モーニング・ミーティング
since 2010 April



  • 縦隔リンパ節結核

    日時:平成25年3月15日
    発表者:石本裕士
    主な内容:縦隔リンパ節の腫大をみた場合に、画像所見のみで診断に迫る事は大変困難であり、診断には組織の採取が重要となる。従来アプローチが困難であった縦隔リンパ節であるが、超音波内視鏡ガイド下縦隔リンパ節針生検(EBUS-TBNA)の汎用化がもたらした恩恵は大きい。
    肺癌やサルコイドーシスにおけるEBUS-TBNAの有用性には多くの報告があるが、縦隔リンパ節結核における有用性に関しても2011年のThoraxに156例の縦隔リンパ節結核を後方視的に検討し、EBUS-TBNAによる診断率が94%にのぼったとする報告もありその紹介を行った(N Navani et al. Thorax 2011;66(10):889-893)。また当科で経験したEBUS-TBNAで診断をした縦隔リンパ節結核の症例を提示しその特徴を紹介した。
    縦隔リンパ節結核の診断においては、病理学的な検索も重要であるが、薬剤感受性の確認のためにも培養検査も重要である。しかし、結核性リンパ節炎においては培養の陽性率が低い事が従来の検査においても一般的であり、EBUS-TBNAにおいてもその傾向があることが今後の課題であると考えた。


  • 観血的処置と抗血栓薬

    日時:平成25年3月1日
    発表者:西田千夏
    主な内容:観血的処置の際には、抗血栓薬を中止するリスクと継続するリスクを勘案しなければならない。循環器系や消化器系のガイドラインを基に、抗血栓薬にまつわる一般的な事項を復習しながら、観血的処置の際の抗血栓薬に関する取扱いについて考察した。


  • EBUS-TBNAについて

    日時:平成25年2月26日
    発表者:内村圭吾
    主な内容:当科で行っているEBUS-TBNAの概要・適応・準備・方法・合併症について教科書を中心に再確認を行った。2010年の本邦の調査では3689例中17例(0.46%)に合併症を認め、奨励報告として、重症感染症が散見されており、縦隔炎・膿瘍が7例、肺膿瘍が1例、心膜炎が3例あった。その中では口腔内常在菌の感染が多く、免疫抑制状態の患者では予防的抗生剤投与も検討されていた。当科ではEBUS-TBNA全例にGRNX、糖尿病がある患者には検査時にCEZ投与を行っている。また、EBUS-TBNAについて自験例を20例挙げ、検査時間・診断率について以前の報告との比較を行った。10月末〜2月にかけて施行した症例は20例あり、平均17.65分、穿刺部位としては#7 9例、#4R 9例、#4L 1例、#11 1例、#2R 1例であった。リンパ節sizeは平均短径14.6mmであり、穿刺回数は平均2.5回であった。診断率は70%と良好であった。自験例のうち最近10例とその目の10例を比較すると穿刺部位、リンパ節sizeはほぼ変わらず、穿刺回数が2.2回対2.6回と差があったものの、検査時間は15.7分対19.6分と短縮できていた。検査時間としてはスムーズに行えれば通常気管支鏡+15分程度と思われた。2012年金田らの58症例の検討では、リンパ節のsize別(短径)診断率は10-15mmが60%、16-20mmが68%、21-25mmが83%、26mm以上は100%であり、計86.3%、検査時間中央値32分(15-73分)であったのに対し、当科の結果は劣らない結果であった。


  • サルコイドーシスの診断

    日時:平成25年2月22日
    発表者:石本裕士
    主な内容:サルコイドーシスの診断においては適切な生検組織の採取が大変重要である。EBUS-TBNAは縦隔リンパ節に対して低侵襲でアプローチできる検査手技であるが、肺癌にとどまらずサルコイドーシスにおいてもその有用性は確実なものとなっている。
    当科においてはEBUS-TBNAを導入後のおよそ2年間で37例弱のサルコイドーシスを疑った症例の検査を実施している。そのうち31例強がサルコイドーシスであったが、EBUS-TBNAによる肉芽腫の検出率は80.6%にものぼり、その有用性を改めて確認することができた。一方、TBLBでの肉芽腫検出率は28.6%と低い値であったが、EBUS-TBNAの実施によりTBLBに対する積極性が減じていることが強く影響しているものと考えられた。ただし、EBUS-TBNAでで肉芽腫が検出できずに、TBLBで肉芽腫が検出できた症例もあり、またBALの有用性も明らかであることから。EBUS-TBNAと通常内視鏡によるBAL+TBLBの組み合わせがサルコイドーシスの診断には有用であると考えられた。


  • 肺クリプトコッカス症
    日時:平成25年2月15日
    発表者:石本裕士
    主な内容;肺クリプトコッカス症を一般診療で診断する頻度は決して高くない。しかし、呼吸器診療においては、常に鑑別疾患の一つとして考慮すべき疾患である。肺癌との鑑別が気管支鏡検査ではつかず、手術を選択し、病理学的に肺クリプトコッカス症であった症例の提示を行った。加えて、病態の概説と、様すりガラス状陰影が塊状陰影まで様々な所見を呈しうる画像の特徴、血清抗原の有用性と限界、およびアゾール系抗真菌薬の用法用量から、重症例に対する治療選択肢などに関して概説を行った。また、稀ではあるが、免疫不全状態においては播種性クリプトコッカス症が生じることもあり、病理解剖に至った症例報告を引用し画像および病理の解説を行った。


  • インフルエンザと横紋筋融解症
    日時:平成25年2月12日
    発表者:内藤圭祐
    主な内容:横紋筋融解症の原因としては薬剤、外傷、感染症など多岐にわたる。ウイルスによる横紋筋融解症の中でもインフルエンザによるものは比較的多く、重篤な腎不全、電解質異常を起こすこともあり入院管理が必要となる。インフルエンザによる横紋筋融解症の症例を2例経験したため症例提示した。横紋筋融解症の診断、原因、入院での管理、合併症予防のための治療についてまとめた。また、良性のインフルエンザ筋炎と横紋筋融解症の鑑別点などについて発表した。

  • ステロイド内服時のニューモシスチス肺炎予防について

    日時:平成25年2月5日
    発表者:原可奈子
    主な内容:ステロイドは好中球遊走の抑制、炎症性サイトカインの抑制など多彩な薬理作用で自然免疫、獲得免疫に広く影響を及ぼす。臨床的に問題となるのは、ある程度の量(prednisolon (PSL)換算で20mg/day程度)をある程度の期間(3-4週間)内服継続したときに出現する細胞性免疫低下である。ステロイド内服時に起こりうる呼吸器感染症の中で予防しうるものとしてニューモシスチス肺炎があり、予防内服として使用されるST合剤、ペンタミジン、最近HIVの細胞性免疫不全に対して処方が可能になったアトバコンについて有効性・副作用等を発表した。


  • 睡眠時無呼吸症候群と気管支鏡検査後の合併症について

    日時:平成25年2月1日
    発表者:長田周也
    主な内容:睡眠時無呼吸症候群について、とくに閉塞性睡眠時無呼吸症候群についての概説を述べた。気管支鏡検査後に上気道狭窄が増悪する可能性について、自験例を中心に解説した。


  • Time interval to conversion of interferon-γ release assay after exposure to tuberculosis.(Eur Respir J 2011;37:1447-1452)
    日時:平成25年1月29日
    発表者:長神康雄
    主な内容;
    背景:結核診断において、当初陰性であった人がQuantiFERON1 TB-Gold In-Tube(QFT-GIT)が陽転するまでどのくらいの期間を要するかよくわかっていない。活動性肺結核患者に接触した後のQFT-GITの陽転の期間を調査した。
    方法:20歳の男性兵士(2人の上官、32人の兵士を有する軍隊所属)が結核に羅患した。この兵士はHIV陰性で基礎疾患もなかった。2009年1月に呼吸器症状が出始め、2009年3月には血痰を呈し、肺結核と診断されたのは2009年4月だった。結核の診断がついた時点で、早急に同部隊の兵士全員に胸部X線写真を施行した。結果的に5人が活動性肺結核と診断された。本研究は残り27人の接触者においてツベルクリン反応(TST)とQFT-GITを2,4,8,14,18,30週目にQFT-GIT陽性が出るまでの間施行された。陽転した場合、潜在性肺結核として治療された。
    結果:17人(63.0%)の兵士がQFT-GIT陽性で21人(77.8%)がTST陽性になった。初期QFT-GIT陰性の10人のうち3人が2週間後に陽転、3人が4週間後に陽転、3人が14週間後に陽転した。1人は30週の時点でも陰性であった。排菌している結核患者に接触後、QFT-GITが陽転化するまで一般的には4-7週間かかるが、曝露後14-22週で陽転化することもあると考えられた。


  • 血管炎について
    日時:平成25年1月22日
    発表者:畑亮輔
    主な内容:以前に中小動脈に壊死性血管炎を生じる疾患で結節性動脈周囲炎(periarteritis nodosa:PN)とよばれていたものが、現在では、中型の筋性動脈に限局した壊死性血管炎を呈するものを古典的PNとよび、小血管(毛細血管、細動静脈)を主体としたものを別の疾患群として区別している。後者はANCA陽性率が高いため、ANCA関連血管炎と定義されている。多発血管炎性肉芽腫症(旧Wegener肉芽腫症)では、C-ANCAが古典的な型では95%に陽性で限局型では65%である。肺病変として、結節陰影が40~70%、空洞陰影は2cm以上の結節性陰影の25%に認められ、すりガラス陰影が30%、気道病変が15%〜25%との報告がある。病理学的な特徴として、palisading granulomaや地図状壊死が挙げられる。MPAの肺病変における特徴は、肺毛細血管炎による肺胞出血および、肺毛細血管炎による間質性肺炎である。MPAの22%に肺胞出血はみられ、斑状のair space consolidationおよびその周囲のGGOを特徴とする。また、Honey combも37%にみられるとの報告がある。Honey combはIPF同様下肺の胸膜直下に多くみられ、両側性で非対称性のことが多い。IPFと診断された症例の約9%でMPO-ANCA陽性を認められるといわれ、文献では、MPO-ANCA陽性疾患に合併したIP20症例のうち8症例(40%)が死亡、5年生存率は約50%などの報告があり、MPO陰性の膠原病合併IPより不良で、MPO陰性IPFと同等であった。死亡例13症例の死因は、約38%がIPの急性増悪で、肺癌、感染症、消化管出血もみられた。


  • ステロイド投与における治療戦略
    日時:平成25年1月18日
    発表者:石本裕士
    主な内容;間質性肺炎を中心に長期的ステロイド投与が必要となる状況は多いが、その治療は、副作用との戦いといっても過言ではない。副作用対策を十分にたて、相応の準備を行うことが担当医には求められ、その力量の差で、患者さんを危険な目に遭わせてしまう可能性もあることを自覚し勉強しなければならない。ステロイド糖尿病対策において、HbA1cで満足せず、夕食後に高血糖となることが多いことを念頭に、夕食前後も含めた血糖測定は重要である。日和見感染症対策として、ST合剤を早期から用いることは言うまでもないが、結核感染の既往を推定する上でのQFTや、B型肝炎スクリーニングのためのHBc抗体の測定なども重要である。消化管潰瘍や骨粗しょう症や不眠症など、ステロイドにまつわる副作用対策を万全に行い、原病の治療がスムーズに進むように工夫を重ねたいものである。

  • 気管支鏡における局所麻酔薬選択について
    日時:平成25年1月15日
    発表者:内村圭吾

    主な内容:気管支鏡の局所麻酔として必須なものとしてキシロカインがある。気管支鏡検査の際に安易に投与されがちであるが、アレルギーや中毒には注意が必要である。気管支鏡ガイドラインを元に、実際にどれくらいまで安全に使用できるのか、どのようなことを考えて使用すべきなのか、また、代替薬として何があるのか検討を行った。キシロカインは局所麻酔薬としては非常に安全性が高く、アレルギーが疑われた例でも、多くが添加剤による反応であることが分かった。そのため、局所麻酔薬アレルギー(アナフィラキシー反応)が疑われた場合には、まずは病歴・その時の状況を聞き、本当にアレルギー反応であったかを確認することが重要であり、そうでなかった場合には添加剤の有無やアミド型麻酔薬であったかなどを考える必要があると考えられた。

文責:呼吸器内科学
更新日:2013年3月15日