臨床検査・輸血部

1 概要 

  医師から依頼された検査に対して精度の高い臨床検査を迅速に実施しています。新しい検査技術の習得、精度管理を徹底し、検査の質の向上を図る努力を怠らないように心掛けています。診療支援、患者サービスの向上に力を入れ、より良い医療環境を作り、患者皆様の健康管理に役立ち信頼され、若松区地域における中心的な新しい時代にふさわしい臨床検査・輸血部になるよう努力していきたいと願っています。

 

2 特色

   臨床検査技師7名、受付3名で検査業務を行っています。検体検査、生理機能検査、輸血検査からなり、産業医科大学病院と連携し先進医療を支えています。特殊な検査項目を除いて産業医科大学病院と同等の検査を行っています。
 中央処置室の採血室も臨床検査・輸血部の管理に含まれ、医師からの依頼に準じた採血のみならず、治験、研究用採血もサポートしています。

 

(1) 中央採血室

   1階中央処置室内の採血室では血液・尿検査の受付を行い採血・採尿を行っています。また、持ち帰り検体の受付、喀出痰検査や便検査の受付も行っています。
  混み合っている場合は採血までお待ち頂く場合がありますが、採血後は検査結果が少しでも速く報告できるよう努力しています。患者取り違えなどの医療事故防止のため患者さん自身に名前・生年月日を言っていただくなどしていますので、ご協力をお願いいたします。

 

(2) 検体検査
 生化学検査(生化学・免疫・感染症・腫瘍マーカー)、血液検査(血算・形態・骨髄像・凝固)、血液ガス検査、尿検査(尿定性・尿沈査・尿生化学)、髄液検査(細胞数・髄液生化学)。検体の前処理、分注、搬送、分析を自動化したシステムを構築することで、正確かつ迅速な検査報告が可能となりました。検査依頼はオーダリングシステムとなっており検体の識別はバーコードを用いて、それを読み取ることで検査に必要な患者情報を得ることができます。
 検査結果を報告するまでの時間は尿検査・血液検査では迅速に報告しています。特に、外来至急検査を優先に処理していますので診察前に検査結果が病院の電子カルテに反映しています。血液検査、尿沈査、髄液・腹水・胸水検査では精度の向上を目的として顕微鏡を用いた目視検査を実施しています。またデジタルカメラで撮影することにより画像データでの報告も可能であり、技師のスキルアップにも努めています。


(3) 緊急検査(夜間・休日検査)
 緊急時に必要な項目:血液ガス検査、血液検査(血算、自動血液像)、生化学20項目、凝固検査4項目、髄液検査、インフルエンザ抗原検査、CDトキシン検査、尿中レジオネラ・肺炎球菌抗原検査、便潜血検査、輸血検査などの検査を行っています。
 また、職員の針刺し事故対策としてHBs抗原・抗体、HIV抗原・抗体検査等を行っています。

 

(4) 生理機能検査
   生理機能検査は医師・検査技師が直接患者さんと接して検査していますので検査を円滑にかつ正確に進めるために患者さんの協力が必要となります。

   循環器検査:心電図検査、トレッドミル運動負荷心電図検査、ホルター心電図検査、血圧脈波検査、心肺運動負荷検査
   肺機能検査:スパイログラフィー、機能的残気量
   神経生理検査:脳波検査、筋電図検査、神経伝導速度検査、脳誘発検査
   聴力検査(耳鼻科外来検査室で実施)
   眠障害検査:携帯型睡眠検査、終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)、反復睡眠潜時試験
   超音波検査:心エコー検査(医師実施)、腹部エコー検査、体表エコー検査、血管エコー検査、骨密度検査


(5) 病理検査
  病気の診断や原因の究明目的で採取された臓器・組織・細胞などは産業医科大学病院の病理診断科に送って専門医師による組織・細胞診断をしています。また、術中迅速病理診断にも対応しています。


(6) 微生物検査

  レジオネラ抗原、肺炎球菌抗原、CDトキシン、インフルエンザなどの迅速抗原検出は臨床検査・輸血部で実施しています。他の一般細菌検査、抗酸菌、ウイルス遺伝子定量検査などは外注検査となっています。

 

 3 患者様へ

  本院は大学病院であり、良質な医療の提供、学生の教育以外に、実地に即した臨床研究(観察研究)を行っています。このため患者様から得られた検査データを後日、研究解析のために使用させていただく場合がございます。

 また、正確で信頼性の高い検査結果を患者様へ提供するにあたり、検査を行うためにご提供いただいた検体の残余血液を有効に利用させていただくことがあります。 

 この場合、患者様のお名前などの個人情報を公にすることは一切ありません。研究の妥当性を倫理委員会で承認していただきますので、ご安心、ご了承ください。

 本邦独自の研究成果は今後の診療の上で皆様のお役に立てるものであり、ご理解いただければ幸いです。この件に関して、ご不明な点がありましたら、臨床検査・輸血部へお問い合わせください。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

 4  臨床研究のご紹介

  

 1)骨髄異形成症候群(MDS)の画像判定サポートシステム開発のための資料提供協力 

  骨髄異形成症候群(MDS)の診断には、顕微鏡による細胞形態診断が広く用いられています。

しかし、細胞形態の判断には、標準的な判断基準が十分に整備されておらず、目視による判定は主観に依存しています。また正しい判定を行うことができるようになるまでには長年の経験を必要とするため、絶対的に人員が不足しているのが現状です。 

 熊本大学医学部附属病院 中央検査部では機械学習を専門とする情報・工学系研究者との共同開発によりMDSに出現する細胞分類をを細胞画像から自動判定し、検査診断のサポートを行うことのできるソフトウェアーの開発研究を行っています。 

  今回、ソフトウェアーの学習機能を高めるために、本院に対し、MDS試料の提供の協力要請がありましたので、過去に本院に診療目的で検査依頼されたMDS症例の保存済み末梢血塗抹標本について試料提供行い協力する事といたしました。