モーニング・ミーティング
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  • 喘息予防ガイドライン2012 改訂のポイント
    日時:平成24年12月7日
    発表者:矢寺和博
    主な内容;
    1.喘息の急性増悪(発作)への対応
     喘息発作の強度に治療ステップを対応させた発作治療をステップ別に追加(発作治療ステップ)
    2.喘息死(疫学)アップデート
     「喘息の疫学」と「種々の側面」に重複して記載されていたものを「疫学」に統一し、最新の情報がアップデート
    3.喘息の長期管理に関する治療内容
     吸入ステロイド薬投与用量の表記方法の変更と新薬の追加
     治療スッテプ内(ステップ2,3)にSMARTが記載
     各薬剤の治療スペクトラム表が新たに追加
     各吸入デバイスの吸入方法が追加
     喘息管理の為に有用な検査項目の詳細な表が追加
    4.修飾因子(種々の側面)の記載内容の充実
     アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)
     使用可能薬剤、発作時使用ステロイド製剤の記載
     運動誘発喘息
     アスリート喘息の診断の作成と使用可能薬剤アップデート
     高齢者(老年者)喘息
     COPD(オーバーラップ症候群の定義と治療)
     合併症
     アレルギー性鼻炎
     Churg-Strauss Syndrome(好酸球性肉芽腫性多発血管炎)
     アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)
     喘息と心不全(Framingham criteriaの記載)
     GERD
    5.予防接種について追記
     卵アレルギー患者へのインフルエンザワクチン接種時のACIP勧告

  • Disease Flare after Tyrosine Kinase Inhibitor Discontinuation in Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer and Acquired Resistance to Erlotinib or Gefitinib
    日時:平成24年11月30日
    発表者:長田周也
    主な内容;EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者において、エルロチニブあるいはゲフィチニブに抵抗性となった後、病勢が急速に増悪することが経験される。EGFR遺伝子変異肺癌患者で、TKI使用後に耐性となり、臨床試験に参加した症例について、TKI中止後の急速な増悪の有無について検討された。急速な増悪は、TKI中止後、次の治療が施行される以前に起きた病勢悪化による入院と死亡と定義した。61症例のうち、14症例において、急速な増悪を認めていた。TKI中止後から増悪までの期間の中央値は8日間であった。TKIの治療期間が短いこと、胸膜病変、中枢神経病変があることが、急速な増悪と関連していた。T790Mの存在は関連はなかった。


  • 小細胞肺癌の化学療法について
    日時:平成24年11月27日
    発表者:内村圭吾
    主な内容;我々呼吸器内科医が扱う疾患でもっとも入院患者が多い疾患として肺癌がある。肺癌の疫学、組織型に分けた標準治療(特に化学療法)、化学療法の歴史的変遷や、遺伝子変異による治療法選択、患者の予後、目指すべき治療目標について臨床腫瘍学教育セミナーを参考にして小細胞肺癌についてまとめた。


  • 肺移植について
    日時:平成24年10月19日
    発表者:石本裕士
    主な内容;改善が期待できない慢性の呼吸疾患の診療において、肺移植という選択肢を常に意識しておくことは呼吸器内科医にとって大切なことである。移植を行うことを考慮すべき疾患や、適応基準など、つまりレシピエント側にたった知識の整理が重要であることはいうまでもないが、ドナー側の観点からも臓器移植の実情を把握しておくことは、レシピエント登録を適切な時期に行うことの重要性を再認識するためにも大切なことである。
    10月16日はグリーンリボンDAYということでもあり、臓器提供意思表示の実際を紹介し、脳死肺移植における本邦の状況を概説した。臓器移植法の改正に伴い、脳死における臓器提供は、それ以前に比べると増加しているが、レシピエント登録症例の数を考えると、まだまだ十分な待機時間の短縮には至っていないのが現状である。


  • 非小細胞肺癌の化学療法について
    日時:平成24年10月9日
    発表者:内村圭吾
    主な内容;我々呼吸器内科医が扱う疾患でもっとも入院患者が多い疾患として肺癌がある。肺癌の疫学、組織型に分けた標準治療(特に化学療法)、化学療法の歴史的変遷や、遺伝子変異による治療法選択、患者の予後、目指すべき治療目標について臨床腫瘍学会教育セミナーを参考にして非小細胞肺癌についてまとめた。


  • 慢性心不全患者における心拡大と肺機能の変化について

    日時:平成24年10月5日
    発表者:西田千夏
    背景:このスタディーでは、コントロール群と慢性心不全群において、「心臓のサイズが大きくなること」がmaximal lung volume、forced expiratory air flows、the diffusing capacityにどのように影響するかを調査した。
    方法:慢性心不全群(HF群)41例、group A(NYHA1~4);26名、group B(NYHA 3~4);15名、コントロール群41例において、総胸腔容積、横隔膜:心臓・肺の容積を見積もるために、超音波カルディオグラフィー、肺機能検査、胸部X線(正面、側面)を行った。
    結果:HF group A、BとControl群の3群間において、総胸腔容積(TTC volume);有意差あり(p<0.001)。HF群全般と、Control群において、左室の大きさ;有意差あり、Lung volume(%TTC)は、HFが重いほど減少(p<0.001)。拘束性肺機能障害は心臓容積と最も強い関係があった。
    結論:「心臓が大きくなること」は肺の圧迫を来し、心不全患者でしばしばみられる拘束性肺機能障害に大きな役割を果たしていることが示唆された。


  • 間質性肺炎の治療中に生じた呼吸不全の増悪に対する対応

    日時:平成24年9月21日
    発表者:石本裕士
    主な内容;間質性肺炎に対してステロイドなどを使用している症例において、急性呼吸不全(慢性呼吸不全の増悪)が生じた場合、様々な病態を想定した対応が必要となる。日和見感染症である場合、薬剤性肺障害の併発である場合、原疾患である間質性肺炎が急性増悪を生じている場合など、病態別に鑑別をすすめることが、見逃しを少なくするためにも重要である。
    50歳代男性、特発性間質性肺炎に対するステロイド使用中に生じた呼吸不全の増悪、新たなすりガラス状陰影を呈した症例を提示した。個の症例は、S/T合剤の予防投与が中断されていた状況で、ニューモシスティス肺炎を生じた症例である。なお、非HIV症例におけるニューモシスティスは肺炎が予後不良とされるが、本症例も死亡に至った症例であった。
    また、ニューモシスティス肺炎の基礎知識、検査方法、治療方法の確認も行った。


  • Lomg-term outcomes of Pandemic 2009 influenza A H1N1 associated severe ARDS

    日時:平成24年9月14日
    発表者:川波敏則
    主な内容;
    背景:2009年に世界大流行したインフルエンザA(H1N1)感染症に罹患しARDSまで発展した患者の生存者における長期予後等のデータはないため、本研究では、H1N12009pdm関連ARDS患者の生存者で、ELCA(extrapukmonary corpal lung asist)群とno-ELCA群における1年後を比較した。
    方法:REVA登録に登録されたH1N12009pdm関連ARDS患者の生存者のうち、感染発症前は健常人もしくは重症化のリスク因子として知られている妊娠または中等度まで肥満(BMI35未満)の患者が登録され、ECLA群12名(75%に相当)、no-ECLA群25名(54%)が登録された。ARDSの生存者のうち、肺機能評価と形態学(画像や病理)、HRQQL、精神障害について評価した。
    結果:ECLA群とno-ECLA群があり、ICU退院後1年で、著名な労作時息切れを認めるのが、50%と40%に。復職したのが83%と64%に。拡散能の減少が75%と64%に。肺機能はほぼ正常であった。CTでは、多少の異常所見が認められた。HRQQLでは、36アイテムSFHSによって評価され、性別年齢でマッチさせた一般の人と比較して、両群ともに低下しているものの、両群間の差はなかった。ECLAとno-ECLA群の患者で不安症状が50%と56%に。うつが28%と28%に。Post traumatic stress disorderのリスクが41%と44%に。
    結論:ICU退院後1年で、H1N1関連ARDSを生じた生存者の多くは、小さな肺の障害(拡散能の低下)を生じており、精神的な障害とHRQQLの低下を認めた。ECLAとno-ECLA群間では結果に見られなかった。

  • Gefitinib as palliative therapy for lung adenocarcinoma metastatic to the brain

    日時:平成24年4月8日
    発表者:長田周也
    主な内容:肺非小細胞癌のstage3A、3Bの治療方針については、集学的治療を用いることが多く、定型的となっていない。現時点では、ガイドラインにおいても症例毎の検討が必要とされている。当科においてstage3Aの肺腺癌、EGFR mutation陽性患者に対して、gefitinibでinduction chemotherapyを行い、手術療法を追加した症例を経験した。術後の所見としては、治療前から認めていた縦隔リンパ節にviableな腫瘍細胞を認め、病理学的には、induction chemotherapyの効果は軽微という判定となった。induction chemotherapyの後、手術を行った症例の後方視的な解析によると、述語、病理学的にN2が残存していた症例は予後が悪いという報告を紹介した。症例提示と肺癌診療ガイドラインを参照に発表を行った。


  • イヌ回虫による内臓幼虫移行症の特徴
    日時:平成24年4月6日
    発表者:石本裕士
    主な内容;無症候性に検診などで発見されたイヌ回虫による内臓幼虫移行症の3症例を紹介した。いずれの症例も、胸部異常陰影が診断の契機であるが、肺病変はHaloを伴う結節状陰影が短時間で移動する特徴的なものであった。イヌ回虫にとって、ヒトは固有宿主ではないために、軽症例の場合、自然治癒も期待される疾患であるが、治療の導入に関する一定の見解はなく、アルベンダゾールによる治療が導入されることが多い。CT撮影が汎用化されており、無症候性に発見される内臓幼虫移行症は、今後も増加する可能性があり、肝機能障害が生じやすいアルベンダゾールによる治療導入を検証するためにも症例の蓄積が重要であると考えた。


  • 肺多発嚢胞性病変に合併したMALTomaの一例
    日時:平成24年3月6日
    発表者:野口真吾
    主な内容:九州びまん性肺疾患研究会にて発表したMALTomaについて文献的考察をふまえて振り返った。症例は、58歳女性。健診異常で胸部異常陰影を指摘され当科を受診した。胸部CTにて多発肺嚢胞性変化を呈し、病理検査の結果、MALTomaの診断に至った。MALTomaの画像所見として、単発、もしくは多発の結節影、浸潤影、すりガラス影が一般的な所見であり、嚢胞性病変を主体とする画像所見は非常に稀である。また、シェーングレン症候群に合併した肺嚢胞性病変を認めた場合は、MALTomaのほか、アミロイドーシス、LIPなども鑑別とすることが必要であると考えられた。

  • Chest Radiology:Plain Film Patterns and Differential Diagnoses(James C Reed著),PART2 Puimonary Opacities, MULTIPLE NODULES AND MASSES.

    日時:平成24年3月9日
    発表者:小田桂士 
    主な内容:両肺に多発する結節・腫瘤影については多くの鑑別を要する。腫瘍性疾患としては悪性疾患や、良性疾患、炎症性疾患として感染症(真菌症、細菌感染、抗酸菌etc)、またその他の病変として血管性病変や外傷後病変、慢性腎臓病に併発する疾患など多岐にわたる。重要なのは陰影の性質や分布、辺縁との境界などであり、鑑別を挙げる際には疾患別に挙げていくのが近道であると思われた。また、本教科書の面白いところは感染症の最初の項にHistoplasmosisやCoccidioidomycosisを挙げており、米国ならではの環境を反映し教科書が作成されていることを伺わせた。


  • 播種性ペニシリウム症について
    日時:平成24年2月21日
    発表者:赤田憲太朗
    主な内容;関節リウマチに対して抗TNF-α阻害薬を投与中に播種性ペニシリウム症を呈した1例を経験した。気管支鏡下肺生検、骨髄穿刺、肝生検を行い、提出した全ての病理組織より酵母様真菌を伴う肉芽腫性炎症所見を認めた。酵母様真菌の内部に隔壁を認め、形状からPenicillium marneffeiと診断した。L-AMB、ITCZを投与するが病勢は増悪傾向であり、AMPH-B、MCFG、ステロイドを併用し改善を認めた。播種性ペニシリウム症は、本邦での報告例は少なく、また、AIDS以外での発症は稀であり貴重な症例であった。また、抗真菌薬投与のみでは病勢を制御できず、ステロイド投与により、病勢が改善しており、ペニシリウムに対するアレルギーの関与の可能性も考えられた。播種性ペニシリウム症について、症状、診断、治療、アレルギーについて解説した。


  • BFナビとEBUS-GS
    日時:平成24年2月10日
    発表者:石本裕士
    主な内容:気管支鏡検査は侵襲度の高い検査である。常に、その診断率を向上できるように取り組みたいところである。
    呼吸器内視鏡検査における診断率の向上に寄与する可能性が高いBFナビが当院にも導入されたため、その使用方法を、先般実際に使用した症例における経験をふまえて解説を行った。
     胸部CTのDICOMデータから仮想内視鏡像の構成及び病変部へ到達する気管支の確認方法の解説も行った。また、ナビゲーションと併用する事で、その診断率がさらに向上するとされるEBUS-GSに関しても、システムの内容や検査の準備と手順を説明し、これも当科での実施症例の紹介を交えて解説した。


  • Lebrikizumab Treatment in Adults with Asthma
    日時:平成24年2月7日
    発表者:花香未奈子
    主な内容;IL-13は気管支ぜんそくの病態に重要な役割を果たしている。またCOPDやIPFにも関与していることがわかってきた。IL-3は気道上皮に作用し、ぺリオスチンという細胞外マトリックスを分泌させ、気道上皮細胞の線維化、リモデリングに関与しているといわれている。またぺリオスチンはIPFやfibrotic NSIPの線維化にも関与しているのではないかと言われている。吸入ステロイド治療中ではあるが、コントロールが不良の喘息患者において、IL-3抗体の有効性について検討した論文である。
    (背景)喘息患者の多くは、吸入ステロイドによる治療にもかかわらずコントロール不良である。治療効果の違いの原因の一つはインターロイキン(IL)-13役割の不均一性であると考えられる。我々はIL-13活性を示す治療前特性を有する喘息患者には抗IL-13抗体療法が有効であるという仮説を立て。
    (方法)吸入ステロイド療法にもかかわらずコントロール不良の気管支喘息を有する成人患者219例を対象に、IL-13に対するモノクローナル抗体レブリキズマブ(lebrikizumab)に関する無作為二重盲検プラセボ対照研究を行った。
    主要有効性転帰は、12週までの気管支拡張薬投与前1秒量(FEV1)の相対的変化とした。副次的転帰は、24週までの喘息発作率などとした。患者サブグループをベースラインの2型ヘルパーT細胞(Th2)の状態(総IgE値と血中好酸球数を参考に評価。)と血清ぺリオスチン濃度に基づき事前に規定した。
    (結果)平均FEV1.0は予測値の65%であった。吸入ステロイドの平均用量は580μg/日であった。80%は長時間作用性β刺激薬も使用していた。12週の時点で、FEV1増加の平均は、レブリキズマブ群のほうがプラセボ群より5.5%高かった。ぺリオスチン濃度高値のサブグループでは、FEV1の増加はレブリキズマブ群のほうがプラセボ群より8.2%高かった。ぺリオスチン濃度低値のサブグループではベースラインからのFEV1増加はレブリキズマブ群のほうがプラセボ群より1.6%高かった。骨格系副作用の頻度がレブリキズマブ群のほうがプラセボ群より高かった。
    (結論)レブリキズマブ治療は肺機能の改善と関連した。治療前の血清ぺリオスチン高値例では低値例と比較して、レブリキズマブによる肺機能の改善が大きかった。

  • Guidline update for MASCC and ESMO in the prevention of chemotherapy-and radiotherapy-induced nausea and vomiting.
    日時:平成24年1月31日
    発表者:長田周也

    主な内容:現在、抗癌剤治療を行う際に、最も患者が苦しんでいる症状は悪心、嘔吐である。新たな制嘔吐剤も使用可能となっており、また、本邦においても化学療法における制吐療法ガイドラインが作成されている。使用薬剤毎に催吐性リスクを評価し、リスクに応じて適切な制吐療法を行うことが推奨されている。それぞれの催吐性リスクにおける制吐療法のガイドラインについて説明し、新規制吐薬(パロノセトロン、アプレピタント)の効果についての大規模臨床試験の結果について説明した。また、放射線療法における制吐療法については、全脳照射を行う場合に逐次療法として5-HT3受容体拮抗薬投与が推奨されていることを説明した。

文責:呼吸器内科学
更新日:2013年2月25日