輸血関連 NEWS EYE   2003.12.20

採血時のミスにより,同姓患者の血液型を間違え患者が死亡した輸血事故の報道がありました.

[読売新聞ニュース速報]
O型患者にA型輸血、92歳女性が手術後死亡…千葉 [2003-12-20-20:11]

千葉県茂原市の公立長生病院(小野豊院長)は20日、手術中の女性患者に誤った血液型を輸血し、死亡させる医療ミスがあったと発表した。同県警茂原署は、業務上過失致死容疑で採血を担当した女性看護師(39)など病院関係者から事情を聴いている。

 病院の説明によると、亡くなったのは同市内の無職女性(92)。太ももの付け根を骨折して17日に入院した。
 翌朝、血液型検査などのために女性看護師が女性患者から採血する際、指示書にはフルネームが記されていたにもかかわらず、同姓の別の男性入院患者(87)と思い込み、男性患者のA型の血液を採取、輸血用にA型血液を取り寄せた。女性患者の血液型はO型だった。

 病院側はミスに気付かず、19日昼過ぎからの手術の際、女性患者に約400ccのA型血液を輸血したため、術後の同午後3時ごろから容体が悪化。女性患者は同午後6時25分ごろ、異なる血液型を輸血した「異型輸血」による多臓器不全で死亡した。

 同病院は、茂原署と茂原保健所に報告。院内に事故調査委員会(委員長・三上真副
院長)を設置した。


【コメント】
■ 検査用採血をするときに「同姓」の他の患者から採血をした。このため、クロスマッチは「適合」で、輸血された、、、ことのようです。

■ 輸血部では輸血実施前に、最低2回以上、血液型検査をするということを原則にしています。つまり1回目は輸血前検査(ABO・Rh血液型,不規則抗体検査)検体で,2回目は交差適合試験用検体で検査を行い血液型の確定を行っています。

■このような事故を回避するためにも、血液型検体と、交差適合試験用検体は採血のタイミングをずらして別々に提出して頂くことをお願いしております,ご協力下さい。

■ちなみに昨年,交差適合試験用として輸血部に提出された検体のうちで,過去に検査したABO血液型との不一致から,採血時の患者取り違えが発覚した件数は3件/4311件(0.08%)でした。皆さんはこの数字を多いと感じますか? 少ないと感じますか?


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更新日:2003.10.22 文責:輸血部