認定基準

産業医科大学Occupational Health認定基準-健康職場認定基準-

平成25年7月14日

産業医科大学Occupational Health認定(健康職場認定)基準を満たすためには、事業所の安全衛生管理体制の中に労働安全衛生マネジメントシステムの基本要素(方針、計画、実施、点検、見直し)が備わっており、適切に運用されていることが必要です。ただし、外部認証・認定取得の有無は問いません。

 以下に示す17の大項目(1,2,3・・・)は、当認定基準の骨格をなすものであり、認定の 際の必須事項となります。更に小項目(1.1,1.2,1.3・・・)は、大項目の構成要素であり、具体的な評価指標となります。ただし、各大項目の評価に当たっては、すべての当該小項目が必須事項という位置づけではなく、当該小項目全体の達成状況を勘案して、総合的に判断されます。

1.方針

事業所の安全衛生・健康管理活動を推進するうえで、事業所の実態に即した適切な基本方針が定められ、その方針の中に衛生・健康管理に関する内容が記載されている。

  • 1.1 安全衛生活動を、事業を行なう上でもっとも重要な活動の一つとして位置づけられている。
  • 1.2 方針に業務に起因する災害・疾病その他健康への悪影響の防止に関することが含まれている。
  • 1.3 方針に労働者の健康保持増進に関することが含まれている。
  • 1.4 方針に快適な職場環境の形成に関することが含まれている。
  • 1.5 方針に法令の遵守に関することが含まれている。
  • 1.6 方針に安全衛生・健康管理活動への労働者の参加に関することが含まれている。
  • 1.7 方針に安全衛生・健康管理活動の継続的な改善に関することが含まれている。

2.労働者の参加

衛生・健康管理活動での様々な場面において、労働者の参加の機会が確保されている。

  • 2.1労働者が衛生・健康管理施策の目標・計画の立案に参加している。
  • 2.2 労働者が衛生リスクの評価に参加している。
  • 2.3 労働者が職場環境の改善活動に参加している。
  • 2.4 労働者が健康管理・健康保持増進に関する活動に参加している。

3.目標・計画・評価

衛生・健康管理活動に関する目標・計画の策定および評価にあたっては、産業保健の専門職(産業医、衛生管理者、作業環境測定士、産業看護職注1)などをいう。以下同じ。)が参加している。

注1)産業看護職とは、保健師または看護師資格をもって産業保健活動に従事している者をいう。

  • 3.1 目標と実施計画の中に、衛生・健康管理に関する要素や項目が含まれている。
  • 3.2 目標を達成するための実施計画が策定されている。
  • 3.3 計画には、目標を達成するための担当者の役割、責任、手順および日程が明記されている。
  • 3.4 目標に対して、衛生・健康管理活動に関する評価指標が定められている。

4.責任体制、役割および教育

衛生・健康管理活動を管轄する担当部署および担当者の役割が明確になっており、担当者に必要な教育が行われている。

  • 4.1 法令で要求される産業保健に関わる組織および専門職が確保され、必要な役割、権限が与えられている。
  • 4.2 産業保健の専門職などに対して、専門能力向上のための教育訓練が計画的に実施されている。

5.法令遵守

衛生・健康管理に関する法令上の要求事項注2)を、確実に遵守するための取り組みが行われている。【衛生委員会、産業医・衛生管理者の選任、健診実施・事後措置、過重労働対策、作業環境測定など】

注2)法令上の要求事項とは、労働安全衛生に関連する法律、政令および省令で要求される事項をいう。

  • 5.1 衛生委員会が月1回、開催されている。
  • 5.2 一般健康診断および特殊健康診断が確実に実施されている。
  • 5.3 5.2の健康診断の結果を基に就業の可否の判定が行われ、管理担当者が当該判定の情報を共有している。
  • 5.4 長時間労働者に対して、医師による面接指導が行われている。
  • 5.5 法令で規定された作業環境測定の対象物質を同定し、定期的に測定が行われている。
  • 5.6 その他、法令で求められる要求事項を遵守している。
  • 5.7 労働安全衛生に関する情報(法令の改正情報を含む。)の社内外での入手ルートおよび相談ルートが明確になっており、担当者が規定されている。

6.健康障害要因のリスクの評価

職場に存在する健康障害要因(物理的、化学的、生物学的、人間工学的健康障害要因をいう。以下同じ。)が特定され、リスクの評価(リスクアセスメント)が行われている。

  • 6.1 危険有害要因として、急性または慢性ばく露による健康障害要因が検討され、特定されている。
  • 6.2 法令で規定された作業環境測定の対象となる作業場が特定されている。
  • 6.3 危険要因に接近する、または有害要因にばく露される労働者を特定している。
  • 6.4 事業所に新たに化学物質を導入する際に、(安全面に加えて)衛生面の評価が行われている。
  • 6.5 健康障害要因に関するリスクの評価が適切な方法注3)で行われている。
    注3)リスクの評価において、ばく露の評価方法には、定量的な方法(ばく露測定など)、定性的な方法(目視調査など)、簡便なリスクアセスメント法などがある。
  • 6.6 リスクの評価や再評価の際には、産業保健の専門職が参加し、適切な評価の実施を支援している。

7.リスク管理

リスクの評価、作業環境測定、職場巡視および特殊健康診断などの結果に基づき、設備や作業方法の改善などのリスク対策が確実に実施されている。

  • 7.1 産業医・衛生管理者などによる職場巡視の実施結果が確実に報告され、改善に結び付けられている。
  • 7.2 作業環境測定、リスクの評価、および特殊健康診断などの医学的評価結果などに応じてリスク対策が立案され、責任者を明確にし、期限内にリスク対策が実施されている。
  • 7.3 事業所内の特に顕著な健康障害要因(例:大量の原料化学物質の取扱い、広い範囲にわたる大きな騒音など)に関しては、リスクの評価と対策が特に確実に行われている。
  • 7.4 保護具の必要な作業を特定し、労働者に周知されており、保護具が適切に使用されている。
  • 7.5 法定の特殊健康診断と事後措置、およびリスクに応じてその他の医学的評価が行われている。
  • 7.6 分煙対策が適切に行われている。

8.リスクコミュニケーション

職場に存在するリスク、作業環境測定の結果、健康診断の結果など、職場・個人に関するリスクおよびその対策が労働者に周知されている。

  • 8.1 衛生委員会の決定事項が労働者に周知されている。
  • 8.2 職場の危険有害要因の存在、リスクの評価の結果と必要なリスク対策の内容などが職場の管理者および労働者に伝達されている。
  • 8.3 事業所で使用している化学物質の安全データシート(SDS)を所有し、全ての労働者が閲覧できるようになっている。

9.心理社会的健康障害要因の把握と対策

過重労働およびメンタルヘルスに関して、要因や状況を把握し、対策や教育が行われている。

  • 9.1 労働者のメンタルヘルスに関する現状の評価を実施し、必要な対策(例:ラインケア教育、セルフケア教育、ストレス調査など)が行われている。
  • 9.2 時間外労働について一定の基準を設け、基準を超えた労働者については疲労状況等の調査や産業医の面接指導が行われている。

10.職務適性評価・就業配慮または適正配置

職務適性評価(健康診断、復職など)が産業保健の専門職の関与のもと適切に行われ、その結果に基づき就業配慮または適正配置が実施されている。

  • 10.1 労働者の健康を確保するために、産業保健の専門職が必要と判断した就業上の措置については、事業者および職場との連携のもとに実施されている。
  • 10.2 一般健診、特殊健診、特別な職務適性評価(有害業務評価による適正配置)などを通じて、定期的に個々の労働者の健康状態がその職務に適するかどうかの産業保健の専門職による評価が行われている。
  • 10.3 産業医などによる職務適性の評価に基づき労働者の適正配置が確実に実施され、定期的に管理されている。
  • 10.4 男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理指導事項連絡カードや、主治医からの診断書によって、就業上の配慮が適切に実施されている。
  • 10.5 復職に関するルールが定められ、適切に実施されている。

11.事故等の発生時における要因分析および対策

職場での事故(急性ばく露など)や疾病の発生を把握し、衛生面から要因分析がなされ、適切な対策が実施されている。

  • 11.1 職場での事故(急性ばく露など)や疾病の発生が把握されている。
  • 11.2 衛生面から要因分析、対策の手順が定められ、適切に運用されている。
  • 11.3 要因分析に産業保健の専門職が関与している。

12.教育

管理監督者および一般労働者に対する衛生・健康管理教育が実施されている。

  • 12.1 事業所の衛生リスクに応じた労働衛生教育が適切に実施されている。
  • 12.2 労働者の健康の保持増進に関する教育が実施されている。
  • 12.3 健康診断結果に基づく保健指導が適切に実施されている。

13.緊急時対応

緊急・救急事態への対応の体制が整備されており、生命や健康への被害を最小限にするための訓練が定期的に実施されている。

  • 13.1 労働者や来訪者の急病やケガに対し救急措置を行い、必要時には医療機関へ搬送する体制が整備されている。
  • 13.2 然災害を含めて予想される緊急時の対応計画をたて、緊急時を想定した研修と訓練が実施されている。
  • 13.3 救急箱や救急用具が適切に配備、維持されている。

14.文書管理

衛生・健康管理に必要な基準や手順が文書化され、情報が適切に維持・管理されている。

  • 14.1 衛生・健康管理に必要な基準や手順が文書化され、必要な手続き(例:復職支援の手順など)や作業上のリスク対策が明記され、適切に改訂、最新化されている。
  • 14.2 衛生・健康管理に必要な情報(SDSなど)が特定され、必要な更新と更新日時の記録を含めて適切に管理されている。

15.個人の健康情報保護を含む記録管理

個人の健康情報保護などの情報管理が適切に行われている。

  • 15.1 衛生、健康に関する活動の記録が確実に保管されている。
  • 15.2 法令に規定された記録(健康診断、作業環境測定、一部の特定化学物質作業記録など)が保管されている。
  • 15.3 個人の健康情報などのプライバシーに関わる情報は、その取扱・保管方法を定め、適切に管理されている。
    • 記録を閲覧できる者が定められ制限されている。
    • 記録の保管期間が定められている。

16.内部監査

事業所の安全衛生管理体制に関する内部監査が定期的に実施され、衛生・健康管理に関する事項が適切に扱われている。

  • 16.1 内部監査で、衛生・健康管理に関する事項が評価されている。
  • 16.2 内部監査の結果報告に、衛生・健康管理に関する事項が含まれている。(良い点、改善点など)
  • 16.3 産業医または産業看護職が内部監査の監査者または被監査者となっている。

17.継続的改善

事業所の安全衛生管理体制全体を事業所責任者注4)が定期的に見直し、その結果を受けて衛生・健康管理に関する項目が改善されている。

注4)事業所責任者とは、事業所長など事業所の労働安全衛生活動を総括するものをいう。

  • 17.1 事業所責任者による事業所の安全衛生管理体制全体の見直しが定期的に実施されている。
  • 17.2 必要な情報に基づいて改善計画が事業所責任者の指示のもとに立案されている。
  • 17.3 改善計画に基づき、改善が確実に実施されている。