医局員コラム

■近況報告  赤田 憲太朗

 2012年4月より修練指導医, 大学院生として勤務させて頂き3年が経とうとしております。私に与えられたテーマは, 「誤嚥性肺炎と網羅的細菌叢解析」, 「誤嚥性肺炎と口腔内衛生」, 「β-ラクタマーゼの産生メカニズム」, 「当院の肺炎球菌の血清型調査」, 「気管支喘息とNO」です。同門会のみなさま方に多大なご協力をしていただいておりますので, 私の研究の進捗状況についてお伝え致します。
「誤嚥性肺炎と網羅的細菌叢解析」は, データの解析, 論文化が終了し雑誌への投稿準備中です。誤嚥性肺炎における原因菌についての網羅的細菌叢解析のデータはこれまでになく貴重なデータと考えております。「誤嚥性肺炎と口腔内衛生」のデータが出せたら, さらに一歩踏み込んで, 誤嚥性肺炎の診断基準を作成していく予定です。
「β-ラクタマーゼの産生メカニズム」は, キューリンの村谷哲郎先生の指導のもとで研究させていただいております。現在, プラスミド性誘導型AmpC βラクタマーゼ産生菌を用いて抗菌薬ごとのβ-ラクタマーゼ誘導能を研究しております。このメカニズムを研究することはその先に耐性菌を制御する研究につながりますので, 大変重要な研究と考えております。私が耐性メカニズムを解明し, 内藤先生にどうやってそれを制御していくかについて解明していただきたいと思います。
「肺炎球菌血清型調査」は, 国立感染症研究所細菌第一部 常彬先生と共同研究をさせていただいております。投稿準備中です。解析数は多くありませんが, 当院だけのデータですので, だからこそ詳細な解析が行えました。今後の肺炎球菌ワクチンのあり方について, 波紋を呼ぶ貴重なデータだと思います。
「気管支喘息とNO」は, 本学薬理学教室と琉球大学薬理学教室共同と本学第二病理学教室と共同で研究を行っております。NOS阻害薬や iNOS, eNOS, nNOS シングルノックアウトやi/e, i/n, e/nNOS ダブルノックアウトマウスでのデータはありますが, n/i/eNOSトリプルノックアウトマウスを用いた喘息の研究は今までになく未開拓の分野です。飼育室でマウスの感染症が発覚し, 残念ながらマウスが使用できない時期があり, 研究が滞っておりますが, 研究を進めてまいりたいと思います。
 のろまなため皆様にご迷惑をおかけすることが多い私ですが, 迎先生をはじめ, 医局員の先生方の御指導, 後輩ドクターや秘書さんや研究助手さんのサポートのもと, 少しずつではありますが確実に前進しているかと思います。折尾からたくさんのエビデンスを発信するべく努力していく所存です。今後ともご指導ご鞭撻の程宜しくお願いします。


文責:呼吸器内科学
更新日:2015年10月9日