平成30年度 産業医科大学 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 939 382 522 806 1220 1715 3708 4376 2199 306
2018年度、当院はのべ15,072名の入院診療を行いました。年齢も、0歳から90歳以上まで幅広く、 受診していただいております。
北九州医療圏唯一の特定機能病院として、今後も科学的根拠に基づく安全かつ質の高い医療を提供します。

※昨年度の退院患者数よりも減少していますが、全国的に入院患者が減少している傾向が影響しています。
※年齢は入院時の年齢を基に集計しています。
※入院後24時間以内の死亡された症例や生後1週間以内に死亡された症例は、厚労省の公開ルールで集計対象外となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 192 11.74 15.58 8.85 58.14
070470xx99x30x 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 149 5.42 14.89 0 58.85
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし 79 11.37 15.90 11.39 63.19
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 85歳未満 31 13.32 11.05 0 55.48
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 副傷病なし 30 9.03 6.35 0 54.1
膠原病リウマチ内科では、
関節リウマチに対して生物学的製剤やJAK阻害剤などを導入する際には短期入院していただき、リスクの管理、適応と製剤決定、リウマチ教室などを行っております。
また、「全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患」は、全身性エリテマトーデスをはじめとした膠原病や血管炎症候群などを含みますが、生物学的製剤などもいくつか使用可能となり、治療選択も多様化してまいりました。
内分泌代謝糖尿病内科では、
2型糖尿病の教育目的での入院が多く、他にも多くの内分泌疾患に対応しております。
「副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍」はクッシング症候群、アルドステロン症などを含みます。
循環器内科、腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 136 5.71 4.47 2.21 72.19
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 133 3.64 3.15 0 71.51
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 129 6.79 5.15 0.78 63.91
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 101 3.67 3.01 0 68.99
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 61 12.38 11.01 11.48 79.52
循環器内科、腎臓内科では、虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査(左心カテーテル、右心カテーテル、血管内超音波検査等を含む)およびカテーテルインターベンション、頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術、上位5疾患でした。他に、慢性腎不全に対する内シャント術、徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術、慢性腎炎、慢性腎不全に対する腎生検、閉塞性動脈疾患や急性心筋梗塞、弁膜症、心不全、ネフローゼ症候群等の疾患治療が上位を占めていました。経食道心エコー図検査や負荷心エコー図検査も行う数少ない施設です。循環器病、腎臓病の幅広い分野に対応出来ており、かつ様々な疾患への素早い心腎連携治療も可能となっているのが特徴です。
消化管内科、肝胆膵内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 205 2.51 2.67 0.49 68.37
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 133 8.16 10.08 7.52 75.08
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 116 8.63 10.42 4.31 72.60
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 73 6.62 9.59 10.96 71.03
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 48 8.4 8.52 0 70.88
消化管内科、肝胆膵内科では、消化器疾患を中心に専門分野を消化管疾患と肝胆膵疾患に大きく分けて、各領域の専門医が診療にあたっております。
肝・肝内胆管の悪性腫瘍や肝硬変の多くは、B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患が原因となっており、ウイルス性肝炎の治療や、肝細胞癌に対しラジオ波焼灼療法やエタノール注入療法などの経皮的治療、肝動注化学塞栓療法、全身化学療法などを行っています。胆管結石、胆管炎、胆嚢炎、肝膿瘍などに対しては内視鏡的に胆管ドレナージ術や排石術、また経皮的ドレナージ術を行っております。膵腫瘍に対しては内視鏡的に穿刺吸引細胞診による病理診断を行い、診断の確定後に治療導入を行っています。食道・胃・十二指腸や大腸の早期悪性腫瘍に対して内視鏡的切除術を行っております。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2なし 副傷病なし 21 20.52 13.66 14.29 69.38
010130xx99x4xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等2-4あり 20 23.30 17.57 0 57.65
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 19 16.26 19.73 26.32 75.21
010090xxxxx00x 多発性硬化症 手術・処置等2なし 副傷病なし 16 20.06 14.49 25.00 47.75
010130xx99x0xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等2なし 12 17.92 14.72 8.33 61.42
運動ニューロン疾患

 運動ニューロン疾患とは、手・足、呼吸に必要な筋肉に筋力低下が起こる疾患です。症状は、手に力が入らない、歩けない、体に力が入らないなどです。いくつかの病気がありますが、筋萎縮性側索硬化症は発症すると進行が速く、多くが発症後3年から5年程度で呼吸筋の筋力低下を引き起こし、人工呼吸器無しでは死に至る病気です。球脊髄性筋萎縮症や脊髄性筋萎縮症では、最近進行を抑制する治療法が行われています。病院でのチェックを早めに受けることにより、正確な診断と適切な治療が受けられます。

重症筋無力症

眼瞼下垂や四肢の筋力低下がみられる疾患で動作によって筋力低下が増強するという易疲労性が特徴です。胸腺腫が合併している場合があります。ステロイド、免疫抑制剤、免疫グロブリンの大量静注療法や血漿交換などの治療により改善が得られています。胸腺腫が合併している場合は、切除術が行われます。

パーキンソン病関連疾患

手足がふるえる、動作が遅い、転倒しやすい、筋固縮、足がすくむなどを主な症状とする疾患でパーキンソン病をはじめ、レヴィ小体型認知症、薬剤性・脳血管性パーキンソン症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症などがあります。神経学的診察、頭部MRI、ドパミントランスポーターシンチなどで診断し、内服薬やリハビリによる治療を主に行います。


多発性硬化症

 多発性硬化症は脳や脊髄、視神経など様々な部位に病巣が生じることで、麻痺やしびれ感、感覚鈍磨、視力障害、めまい、歩行障害、排尿障害、認知機能障害などを来す慢性の神経疾患です。多くの場合、これらの症状が再発と寛解を繰り返しながら、徐々に神経障害が残存します。またまれに再発がなくても緩徐に神経障害が進行する場合もあります。急性期治療としてはステロイドパルス療法を実施し、再発予防目的の維持療法の導入を検討します。本邦では再発予防のための治療薬として注射剤と内服薬を合わせて6種類の薬剤が使用可能です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 63 8.92 6.17 3.17 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 48 16.25 11.32 0.00 0.00
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2-2あり 28 33.39 27.46 3.57 0.00
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 6.3 5.71 0.00 4.63
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 25 8.56 6.19 0.00 6.76
「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし」
2500g以上でお生まれになった赤ちゃんで、先天的な病気や、呼吸障害、予期せぬ異常があったため治療が必要になった赤ちゃんを示しています。赤ちゃんが入院する NICU(neonatal intensive care unit; 新生児集中治療室)では早産児の全身管理や人工呼吸器などを使用した呼吸障害の治療はもとより、低体温療法、NO吸入療法、 血液浄化療法など高度な治療を幅広く行っています。一方、GCU(growing care unit;新生児治療回復室)では退院後の赤ちゃんとの生活へスムーズに移行できるような 環境づくりと多職種による育児支援を積極的に行い、家族が暮らす地域との連携を積極的に図っています。また、院外の分娩施設で、出生後の赤ちゃんの具合が悪い ときは当院の医師が診察に行き、赤ちゃんの搬送を行ったり、未熟児網膜症の治療のため県外から赤ちゃんを受け入れたりしています。

「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし」「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2−2あり」 
妊娠期間が37週未満で生まれた赤ちゃんは早産児、2500g未満で生まれた赤ちゃんは低出生体重児と診断されます。(なお、出生体重が1000g未満であれば超低出生体重児、1500g未満であれば極低出生体重児と診断されます)。早産児、低出生体重児は出生後に呼吸障害や低血糖などの問題が起こることが多いためNICU(neonatal intensive care unit; 新生児集中治療室)に入院して治療を受けます。短期間の点滴や酸素、人工的な呼吸補助を必要とすることありますが、多くの赤ちゃんが予定日頃までには退院できます。入院中もカンガルーケアや直接授乳の介助などを積極的に行い、お母さんと赤ちゃんが退院後の生活へスムーズに移行できるようにサポートを行っています。

「肺炎等(1歳以上15歳未 満)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし」「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし」
気道感染症は、小児の感染症でもっとも頻度が高く、当科にも多くの患者様が入院され、加療を行っています。当科の特徴は、健常な小児だけでなく、基礎疾患を有 する小児も多く入院していることです。しかし、基礎疾患を有する小児においても気道感染症の原因に大きな変化はないため、基礎疾患の有無にかかわらず、標準的 な治療を行い良好な経過が得られています。入院期間もほとんどが1週間以内であり、早期に自宅でも対応可能な治療に変更する方針のもと診療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 30 15.87 16.18 30.00 69.87
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 16.45 18.72 48.28 68.07
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 16.27 9.69 31.82 75.73
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 17 15.12 16.16 52.94 76.53
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 16 8.88 7.28 18.75 60.25
産業医科大学脳神経外科では、脳腫瘍の治療に特に力を注いでいます。脳腫瘍には摘出すれば完治する良性の腫瘍から。外科治療後に放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)が必要になる悪性度の高い腫瘍まで様々です。当科では、全ての脳腫瘍治療に対する体制が完備され集学的な治療を施行しています。

非外傷性頭蓋内血腫には、脳出血(脳内出血)、くも膜下出血などの疾患があります。来院後、これら出血の増大を防ぐ治療を早期に開始し、外科的治療の必要性を検討します。運動麻痺などの症状に対しては早期からリハビリを開始し、頭蓋内血腫の原因となる基礎疾患の有無を精査し、今後の再発予防に対する治療を行います。

交通事故、転落転倒事故などにより、頭の中に損傷を生じた場合(急性硬膜下血腫、脳挫傷など)、急激に意識障害が進行することがあり、一刻も早い治療が必要になります。当院では常時救急車を受け入れており、救急科、集中治療科と連携して治療を行っています。手術が必要と判断された場合には、麻酔科とも連携し、時期を逸することのないよう迅速な手術加療を行っています。

交通事故、転落転倒事故などにより、頭の中に損傷を生じた場合(急性硬膜下血腫、脳挫傷など)、急激に意識障害が進行することがあり、一刻も早い治療が必要になります。当院では常時救急車を受け入れており、救急科、集中治療科、麻酔科とも連携し、迅速な診断、治療(手術や集中治療)を行っています。

未破裂脳動脈瘤は、頭蓋内動脈の一部がコブ状に膨らんだ状態で(「瘤」はコブ状に膨らんだ状態のことを瘤と呼びます)、多くは動脈と動脈の分岐部分に認められます。この動脈瘤が破裂すると、脳を包んでいるうすい膜(くも膜といいます)の下に出血が広がり、これをくも膜下出血と呼んでいます。くも膜下出血は、生命にかかわる病気であり、社会復帰できるのは、約3人に1人とも言われています。当科では、くも膜下出血の治療を積極的に行っています。また、未破裂脳動脈瘤に対しては、動脈瘤の大きさ、部位、形状などから破裂する危険性の評価を行い、厳密な適応のもとに手術を含めた治療方針を検討しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 101 17.74 24.26 89.11 75.57
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2-1あり 70 3.43 2.79 2.86 70.56
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 67 18.37 22.27 94.03 69.91
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1なし 62 15.4 20.71 59.68 70.61
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 47 15.53 16.80 51.06 72.32
変形性関節症やリウマチ性関節炎の患者さんを数多く診察しています。当院では、膠原病リウマチ内科(第1内科学講座)と緊密な連携をとりながら関節リウマチに対する最新の薬物治療を行い、必要な患者さんに対して人工関節置換術(膝・股)を行っています。年数が経過し、人工関節のゆるみが生じた症例に対しては人工関節再置換術を行っています。術後早期からリハビリを開始し、回復期リハ病院との連携も円滑に行っています。必要に応じて術前に自己血を貯血し、99%は他人からの輸血なしで手術ができています。脊柱管狭窄症(腰部および頸部)に対しては、病態に応じて脊椎固定術や椎弓切除術や椎弓形成術を行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 84 9.56 8.16 3.57 75.94
03001xxx99x4xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 33 4.18 12.90 0.00 84.52
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 32 17.19 12.51 9.38 68.31
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 25 4.16 4.05 0.00 55.96
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 19 8.63 8.98 0.00 60.53
大学病院という特性上、近隣の医療機関より多くの手術療法を必要とする皮膚腫瘍症例の紹介を受けます。また、円形脱毛症の重症型に対するステロイドハーフパルス療法も当科の特色であると言えます。
消化器・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 60 15.43 15.30 3.33 71.70
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 58 7.17 7.30 3.45 60.86
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 50 5.74 4.96 2.00 68.66
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 42 10.17 10.59 0.00 62.86
060020xx02x00x 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 15.07 16.49 0.00 72.59
 当科は、消化器・内分泌外科を中心に一般外科を担当し、専門疾患を大きく次の4つに分け、各領域に専門医スタッフをおき診療を進めています。
1)食道から胃・十二指腸までの上部消化管
2)小腸・大腸・肛門の下部消化管
3)肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓
4)甲状腺・副甲状腺や乳腺などの内分泌領域
 
 外来日は月曜・水曜・金曜で、それぞれの専門グループが外来を受け持ちます。食道・胃・大腸癌とともに膵臓癌・肝臓癌・胆道癌では外科手術のみならず、放射線化学療法などを組み合わせた集学的な治療により効果を上げています。外科手術では、腹腔鏡(カメラ)を使った手術を積極的に導入して、傷が小さく術後の痛みが少ない、なにより患者さんが楽な低侵襲手術を行っています。また乳癌の手術においても癌の拡がり範囲を画像検査や術中の顕微鏡検査で同定し、積極的に乳房温存手術を行っています。いずれの疾患でも患者さん中心の医療を心がけています。
呼吸器・胸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 206 15.83 11.87 8.74 70.10
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 69 11.83 10.00 1.45 69.61
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-8あり 59 8.14 10.62 0.00 68.14
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 47 5.13 3.43 6.38 70.38
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-7あり 副傷病なし 45 10.04 10.92 0.00 67.80
 当院では、肺癌の種類や進行度を考慮して、低侵襲で、かつ根治することができる治療を行うために、一人一人の患者さんに個別に最適な治療を選択しています。
 肺癌のⅠ-II期は手術療法が主体であり、肺葉切除が標準手術となります。III期では、抗がん剤や放射線治療と手術を組み合わせた治療を行います。抗がん剤や放射線治療を行った後に手術療法で完全切除して根治を目指す手術(サルベージ手術)も行っています。IV期では手術療法が行われることは稀ですが、局所のコントロール目的に手術を行う事があります。
 手術で完全切除できない癌の患者さんの場合は、抗がん剤治療もおこなっています。特に肺癌に対する抗がん剤治療は目覚しい進歩を遂げており、従来から行われてきた殺細胞性抗がん剤に加えて、分子標的治療薬である上皮成長因子受容体に対する阻害薬、ドライバー遺伝子変異に対する治療薬、そして最近話題となった免疫療法(PD-1抗体やPD-L1抗体)を用いた治療もおこなっています。当院には、このような抗がん剤治療にも精通した医師が外科的治療だけでなく抗がん剤治療も行い、常に最新の知見を得ることで、患者さんにとってより最適な治療を提供できると考えています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 144 2.15 2.53 0.69 72.05
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 142 5.39 7.20 2.11 73.37
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 65 7.38 5.62 3.08 62.58
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 54 11.43 12.63 0.00 68.98
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 31 11.06 11.50 6.45 67.65
産業医科大学泌尿器科では悪性腫瘍の診療に最も力を入れています。そのため、泌尿器科の代表的な悪性腫瘍である腎臓がん、前立腺がん、尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん)の手術を特に多く行っています。
前立腺がんにおいては平成30年1月から、腎臓がんにおいては平成30年度12月からそれぞれ、ダ・ヴィンチを用いたロボット手術も開始し、まずます症例数が増加しています。また、膀胱がんに対しては県内有数の症例数を有しており、内視鏡手術、腹腔鏡手術を数多く行っています。
また悪性腫瘍の診療については、手術のみならず薬物療法にも力を入れています。近年泌尿器悪性腫瘍分野では免疫チェックポイント阻害薬などの新たな薬剤が次々と使用可能となっており、患者様個々に応じた最適な治療を提供すべく日々診療にあたっています。
その他、症例数の多い手術としては尿路結石や前立腺肥大症に対する手術が挙げられます。尿路結石に対する手術としては、腎結石に対する従来のものより細い内視鏡を用いた治療や、ファイバーの尿管鏡を用いた結石治療を積極的におこなっています。また、前立腺肥大症に対するより出血が少なく確実な切除を可能とした術式(経尿道的前立腺核出術)など新しい手術も積極的に取り入れています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 487 2.81 2.84 0.00 71.75
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 105 10.62 9.75 0.95 48.76
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 55 8.69 7.05 0.00 68.58
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 48 8.9 8.00 0.00 67.9
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 37 7.22 6.55 0.00 67.7
当院では、白内障、緑内障、斜視に対する手術や角膜移植術などを行っています。
「未熟児網膜症」に対する硝子体手術を行っている、全国でも数少ない施設のうちの1つです。
視神経症、ぶどう膜炎や角膜潰瘍などに対する入院加療を行っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 151 2 2.04 0.00 54.51
030428xxxxxxxx 突発性難聴 76 9.7 9.02 0.00 58.66
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 52 8.08 7.89 0.00 23.1
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 48 9.69 8.29 0.00 51.56
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 47 7.28 7.37 0.00 60.94
当科では、耳鼻咽喉科領域の疾患に対して、科学的根拠に基づいた標準的な治療を安全に提供できるように努力しています。難聴(突発性難聴)、顔面神経麻痺、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嗅覚・味覚障害、睡眠時無呼吸、音声・嚥下障害、急性炎症(中耳炎、副鼻腔炎、扁桃炎など)などについては、専門的に診断・治療をおこなっています。臓器温存希望・切除困難な頭頸部癌(手術なし)に対しては、外来や短期入院での化学療法・放射線療法を基本としています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-2あり - 13.67 33.49 50.00 85.33
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり - 35.83 23.14 16.67 77.17
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2-2あり - 28.67 23.39 50.00 77.5
060010xx97x2xx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2-2あり - 49.67 44.05 66.67 71.33
040240xx97x0xx 肺循環疾患 手術あり 手術・処置等2なし - 4.00 7.03 0.00 71.33
放射線科には院内標榜における「放射線科」と「放射線治療科」が含まれております。

放射線科の入院患者数は、主に他院から放射線治療科に直接依頼があった場合で、放射線治療科が主治医として入院管理が必要となった患者数に相当します。ほぼすべてが放射線治療目的の患者であり、全身の癌種が対象となるため疾患病名は多様です。
年間に放射線治療科が施行する放射線治療患者の総数は約850名にのぼり、多くは院内他科からの依頼や外来患者で占められます。放射線科の入院患者は、放射線治療を施行した患者全体のごく一部の患者の内訳となります。

2019年度より、放射線治療等が増設され、定位放射線治療(SRT)や強度変調放射線治療(IMRT)の治療患者数の増加が予想されています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 44 24.55 17.67 0.00 69.25
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 25 21.92 9.89 0.00 55.72
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - 47.75 16.18 62.5 68.00
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 49.29 18.72 28.57 65.29
010060x2990211 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - 45.50 18.38 50.00 79.00
「亜急性期脳卒中」脳卒中急性期治療後~発症後2ヶ月以内を対象に、回復期病院転院や自宅退院に向けて、障害診断、装具作製、機能訓練などのリハビリテーション治療を行っています。
「脳卒中後遺症」に対する入院リハビリテー ションとして、記憶障害や遂行機能障害など「高次脳機能障害」、飲み込みにくさや誤嚥など「嚥下障害」、片麻痺手足のつっぱり「痙縮」、障害者の就学就労に関する「就労・職場復帰」、脳卒中後の運転再開に向けた「自動車運転適性評価」などの、専門的な障害診断・能力評価・リハビリテーション治療が可能です。また、適応に応じて、上肢機能訓練装置(アームトレーナー、IVES)、経頭蓋直流電気刺激、ボツリヌス治療、新しい短下肢装具(足首アシスト装置)などを用いて、より先進的なリハビリテーション治療にも取り組んでいます。「小児麻痺後遺症」に対する入院リハビリテーションとして、障害診断、ポストポリオ症候群の診断、軽量なカーボン製長下肢装具作製、リハビリテーション訓練などを行っています。
特殊検査では、CT, MRIの他に神経生理学的検査(筋電図、誘発電位)、嚥下機能評価(嚥下造影検査、嚥 下内視鏡検査)、三次元動作分析装置による歩行分析などで専門性の高い診断が可能です。さまざまな疾患を対象に、職場復帰後の「治療と就労の両立支援」にも対応しています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 141 2.52 6.17 0.71 0.00
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 111 3.57 4.85 0.90 62.72
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 75 6.04 6.28 0.00 40.75
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 68 3.31 3.20 0.00 41.63
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 67 5.24 6.16 0.00 43.78
妊娠期間短縮、低出生体重児に関連する障害
当院は総合周産期母子医療センターを開設しており、種々のハイリスク妊娠、出産管理を行なっているため、出生後にNICU(新生児科)管理入院までは要さない場合でも、産婦人科医による入院管理を行なっています。

子宮頸、体部の悪性腫瘍 手術なし
子宮頸がんは手術以外に放射線治療で治療する場合がある。その場合は現在は放射線の効果増強を目的とした化学療法を併用することが多いです。子宮体癌は手術療法が主な治療法ですが、術後の補助療法や再発時には化学療法や放射線治療を行うことがあります。

胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等
当院は総合周産期母子医療センターであり、胎児環境の悪化が予測される場合に帝王切開術や早期の分娩誘発を行うことがあります。

卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術 腹腔鏡によるもの等
低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は現在適応が拡大され、積極的に臨床で用いられている当院には婦人科内視鏡技術認定医が常勤しており、積極的に適切な適応と判断した症例には鏡視下手術を行なっています。

子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等
子宮の良性腫瘍として最も頻度が高いのは子宮筋腫である。子宮筋腫は過多月経や圧迫症状等の症状を呈することがあり、ホルモン療法を行う、筋腫のみを摘出する、子宮全摘をするなどの治療を当院で行なっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 209 2.60 3.43 2.39 70.11
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 125 16.95 19.06 20.00 70.64
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 115 16.81 10.00 1.74 71.63
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-5あり 86 22.78 19.34 4.65 69.44
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-7あり 副傷病なし 43 13.91 10.92 2.33 67.98
産業医科大学病因 呼吸器内科 呼吸器病センターでは、呼吸器疾患全般を対象としており、主に肺悪性腫瘍、間質性肺疾患、COPD、気管支喘息、急性・慢性呼吸器感染症などを診療しております。入院は、肺悪性腫瘍と間質性肺炎の患者さんが多く、特定機能病院としての大学病院として地域の中核医療機関として特発性間質性肺炎や肺癌などの難治性疾患の紹介が多いことや、肺癌、悪性胸膜中皮腫などの集学的治療(化学療法、放射線治療、手術等)が対象であることが主な理由です。

※年間で10症例未満の症例は個人情報保護のため表示されません。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1-1,2あり 手術・処置等2-1あり 14 34.5 26.73 7.14 65.00
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり 副傷病なし - 30.67 24.00 11.11 65.78
050080xx0111xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2-1あり - 45.71 37.34 28.57 70.71
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 - 3.6 2.85 0.00 67.80
050050xx0112xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1-1,2あり 手術・処置等2-2あり - 54.75 37.74 28.57 70.71
当科は、循環器内科、腎臓内科と連携してハートチームを形成し、循環器病の診療にあたっています。その中で当科は、心臓疾患と血管疾患の外科治療(手術)を担当しています。近年は、高齢者や透析患者、重症症例といったハイリスクケースが増加し、手術内容も単独手術にとどまらず、難度の高い複合手術を行う機会が増加しています。良好な結果が得られるよう、チーム一丸となって積極的に取り組んでいます。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 28 3.18 3.15 0.00 66.86
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 25 7.48 8.23 0.00 51.12
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 19 4.79 5.37 0.00 36.26
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 17 2.41 3.82 0.00 8.00
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 14 5.43 8.16 0.00 75.71
眼瞼下垂 形成外科では診療科別DPC係数、術式件数共に眼瞼下垂症が1位となりました。これは加齢に伴う眼瞼下垂の治療が知られてきたこと、近隣の眼科よりの紹介が年々増えている結果だと思います。加齢に伴う眼瞼下垂症では一般的に眼瞼挙筋腱膜を瞼板に短縮して縫合する方法を基準に行なっています。これは局所麻酔で行い、手術中に座位になっていただいて開瞼の改善程度を確認して行います。外来手術でも可能ですが、手術当日に十分眼瞼部を冷却、安静にすることで術後の腫脹や紫斑形成が少なくなることを考え、手術前日からの2泊3日手術をおすすめしています。他方先天性眼瞼下垂症では眼科と共同して手術時期を考えますが、2-5歳前後で行うことが多く、大腿筋膜を利用して前頭筋への釣り上げ術を基準に行なっています。小児期の手術であり全身麻酔下となります。また入院期間は筋膜採取部の状態で数日間要しています。乳房再建
 乳がん切除後の乳房再建としてはご自身の背中や腹部の皮膚、筋肉を移動させて行う筋皮弁という方法:自家組織再建とシリコンインプラント:人工物を用いる再建があり、昨年は人工物による再建数が多くありました。残念ながら人工物を用いた再建におけるシリコンインプラントにより二次的にリンパ腫が発生する報告があり、国内でも死亡例がでました。そのため世界的にこのインプラントが使用停止となりました。代わりに用いることができるインプラントもありますが今まで用いていたものに比べて再建できる形態などが落ちる可能性があります。当科としては当面人工物による再建は慎重に行います。他方自家組織による乳房再建は今後も十分対応できますので再建希望の方は乳腺外科医と相談しながら今後も行っていく予定です。
顔面外傷
 スポーツや交通事故などにより顔のケガ(外傷)に対応しています。顔面を構成する鼻骨や頬骨などの骨折の整復や骨折がなくても深い部分まで損傷すると顔面神経麻痺を生じ、顔面の変形をきたすことがあり再建を行います。骨折に関しては受傷直後は顔の腫れがひどく、また他の部位の損傷の可能性もあることから受傷後1週間前後で入院の上整復することが一般的です。受傷後3−4週間以上経過すると骨折部位が癒着し、整復が難しくなりますので整復時期の判断は重要です。また眼の周りの骨の骨折によって眼が痛くなったりものが2つに見えたりする場合は早急な整復が必要な場合もありますので一度は早く受診されることをおすすめします。整復は一般的には全身麻酔下に骨折部位を整復し、チタン製のプレートや吸収性のプレートなどで固定します。骨折部位に到達するには顔の皮膚を切らないといけませんのでできるだけキズあとが目立ちにくい部位を考えて切開を行っています。

皮膚腫瘍(悪性を含む)
 体表面の腫瘍切除及びその再建も形成外科では積極的に行っています。特に顔面の腫瘍切除後の変形は患者さん自身にとっても社会生活をおくるうえで重大な問題であると考えます。そのため形成外科ではできるだけ腫瘍切除後の変形がより小さく、目立たなくすることを目指した治療を行っています。部位や腫瘍の大きさによって単純に縫合して線状のキズあとを残す場合や近くの組織を移動させる皮弁、離れた部位から皮膚を移植する植皮などの再建方法を選択して行っています。また悪性腫瘍に関しては手術中に迅速検査で十分切除できていることを確認後再建を行っています。入院期間は再建方法によりますが3−10日くらいです。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 64 12.83 26.30 93.75 83.22
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 2.33 3.56 0.00 41.87
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 10 5.30 19.61 80.00 78.40
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 10 7.2 5.68 30.00 62.80
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 8.75 20.92 62.50 80.38
外傷に積極的に対応しており、救急科の整形班で診察、手術、術後管理を行っているため、転倒などによる大腿骨近位部骨折の患者さんが多く、同様に腰椎、前腕骨、鎖骨等の骨折も多いです。また、総合診療科がないため、めまい、敗血症をはじめとした種々の感染症、脱水などの体液量減少などの患者さんにも対応しています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 83 18.84 16.17 3.61 67.93
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 56 16.11 17.10 3.57 64.89
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2-2あり 51 34.41 40.13 0.00 57.82
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2-5あり 29 21.24 23.43 6.9 66.45
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 22 28.45 32.36 9.09 65.55
急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫や白血病に対して、根治目的にて抗体・小分子化合物などの分子標的薬を含む化学療法や自家・同種造血幹細胞移植を中心とします。多くの血液専門医のもと、重篤な易感染症例には無菌室(ISO6以上)にて管理を行い、高齢者や臓器合併症を有する患者には、症例リスクに対応した治療を選択します。入院症例では血液腫瘍がその重症度から主となりますが、外来では、貧血や血小板異常、白血球異常の診療を行っています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 16 3.00 2.82 0.00 3.75
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 2.00 7.40 0.00 2.67
010310xx97x0xx 脳の障害(その他) 手術あり 手術・処置等2なし - 8.00 19.42 0.00 1.00
060130xx02000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 内視鏡的消化管止血術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 7.00 8.90 0.00 6.00
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 - 3.00 5.49 0.00 8.00
当科では小児の鼠径ヘルニアはすべて腹腔鏡で行い、術後の痛みが少なく傷が目立たないよう工夫しています。小児科に入院したまま行う手術はデータに反映されていませんが、表の他に腹膜炎併発例に対する腹腔鏡下虫垂切除術や抗がん剤投与のための長期留置型中心静脈カテーテルの留置、新生児の人工肛門造設等を行なっています。当科は栄養管理が専門のため経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)では様々な工夫を行い患者さんの負担が軽くなるように努め、術後も綿密にフォローしています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 82 13 24 42 10 36 1 8
大腸癌 48 44 93 67 14 56 1 8
乳癌 58 74 43 10 20 55 1 8
肺癌 151 41 137 193 32 471 1 8
肝癌 18 29 36 16 13 163 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、5大がんに限らず全てのがん種において、手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療などを組み合わせることで、早期がんや進行がん、再発・転移がんに対し、様々な治療法を提供しております。詳しくは、がんセンターHP内「がん種別診療特徴PR(https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/hpgaiyo/hpbumon/gancenter/ganoutline/tokutyou/PR.html)」をご覧ください。

胃がん、大腸がん
 主に「消化器・内分泌外科」、「消化管内科、肝胆膵内科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。手術は基本的に腹腔鏡を使用していますが、一部はロボット支援手術で切除から再建まで行っております。早期がんについては、内視鏡を使用した治療も積極的に行っております。切除不能進行がんや再発・転移がんについては、従来の抗がん剤に加え、分子標的治療薬を用いた治療も行います。平成29年度における当院の傾向として、胃は早期がんに対する治療が、大腸は進行がんおよび再発・転移がんに対する治療が多いです。

乳がん
 主に「消化器・内分泌外科」、「呼吸器・胸部外科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。手術では、根治性だけでなく整容性の向上を目指して、傷口が目立たないよう内視鏡を用いての乳房部分切除を導入し、積極的に行っています。また形成外科と連携して、エキスパンダーや自家組織を用いた乳房再建術も行っています。乳がんでは組織のサブタイプによって、適切な抗がん剤やホルモン療法剤、分子標的治療薬を選択した薬物療法を行います。乳がんの病期によっては術前の抗がん剤と分子標的治療薬の投与も積極的に行っています。放射線治療は、乳房部分切除後に温存部分の再発防止のために行うほか、進行再発した乳がんの局所の治療においても積極的に行っています。平成29年度における当院の傾向としては、早期がんと再発・転移がんに対する治療が多いです。

肺がん
 主に「呼吸器・胸部外科」と「呼吸器内科」、「呼吸器病センター」、「放射線科・放射線治療科」で診療しております。当院においては、治療数が最も多いがん種です。また、九州でトップクラスの外科手術症例数となっています。様々な合併症を有するリスクの高い症例に対しても、関連する多職種が協力して最新の知見を駆使し、安全性の高い先進的な治療を行っております。早期がんについては、胸腔鏡と一部はロボット支援手術を使用した低侵襲性な手術を行います。進行がんや再発・転移がんについては、従来の抗がん剤に加え、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬を用いた治療や放射線治療も行っています。平成29年度における当院の傾向としては、早期がん、進行がん、再発・転移がんとあらゆる状況に対応しております。

肝がん
 「消化管内科、肝胆膵内科」、「消化器・内分泌外科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。切除可能な場合は積極的に手術を行っております。手術以外でも、身体の外から針を刺し、がんに対して局所的に治療を行う療法(ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法)や、カテーテルを用いてがんに栄養を運んでいる血管を塞栓物質や抗がん剤を混ぜたもので人工的に塞ぐ肝動脈塞栓療法(肝動脈化学塞栓療法)も多数行っております。適応を考えて放射線治療も行っています。また、分子標的薬を使った治療も行っています。さらに、肝がんになりやすいウイルス性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎)の患者さまの抗ウイルス療法を積極的に行っています。平成29年度における当院の傾向としては、再発・転移がんに対する治療が多いです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 15 11.13 62.8
中等症 62 12.76 76.44
重症 - 20.57 76.29
超重症 14 12.71 79.79
不明
産業医科大学呼吸器センターでは、肺疾患全般を受け入れており、主に肺腫瘍、COPD、気管支喘息、間質性肺疾患、呼吸器感染症を診療しております。上記の表は成人市中肺炎の患者数ですが、一般の罹患割合と違い、中等症以上の肺炎を多く診療しております。それは、大学病院という地域の中核医療機関として、一般病院からの重症肺炎の受け入れが多いこと、基礎疾患を有する患者が多く通院しており重症化しやすい患者層が多いことが理由になります。

※なお年間で10症例未満の症例は、個人情報の保護の観点から症例数等は表示されません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 134 22.97 72.57 48.32
その他 15 19.13 78.47 2.38
 脳血管障害は、前触れなく脳の血管が破けたり、詰まったりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり、脳の働きに障害が起きる急病です。脳は脳卒中にとても弱く、血液が途絶えると短時間で回復不可能な程度に脳組織が損傷されてしまいます。こうなると、手足の麻痺や言葉を話せない、食べ物が飲み込みにくい、などの難治性の後遺症を残すことがあります。脳血管障害は原因により、「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞、一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血、クモ膜下出血)」の大きく2つに分けられます。
 脳梗塞では、発症4.5時間以内に治療が開始できる超急性期脳梗塞にはt-PA(tissue plasminogen activator)の投与による治療が行われ、早期再灌流により症状が改善して軽微な後遺症のない状態で復帰できることが期待できます。また、t-PA 療法単独では血流が再開できない脳梗塞の場合は、血栓を除去する血管内治療が行われ、著効例では重症脳梗塞患者さんが劇的に改善して社会復帰されます。この血管内治療は発症6時間以内に行われると良好な結果が得られますので、1分でも早く病院に患者さんが搬送されることが最も大切です。超急性期再灌流療法の適応とならない患者さんは、抗血小板剤、抗トロンビン薬や活性酸素を消去して脳を保護するエダラボンによる治療が行われます。心原性脳塞栓症には抗凝固療法が行われます。この場合は、重篤な後遺症が残ってしまうことも少なくありません。
高血圧性脳内出血に対する急性期治療は、出血には止血が第一の目標になります。高度の高血圧は脳内出血を拡大させますので、迅速に降圧が行われます。各種の止血剤も使用されます。これらも時間との勝負であり、早ければ早いほど止血が早期に完了し、患者さんの救命率と機能が良くなります。
クモ膜下出血は、脳の表面でクモ膜の下の層を走っている動脈にできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて、クモ膜の下に出血が広がる疾患です。突然の激しい頭痛と吐き気が起こります。クモ膜下出血の前兆には、「軽い頭痛」と「動眼神経麻痺」があります。クモ膜下出血の出血量が多く、重症の場合には、意識をなくしたり、突然、瀕死の状態になったりする場合があります。治療は、実際に頭を開けて脳動脈瘤を処理する方法(開頭クリッピング術)やカテーテルを使って原因となった脳動脈瘤の中に細い金属製のコイルを詰めて、こぶの内側を埋めるコイル塞栓術があります。
 脳血管障害の状態が安定すれば、急性期臥床時から積極的にリハビリテーションが行われます。その後、急性期病院から回復期リハビリテーション病院、維持期療養型あるいはかかりつけ医での途切れることのないリハビリテーションが続けられます。この慢性期には、非心原性脳梗塞症に対して抗血小板療法、心房細動による心原性脳塞栓症に対しては、抗凝固療法が行われます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科、腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 112 2.69 3.64 6.25 72.11
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 89 3.88 3.63 1.12 64.85
K610-3 内シャント設置術 75 6.44 11.32 12 72.25
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 59 2.49 9.51 13.56 80.22
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 42 2.36 4.86 9.52 72.07
経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的カテーテル心筋焼灼術、内シャント設置術、ペースメーカー移植術、が上位5疾患でした。他に、四肢動脈や腎動脈の血管拡張術他や植込み型除細動器移植術や腹膜透析用カテーテル留置術、経食道心エコー図検査や負荷心エコー図検査も当内科で行っており年々多くなっています。内科診療科の中でも多数の手術、手技を行っており、いずれも増加傾向です。
「腎炎」「腎不全」「透析」については、本学の循環器内科、腎臓内科のホームページ(https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/2nai/homepage/i_jinzou-kanzou_j.html)に詳細がございますので、こちらも併せてご参考にしてください。
消化管内科、肝胆膵内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 176 0.13 1.05 0.00 68.51
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 155 1.33 9.34 7.1 74.85
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 116 1.28 6.52 2.59 72.62
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 46 1.46 4.39 8.7 71.59
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 40 0.25 2.65 2.50 69.13
消化管内科、肝胆膵内科では、消化器疾患を中心に専門分野を消化管疾患と肝胆膵疾患に大きく分けて、各領域の専門医が診療にあたっております。2018年度は術式別に、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)、内視鏡的胆道ステント留置術、血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)、内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)が上位でした。
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は大腸ポリープに対する内視鏡的治療で、良性の腺腫性ポリープや早期の大腸癌に対して低侵襲かつ根治的な切除を短期入院で行っています。内視鏡的胆道ステント留置術は胆管結石や胆道悪性腫瘍、膵悪性腫瘍などによる閉塞性黄疸や胆管炎に対して胆道ドレナージを行う治療です。内視鏡的乳頭切開術は胆管結石を取り除くために、十二指腸乳頭部を切開し排石を行う治療です。血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)は主に肝細胞癌に対する血管治療として行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 19 0.00 30.11 5.26 0.00
K190-5 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 17 4.06 5.24 0.00 15.53
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 13 0.00 40.54 7.69 0.00
K1742 水頭症手術(シャント手術) - 13.40 68.80 0.00 6.00
K281-2 網膜再建術 - 1.00 36.00 100.00 0.00
「新生児仮死蘇生術(仮死第1度)」「新生 児仮死蘇生術(仮死第2度)」
生まれてくる赤ちゃんの約10%は、出生時に呼吸を開始するために何らかの助け(呼吸の刺激や吸引など)が必要とされており、新生児仮死蘇生術とは出生後に元気 に泣かず、ぐったりしている新生児仮死の赤ちゃんが重篤な障害を残さないように適切な処置を行うことです。当院の周産期センターではスタッフ全員が新生児蘇生 法「専門コース」の認定資格を持っており、定期的に講習会も開催しております。院内での帝王切開には全例、通常の分娩でも赤ちゃんの状況に応じて有資格者が立ち会うことで、予期せぬ異常が発生した場合でも迅速に対応できる体制を整えています。

「重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填」
脳からの運動機能命令が十分伝わらず手足が固くなって自由に動かせなくなった患者さんに行う治療です。体内埋め込み式機械へ「バクロフェン」という筋肉の固さ を取る薬剤を定期補充します。清潔な操作で補充が必要なため、補充は外来または短期入院下で清潔操作下、定期的に行っています。

「水頭症手術(シャント手術)」
水頭症のシャント手術は、たまってしまった脳脊髄液を体内の他の場所へ逃がしてあげる手術で、脳の中に水がたまってくる病気(水頭症)を治療するために行われます。脳脊髄液の流れ道を新たにつくる,いわゆるバイパスのようなものです。実際の手術は脳神経外科医が担当し、小児科医が術前後を含めた全身管理を行いながら、新生児期から小児期にわたる患者さんの対応を行っています。

「網膜再建術」
未熟児網膜症の診療は小児専門の眼科医が主に担当し、小児科医が術前後を含めた全身管理を行っています。未熟児網膜症では進行の状態に応じて網膜光凝固(レーザー治療)や血管新生因子阻害薬の硝子体内注射を行いますが、これらの治療を行っても網膜剥離が進行する場合、手術を行います。網膜剥離が進行した症例(ステージ4B~5)で行う手術を網膜再建術といいます。時には水晶体も同時に除去し、硝子体を広汎に切除するとともに増殖組織を除去します。必要に応じて強膜バックリングを併用します。進行した症例では手術を行っても高度の視力障害をきたす可能性があります。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 34 1.00 15.09 44.12 79.56
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 23 7.57 35.35 34.78 69.57
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 13 3.77 13.00 0.00 59.54
K1781 脳血管内手術(1箇所) 13 4.62 20.69 38.46 67.15
K1742 水頭症手術(シャント手術) 11 16.73 31.82 63.64 72.18
産業医科大学 脳神経外科では、年間約300例の手術を行っており、特に脳腫瘍の外科的治療を中心として施行しています。

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷、頭部打撲が原因となり、受傷からゆっくりと硬膜下に血腫が形成されます。血腫の量が少ない場合は経過観察を行いますが、症状(麻痺、歩行障害、認知機能低下など)が出ている場合は手術が必要になります。手術は、局所麻酔下に頭蓋骨に小さな穴を設けて、貯留している血腫を洗浄および除去します。場合によっては、神経内視鏡を用いた血腫腔の観察も行っています。

下垂体腫瘍はホルモンを分泌する下垂体にできる良性の腫瘍です。腫瘍によりホルモンの症状や視野異常を認めることがあります。当院では、神経内視鏡を鼻腔内より下垂体腫瘍部まで挿入し、広い視野で、しかも低侵襲に確実な腫瘍摘出術を行う治療を施行しています。さらに、頭蓋底部に発生した腫瘍においては、神経内視鏡と開頭術を同時に使用した治療も行っています。

脳血管内手術とは、脳動脈瘤、硬膜動静脈瘻、内頚動脈狭窄症などに対して血管内カテーテルを用いて治療を行います。低侵襲的な治療であり、放射線科と連携し治療を施行しています。

脳や脊髄は、硬膜という比較的しっかりした膜で包まれており、硬膜の中は脳脊髄液で満たされています。この脳脊髄液は、脳の中で脳脊髄液が産生されたあと、脳および脊髄を循環し、最終的には吸収され、微妙なバランスが保たれています。この髄液産生- 循環- 吸収のバランスが崩れ、髄液が貯留した状態を水頭症と呼びます。水頭症には、大きく分けると、くも膜下出血後などに髄液の吸収が障害されるもの、出血や腫瘍などで髄液の循環が障害されるもの、60歳を超える成人に見られる正常圧水頭症と呼ばれるものがあります。水頭症には、手術による治療が行われることが多く、頭の中に貯留した髄液を腹腔などに流す手術(シャント手術)がよく行われます。また、原因によっては、第三脳室底開窓術という、神経内視鏡を用いた手術も行うことがあります。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 180 2.52 14.73 88.89 72.84
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 127 2.72 11.91 55.91 70.95
K0461 骨折観血的手術(大腿) 42 0.69 10.21 57.14 65.29
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 38 6.37 14.08 81.58 70.87
K0462 骨折観血的手術(前腕) 22 0.59 4.14 13.64 56.27
近隣の医療機関から保存治療で改善しない変形性膝関節症や脊柱管狭窄症(腰部および頸部)の患者さんを数多くご紹介していただいています。変形性膝関節症に対しては人工関節置換術(膝)を、脊柱管狭窄症(腰部および頸部)に対しては病態に応じて脊椎固定術や椎弓切除術や椎弓形成術を行っています。術前計画ソフトやナビゲーションシステムを活用して安全に低侵襲で手術を行うことが可能になっています。高齢者の大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折などの骨粗鬆症性骨折が近年増加しています。可能な限り早期に手術を行い、早期に離床し、社会復帰できるよう努めています。骨折後の骨粗鬆症治療を徹底するよう取り組んでいます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 98 1.26 8.85 4.08 75.28
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 17 0.71 3.18 0.00 48.12
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) 10 0.6 2.7 0.00 57
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - 0.88 2.88 0.00 32.75
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - 1.00 13.75 0.00 68.00
皮膚悪性腫瘍切除術は主に基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫が対象となります。
皮膚悪性腫瘍は高齢者に好発し、腫瘍の大きさ、部位に応じて局所麻酔や全身麻酔で手術を行っています。

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消化器・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 1.86 5.21 2.50 61.24
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 78 3.92 14.65 6.41 72.08
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 56 2.73 6.45 3.57 65.43
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 28 1.21 7.18 0.00 64.32
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 28 1.32 23.29 3.57 73.57
 当科は、消化器・内分泌外科を中心に一般外科を担当し、専門疾患を大きく次の4つに分け、各領域に専門医スタッフをおき診療を進めています。1)食道から胃・十二指腸までの上部消化管、2)小腸・大腸・肛門の下部消化管、3)肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓、4)甲状腺・副甲状腺や乳腺などの内分泌領域
 
 外来日は月曜・水曜・金曜で、それぞれの専門グループが外来を受け持ちます。食道・胃・大腸癌とともに膵臓癌・肝臓癌・胆道癌では外科手術のみならず、放射線化学療法などを組み合わせた集学的な治療により効果を上げています。外科手術では、腹腔鏡(カメラ)を使った手術を積極的に導入して、傷が小さく術後の痛みが少ない、なにより患者さんが楽な低侵襲手術を行っています。また乳癌の手術においても癌の拡がり範囲を画像検査や術中の顕微鏡検査で同定し、積極的に乳房温存手術を行っています。いずれの疾患でも患者さん中心の医療を心がけています。
呼吸器・胸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 112 3.84 11.29 4.46 69.41
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 45 4.22 8.69 45.56 71.07
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 38 5.32 7.00 7.89 47.58
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 28 4.14 10.39 10.71 70.61
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 24 3.13 10.21 4.17 70.63
 呼吸器・胸部外科では肺や縦隔、乳腺疾患の治療を担当しています。特に肺癌、縦隔腫瘍に対する手術は九州ではトップレベルの手術数をおこなっています。当科では肺癌に対する手術のうち、約7割が胸腔鏡というカメラを用いて,小さな傷で手術をおこなっています。 2018年4月からはロボット支援下手術が保険適応となり、当院ではロボット支援下の肺葉切除をおこなっており、小さな傷で手術を行うとともに、精密な手術が可能となっています。肺癌の種類や進行度と患者さんの全身状態を評価して、適切な手術方法(胸腔鏡手術あるいはロボット支援下手術あるいは開胸手術)や切除範囲(肺葉切除あるいは区域切除あるいは部分切除)を考慮して、低侵襲で、かつ根治することができる治療を行うために、一人一人の患者さんに最適な手術の方法を選択しています。
 最近では、CTにしか映らない淡いすりガラス陰影をもつ肺癌が見つかるようになっています。この肺癌の問題点は淡く病変が触れないことや場所がわかりにくいことでした。当院ではこのような肺癌に対して、気管支鏡を用いて肺癌の近くの肺に複数箇所マーキングを行うことで腫瘍と切除する範囲を決める方法(マッピング法)を導入しており、確実に肺癌を切除することが可能となっています。
 肺癌が隣接する臓器に浸潤している場合には、肺癌を根治するためには隣接する臓器も切除が必要な場合があります。隣接する臓器も一緒に合併切除(拡大手術)した場合には、元の状態に機能を戻す再建術も同時におこなっています。この手術は、肺癌の進行や組織型と機能を考慮して慎重に手術の治療法を選択しています。また非常に高難度な手術が含まれていますが、これまでの数多くの経験と実績により、拡大手術を行うことが可能となっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 152 1.54 2.89 1.97 73.47
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 64 1.73 2.48 1.56 62.81
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 55 1.02 9.98 1.82 69.09
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 51 1.45 6.59 9.8 70.16
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 46 1.57 9.35 6.52 71.15
産業医科大学泌尿器科では悪性腫瘍の手術が多く、ダ・ヴィンチを用いたロボット手術の開始後、ますます手術症例数が増加しています。また、泌尿器悪性腫瘍に対する手術のほとんどは腹腔鏡を用いて行っていますが、進行した症例に対しては、従来の開腹手術も行っています。進行例に対しても、他診療科と協力して積極的に手術を行います。

以下に主な泌尿器悪性腫瘍に対する手術療法を列記します。

・腎臓がん
 腎摘除(腹腔鏡下/開腹)  
 腎部分切除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹)

・前立腺がん
 前立腺摘除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹)
 小線源療法

・尿路上皮がん(腎盂/尿管/膀胱がん)
 腎尿管全摘除術(腹腔鏡下/開腹) 
 膀胱全摘除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹) 

またその他に症例数の多い手術としては、尿路結石(腎結石、尿管結石)、前立腺肥大症に対する手術が挙げられます。尿路結石に対しては内視鏡やレーザーを用いた内視鏡による砕石術の他、外来日帰り手術として行うことが出来る体外衝撃破結石破砕術も数多く行っています。腎結石に対する従来のものより細い内視鏡を用いた砕石術や、前立腺肥大症に対するより出血が少なく確実な切除を可能とした新規手術(経尿道的前立腺核出術)など新しい手術も積極的に取り入れることにより、より安全、効果的な治療が可能となっています。
がんに対する抗癌剤を用いた化学療法、新たな免疫療法も積極的に行っており、難治性や重症感染症に対する治療、尿失禁や骨盤臓器脱などの女性泌尿器科疾患、排尿障害、腎や性器外傷などあらゆる泌尿器科疾患に広く対応しております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 458 0.36 1.1 0.00 73.06
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 224 1.01 7.61 0.45 61.08
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 56 1.05 7.63 5.36 59.21
K2683 緑内障手術(濾過手術) 25 1.04 9.28 0.00 68.40
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 24 0.71 5.63 0.00 65.38
「水晶体再建術」は,白内障に対する手術 です。当院では,1泊2日もしくは2泊3日での入院治療を行っています。

「硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)」は,網膜剥離や糖尿病網膜症,黄斑円孔,網膜前膜などに対する手術です。

その他、増殖硝子体網膜症や未熟児網膜症に対する硝子体手術、斜視手術や角膜移植術(全層移植、内皮移植)を行っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 70 1.73 5.59 0.00 19.07
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 58 0.10 8.43 0.00 61.66
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 40 1.7 7.05 0.00 51.55
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 31 2.29 6.55 0.00 52.29
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 27 0.67 1.44 0.00 63.30
手術(慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術、鼓膜チューブ挿入術、内視鏡下鼻・副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術、耳・鼻・口腔・咽頭・喉頭・唾液腺の腫瘍 手術あり)では、出来るだけ小侵襲で行い、術後早期の退院を目指しています。さらに、高度難聴に値する人工内耳埋込術、甲状腺腫瘍に対する内視鏡補助下甲状腺手術などの術後のQOLを改善する手術にも積極的に取り組んでいます。

産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 115 1.63 3.24 0.00 39.69
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 81 4.6 5.95 2.47 31.73
K867 子宮頸部(腟部)切除術 68 0.57 1.75 0.00 41.62
K877 子宮全摘術 67 1.66 7.25 0.00 50.73
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 57 3.67 5.79 1.75 33.04
子宮付属器腫瘍摘出術(腹腔鏡)
低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は現在適応が拡大され、積極的に臨床で用いられている当院には婦人科内視鏡技術認定医が常勤しており、積極的に適切な適応と判断した症例には鏡視下手術を行なっています。

帝王切開術(緊急帝王切開)
当院は総合周産期母子医療センターを開設しており、種々のハイリスク妊娠、出産管理を行なっている。近隣の産科からも、緊急帝王切開を要する症例を受け入れを行なっています。

帝王切開術(選択帝王切開)
当院は総合周産期母子医療センターを開設しており、種々のハイリスク妊娠、出産管理を行なっています。既往帝王切開の場合は子宮破裂リスクから選択帝王切開を行うことが多く、また、胎児、母体のリスクから経腟分娩困難症例も多く受け入れています。

腹腔鏡下腟式子宮全摘術
低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は現在適応が拡大され、積極的に臨床で用いられている当院には婦人科内視鏡技術認定医が常勤しており、積極的に適切な適応と判断した症例には鏡視下手術を行なっています。

心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 24 12.54 28.67 25.00 66.96
K5551 弁置換術(1弁) - 9.57 25.71 14.29 69.57
K617-2 大伏在静脈抜去術 - 1.00 1.60 0.00 67.80
K5542 弁形成術(2弁) - 6.00 23.00 0.00 77.00
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) - 4.67 27.67 0.00 77.00
当科では、心臓・血管疾患の外科治療(手術)を担当しています。主に、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症といった心臓弁膜症に対する弁置換術もしくは形成術、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心臓病に対する冠動脈バイパス手術を行っています。さらに、大動脈瘤に対する人工血管置換術や末梢動脈閉塞症に対する血行再建治療としての動脈バイパス手術、下肢静脈瘤に対するストリッピング手術も手がけています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 28 1.00 1.18 0.00 64.04
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 21 1.00 5.10 0.00 50.71
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 15 0.87 4.00 0.00 76.47
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12cm以上) - 1.00 2.89 0.00 39.11
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - 1.00 1.13 0.00 21.25
眼瞼下垂
形成外科では診療科別DPC係数、術式件数共に眼瞼下垂症が1位となりました。これは加齢に伴う眼瞼下垂の治療が知られてきたこと、近隣の眼科よりの紹介が年々増えている結果だと思います。加齢に伴う眼瞼下垂症では一般的に眼瞼挙筋腱膜を瞼板に短縮して縫合する方法を基準に行なっています。これは局所麻酔で行い、手術中に座位になっていただいて開瞼の改善程度を確認して行います。外来手術でも可能ですが、手術当日に十分眼瞼部を冷却、安静にすることで術後の腫脹や紫斑形成が少なくなることを考え、手術前日からの2泊3日手術をおすすめしています。他方先天性眼瞼下垂症では眼科と共同して手術時期を考えますが、2-5歳前後で行うことが多く、大腿筋膜を利用して前頭筋への釣り上げ術を基準に行なっています。小児期の手術であり全身麻酔下となります。また入院期間は筋膜採取部の状態で数日間要しています。

皮膚腫瘍(悪性を含む)
 体表面の腫瘍切除及びその再建も形成外科では積極的に行っています。特に顔面の腫瘍切除後の変形は患者さん自身にとっても社会生活をおくるうえで重大な問題であると考えます。そのため形成外科ではできるだけ腫瘍切除後の変形がより小さく、目立たなくすることを目指した治療を行っています。部位や腫瘍の大きさによって単純に縫合して線状のキズあとを残す場合や近くの組織を移動させる皮弁、離れた部位から皮膚を移植する植皮などの再建方法を選択して行っています。また悪性腫瘍に関しては手術中に迅速検査で十分切除できていることを確認後再建を行っています。入院期間は再建方法によりますが3−10日くらいです。

乳房再建
 乳がん切除後の乳房再建としてはご自身の背中や腹部の皮膚、筋肉を移動させて行う筋皮弁という方法:自家組織再建とシリコンインプラント:人工物を用いる再建があり、昨年は人工物による再建数が多くありました。残念ながら人工物を用いた再建におけるシリコンインプラントにより二次的にリンパ腫が発生する報告があり、国内でも死亡例がでました。そのため世界的にこのインプラントが使用停止となりました。代わりに用いることができるインプラントもありますが今まで用いていたものに比べて再建できる形態などが落ちる可能性があります。当科としては当面人工物による再建は慎重に行います。他方自家組織による乳房再建は今後も十分対応できますので再建希望の方は乳腺外科医と相談しながら今後も行っていく予定です。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 56 0.95 10.77 87.5 82.09
K0811 人工骨頭挿入術(股) 15 1.73 11.60 100.00 84.13
K0462 骨折観血的手術(前腕) 10 1.40 9.90 60.00 66.50
K0731 関節内骨折観血的手術(股) - 1.25 10.38 75.00 66.63
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) - 2.14 7.43 85.71 61.29
救急科でも外傷手術を行っています。大腿骨近位部骨折や前腕、鎖骨骨折の患者さんが多いため、その関連の手術数が多くなっています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 0 0
180010 敗血症 同一 10 0.06
異なる 15 0.09
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 86 0.53
異なる 44 0.27
病気やケガの治療を進める過程で、予期できたり、できなかったりする様々な症状や合併症がすることがあります。ここで示している4つの指標はその代表的なものです。

 『入院契機』が「同一」とは傷病名に示した症状が原因で当院に入院されたことを表し、「異なる」とは他の症状で入院したが、入院中の主だった治療が傷病名に示した症状に対するものだったことを表します。

 『播種性血管内凝固症候群』や『敗血症』では救急入院が多く、重篤な状態で入院となった症例が多くみられました。

 『その他の真菌感染症』では、入院契機となった症状で予定入院となり、入院後の検査等で真菌感染症が確定した方が多くみられました。

 『手術・処置等の合併症』では、多くが予定入院でその症状のための入院がほとんどでした。内容としては、人工関節や眼内レンズなど体内への挿入物の合併症(脱臼や破損など)、また術後の感染症などが多くを占めていました。当院は、北九州医療圏唯一の特定機能病院(大学病院)として、他の医療機関からそのような症状になった症例を引き受けることが多くあります。
更新履歴
2019/09/30
2019/10/01
公開
修正