教育内容

放射線衛生学の一般目標を表1に、行動目標を表2に示す。講義は、2年次の4月から5月までに、放射線衛生学概論、放射線物理学、放射線生物学、放射線障害、医療被曝、放射線管理等の授業項目で、9コマ実施している。実習は、講義に引き続き5月から6月に行っている。実習項目は、X線の線量測定と散乱線のX線像に及ぼす影響、マウス全身照射による造血組織の変化、非密封RIの安全取扱い及び生体内分布など、放射線診断、治療にも役立つ基礎をも考慮した内容となっている。(3)

表1 一般目標

放射線・原子力の利用により人類は大きな恩恵に浴している。しかし一方では、放射線による障害も知られている。放射線衛生学では、

1.放射線の種類と性質、物質との相互作用、人体及び集団への影響を理解し、

2.放射線の利用のための基礎知識を修得する。

3.放射線のリスクとベネフィット、さらに、放射線防護について理解を高め、

4.放射線の利用に際して、放射線を正しく怖がり、安全管理ができる能力を養う。

表2 行動目標

1.放射線の種類、線量単位を説明することができる。

2.放射線の基本的作用機序について具体的に述べることができる。

3.放射線の生物作用、人体及び集団への影響を説明することができる。

4.X線発生装置及びX線撮影の原理を説明することができる。

5.放射線の利益、危険性について正しく評価できる。

6.放射線防護(放射線管理)の基礎的事項について説明することができる。

7.放射性同位元素等を安全に取り扱うことができる。

表3

平成18年度放射線衛生学実習

実 習 内 容
時 間

1. X線の線量測定と散乱線のX線像に及ぼす影響

120

2. X線全身照射による造血組織の変化

140

3. 細胞の増殖能に対する放射線の影響

240

4. 放射性元素の測定法(GM計数管)

150

5. 非密封RIの安全取り扱い

150

6. RIの生体内分布 (131I摂取比)(γ線スペクトロメトリー )

240

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[文責:放射線衛生学講座 更新日:2008.4.1