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温熱療法(ハイパーサーミア)

8MHz誘電加温装置(Thermotron RF-8 山本ビニター社製)を用いた温熱療法を1988年より開始し現在に至るまで1000例を超す症例に施行しています。下記に示すような科学的根拠により、放射線治療や化学療法の治療効果の改善を目的に行っています。

 
■癌細胞への直接的効果。

人体に適応可能な温度(42.5℃以上)で殺細胞効果(細胞膜損傷、タンパク質変性など)が認められる。
腫瘍組織のほうが正常組織より加温されやすい。

■放射線治療の効果を増強し、相乗効果が得られる。

放射線が効きにくい細胞(低酸素・低pH・DNA合成期後期細胞など)は熱に弱い。
放射線の細胞損傷からの回復が熱によって阻害される。

■化学療法の効果を増強し、相乗効果が得られる。

加温により細胞膜の透過性が亢進し、細胞内の抗癌剤濃度が高まる。
抗癌剤によるDNA損傷からの回復が熱により阻害される。
40℃前後の比較的低い温度でも増強効果がある。
臨床使用されている大部分の抗癌剤が加温により増強効果が得られる。

■1960年代より本格的な研究がはじまり、1997年より健康保険の適応(電磁波温熱療法として)となっている。

■病変の存在する領域または局所を高周波で加温する方法(電磁波温熱療法)が主流である。領域・局所加温法は、通常、放射線治療や抗癌剤の副作用が増強されることはなく、集学的治療に組み込みやすい。

 

加温方法

深部領域加温

柔らかいパットのついた電極 (30cm径)で体をはさみ、電極間に電流が流れ体の深部が発熱します。体表面の熱感を防ぐために、表面のパットの中を冷却水が還流し、体表面を冷やしながら深部を加温する方法です。1回50分、放射線治療期間中に毎週1〜2回、あるいは、抗癌剤の点滴投与と同時に加温します。

表在局所加温

体表皮膚面に存在する腫瘍では、小型電極を用いた表在加温法で施行します。直接腫瘍温度を測定しながらの加温が容易で、特に体表面から隆起・突出した腫瘍では、43℃以上の良好な加温が可能な場合が多く、高い抗腫瘍効果が望めます。

 
 

当院では、上記方法を用いて局所進行期にある肺癌や食道癌、膵癌、子宮頚癌など、化学放射線療法の制御率の改善が望まれている疾患に温熱療法を積極的に同時併用しています。また、放射線照射野内再発例に対する再放射線照射や多剤化学療法耐性例への同一抗癌剤再投与との併用など、限られた治療選択肢の増感治療としても併用を試みています。

   
   
   
 

 

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文責 : 産業医大放射線科学教室 大栗隆行    最終更新日 : 2017/8/1