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各種放射線治療法

三次元治療計画

ほぼ全例の放射線治療でCTを用いた三次元治療計画を行っています。正常臓器の放射線照射線量の低減と腫瘍へのより高い線量集中性を満たすための必要不可欠な技術です。また、2008年度より照射台上でCTが撮像可能な放射線治療装置を導入し、より高い照射精度が得られる画像誘導放射線治療 (Image-guided radiotherapy: IGRT) を適宜行っています。

 
 
 

図 IGRT: コーンビーム CTによる位置照合法

照射時に、照射台上で得られたCT画像の骨(薄ピンク色)と治療計画CTの骨を3次元的に重ね合わせることで、より高い照射位置精度が得られます。

 
 
 

図 頭頚部癌のIGRTを用いた多門照射による正常耳下腺(赤点線)の線量低減

特に頭頚部癌に対してはIGRTを用いた多門照射を行うことにより、従来の照射に比べ正常耳下腺(赤点線)への照射線量を低減し、副作用である口腔内乾燥感の軽減に努めています。

 

強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)

従来の三次元照射法では腫瘍と放射線に弱い正常組織が複雑に近接する場合、腫瘍にのみ放射線を集中させることは困難でした。最近のコンピューター技術進歩による強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)は照射野内の線量強度を変化させ、より複雑な形状の線量分布を可能にする照射法です。腫瘍への線量集中性と周囲正常組織への線量減少の両者を高いレベルで可能とする画期的な方法です。高精度照射のため十分な精度管理が不可欠なため、治療計画から照射開始までに1〜2週間の準備・検証期間が必要となります。当院では、2010年7月より主に前立腺癌に対するIMRTを開始しています。

 

定位放射線治療 (Stereotactic radiotherapy)

定位放射線治療とは、いわゆるピンポイント照射法で、固定制度を1〜2mm以内に保つ高精度照射法のことを指します。1960年頃よりガンマナイフ、1983年頃よりリニアックラジオサージャリーが、主に脳腫瘍に対して開発されました。1990年代より体幹部に応用されるようになり、主に肺野型の孤立性肺癌に対して手術に匹敵する良好な局所制御率と生存率が示されています。当院では、定位放射線治療を脳、肺、肝臓に対して行っています。特に脳腫瘍では従来、固定制度保持のため頭部のピン固定が必要でしたが、IGRTを用いることでプラスチック製固定具(マスク)により非侵襲的に治療が可能となりました。体幹部でも同様に非侵襲的な専用固定具を使用し、呼吸性移動の大きい腫瘍では、呼吸の動きに合わせて照射する呼吸同期照射を用いることで、線量集中性を高めています。

 

 

図 定位放射線治療  脳や肺の腫瘍に多方向より放射線を集中させる。

 
 

小線源治療

小線源治療は、子宮腔内や食道腔内に管を留置して一定時間照射を行う腔内照射と、癌病巣に直接線源を刺入する組織内照射に分けられます。当院では、コバルト線源による腔内照射を行ってきましたが、2009年度よりイリジウム線源が導入され、子宮頸癌や食道癌の他、肺癌・乳癌・胆管癌など様々な癌に対する治療も可能になりました。

 
 

前立腺癌に対する永久挿入密封小線源治療

チタン製カプセル内にI-125という放射性物質を密封した線源を超音波ガイド下に、前立腺に直接挿入する方法です。線源は永久的に留置され、非常に低いエネルギーの放射線を約1年間出し続けるため、前立腺に連続的な照射が可能となります。周囲に対する放射線の影響はほとんどありません。通常4日間程度の入院で終わるため、早期の社会復帰が可能です。主に前立腺癌の低リスク群に対して行っています。
 
 
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文責 : 産業医大放射線科学教室 大栗隆行    最終更新日 : 2017/8/1