基礎研究室配属のテーマ(平成21年度)

 研究のテーマ 粒子状物質のヒト赤血球への影響

 

 研究の特色

 粒子状物質の生体影響評価において、試験管内での赤血球への影響、特に細胞膜障害(溶血)は、良い指標とされている。下に示すのはその1例で、ナノサイズを含む二酸化チタン粒子のヒト赤血球への影響である。本実験から、粒子サイズ(ナノ〜ミクロン)よりも、結晶構造(アナターゼ、ルチル、アモルファス)の差が、ヒト赤血球溶血能において、大きな意義をもつことが明らかになった。さらに血漿存在下では、溶血が完全に阻止されることが見出された。これは、たとえ二酸化チタン粒子が血管内に侵入したとしても、生体内では、溶血はおこらないことを示している。さらに、溶血がアルブミンだけでなく、グロブリンでも抑制されたことは、微細粒子の生体内「毒性」予防に関して重要な示唆を与えるものである。

 今回は、これらを出発点として、さらに幾つかの観点から、実験を進める。

  指導教員: 伊規須英輝, 住澤知之, Donald Wilson

  連絡先 :  環境中毒学資料室(内線 2398)FAX 692-4790


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<更新日:2009.5.14> <文責:環境中毒学>