた研究の成果、活動の成果は様々な形で社会に還元されています。特に産業医学・産業保健分野の成果は職域ならびに生活環境での基準作りや、制度設計に寄与する他、本学が中心となって実施する、日本全体での医師・保健職への資格付与および技能向上のための研修・講習に役立っています。本学が主催する認定産業医講習会などへの関心と期待は年を追って高まっており、毎年千数百名が資格認定を受けています。本年から、より一層の普及のため、首都圏での高度技能研修ならびに情報発信の充実を図っていきます。


 本学は医師、看護・保健職、産業衛生専門職などの育成を行っている大学です。これらの学部教育に大学院として医学、産業衛生学、看護学の三つの専攻を有しています。それぞれにディプロマ、カリキュラム、アドミッションポリシーを掲げていますが、各分野、課程の特色を持ちながら、産業医学・産業保健に重点を置くことを教育の共通基盤とし、産業医学・産業保健分野を担う人材の育成を進めていきます。
 一方で、本学は地域医療の中核機関としての病診連携、震災後の支援などの社会活動を通じて、着実に社会における地歩を築いてきたと自負しています。産業医科大学病院は信頼される大学病院として高い評価を受けています。今後も高次機能病院としての高い信頼性を維持するため、新たな病院施設の建設を予定しています。医療機関としてのこうした取り組みへの皆様のご支援とご協力をお願いいたします。


 少子高齢社会を迎えた日本で、ヒトの活躍できる仕事の範囲を広げることへの貢献が、現在、産業医科大学に期待される使命と考えます。就労と治療の両立支援、健康経営、過重労働防止につながる働き方の改善などが現在の課題です。産業医、産業保健師、労働衛生分野の専門家として活躍する人材の中で、本学出身者は紛れもなく中心的な存在となっていますが、働く人の健康を守る施策につながる産業医学の発展にはこうした実務の世界の専門家の参加が不可欠です。企業や関係機関の方々からの本学の現場における研究活動へのご理解をお願いしたいと存じます。本学が人材育成とともに実践研究の推進あるいは支援者として積極的に関わることもお約束したいと思います。


 土屋健三郎初代学長は第1回入学式で、「二十一世紀の医学分野における先駆者として、人類のより良い生存をかちとるための新しい福祉社会を樹立することを建学の使命とする」と述べています。これは今も色あせることのない理念として卒業生の中に生きています。
 産業医科大学の発展は、人材の育成、研究成果、地域医療ならびに社会活動を通じての社会への貢献にかかっているものと思います。学長2期目を迎える本年、ステークホルダーの方々の付託に応えることができるよう、教職員とともに最大限の努力を果す所存です。
  皆様からの本学へのご要望、ご期待、ご批判をいただき、今後の発展に活かしていきたいと思います。

ぜひ、建設的なご意見をお寄せいただければ幸いです。

                                  平成294


 

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