感染症・免疫
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感染症の病態は、病原微生物とそれに対する免疫を中心とした宿主側の反応が複雑に絡み合って形成されます。感染症に対して、病原微生物側からのみでなく、宿主側からもアプローチしてゆくことを重要なテーマにしています。例えば、免疫遺伝学的手法を用いて、感染症への罹りやすさや感染症を発症した場合の重症化しやすさなどを規定している宿主側の遺伝的要因の解明に取り組んでいます。また、感染症や自己免疫と無関係に全身性の炎症がおこる、周期性発熱症候群などの自己炎症疾患の病態解析にも取り組んでいます。
神経
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大学では事象関連電位(Event-related Potential:ERP)の研究を進めています。ERP P3は標的刺激を認知したときに頭頂葉を中心に刺激後300ms付近に出現する陽性電位で、発達に伴い変化します。一方標的刺激に類似した刺激が発生した時、標的刺激ではないと認知する抑制系神経活動が生じ、前頭葉を中心として、
No-Go P3電位が発生します。この抑制電位は発達、疾患に伴って変化すると予測されますが、この分野は十分に検討されていません。我々はトポグラフィーを用いたP3、No-Go P3をStandard Oddball課題で測定できる様にしました。神経班には6人が所属し、2名は富山大学で神経免疫の研究、1名は産業医として交代勤務による消化管蠕動の変化の研究を進めています。
内分泌・糖尿病・肥満
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1)脳内摂食調節ペプチドの発現動態の解析
脳内での摂食調節ペプチドの発現を、免疫組織化学染色法やin situ ハイブリダイゼーション 、RT-PCR、などを統合的に用いて研究しています。特に胎児期・出生後の栄養・代謝状態が出生後の遺伝子発現に及ぼす影響を検討しています。
2)アディポカイン分泌動態の解析
白色脂肪細胞モデルである3T3-L1細胞における種々のアディポカインの産生レベルや脂肪組織におけるNO代謝、酸化ストレスについて検討を行っています。
3)小児肥満の病態解析
小児の肥満症、メタボリックシンドロームなどの病態に関する臨床研究を行っています。特に脂肪蓄積による血中アディポカインの変化など、肥満の病態解明に取り組んでいます。
血液・腫瘍
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血液疾患全般および悪性固形腫瘍、川崎病、小児膠原病を対象疾患としています。研究は多施設共同臨床研究が主体で、白血病、血友病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの研究に参加しています。また、院内に北部九州血友病センターを設置しているため、血友病に代表される先天性出血性疾患の患者さんが多く、整形外科やリハビリテーション科と連携し、血友病性関節症に重点を置いた研究に取り組んでいます。
新生児
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より良い急性期集中管理と発達予後の改善のため下記に示す臨床研究を小児科内の他グループや他科と共同で進めています。また国内の多施設共同研究にも積極的に参加しています。
1.
SGA児の成長障害及び代謝異常における腸内細菌叢の関与と治療応用への可能性の探求
2.
未熟児網膜症に対するベバシズマブ療法を受けた児の長期精神運動発達予後の検討
3.
精密血液凝固能検査装置を使用した新生児集中治療における血液製剤の至適投与の試み
4.
胎盤機能と生後発育に関わるsVEGF・sEpoRレベルの検討
5.
早産児の慢性期合併症における組織の線維化を制御する因子の検討
6.
早産児の痛みを伴う処置に対するエムラクリームの有効性の検討
7.
新生児期における低酸素暴露と血小板機能の活性化との関連性の検討
8.
新生児・乳児期早期からの身近な樹脂原料への複合暴露が小児期の疾病に与える影響についての研究
9.
極低出生体重児の神経学的評価と自発運動の関連性についての検討
10.
新生児慢性肺疾患の感受性遺伝子解析についての研究
11.
新生児低酸素性虚血性脳症に対する新生児低体温療法登録事業
文責:小児科 更新日:2018 / 07 / 01