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振動工具の継続使用と末梢神経障害との関連を明らかに ~臨床研究が新たな知見を提供~

 産業医科大学産業生態科学研究所、産業医科大学医学部は、振動工具取扱者における振動ばく露量と末梢神経障害の発症について前向きコホート研究を実施し、振動のばく露量と振動の末梢神経への影響に関して経時的に評価し、症状のない時点で神経伝導検査が振動障害のスクリーニング検査として有用かどうかに関しても検討しました。

 前駆期末梢神経障害と累積振動暴露との関係を調べ、過去の振動暴露から、暴露群では自覚症状のない時点にも関わらず、特に正中感覚神経において振幅や伝導速度に障害がみられることがわかりました。

 このことより、健診などに神経伝導検査を取り入れてsubclinicalな異常をスクリーニングすることが有用と考えられ、末梢神経障害の程度は、累積暴露量にも比例して進行していたため、健診データの蓄積によって症状が発現し始める暴露量も推測が可能となってくると思われます。症状のない時期でも健診項目に神経伝導検査を取り入れることで、振動障害の早期発見による予防的措置へつながると考えられました。

 本研究の結果は、日本時間2024年8月6日(火)午前9時に産業医学系の雑誌Journal of Occupational and Environmental Medicineのオンライン版で公開されます。

報道発表資料はこちらをご参照ください。