医局員コラム

■受賞報告:田原 正浩
 第29回 Pneumo Forum 最優秀賞
 第60回 日本呼吸器学会学術講演会 学術部会賞優秀賞


 この度、令和2年9月20日から22日に開催された第60回日本呼吸器学会学術講演会において学術部会賞優秀賞を、令和2年11月7日に開催された第29回Pneumo Forumにおいて最優秀賞を頂くことができましたので、ご報告申し上げます。

 受賞の対象となりました発表は「PM2.5の短期曝露は特発性肺線維症急性増悪のリスク因子である」という演題名で、特発性肺線維症(IPF)急性増悪と大気汚染の関係について解析を行った研究です。これまで大気中のオゾンや二酸化窒素の短期曝露がIPF急性増悪のリスク因子であるという報告はありましたが、PM2.5とIPF急性増悪の関係は不明なままでした。PM2.5は呼吸器疾患のみならず、様々な疾患の原因となるため社会問題となっています。そこでPM2.5の短期曝露もIPF急性増悪のリスク因子になるのではないか、との仮説のもと本研究を開始致しました。
 本研究では、浜松医科大学主導のもと構築された全国規模のIPFデータベース(Fujisawa T, et al. ERJ 2019; 53: 1802243)を使用させていただき、IPF急性増悪とPM2.5を含む大気汚染物質の濃度上昇との関係を調べました。その結果IPF急性増悪発症は「急性増悪診断月」または「急性増悪診断の1ヶ月前」のPM2.5の月平均濃度上昇と有意に相関しており、PM2.5が10 μg/m3上昇した際の調整オッズ比は2.08(95%信頼区間 1.10?3.94)との結果が得られました。
 現在も論文化に向けて研究を続けております。このような光栄な賞を受賞させて頂けたことを糧に、本研究がIPF急性増悪予防の一助となれるよう、引き続き精進する所存でございます。

 最後になりますが、発表に際しまして、矢寺教授をはじめとする医局の先生方には熱心なご指導いただきました、誠にありがとうございました。また、産業医科大学環境疫学研究室の藤野教授には統計解析についてご指導いただきました。浜松医科大学第二内科学講座の須田教授をはじめとする浜松医科大学の先生方にも、多大なるご尽力を賜りここまで研究を進めることが出来ました。この場を借りて深く御礼申し上げます。
 今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します


文責:呼吸器内科学


更新日:2020年11月25日