令和5年度 産業医科大学 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 850 432 504 712 1,093 1,973 3,051 5,258 2,534 250
令和5年度、当院はのべ16,657名(昨年度:14,743名)の入院診療を行いました。年齢も、0歳から90歳以上まで幅広く、 受診していただいております。
北九州医療圏唯一の特定機能病院として、今後も科学的根拠に基づく安全かつ質の高い医療を提供します。

※年齢は入院時の年齢を基に集計しています。
※入院後24時間以内の死亡された症例や生後1週間以内に死亡された症例は、厚生労働省の公開ルールで集計対象外となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070470xx99x3xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2-3あり 202 5.50 13.99 0.00% 59.48
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 165 11.61 14.23 5.45% 57.98
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり 67 17.28 13.99 4.48% 59.52
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし 56 8.38 15.40 8.93% 70.13
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 51 29.35 34.37 33.33% 65.98
膠原病リウマチ内科では、
関節リウマチに対して生物学的製剤やJAK阻害剤などを導入する際には短期入院していただき、リスクの管理、適応と製剤決定、リウマチ教室などを行っております。
また、「全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患」は、全身性エリテマトーデスをはじめとした膠原病や血管炎症候群などを含みますが、生物学的製剤などもいくつか使用可能となり、治療選択も多様化してまいりました。
内分泌代謝糖尿病内科では、2型糖尿病の教育目的での入院が多く、他にも多くの内分泌疾患に対応しております。
循環器内科、腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 126 6.45 4.57 0.79% 66.31
04026xxx99100x 肺高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 72 5.46 4.38 0.00% 68.14
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 65 7.29 4.26 0.00% 72.49
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 63 5.38 3.25 1.59% 72.14
04026xxx9913xx 肺高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2-3あり 50 12.82 12.32 6.00% 63.36
循環器内科、腎臓内科では、頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術、虚血性心疾患に対する経皮的カテーテルインターベンション、徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術等が、上位5疾患でした。他に、心臓カテーテル検査(左心カテーテル、右心カテーテル、血管内超音波検査等を含む)、慢性腎不全に対する内シャント術、慢性腎炎、慢性腎不全に対する腎生検、閉塞性動脈疾患や急性心筋梗塞、弁膜症、心不全、ネフローゼ症候群等の疾患治療が上位を占めていました。経食道心エコー図検査や負荷心エコー図検査も行う数少ない施設です。今年から心アミロイドーシスの内服治療を行えるようになりました。北九州地区で当院だけです。循環器病、腎臓病の幅広い分野に対応出来ており、かつ様々な疾患への素早い心腎連携治療も可能となっているのが特徴です。
消化管内科、肝胆膵内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 308 2.43 2.61 0.32% 68.10
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 113 7.48 8.75 4.42% 77.02
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 68 11.13 10.24 5.88% 74.32
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 60 10.53 11.65 5.00% 73.48
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 52 4.23 8.22 1.92% 71.29
消化管内科、肝胆膵内科では、消化器疾患を中心に専門分野を消化管疾患と肝胆膵疾患に大きく分けて、各領域の専門医が診療にあたっています。
肝の悪性腫瘍や肝硬変の多くは、B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患が原因となっており、ウイルス性肝炎の治療や、肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法やエタノール注入療法などの経皮的治療、肝動脈化学塞栓療法、全身化学療法などを行っています。胆管癌や胆管結石に対しては内視鏡的胆管ドレナージや結石除去術、胆嚢炎や肝膿瘍などに対しては経皮的ドレナージ術を行っています。膵腫瘍に対しては超音波内視鏡下に穿刺吸引細胞診による病理診断を行い、診断の確定後に治療導入を行っています。膵炎後の腹腔内壊死組織に対する治療として超音波内視鏡下ドレナージや内視鏡的壊死物質除去術(ネクロセクトミー)を行っています。食道・胃・十二指腸や大腸の早期悪性腫瘍に対しては内視鏡的切除術を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 134 5.07 6.07 0.00% 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2-1あり 40 11.50 10.34 5.00% 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 40 10.08 11.01 2.50% 0.03
010230xx99x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2-1あり 31 24.55 21.12 6.45% 0.00
040090xxxxxxxx てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 21 9.76 7.19 0.00% 5.90
「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし」
2500g以上でお生まれになった赤ちゃんで、先天的な病気や、呼吸障害、予期せぬ異常があったため治療が必要になった赤ちゃんを示しています。赤ちゃんが入院する NICU (neonatal intensive care unit; 新生児集中治療室) では早産児の全身管理や人工呼吸器などを使用した呼吸障害の治療はもとより、低体温療法、NO吸入療法、 血液浄化療法など高度な治療を幅広く行っています。一方、GCU (growing care unit; 新生児治療回復室) では退院後の赤ちゃんとの生活へスムーズに移行できるような 環境づくりと多職種による育児支援を積極的に行い、家族が暮らす地域との連携を積極的に図っています。また、院外の分娩施設で、出生後の赤ちゃんの具合が悪い ときは当院の医師が診察に行き、赤ちゃんの搬送を行ったり、未熟児網膜症の治療のため県外から赤ちゃんを受け入れたりしています。

「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし」「妊娠期間短縮、低出生体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2−2あり」 
妊娠期間が37週未満で生まれた赤ちゃんは早産児、2500g未満で生まれた赤ちゃんは低出生体重児と診断されます。(なお、出生体重が1000g未満であれば超低出生体重児、1500g未満であれば極低出生体重児と診断されます)。早産児、低出生体重児は出生後に呼吸障害や低血糖などの問題が起こることが多いためNICU (neonatal intensive care unit; 新生児集中治療室) に入院して治療を受けます。短期間の点滴や酸素、人工的な呼吸補助を必要とすることありますが、多くの赤ちゃんが予定日頃までには退院できます。入院中もカンガルーケアや直接授乳の介助などを積極的に行い、お母さんと赤ちゃんが退院後の生活へスムーズに移行できるようにサポートを行っています。

「てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし」
てんかんは脳内の神経細胞の過剰な電気的興奮に伴って、意識障害やけいれんなどを発作的に起こす慢性的な病気です。てんかんは日本人の100人に1人がかかり、小児と高齢者に発症のピークがあります。重症度も幅があり、薬を数年飲むことで良くなる場合から内服だけでなく手術を必要とする場合もあります。当院小児科では小児神経専門医やてんかん専門医が脳波や発作の様子から診断を行います。多くは内服のみで発作はよくなりますが、場合によっては手術が必要な場合もあり、その際はてんかん外科の診療実績がある他院脳神経外科と緊密に連絡をとり、治療を行っています。また、小児のてんかんは成人とは違い内服薬をやめられるケースも多いのですが、そうでない場合は、運転免許の取得や就職についての相談を早めに行い、成人になりましたらてんかん専門医のいる当院脳神経内科への移行を行っています。このように罹病期間、重症度が幅広い小児てんかんに対して漏れのない診療を行っております。
消化器・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 62 8.89 9.88 0.00% 64.66
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 59 15.29 15.12 5.08% 73.17
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 55 17.84 18.01 7.27% 73.44
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 50 5.76 4.55 0.00% 69.48
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 39 7.08 5.98 0.00% 55.97
当科は、消化器・内分泌外科を中心に一般外科を担当し、専門疾患を大きく次の4つに分け、各領域に専門医スタッフをおき診療を進めています。
1)食道から胃・十二指腸までの上部消化管
2)小腸・大腸・肛門の下部消化管
3)肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓
4)甲状腺・副甲状腺や乳腺などの内分泌領域

 外来日は月曜・水曜・金曜で、それぞれの専門グループが外来を受け持ちます。食道・胃・大腸癌とともに膵臓癌・肝臓癌・胆道癌では外科手術のみならず、放射線化学療法などを組み合わせた集学的な治療により効果を上げています。外科手術では、腹腔鏡(カメラ)を使った手術を積極的に導入して、傷が小さく術後の痛みが少ない、なにより患者さんが楽な低侵襲手術を行っています。また乳癌の手術においても癌の拡がり範囲を画像検査や術中の顕微鏡検査で同定し、積極的に乳房温存手術を行っています。いずれの疾患でも患者さん中心の医療を心がけています。
呼吸器・胸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 200 15.24 9.89 8.00% 72.16
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 60 8.83 8.33 0.00% 72.87
040040xx99080x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-8あり 副傷病なし 48 8.21 8.65 0.00% 72.10
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 46 13.48 9.88 0.00% 62.22
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-5あり 32 18.75 18.83 3.13% 70.03
当科は主として呼吸器疾患と乳腺疾患に対して診断から外科を中心とした治療までを行う総合外科です。“自分や家族が病気になったときに受けたい医療”を提供することを理念とし、その実現のために1) 個々の患者さんごとに最適な医療を提供する(“治療の個別化”“Precision medicine”)、2) 手術を中心とした臨床能力と臨床に役立つ研究を“究めて”患者さんに還元する、3) 地域の“最後の砦”としてどんな患者さんも断らない、ことを実践しています。また可能な限り低侵襲な治療を取り入れ、生活の質(QOL)を保てるような治療を目指しています。更に平成30年1月から産業医科大学に全国に先駆けて設置された“両立支援科”との協力のもと、就労継続希望の患者さんには治療と仕事の両立を支援しています。加えて、平成30年度からは、呼吸器外科領域でも保険適応となったロボット支援手術を導入しています。

呼吸器外科領域の主な対象疾患は原発性肺癌であり、早期の患者さんに対しては“胸腔鏡(内視鏡)手術”によって低侵襲の手術を実現しており、また通常の肺切除に耐えられない肺気腫等の低肺機能の患者さんにも肺切除量を減らす“区域切除”等の縮小手術で対応しています。更に、非常に早期の肺癌の場合には腫瘍が小さすぎて手術中に腫瘍の位置がわかりづらい例がありますが、このような例には手術前に腫瘍の位置を気管支鏡で“印”をつけておくことにより確実に切除するという先進的な方法“SureFind法”(ICタグを留置し肺の中の腫瘍の位置を確認できる方法)や、“VAL-MAP法”(肺表面に色素を注入する方法)も取り入れています。また平成30年6月より、肺癌および縦隔腫瘍に対する内視鏡手術の際に手術用ロボット(ダヴィンチ)を導入し、正確で繊細な手術により更なる低侵襲化と治療成績向上を目指しています。一方、通常の手術では切除不能な心大血管・脊椎等の隣接臓器浸潤症例に対しては、心臓血管外科・整形外科・消化器外科・耳鼻科・頭頸部外科等の協力のもとに積極的に手術(“拡大手術”)を行っています。令和元年2月には自家肺移植を開始しています。肺癌が肺門の血管に浸潤している症例では肺全摘術をしなければ切除が不可能な症例があります。そのような症例では一旦、肺全摘術を行い、体外に全肺を取りだした後に、癌のある肺を取り除き、正常な肺葉を患者さんに戻す、いわゆる自家肺移植を行っています。癌を切除するとともに、正常な肺を温存することにより、患者さんの肺機能の温存やQOLの改善につなげることができる手術方法であります。

手術単独では治癒率の低い広範囲リンパ節転移症例に対しては、放射線科や呼吸器内科等の協力のもとに放射線や化学療法を行った後に手術を行う集学的治療を行っています。特に、最近注目されている免疫療法(抗PD-1抗体等の免疫チェックポイント阻害剤)を用いて手術成績の向上を目指した治験に積極的に取り組んでいます。また大学病院の特性上、インシュリンを必要とする重症糖尿病、免疫抑制剤を必要とする自己免疫疾患、透析を必要とする腎不全、冠動脈ステント等の処置を必要とする重症冠動脈疾患、肺気腫・間質性肺炎などの呼吸器疾患、等の合併症を有する患者さんが過半数で、このような患者さんにも内科をはじめとする大学病院挙げてのバックアップのもとに可能な限り手術の安全性を上げる努力をしています。一方、手術ができない患者さんにおいても、肺癌の生物学的性質(PD-L1発現状況やEGFR/ALK/ROS1/BRAF等の遺伝子変異)に基づいてそれぞれの患者さんに最適な抗癌剤を投与しています。更に、腫瘍のために気道狭窄をきたし呼吸困難を伴う症例に対しては、気道レーザー焼灼や気道ステント等により劇的な症状緩和を図っています。
 
呼吸器外科領域のもう一つの大きな問題は、アスベスト暴露に関連して発生する悪性胸膜中皮腫です。胸膜中皮腫の診断は困難で、多くの場合には胸腔鏡下の胸膜生検が必要となります。一方で、胸膜中皮腫に対して従来行われてきた根治手術(“胸膜肺全摘除術”)は、患側の肺を胸膜ごとすべて切除するために侵襲が大きく、手術適応となる患者さんは限定されます。当科では、腫瘍の存在する胸膜のみを切除して肺を温存する胸膜切除/肺剥皮術(“P/D”)を取り入れ、手術対象となる患者さんの対象を広げています。また、本術式は比較的侵襲が低いため、手術後の生活の質(QOL)を保つことができ、手術後の就労復帰も十分に可能となります。
 
乳腺外科では診断から治療まで乳腺領域の幅広い領域に対応しています。乳がん検診で要精査になった方の精密検査から受け付けております。超音波ガイド下の針生検はもちろんのこと、腫瘤を形成しない微細な石灰化病変にはマンモグラフィ撮影をしながら生検を行うステレオガイド下マンモトーム生検にも対応しています。

手術では乳房温存術をはじめとする整容性を考慮した手術を心がけており、内視鏡手術も取り組んでいます。乳房全摘を行なった場合には形成外科と協力して人工乳房や自家組織を利用した乳房再建術も可能です。また腋窩のリンパ節に対してはセンチネルリンパ節生検を行い、腋窩リンパ節に転移を認めなかった症例に対してリンパ節郭清を省略し、リンパ浮腫や神経障害を軽減することに努めています。リンパ浮腫の患者さんには、専門看護師と連携して治療を行っています。

遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)患者さんではBRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子のどちらかに遺伝性の変異が確認されることがあり、この変異をもつ頻度は乳癌では5%程度と報告されています。この検査をするには施設基準を満たす必要がありますが当院では可能であり、またBRCA変異を有する乳癌発症患者さんの対側のリスク低減手術や産婦人科に紹介しリスク低減卵管卵巣摘出術も可能です。

また乳癌は手術のみならず、薬物療法、放射線療法も組み合わせた集学的治療が必要です。当院は放射線治療科が診療科として存在し専門の放射線治療医に相談しやすい環境です。また薬物療法も非常に重要であり、サブタイプごとに対応した治療を行っています。近年新規薬剤が次々に開発されており予後も延長していますが、副作用も問題になっています。特に免疫チェックポイント阻害薬では免疫関連有害事象が問題になりますが、大学病院という環境のため各診療科の専門家が常勤で複数存在していることから協力しながら診療を進めることが可能です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 97 18.53 19.55 85.57% 67.61
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 80 18.30 21.96 92.50% 74.36
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2-1あり 79 3.34 2.59 2.53% 70.70
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1なし 70 17.29 19.32 58.57% 72.43
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 55 14.84 15.66 20.00% 70.24
変形性関節症やリウマチ性関節炎の患者様を数多く診察しています。当院では、膠原病リウマチ内科(第1内科学講座)と緊密な連携をとりながら関節リウマチに対する最新の薬物治療を行い、必要な患者様に対して人工関節置換術を行っています。年数が経過し、人工関節のゆるみが生じた症例に対して人工関節再置換術を行っています。術後早期からリハビリを開始し、回復期リハ病院との連携も円滑に行っています。必要に応じて術前に自己血を貯血し、99%は他人からの輸血なしで手術ができています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 37 3.51 2.82 0.00% 68.62
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 34 3.76 5.77 0.00% 38.68
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし 18 4.89 4.28 0.00% 46.56
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 11 9.82 5.14 0.00% 59.36
070590xx97x0xx 血管腫、リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2なし 11 5.82 6.26 0.00% 31.55
眼瞼下垂
 形成外科では診療科別DPC係数、術式件数共に眼瞼下垂症が1位となりました。これは加齢に伴う眼瞼下垂の治療が知られてきたこと、近隣の眼科よりの紹介が年々増えている結果だと思います。加齢に伴う眼瞼下垂症では一般的に眼瞼挙筋腱膜を瞼板に短縮して縫合する方法を基準に行なっています。これは局所麻酔で行い、手術中に座位になっていただいて開瞼の改善程度を確認して行います。外来手術でも可能ですが、手術当日に十分眼瞼部を冷却、安静にすることで術後の腫脹や紫斑形成が少なくなることを考え、手術前日からの2泊3日手術をおすすめしています。他方先天性眼瞼下垂症では眼科と共同して手術時期を考えますが、2-5歳前後で行うことが多く、大腿筋膜を利用して前頭筋への釣り上げ術を基準に行なっています。小児期の手術であり全身麻酔下となります。また入院期間は筋膜採取部の状態で数日間要しています。また眼瞼、涙器、眼窩の疾患もあがっているのはまつげが目にあたる内反症や逆に外に向きすぎる外反症の手術もおこなってるからです。眼瞼(まぶた)に関わる手術件数が年々増加しています。

乳房再建
 乳がん切除後の乳房再建としてはご自身の背中や腹部の皮膚、筋肉を移動させて行う筋皮弁という方法:自家組織再建とシリコンインプラント:人工物を用いる再建があり、一昨年は人工物による再建数が多くありました。残念ながら人工物を用いた再建におけるシリコンインプラントにより二次的にリンパ腫が発生する報告があり、国内でも死亡例がでました。そのため世界的に従来のインプラントが使用停止となり今年は症例数がかなり減りました。現在新しいインプラントが承認されて現在も人工物による再建を行えます。人工物と用いるか自家組織を用いるかを含めて患者さん、乳腺外科医と相談しながら治療を行っています。

顔面外傷
 スポーツや交通事故などにより顔のケガ(外傷)に対応しています。顔面を構成する鼻骨や頬骨などの骨折の整復や骨折がなくても深い部分まで損傷すると顔面神経麻痺を生じ、顔面の変形をきたすことがあり再建を行います。骨折に関しては受傷直後は顔の腫れがひどく、また他の部位の損傷の可能性もあることから受傷後1週間前後で入院の上整復することが一般的です。受傷後3−4週間以上経過すると骨折部位が癒着し、整復が難しくなりますので整復時期の判断は重要です。また眼の周りの骨の骨折によって眼が痛くなったりものが2つに見えたりする場合は早急な整復が必要な場合もありますので一度は早く受診されることをおすすめします。整復は一般的には全身麻酔下に骨折部位を整復し、チタン製のプレートや吸収性のプレートなどで固定します。骨折部位に到達するには顔の皮膚を切らないといけませんのでできるだけキズあとが目立ちにくい部位を考えて切開を行っています。

皮膚腫瘍(悪性を含む)
 体表面の腫瘍切除及びその再建も形成外科では積極的に行っています。特に顔面の腫瘍切除後の変形は患者さん自身にとっても社会生活をおくるうえで重大な問題であると考えます。そのため形成外科ではできるだけ腫瘍切除後の変形がより小さく、目立たなくすることを目指した治療を行っています。部位や腫瘍の大きさによって単純に縫合して線状のキズあとを残す場合や近くの組織を移動させる皮弁、離れた部位から皮膚を移植する植皮などの再建方法を選択して行っています。また悪性腫瘍に関しては手術中に迅速検査で十分切除できていることを確認後再建を行っています。入院期間は再建方法によりますが3−10日くらいです。

他外科系手術の支援 
 耳鼻科における咽頭がんなどで食道を切除されたあとに食事摂取が可能になるよう耳鼻科、消化器外科と共同して空腸を用いた食道再建を行っています。これは各外科系の手術件数にはいるため当科の件数に入っていませんが、が
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 11.50 11.87 15.38% 76.00
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 7.32 8.38 15.79% 63.68
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 13 14.77 7.19 30.77% 52.69
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 17.67 19.09 41.67% 73.17
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 9.83 9.88 8.33% 74.67
産業医科大学脳神経外科では、脳腫瘍の治療に特に力を注いでいます。脳腫瘍には摘出すれば完治する良性の腫瘍から、外科治療後に放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)が必要になる悪性度の高い腫瘍までさまざまです。当科では、全ての脳腫瘍治療に対する体制が完備され集学的な治療を施行しています。また、間脳下垂体腫瘍に対しては、経鼻的内視鏡下腫瘍摘出術を行い、内分泌内科や小児科などと連携した治療を行います。

交通事故、転落転倒事故などにより、頭の中に損傷を生じた場合(急性硬膜下血腫、脳挫傷など)、急激に意識障害が進行することがあり、一刻も早い治療が必要になります。当院では常時救急車を受け入れており、救急・集中治療科と連携して治療を行っています。手術が必要と判断された場合には、麻酔科とも連携し、時期を逸することのないよう迅速な手術加療を行います。

非外傷性頭蓋内血腫には、脳出血(脳内出血)、くも膜下出血などの疾患があります。来院後、これら出血の増大を防ぐ治療を早期に開始し、外科的治療の必要性を検討します。運動麻痺などの症状に対しては早期からリハビリテーションを開始し、頭蓋内血腫の原因となる基礎疾患の有無を精査し、今後の再発予防に対する治療を行います。

脳梗塞は生じる場所や範囲によりさまざまな症状が出現します。発症早期の脳梗塞では血栓溶解療法やカテーテルでの血栓回収療法を行います。また、脳梗塞拡大を防ぐ薬物治療や早期からのリハビリテーションを開始します。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 45 11.82 10.42 4.44% 76.58
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 41 5.41 5.21 2.44% 77.39
050161xx97x1xx 大動脈解離 その他の手術あり 手術・処置等2-1あり 17 21.24 28.09 35.29% 61.12
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病あり 14 11.07 9.00 0.00% 83.07
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2-1あり 10 30.10 27.58 30.00% 74.00
当科は、循環器内科、腎臓内科と連携してハートチームを形成し、循環器病の診療にあたっています。その中で当科は、心臓疾患と血管疾患の外科治療(手術)を担当しています。近年は、高齢者や透析患者、重症症例といったハイリスクケースが増加し、手術内容も単独手術にとどまらず、難度の高い複合手術を行う機会が増加しています。良好な結果が得られるよう、チーム一丸となって積極的に取り組んでいます。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 - 3.00 2.75 0.00% 3.33
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり - 3.00 2.97 0.00% 1.67
主科としての診療の他に、小児への手術や診療について、各専門科と協働であたっています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 438 2.82 2.54 0.46% 72.72
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 107 10.16 7.81 0.00% 53.38
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 66 7.91 5.67 0.00% 68.58
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 52 3.00 3.08 0.00% 21.65
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし 片眼 33 9.33 6.10 0.00% 56.97
小児の網膜硝子体疾患の治療実績が多く、未熟児網膜症に対する硝子体手術を行っている全国でも数少ない施設のうちの1つです。
従来法に比べて低侵襲である眼内法による緑内障手術を行なっています。
網膜剥離や糖尿病網膜症などの網膜硝子体疾患、白内障、緑内障、斜視、翼状片、眼瞼の手術や角膜移植術(内皮移植含む)などを行っています。
視神経症、ぶどう膜炎や角膜潰瘍などに対する入院加療も行っています。
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 87 2.00 2.03 0.00% 51.00
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 64 16.28 12.84 3.13% 73.33
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 54 7.70 7.53 0.00% 28.98
03001xxx99x30x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 53 8.34 19.54 3.77% 61.38
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 47 5.53 6.02 0.00% 55.47
当科では、耳鼻咽喉科領域の疾患に対して、科学的根拠に基づいた標準的な治療を安全に提供できるように努力しています。突発性難聴などの聴力障害、顔面神経麻痺、アレルギー性鼻炎、慢性/急性副鼻腔炎、嗅覚・味覚障害、睡眠時無呼吸、音声・嚥下障害、慢性中耳炎、慢性/急性扁桃炎などについては、専門的に診断・治療をおこなっています。臓器温存希望・切除困難な頭頸部癌に対しては、手術は行わずに、外来や短期入院での化学療法・放射線療法を基本としています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19 19.53 10.61 0.00% 57.63
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 副傷病なし - 18.63 8.60 0.00% 72.50
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 57.86 19.09 57.14% 65.57
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - 33.20 15.70 40.00% 68.00
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - 28.75 15.57 0.00% 59.25
「亜急性期脳卒中」脳卒中急性期治療後~発症後2ヶ月以内を対象に、回復期の病院への転院や自宅への退院に向けて、障害診断、装具作製、機能訓練などのリハビリテーション治療を行っています。
「脳卒中後遺症」に対する入院リハビリテー ションとして、記憶障害や遂行機能障害など「高次脳機能障害」、飲み込みにくさや誤嚥など「嚥下障害」、片麻痺手足のつっぱり「痙縮」、障害者の就学就労に関する「就労・職場復帰」、脳卒中後の運転再開に向けた「自動車運転適性評価」など、専門的な障害診断・能力評価・リハビリテーション治療が可能です。また、障害毎の適応により、上肢機能訓練装置(アームトレーナー、IVES)、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)、ボツリヌス治療、あるいはそれらの組み合わせを用いて、先進的なリハビリテーション治療にも取り組んでいます。
「小児麻痺後遺症」に対する入院リハビリテーションとして、障害診断、ポストポリオ症候群の診断、軽量なカーボン製長下肢装具作製、リハビリテーション訓練などを行っています。
さまざまな疾患を対象に、職場復帰の際の「治療と就労の両立支援」にも対応しています。
特殊検査では、CT, MRIの他に神経生理学的検査(筋電図、誘発電位)、嚥下機能評価(嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査)、三次元動作分析装置による歩行分析などで専門性の高い診断が可能です。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
放射線科・放射線治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2-2あり 13 16.40 20.05 40.00% 79.40
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり - 17.50 19.11 0.00% 79.33
060040xx99x2xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-2あり - 36.25 22.37 0.00% 81.75
040010xx99x2xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-2あり - 14.00 24.35 0.00% 64.00
060010xx99x2xx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2-2あり - 41.33 26.04 0.00% 68.33
放射線科には院内標榜における「放射線科」と「放射線治療科」が含まれております。

放射線科の入院患者数は、主に他院から直接依頼があった場合で、放射線科が主治医として入院管理が必要となった患者数に相当します。放射線治療目的の患者が大部分であり、全身の癌種が対象となるため疾患病名は多様です。一部に画像下治療(IVR)目的の患者が含まれています。
年間に施行する放射線治療患者の総数は約850名にのぼり、多くは院内他科からの依頼や外来患者で占められます。よって放射線科の入院患者は、放射線治療を施行した患者全体のごく一部の患者の内訳となります。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2-1あり 副傷病なし 22 19.05 19.56 9.09% 74.50
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2-4あり 15 12.67 16.97 0.00% 62.67
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 21.71 12.79 7.14% 66.36
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 14 19.71 17.21 21.43% 65.00
010130xx99x4xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等2-4あり 11 16.82 15.08 18.18% 69.09
運動ニューロン疾患

 運動ニューロン疾患とは、手・足、呼吸に必要な筋肉に筋力低下が起こる疾患です。症状は、手に力が入らない、歩けない、体に力が入らないなどです。いくつかの病気がありますが、筋萎縮性側索硬化症は発症すると進行が早く、多くが発症後3年から5年程度で呼吸筋の筋力低下を引き起こし、人工呼吸器が必要になる病気です。球脊髄性筋萎縮症や脊髄性筋萎縮症では、進行を抑制する治療法が行われています。病院でのチェックを早めに受けることにより、正確な診断と適切な治療が受けられます。

重症筋無力症

 眼瞼下垂や四肢の筋力低下がみられる疾患で動作によって筋力低下が増強するという易疲労性が特徴です。胸腺腫が合併している場合があります。ステロイド、免疫抑制剤、免疫グロブリンの大量静注療法、バイオ製剤や血漿交換などの治療により改善が得られています。胸腺腫が合併している場合は、切除術が行われます。

パーキンソン病関連疾患

 手足がふるえる、動作が遅い、転倒しやすい、筋固縮、足がすくむなどを主な症状とする疾患でパーキンソン病をはじめ、レヴィ小体型認知症、薬剤性・脳血管性パーキンソン症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症などがあります。神経学的診察、頭部MRI、ドパミントランスポーターシンチグラフィー、脳血流シンチグラフィーなどで診断し、内服薬やリハビリによる治療を主に行います。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 96 7.78 7.22 3.13% 75.20
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 30 15.20 12.88 6.67% 70.00
080006xx99x3xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 手術なし 手術・処置等2-3あり 16 9.88 6.66 6.25% 68.63
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 16 4.38 3.93 0.00% 49.75
080190xxxxxxxx 脱毛症 16 3.06 3.31 0.00% 38.25
大学病院という特性上、近隣の医療機関より多くの手術療法を必要とする皮膚腫瘍症例の紹介を受けます。
また、円形脱毛症の重症型に対するステロイドハーフパルス療法も当科の特色であると言えます
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 155 5.38 6.85 0.65% 74.36
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 124 2.43 2.44 0.81% 72.53
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 91 5.18 5.22 0.00% 62.55
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 53 11.21 11.19 0.00% 68.53
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 42 11.62 10.08 0.00% 67.00
産業医科大学泌尿器科では悪性腫瘍の診療に最も力を入れています。そのため、泌尿器科の代表的な悪性腫瘍である腎臓がん、前立腺がん、尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん)の手術を特に多く行っています。
前立腺がん(平成30年1月~)、腎臓がん(平成30年度12月~)、膀胱がん(令和元年9月~)にダ・ヴィンチを用いたロボット手術を導入し、ますます症例数が増加しており、特に膀胱がんにおいては県内有数の症例数を有しています。また、悪性腫瘍の診療については、手術のみならず放射線治療や薬物療法にも力を入れています。近年泌尿器悪性腫瘍分野では免疫チェックポイント阻害薬などの新たな薬剤が次々と使用可能となっており、患者様個々に応じた最適な治療を提供すべく日々診療にあたっています。
その他、症例数の多い手術としては尿路結石や前立腺肥大症に対する手術が挙げられます。尿路結石に対する手術としては、腎結石に対する従来のものより細い内視鏡を用いた治療や、ファイバーの尿管鏡を用いた結石治療を積極的におこなっています。また、前立腺肥大症に対するより出血が少なく低侵襲な術式(レーザー蒸散術)など新しい手術も積極的に取り入れています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 71 6.06 5.93 0.00% 44.63
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 69 12.29 10.10 0.00% 57.10
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 66 4.79 4.18 0.00% 61.11
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 63 5.48 6.00 0.00% 44.30
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 58 2.78 2.78 0.00% 50.50
子宮頸、体部の悪性腫瘍 手術なし
子宮頸がんは手術以外に放射線治療で治療する場合があります。放射線治療は外来通院でも可能ですが、根治目的の腔内照射や化学療法併用時は入院が必要です。子宮体癌は手術療法が主な治療法ですが、術後の補助療法や再発時には化学療法や放射線治療を行うことがあります。

子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等
子宮の良性腫瘍として最も頻度が高いのは子宮筋腫です。子宮筋腫は過多月経や圧迫症状等の症状を呈することがあり、ホルモン療法、筋腫のみの核出手術の他、根治的な治療として子宮全摘術を行うことがあります。当院には複数人の婦人科内視鏡技術認定が常勤しており、子宮の大きさなど適応の限界はありますが、低侵襲手術として腹腔鏡下での子宮全摘術を積極的に取り入れています。

子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし
当院は婦人科腫瘍専門医が常勤しており、婦人科悪性腫瘍患者の診療を広く受け入れています。子宮頸がん、体がんに対して、開腹、腹腔鏡下の根治的手術を適応症例に対して積極的に行っています。
子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし
子宮頸がんは、20-30代若年女性には多いがんです。子宮頸がん検診により異常を認めた場合、診断治療目的に子宮頚部円錐切除術を行うことがあります。

当院は総合周産期母子医療センターを開設しており、種々のハイリスク妊娠、出産管理を行なっているため、出生後にNICU(新生児科)管理入院までは要さない場合でも、産婦人科医による入院管理を行なっています。実績としては、120170x199xxxx 「早産、切迫早産(妊娠週数34週未満)」 44症例や、140010x199x0xx 「妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上)」 30症例などをはじめとする、産科の分野についても有しております。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 130 16.34 18.65 6.15% 70.72
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 110 2.65 2.98 0.91% 72.07
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-5あり 57 22.33 18.83 5.26% 71.26
040170xxxxxx0x 抗酸菌関連疾患(肺結核以外) 副傷病なし 47 6.62 8.31 4.26% 66.98
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 46 15.24 8.33 0.00% 71.11
産業医科大学病院 呼吸器内科 呼吸器病センターでは、呼吸器疾患全般を対象としており、主に肺悪性腫瘍、間質性肺疾患、COPD、気管支喘息、急性・慢性呼吸器感染症などを診療しております。入院は、肺悪性腫瘍と間質性肺炎の患者さんが多く、特定機能病院としての大学病院として地域の中核医療機関として特発性間質性肺炎や肺癌などの難治性疾患の紹介が多いことや、肺癌、悪性胸膜中皮腫などの集学的治療(化学療法、放射線治療、手術等)が対象であることが主な理由です。
救急集中治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 37 14.51 25.50 89.19% 79.65
160980xx0100xx 骨盤損傷 体外式脊椎固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 22 18.00 30.39 95.45% 71.91
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 16 14.56 18.32 50.00% 49.94
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 12 3.17 4.76 8.33% 29.67
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病なし 11 3.91 5.23 0.00% 45.73
外傷に積極的に対応しており、救急科の整形班で診察、手術、術後管理を行っているため、転倒などによる大腿骨近位部骨折の患者さんが多く、同様に腰椎、前腕骨、鎖骨等の骨折も多いです。また、総合診療科がないため、めまい、敗血症をはじめとした種々の感染症、脱水などの体液量減少などの患者さんにも対応しています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-4あり 44 16.11 9.62 2.27% 70.77
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-9あり 36 19.64 12.88 0.00% 69.36
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2-5あり 30 22.03 16.12 10.00% 72.83
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2-9あり 26 40.85 34.93 0.00% 76.62
130030xx99x6xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-6あり 24 20.04 13.10 4.17% 67.08
急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等の血液疾患に対して、根治目的にて抗体・小分子化合物などの分子標的薬を含む化学療法や自家・同種造血幹細胞移植を中心に行っています。多くの血液専門医のもと、白血球減少症例は無菌室(ISO6以上)にて管理を行い、高齢者や臓器合併症を有する患者には、症例リスクに対応した治療を選択します。入院症例では血液腫瘍がその重症度から主となりますが、外来では、貧血や血小板異常、白血球異常の診療を行っています。
脳卒中血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 48 3.58 2.95 0.00% 64.83
010070xx9912xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2-2あり 31 5.26 4.76 3.23% 73.06
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 20 11.85 15.57 40.00% 75.35
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 20 12.20 15.70 35.00% 69.10
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2なし 13 12.85 8.94 0.00% 67.46
脳卒中関連疾患に対し、脳神経外科と随時連携して治療にあたっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 76 - 17 27 17 30 1 8
大腸癌 29 65 82 74 41 103 1 8
乳癌 86 115 40 13 15 59 1 8
肺癌 122 49 128 177 29 344 1 8
肝癌 10 25 21 - 13 114 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は、地域がん診療連携拠点病院およびがんゲノム医療連携病院に指定されております。当院では、5大がんに限らず全てのがん種において、手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療などを組み合わせることで、早期がんや進行がん、再発・転移がんに対し、様々な治療法を提供しております。詳しくは、がんセンターHP内の「当院のがん診療(https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/hpgaiyo/hpbumon/gancenter/_12288.html)」および「当院のがん診療に関する統計(https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/hpgaiyo/hpbumon/gancenter/cancerstatistics.html)」をご覧ください。

胃がん、大腸がん
 主に「消化器・内分泌外科」、「消化管内科、肝胆膵内科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。手術は基本的に腹腔鏡を使用していますが、一部はロボット支援手術で切除から再建まで行っております。早期がんについては、内視鏡を使用した治療も積極的に行っております。切除不能進行がんや再発・転移がんについては、従来の抗がん剤に加え、分子標的治療薬を用いた治療も行います。最近の当院の傾向として、胃は早期がんに対する治療が、大腸は進行がんおよび再発・転移がんに対する治療が多いです。

乳がん
 主に「消化器・内分泌外科」、「呼吸器・胸部外科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。手術では、根治性だけでなく整容性の向上を目指して、
傷口が目立たないよう内視鏡を用いての乳房部分切除を導入し、積極的に行っています。また形成外科と連携して、エキスパンダーや自家組織を用いた乳房再建術も行っています。乳がんでは組織のサブタイプによって、適切な抗がん剤やホルモン療法剤、分子標的治療薬を選択した薬物療法を行います。乳がんの病期によっては術前の抗がん剤と分子標的治療薬の投与も積極的に行っています。放射線治療は、乳房部分切除後に温存部分の再発防止のために行うほか、進行再発した乳がんの局所の治療においても積極的に行っています。最近の当院の傾向としては、早期がんと再発・転移がんに対する治療が多いです。

肺がん
 主に「呼吸器・胸部外科」と「呼吸器内科」、「呼吸器病センター」、「放射線科・放射線治療科」で診療しております。当院においては、治療数が最も多いがん種です。また、九州でトップクラスの外科手術症例数となっています。様々な合併症を有するリスクの高い症例に対しても、関連する多職種が協力して最新の知見を駆使し、安全性の高い先進的な治療を行っております。早期がんについては、胸腔鏡と一部はロボット支援手術を使用した低侵襲性な手術を行います。進行がんや再発・転移がんについては、従来の抗がん剤に加え、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬を用いた治療や放射線治療も行っています。最近の当院の傾向としては、早期がん、進行がん、再発・転移がんとあらゆる状況に対応しております。
 なお、呼吸器・胸部外科では、ロボット手術なども積極的に活用しています。

肝がん
 「消化管内科、肝胆膵内科」、「消化器・内分泌外科」と「放射線科・放射線治療科」で診療しております。切除可能な場合は積極的に手術を行っております。手術以外でも、身体の外から針を刺し、がんに対して局所的に治療を行う療法(ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法)や、カテーテルを用いてがんに栄養を運んでいる血管を塞栓物質や抗がん剤を混ぜたもので人工的に塞ぐ肝動脈塞栓療法(肝動脈化学塞栓療法)も多数行っております。適応を考えて放射線治療も行っています。また、分子標的薬を使った治療も行っています。さらに、肝がんになりやすいウイルス性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎)の患者さまの抗ウイルス療法を積極的に行っています。最近の当院の傾向としては、再発・転移がんに対する治療が多いです。

※なお年間で10症例未満の症例は、個人情報の保護の観点から症例数等は表示されません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 22 12.91 61.95
中等症 62 19.37 73.79
重症 - 22.00 80.80
超重症 - 10.60 76.80
不明 0 0 0
産業医科大学呼吸器センターでは、肺疾患全般を受け入れており、主に肺腫瘍、COPD、気管支喘息、間質性肺疾患、呼吸器感染症を診療しております。上記の表は成人市中肺炎の患者数ですが、一般の罹患割合と違い、中等症以上の肺炎を多く診療しております。それは、大学病院という地域の中核医療機関として、一般病院からの重症肺炎の受け入れが多いことや、基礎疾患を有する患者が多く通院しており重症化しやすい患者層が多いことが理由になります。 

※なお年間で10症例未満の症例は、個人情報の保護の観点から症例数等は表示されません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 114 24.20 73.75 39.16%
その他 29 15.21 75.52 8.39%
 脳血管障害は、前触れなく脳の血管が破けたり、詰まったりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり、脳の働きに障害が起きる急病です。脳は脳卒中にとても弱く、血液が途絶えると短時間で回復不可能な程度に脳組織が損傷されてしまいます。こうなると、手足の麻痺や言葉を話せない、食べ物が飲み込みにくい、などの難治性の後遺症を残すことがあります。脳血管障害は原因により、「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞、一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血、クモ膜下出血)」の大きく2つに分けられます。
 脳梗塞では、発症4.5時間以内に治療が開始できる超急性期脳梗塞にはt-PA(tissue plasminogen activator)の投与による治療が行われ、早期再灌流により症状が改善して軽微な後遺症のない状態で復帰できることが期待できます。また、t-PA 療法単独では血流が再開できない脳梗塞の場合は、血栓を除去する血管内治療が行われ、著効例では重症脳梗塞患者さんが劇的に改善して社会復帰されます。この血管内治療は発症6時間以内に行われると良好な結果が得られますので、1分でも早く病院に患者さんが搬送されることが最も大切です。超急性期再灌流療法の適応とならない患者さんは、抗血小板剤、抗トロンビン薬や活性酸素を消去して脳を保護するエダラボンによる治療が行われます。心原性脳塞栓症には抗凝固療法が行われます。この場合は、重篤な後遺症が残ってしまうことも少なくありません。
 高血圧性脳内出血に対する急性期治療は、出血には止血が第一の目標になります。高度の高血圧は脳内出血を拡大させますので、迅速に降圧が行われます。各種の止血剤も使用されます。これらも時間との勝負であり、早ければ早いほど止血が早期に完了し、患者さんの救命率と機能が良くなります。
 クモ膜下出血は、脳の表面でクモ膜の下の層を走っている動脈にできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて、クモ膜の下に出血が広がる疾患です。突然の激しい頭痛と吐き気が起こります。クモ膜下出血の前兆には、「軽い頭痛」と「動眼神経麻痺」があります。クモ膜下出血の出血量が多く、重症の場合には、意識をなくしたり、突然、瀕死の状態になったりする場合があります。治療は、実際に頭を開けて脳動脈瘤を処理する方法(開頭クリッピング術)やカテーテルを使って原因となった脳動脈瘤の中に細い金属製のコイルを詰めて、こぶの内側を埋めるコイル塞栓術があります。
 脳血管障害の状態が安定すれば、急性期臥床時から積極的にリハビリテーションが行われます。その後、急性期病院から回復期リハビリテーション病院、維持期療養型あるいはかかりつけ医での途切れることのないリハビリテーションが続けられます。この慢性期には、非心原性脳梗塞症に対して抗血小板療法、心房細動による心原性脳塞栓症に対しては、抗凝固療法が行われます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科、腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 91 2.51 3.29 0.00% 66.86
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 50 6.66 14.46 8.00% 69.08
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 44 3.93 3.55 2.27% 71.16
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 39 2.62 2.69 2.56% 64.54
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 31 5.29 10.23 9.68% 79.87
経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的カテーテル心筋焼灼術、内シャント設置術、経皮的肺動脈形成術、が上位5疾患でした。他に、四肢の血管拡張術・血栓除去術や植込み型除細動器移植術や腹膜透析用カテーテル留置術、経食道心エコー図検査や負荷心エコー図検査も当内科で行っており年々多くなっています。内科診療科の中でも多数の手術、手技を行っており、いずれも増加傾向です。「腎炎」「腎不全」「透析」については、本学の循環器内科、腎臓内科のホームページ(https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/2nai/homepage/i_jinzou-kanzou_j.html)に詳細がございますので、こちらも併せてご参考にしてください。
消化管内科、肝胆膵内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 269 0.13 1.12 0.74% 68.31
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 158 1.91 7.55 4.43% 75.21
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 57 1.47 8.25 1.75% 74.14
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 45 1.60 6.98 2.22% 66.69
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 43 5.09 13.58 4.65% 66.07
消化管内科、肝胆膵内科では、消化器疾患を中心に専門分野を消化管疾患と肝胆膵疾患に大きく分けて、各領域の専門医が診療にあたっています。2020年度は術式別に、内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)、血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)、内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜下層剥離術、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)が多かったです。
 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は大腸ポリープに対する内視鏡的治療で、良性の腺腫性ポリープや早期の大腸癌に対して低侵襲かつ根治的な切除を短期入院で行っています。内視鏡的胆道ステント留置術は胆管結石や胆道悪性腫瘍、膵悪性腫瘍などによる閉塞性黄疸や胆管炎に対して胆道ドレナージを行う治療です。血管塞栓術(選択的肝動脈化学塞栓療法)は主に肝細胞癌に対する血管治療として行っています。食道・胃・十二指腸・大腸の早期悪性腫瘍に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術を行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 20 0.00 61.10 10.00% 0.00
K190-5 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 19 2.53 4.47 0.00% 18.05
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) - 0.00 17.22 0.00% 0.00
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - 1.50 5.75 0.00% 6.50
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - 1.00 11.00 0.00% 11.25
「新生児仮死蘇生術(仮死第1度)」「新生 児仮死蘇生術(仮死第2度)」
生まれてくる赤ちゃんの約10%は、出生時に呼吸を開始するために何らかの助け(呼吸の刺激や吸引など)が必要とされており、新生児仮死蘇生術とは出生後に元気 に泣かず、ぐったりしている新生児仮死の赤ちゃんが重篤な障害を残さないように適切な処置を行うことです。当院の周産期センターではスタッフ全員が新生児蘇生 法「専門コース」の認定資格を持っており、定期的に講習会も開催しております。院内での帝王切開には全例、通常の分娩でも赤ちゃんの状況に応じて有資格者が立ち会うことで、予期せぬ異常が発生した場合でも迅速に対応できる体制を整えています。

「重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填」
脳からの運動機能命令が十分伝わらず手足が固くなって自由に動かせなくなった患者さんに行う治療です。体内埋め込み式機械へ「バクロフェン」という筋肉の固さ を取る薬剤を定期補充します。清潔な操作で補充が必要なため、補充は外来または短期入院下で清潔操作下、定期的に行っています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
消化器・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 74 1.16 3.95 0.00% 65.26
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 67 2.87 5.25 0.00% 60.18
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 59 3.25 12.56 5.08% 72.15
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 40 1.00 6.43 0.00% 65.55
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 33 0.97 3.64 0.00% 67.12
当科は、消化器・内分泌外科を中心に一般外科を担当し、専門疾患を大きく次の4つに分け、各領域に専門医スタッフをおき診療を進めています。1)食道から胃・十二指腸までの上部消化管、2)小腸・大腸・肛門の下部消化管、3)肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓、4)甲状腺・副甲状腺や乳腺などの内分泌領域
 
 外来日は月曜・水曜・金曜で、それぞれの専門グループが外来を受け持ちます。食道・胃・大腸癌とともに膵臓癌・肝臓癌・胆道癌では外科手術のみならず、放射線化学療法などを組み合わせた集学的な治療により効果を上げています。外科手術では、腹腔鏡(カメラ)を使った手術を積極的に導入して、傷が小さく術後の痛みが少ない、なにより患者さんが楽な低侵襲手術を行っています。また乳癌の手術においても癌の拡がり範囲を画像検査や術中の顕微鏡検査で同定し、積極的に乳房温存手術を行っています。いずれの疾患でも患者さん中心の医療を心がけています。
呼吸器・胸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 54 3.43 10.98 7.41% 72.89
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 52 3.12 8.69 0.00% 70.06
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 34 3.74 9.76 2.94% 72.59
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 30 1.57 9.33 0.00% 61.53
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 23 5.48 7.17 8.70% 47.52
 呼吸器・胸部外科では肺や縦隔、乳腺疾患の治療を担当しています。特に肺癌、縦隔腫瘍に対する手術は九州ではトップレベルの手術数をおこなっています。当科では肺癌に対する手術のうち、約7割が胸腔鏡というカメラを用いて,小さな傷で手術をおこなっています。 2018年4月からはロボット支援下手術が保険適応となり、当院ではロボット支援下の肺葉切除をおこなっており、小さな傷で手術を行うとともに、精密な手術が可能となっています。肺癌の種類や進行度と患者さんの全身状態を評価して、適切な手術方法(胸腔鏡手術あるいはロボット支援下手術あるいは開胸手術)や切除範囲(肺葉切除あるいは区域切除あるいは部分切除)を考慮して、低侵襲で、かつ根治することができる治療を行うために、一人一人の患者さんに最適な手術の方法を選択しています。
※本年度、肺の悪性腫瘍へのロボット手術として、上記の術式以外にも「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用)」を22症例等を実施しています。
 最近では、CTにしか映らない淡いすりガラス陰影をもつ肺癌が見つかるようになっています。この肺癌の問題点は淡く病変が触れないことや場所がわかりにくいことでした。当院ではこのような肺癌に対して、気管支鏡を用いて肺癌の近くの肺に複数箇所マーキングを行うことで腫瘍と切除する範囲を決める方法(マッピング法)を導入しており、確実に肺癌を切除することが可能となっています。
 肺癌が隣接する臓器に浸潤している場合には、肺癌を根治するためには隣接する臓器も切除が必要な場合があります。隣接する臓器も一緒に合併切除(拡大手術)した場合には、元の状態に機能を戻す再建術も同時におこなっています。この手術は、肺癌の進行や組織型と機能を考慮して慎重に手術の治療法を選択しています。また非常に高難度な手術が含まれていますが、これまでの数多くの経験と実績により、拡大手術を行うことが可能となっています。
 令和元年から自家肺移植を開始しています。肺癌が肺門の血管に浸潤している症例では肺全摘術をしなければ切除が不可能な症例があります。そのような症例では一旦、肺全摘術を行い、体外に全肺を取りだした後に、癌のある肺を取り除き、正常な肺葉を患者さんに戻す、いわゆる自家肺移植を行っています。癌を切除するとともに、正常な肺を温存することにより、患者さんの肺機能の温存やQOLの改善につなげることができる手術方法であります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 106 2.49 15.37 86.79% 67.91
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 166 3.83 12.14 41.57% 70.70
K0821 人工関節置換術(膝) 87 2.63 14.60 91.95% 73.80
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 35 8.37 17.83 77.14% 75.34
K0821 人工関節置換術(肩) 32 2.16 12.91 59.38% 78.75
近隣の医療機関から保存治療で改善しない変形性膝関節症や脊柱管狭窄症(腰部および頸部)の患者さんを数多くご紹介していただいています。変形性膝関節症に対しては人工関節置換術(膝)を、脊柱管狭窄症(腰部および頸部)に対しては病態に応じて脊椎固定術や椎弓切除術や椎弓形成術を行っています。術前計画ソフトやナビゲーションシステムを活用して安全に低侵襲で手術を行うことが可能になっています。高齢者の大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折などの骨粗鬆症性骨折が近年増加しています。可能な限り早期に手術を行い、早期に離床し、社会復帰できるよう努めています。骨折後の骨粗鬆症治療を徹底するよう取り組んでいます。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 26 0.62 2.38 0.00% 61.85
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 21 0.90 1.86 0.00% 40.29
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 19 0.79 1.26 0.00% 25.63
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 14 0.36 1.57 0.00% 61.14
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 13 0.69 2.54 0.00% 33.15
眼瞼下垂
形成外科では診療科別DPC係数、術式件数共に眼瞼下垂症が1位となりました。これは加齢に伴う眼瞼下垂の治療が知られてきたこと、近隣の眼科よりの紹介が年々増えている結果だと思います。加齢に伴う眼瞼下垂症では一般的に眼瞼挙筋腱膜を瞼板に短縮して縫合する方法を基準に行なっています。これは局所麻酔で行い、手術中に座位になっていただいて開瞼の改善程度を確認して行います。外来手術でも可能ですが、手術当日に十分眼瞼部を冷却、安静にすることで術後の腫脹や紫斑形成が少なくなることを考え、手術前日からの2泊3日手術をおすすめしています。他方先天性眼瞼下垂症では眼科と共同して手術時期を考えますが、2-5歳前後で行うことが多く、大腿筋膜を利用して前頭筋への釣り上げ術を基準に行なっています。小児期の手術であり全身麻酔下となります。また入院期間は筋膜採取部の状態で数日間要しています。

皮膚腫瘍(悪性を含む)
 体表面の腫瘍切除及びその再建も形成外科では積極的に行っています。特に顔面の腫瘍切除後の変形は患者さん自身にとっても社会生活をおくるうえで重大な問題であると考えます。そのため形成外科ではできるだけ腫瘍切除後の変形がより小さく、目立たなくすることを目指した治療を行っています。部位や腫瘍の大きさによって単純に縫合して線状のキズあとを残す場合や近くの組織を移動させる皮弁、離れた部位から皮膚を移植する植皮などの再建方法を選択して行っています。また悪性腫瘍に関しては手術中に迅速検査で十分切除できていることを確認後再建を行っています。入院期間は再建方法によりますが3−10日くらいです。

乳房再建
 乳がん切除後の乳房再建としてはご自身の背中や腹部の皮膚、筋肉を移動させて行う筋皮弁という方法:自家組織再建とシリコンインプラント:人工物を用いる再建があり、昨年は人工物による再建数が多くありました。残念ながら人工物を用いた再建におけるシリコンインプラントにより二次的にリンパ腫が発生する報告があり、国内でも死亡例がでました。そのため世界的にこのインプラントが使用停止となりました。代わりに用いることができるインプラントもありますが今まで用いていたものに比べて再建できる形態などが落ちる可能性があります。当科としては当面人工物による再建は慎重に行います。他方自家組織による乳房再建は今後も十分対応できますので再建希望の方は乳腺外科医と相談しながら今後も行っていく予定です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 36 0.33 10.17 16.67% 77.06
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 32 10.56 33.59 37.50% 59.69
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 12 6.58 11.92 0.00% 63.17
K1742 水頭症手術(シャント手術) - 13.38 12.38 62.50% 64.38
K154-3 定位脳腫瘍生検術 - 6.29 32.14 57.14% 74.14
産業医科大学 脳神経外科では、年間約300例の手術を行っており、特に脳腫瘍の外科的治療を中心として施行しています。

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷、頭部打撲が原因となり、受傷からゆっくりと硬膜下に血腫が形成されます。血腫の量が少ない場合は経過観察を行いますが、症状(麻痺、歩行障害、認知機能低下など)が出ている場合は手術が必要になります。手術は、局所麻酔下に頭蓋骨に小さな穴を設けて、貯留している血腫を洗浄および除去します。場合によっては、神経内視鏡を用いた血腫腔の観察も行います。

頭蓋内に発生する脳腫瘍には良性、悪性のさまざまな腫瘍があります。脳腫瘍の摘出術時には神経ナビゲーションを使用し、術中各種のモニタリング(体性感覚誘発電位、聴性脳幹反応、運動誘発電位、視覚誘発電位)を行います。また、悪性脳腫瘍には術中に腫瘍細胞(5-ALA)を光らせて腫瘍だけを摘出します。このようにして、脳あるいは脊髄の機能を最大限に温存する手術を心がけています。

下垂体腫瘍はホルモンを調整する下垂体にできる良性の腫瘍です。腫瘍によりホルモンの症状や視野異常を認めることがあります。当院では、神経内視鏡を鼻腔内より下垂体腫瘍部まで挿入し、広い視野で、しかも低侵襲に確実な腫瘍摘出術を行う治療を施行しています。さらに、頭蓋底部に発生した腫瘍においては、神経内視鏡と開頭術を同時に使用した治療も行います。

脳動脈瘤は、頭蓋内動脈の一部がコブ状に膨らんだ状態で、多くは動脈と動脈の分岐部分に認められます。この動脈瘤が破裂すると、脳を包んでいるうすい膜(くも膜といいます)の下に出血が広がり、これをくも膜下出血と呼んでいます。くも膜下出血は、生命にかかわる病気であり、社会復帰できるのは、約3人に1人とも言われています。当科では、破裂した脳動脈瘤に対して再破裂を防ぐ目的でクリップをかける手術を行います。

内頚動脈内にプラークが形成され、動脈の狭窄を生じることがあります。狭窄が進行すると脳の血流が低下し呂律困難や運動麻痺などを伴う脳梗塞を生じることがあります。これらを防ぐために、頚動脈を切開し内部のプラークを摘出する治療を行います。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 59 2.37 5.03 1.69% 78.83
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 38 3.76 6.50 5.26% 76.68
K560-22ニ オープン型ステントグラフト内挿術(上行・弓部同時、その他) 15 1.60 22.53 26.67% 64.33
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 12 1.00 1.08 0.00% 73.00
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) - 7.25 7.13 12.50% 74.50
当科では、心臓・血管疾患の外科治療(手術)を担当しています。主に、大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症といった心臓弁膜症に対する弁置換術もしくは形成術、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心臓病に対する冠動脈バイパス手術を行っています。さらに、大動脈瘤に対する人工血管置換術やステントグラフト内挿術、末梢動脈閉塞症に対する血行再建治療としての動脈バイパス手術、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術も手がけています。

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小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) - 1.00 1.00 0.00% 3.33
K836 停留精巣固定術 - 1.00 1.00 0.00% 1.00
K7322ロ 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴うもの)(その他) - 1.00 3.00 0.00% 1.00
K836-2 腹腔鏡下腹腔内停留精巣陰嚢内固定術 - 1.00 1.00 0.00% 3.00
主科としての診療の他に、小児への手術や診療について、各専門科と協働であたっています。

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眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 390 0.20 1.25 0.77% 73.43
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 211 0.53 7.74 0.00% 61.24
K2682イ 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) 37 0.30 5.22 0.00% 69.00
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 34 0.44 7.79 0.00% 60.62
K2683 緑内障手術(濾過手術) 30 0.40 8.70 3.33% 74.47
当院は、未熟児網膜症に対する硝子体手術が可能な全国でも数少ない施設のうちの1つです。また、別に増殖硝子体網膜症手術(高難度手術)に多くの実績があります。
「水晶体再建術」は,白内障に対する手術 です。1泊2日もしくは2泊3日での入院治療を行っています。
「硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)、(その他)」は,網膜剥離、糖尿病網膜症,黄斑円孔,網膜前膜、硝子体出血などに対する手術です。
従来法に比べ低侵襲な眼内法による「緑内障手術(流出路再建術)」を行なっています。
また、翼状片手術、眼瞼手術、斜視手術や角膜移植術(内皮移植含む)も行っています。
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 81 1.48 5.26 0.00% 23.00
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 35 1.51 3.06 0.00% 57.14
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 34 0.09 7.85 0.00% 60.24
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 2.27 3.32 0.00% 58.50
K319-21 経外耳道的内視鏡下鼓室形成術(上鼓室開放を伴わない) 20 1.50 1.40 0.00% 42.75
手術(慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術、鼓膜チューブ挿入術、内視鏡下鼻副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術、耳・鼻・口腔・咽頭・喉頭・唾液腺の腫瘍)では、出来るだけ小侵襲で行い、術後早期の退院を目指しています。さらに、高度難聴に値する人工内耳・人工中耳植込術、甲状腺腫瘍に対する内視鏡補助下甲状腺手術など、術後のQOLを改善する手術にも積極的に取り組んでいます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 116 1.41 6.40 2.59% 74.87
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 17 2.47 2.76 0.00% 51.06
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 11 1.00 2.55 0.00% 52.45
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 11 1.00 2.45 0.00% 53.45
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) - 1.43 2.29 0.00% 60.43
皮膚悪性腫瘍切除術は主に基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫が対象となります。皮膚悪性腫瘍は高齢者に好発し、腫瘍の大きさ、部位に応じて局所麻酔や全身麻酔で手術を行っています。

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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 161 1.14 3.23 0.62% 74.73
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 84 1.36 2.79 0.00% 62.54
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 52 1.12 9.17 0.00% 68.62
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 43 1.02 6.65 4.65% 68.93
K773-51 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術支援機器・7センチ以下) 30 1.23 8.30 0.00% 65.87
産業医科大学泌尿器科では悪性腫瘍の手術が多く、ダ・ヴィンチを用いたロボット手術の開始後、ますます手術症例数が増加しています。また、泌尿器悪性腫瘍に対する手術のほとんどは腹腔鏡を用いて行っていますが、進行した症例に対しては、従来の開腹手術も行っています。進行例に対しても、他診療科と協力して積極的に手術を行います。

以下に主な泌尿器悪性腫瘍に対する手術療法を列記します。

・腎臓がん
 腎摘除(ロボット支援腹腔鏡下/開腹)  
 腎部分切除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹)

・前立腺がん
 前立腺摘除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹)
 小線源療法

・尿路上皮がん(腎盂/尿管/膀胱がん)
 腎尿管全摘除術(ロボット支援腹腔鏡下/開腹) 
 膀胱全摘除術(ロボット支援腹腔鏡下/腹腔鏡下/開腹) 

またその他に症例数の多い手術としては、尿路結石(腎結石、尿管結石)、前立腺肥大症に対する手術が挙げられます。尿路結石に対しては内視鏡やレーザーを用いた内視鏡による砕石術の他、外来日帰り手術として行うことが出来る体外衝撃破結石破砕術も数多く行っています。腎結石に対する従来のものより細い内視鏡を用いた砕石術や、前立腺肥大症に対するより低侵襲な術式(レーザー蒸散術)など新しい手術も積極的に取り入れることにより、より安全、効果的な治療が可能となっています。
がんに対する抗癌剤を用いた化学療法、新たな免疫療法などの薬物療法や放射線治療も積極的に行っており、難治性や重症感染症に対する治療、尿失禁や骨盤臓器脱などの女性泌尿器科疾患、排尿障害、腎や性器外傷などあらゆる泌尿器科疾患に広く対応しております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 83 1.40 3.36 0.00% 42.13
K867 子宮頸部(腟部)切除術 55 0.78 1.07 0.00% 43.13
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 54 1.57 4.24 0.00% 47.02
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 41 0.76 1.00 0.00% 50.54
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 38 3.47 12.89 0.00% 57.11
子宮付属器腫瘍摘出術(腹腔鏡)
低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は現在適応が拡大され、積極的に臨床で用いられている当院には婦人科内視鏡技術認定医が常勤しており、積極的に適切な適応と判断した症例には鏡視下手術を行なっています。

腹腔鏡下腟式子宮全摘術
低侵襲手術としての腹腔鏡下手術は現在適応が拡大され、積極的に臨床で用いられている当院には婦人科内視鏡技術認定医が常勤しており、積極的に適切な適応と判断した症例には鏡視下手術を行なっています。

また、いわゆるロボット手術の症例も実施しており、昨年度では、「腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用)」22症例等の実績を有しております。

また、帝王切開術等の産科領域での手術の実績も十分に有しております。
救急集中治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 34 0.88 13.82 88.24% 78.32
K125 骨盤骨折観血的手術(腸骨翼及び寛骨臼骨折観血的手術を除く) 19 2.42 21.21 78.95% 78.74
K0462 骨折観血的手術(下腿) 15 2.07 17.67 40.00% 51.73
K0462 骨折観血的手術(前腕) 11 0.64 2.82 9.09% 42.36
K0461 骨折観血的手術(上腕) 10 1.00 12.00 50.00% 64.20
救急科でも外傷手術を行っています。大腿骨近位部骨折や前腕、鎖骨骨折の患者さんが多いため、その関連の手術数が多くなっています。
脳卒中血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 13 4.62 8.46 0.00% 67.31
K1781 脳血管内手術(1箇所) 11 1.91 15.45 18.18% 74.00
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 10 4.20 7.70 10.00% 77.80
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - 0.00 19.00 62.50% 79.63
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - 20.50 14.50 100.00% 60.00
脳卒中関連疾患に対し、脳神経外科と随時連携して治療にあたっています。

※1年間で10症例未満の症例については、個人情報の保護の観点から数値を出さないことになっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.01%
異なる - 0.05%
180010 敗血症 同一 13 0.08%
異なる - 0.02%
180035 その他の真菌感染症 同一 - 0.01%
異なる 39 0.24%
180040 手術・処置等の合併症 同一 14,954 90.39%
異なる 1,511 9.13%
病気やケガの治療を進める過程で、予期できたり、できなかったりする様々な症状や合併症がすることがあります。ここで示している4つの指標はその代表的なものです。

 『入院契機』が「同一」とは傷病名に示した症状が原因で当院に入院されたことを表し、「異なる」とは他の症状で入院したが、入院中の主だった治療が傷病名に示した症状に対するものだったことを表します。

 『播種性血管内凝固症候群』や『敗血症』では救急入院が多く、重篤な状態で入院となった症例が多くみられました。

 『その他の真菌感染症』では、入院契機となった症状で予定入院となり、入院後の検査等で真菌感染症が確定した方が多くみられました。

 『手術・処置等の合併症』では、多くが予定入院でその症状のための入院がほとんどでした。内容としては、人工関節や眼内レンズなど体内への挿入物の合併症(脱臼や破損など)、また術後の感染症などが多くを占めていました。当院は、北九州医療圏唯一の特定機能病院(大学病院)として、他の医療機関からそのような症状になった症例を引き受けることが多くあります。

※なお年間で10症例未満の症例は、個人情報の保護の観点から症例数等は表示されません。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,902 1,672 87.91%
当院では、手術の術式におけるリスクレベルによって、患者さんへの対策を決めるのではなく、患者さん個人の状態における患者さんの肺血栓塞栓症のリスクを評価をし、必要となる対策を実施しております。
そのため、リスクレベルが「中」以上の手術であっても、患者さんのリスクが低い場合には予防策を実施していないことがあります。
複数の学会から合同で出されている「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン」においても、患者さんの状態の評価を行い、予防対策を実施することが明示されています。
また、患者さんのリスク評価や肺血栓塞栓症の予防対策の実施状況については、医療の質・安全管理部によって毎月モニタリングされており、患者さんに安全・安心な医療を提供できるように取り組んでおります。
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
大学病院などの特定機能病院では、分析対象である「細菌培養同定検査」が「基本的検体検査実施料」に含まれ、個別に分析することができないため、この項目については掲載ができません。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード(掲載データがないためできません)
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
大学病院などの特定機能病院では、分析対象である「細菌培養同定検査」が「基本的検体検査実施料」に含まれ、個別に分析することができないため、この項目については掲載ができません。
更新履歴
2024.10.01
公開
2024.10.15
各科コメントの更新・修正
2024.10.29
各科コメントの更新・修正
2024.11.11
各科コメントの更新・修正