医局員コラム

第55回日本呼吸器学会学術講演会 学術部会賞:生越貴明

 

 

 平成27417日から19日に東京国際フォーラムで開催された第55回日本呼吸器学会学術講演会において、学術部会優秀賞を頂く事ができました。呼吸器科医にとって最も権威がある会で選ばれたことを光栄に思うと同時に迎先生、矢寺先生、城戸先生を初めとしたご指導頂いている先生方に改めて感謝しております。

 

 私の演題は「NO合成酵素完全欠損マウスを用いた低酸素性肺高血圧症におけるNOの役割の検討」という報告です。特発性肺高血圧症はこの10年間で新薬が次々と開発され、それは劇的な効果及び予後改善をもたらし、パラダイムシフトが起きた疾患の一つです。しかし一方では間質性肺炎やCOPDのような呼吸器疾患に合併する肺高血圧症(いわゆる低酸素性肺高血圧症)においては、それらの薬は効果を示さず、詳細な病態解明が現在求められています。これらの背景のもと一酸化窒素(NO)に注目し、この機序解明を城戸貴志先生、矢寺和博先生のご指導の下で開始しました。NO合成酵素完全欠損マウスなどの遺伝子改変マウスを用いて低酸素性肺高血圧モデル及びそれに加えた骨髄置換モデルなどを作成し「NOは骨髄系前駆細胞などを含めた様々な機序で低酸素性肺高血圧に保護的に関与している」ことを明らかにし、今回の発表及び受賞に至りました。全て実験は終了しておらず、本研究が少しでも実臨床での病態解明や将来の治療法開発の一助となればと夢をみながらあと少し継続していきます。

 

 本研究は、産業医科大学薬理学教室(柳原延章先生、豊平由美子先生)、病理学教室(山田壮亮先生、王克辮謳カ)、呼吸病態学(和泉弘人先生)、琉球大学大学院医学研究科薬理学教室(筒井正人先生)及び東北大学大学院医学系研究科循環器内科学教室(下川宏明先生)とのご協力及びご指導の下で進めています。このようなご高名な先生方と顔がみえ、すぐにご相談に行ける環境は、小さな大学であるからこそできるものであり、改めて恵まれた環境で研究をさせてもらっているものと実感しています。

 

 さらに、この研究については琉球大学大学院医学研究科薬理学教室の筒井正人先生のご尽力抜きには語れません。筒井先生は、本研究で用いた「NO合成酵素完全欠損マウス」を世界で初めて開発に成功し、今回その貴重なマウスをお借りして機序解明をさせていただいています。さらには那覇から毎回朝、夕問わず、的確なアドバイスを熱くご指導していただき、基礎研究の奥深さと面白さを実感し、非常に感謝しています。また同時に筒井先生、柳原先生は、自分が所属していた産業医大ソフトテニス部の熱い元OB会長及び現顧問でもあり、学生時代には一緒に研究することなど夢にも思っていませんでした。今回、改めてソフトテニス部の存在にも感謝しております。

 

 今後も本研究を更に発展させるよう尽力して参ります。どうぞご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。















文責:呼吸器内科学
更新日:2015年4月22日