
学生に多い心身症には以下のものがあります.
・反復性腹痛(学校に行こうと思うとお腹が痛くなる)
・起立性調節障害(ずっと立っていると気分が悪くなったり立ちくらみがする.身体がだるくて朝起きれない.授業,特に体育や部活についてゆけない)
・心因性発熱(午前中,熱がでる.いやなことがあったり,緊張すると高熱になる.微熱がつづく)
・過敏性腸症候群(緊張するとお腹が痛くなったり,下痢になる.下痢と便秘とを繰り返す)
・緊張型頭痛(はちまきを巻いたような,頭全体が締め付けられるような頭痛がする)
これらの病気は機能性疾患といって,血液検査や,レントゲン,CTやMRIなどの検査をおこなっても,形として見える異常(器質的異常)がみられない疾患です.
機能的疾患は,器質的異常がないのでたいした病気ではないと軽視するのは誤りで,正しく治療しないと社会生活が著しく障害され,学生では不登校の原因になったり,学業に支障をきたすことがあります.また,器質的異常がないので精神的な病気だと考えるのも誤りです.「あまえている」「根性がない」ために身体症状がでているのではありませんから,ただ頑張るだけでは病気はよくなりません.機能性疾患は不安,緊張などの情動の影響を大きく受ける身体の病気です.健康な人でも,緊張するとトイレが近くなりますが,トイレに30分もうずくまらなければならないほどの腹痛を生じることはありません.このような心身症に悩む人たちは,ストレスの標的となる臓器が普通の人より過敏なため,同じストレスを受けても身体症状が強くでるのです.だからこそ,心と身体の両面から治療してゆくことが大切なのです.
心身症は心理的要因の関与する身体疾患ですので,心理面と身体面の両方からの治療が必要です.
アトピー性皮膚炎,気管支喘息,円形脱毛症,潰瘍性大腸炎.これらは学生に多い器質的疾患です.器質的疾患においては,精神的要因は病気の増悪,遷延化,難治化因子として働くことが多く,通常の身体的治療だけではなかなかよくならない場合,心理的治療を組み合わせて治療します.
摂食障害(拒食症と過食症)も心療内科で治療することの多い疾患ですが,やせが著しい場合など身体的管理が必要な場合は心療内科や小児科,精神症状や性格要因が強い場合には精神・神経科での治療が望ましいと考えられます.
[担当:心療内科]