網羅的細菌叢解析法

感染症診療の基本戦略として,「どの部位(病巣)」に「どんな病原体(起炎微生物)」が…が,治療の上で非常に重要です.

 感染症により世界で毎年,約1400万人が死亡し,その中でも呼吸器感染症の死亡者は400万人と感染症による死亡の第一位に位置しています.日本においても,肺炎は年間に約8万人を超える方がお亡くなりになり,死亡原因の第4位と,呼吸器感染症は非常に重要な疾患です.現在,肺炎の約40%は原因(起炎菌)が不明で,その中には治療に難渋したり,重症化したりする症例が存在します.我々は原因不明の肺炎に対して,遺伝子工学的手法を用いて肺炎の起炎菌を明らかに,重症肺炎や難治政肺炎の患者様の感染症治療にお役に立つよう研究を行っております.

 具体的には,細菌が共通して保有している遺伝子16S ribosomal RNA遺伝子をすべてPCRで増幅し,この遺伝子のクローンライブラリーを作成します.そうして無作為に約100クローンを選び,それぞれの塩基配列を調べることにより,どの細菌がどのくらいに割合で存在するかを推定します.この方法は,迅速(3-5日以内)かつ網羅的な(どんな細菌でも)起炎菌検索法として非常に期待され,今後もこの研究を行っていきます.
 この研究については当学医学部微生物学教室と共同で研究を行っています.(http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/biseibut/LLP/index.html

網羅的細菌叢解析法


文責:呼吸器内科学 川波敏則
更新日:2009年10月14日