輸血関連 NEWS EYE   2003.10.23

「血液製剤の適正使用の推進」に関する報道がありました.

[日本医師会デイリーニュース2003/10/14]
使い過ぎ抑制に「目安」 血液製剤の標準使用量算定 厚労省、国内自給へ一歩 「1」
                                              [共同通信]

安易な血液製剤使用による感染症や副作用を防ぎ、製剤の国内自給を達成するため、厚生労働省は十二日までに、「標準使用量」を初めて算定し公表する方針を決めた。手術件数などに応じて医療機関をグループ分けし、平均的な使用量を示すことで゛使い過ぎ″を点検する目安とする。
  七月に施行された血液法は医療従事者に血液製剤の適正使用を義務付けており、厚労省は本年度末にも標準使用量を公表した後、使用量が極端に多い医療機関への個別指導も検討する。
  厚労省は過去に病床当たりの使用量を調査したことがあるが、例えば手術数が多い大学病院と療養型病院では製剤使用の必要性に違いがあり、単純に比較できなかった。
  今回は手術件数や救急患者数、療養型病床の有無などに応じて全国の医療機関をグループ分けし、血液製剤の使用実態をアンケート形式で調査。輸血用血液も含めたすべての血液製剤について、平均的な使用量をはじき出す。
  日本は欧米に比べて血液製剤の使用量が多いとされ、使い過ぎが指摘されてきた。今年六月以降は献血血液へのウイルスや細菌の混入が問題化し、輸血のリスクがあらためて注目された。
  厚労省は薬害エイズの教訓から、現在一部を輸入に頼っている血液製剤を2008年までに完全自給する目標を掲げており、感染症防止と自給達成の観点から使用量の抑制が急務となっている。

過剰使用県が献血集めを  「2」

  清水勝・杏林大医学部客員教授(臨床血液学)の話
 輸血は感染症や副作用のリスクがあり、不要な輸血はすべきではない。しかし、病院によっては手術後三日間は一律に血しょう輸血を続けるなど、効果が確実でないのに実施している例がある。標準使用量を示すとともに、医療機関ごとの血液製剤使用量を公表し、過剰使用している病院が一目で分かるようにすれば適正使用が進むだろう。また、今は献血血液の確保目標は都道府県に主に人口比率で課されているが、過剰使用が目立つ都道府県には献血血液をより多く集めさせるシステムも検討すべきだろう。  [共同通信]


コメント当院は各診療科のご協力により,福岡県下でも比較的適正使用が行われている施設のひとつです.輸血部では各診療科からの血液製剤の依頼時に最新の検査結果をもとに,必要に応じて輸血準備量の削減をお願いする場合がありますが,患者様のリスクの軽減と限りある血液製剤の有効利用のため,今後とも適正使用にご協力いただきますようお願い致します.


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更新日:2003.10.22 文責:輸血部