医局員コラム

■ 日本感染症学会西日本地方会 感染症優秀論文賞(臨床部門)を拝受しました。:川波敏則

この度は、日本感染症学会西日本地方会・感染症優秀論文賞(臨床部門)を拝受致しましたので、慶びと感謝、そしてこれからの決意とともに、私の研究との出会いについて、コラムへ投稿させていただきました。

 私の場合、研究への入り口は、突然の出来事でした。

 医師5年目のある日、他院から経口抗菌薬不応の肺炎として患者さんが紹介入院されてきました。左全肺野のすりガラス状陰影を伴い、細菌性肺炎以外も疑われたことから、入院当日に原因精査のため気管支鏡検査を行いました。検査後すぐに、気管支洗浄液の中にフィラメント状の細菌?が見えると、検査室から連絡があり、即、微生物学教室(教授 谷口初美先生)に相談に行きました。同教室で気管支洗浄液の細菌叢を解析するという新しい方法で菌を同定していただき、「レプトトリキア」??という耳にしたこともない細菌の名前を聞かされました。この結果をもとに細菌性肺炎として治療を行うことができました。

 通常の培養ではわからない肺炎の起炎菌が判明できたことから、当時、「この方法があれば、細菌性肺炎の原因は全部分かる!」と興奮したことを覚えています。その数日後、当時の医局長の矢寺先生から大学院進学の打診を頂きました。当時、人手不足により医局員を大学院に進学させることが厳しい状況の中、進学をお薦め頂いたこと、部活の先輩からの頂いたお話であったこと等から、ほぼ選択肢のない中での大学院への進学でした。

 大学院では、微生物学教室の先生に大変お世話になり、谷口教授をはじめ、講師の福田和正先生に「細菌叢解析」について熱血ご指導をいただき、呼吸器検体における細菌叢解析の臨床応用をテーマに研究しました。そして、今回、胸水における細菌叢解析の研究成果を発表させていただき、これについて賞を戴くこととなりました。

 迎教授、谷口教授をはじめ、多くの先生方のご指導やご支援の上で戴いた賞であり、この受賞は「これからの研究生活への激励」のため戴いたものと考えております。このことを胆に銘じ、今後一層、精進していきたいと思います。



        
   





文責:呼吸器内科
更新日:2011年10月21日