11/23に産業医学現場実習意見交換会及びカリキュラム勉強会を開催しました
産業医学現場実習終了後の11月23日(金)14時から17時までの3時間、事務局本部2階会議室において、産業医学現場実習意見交換会を開催しました。
出席者は、今年度実習を行っていただいた事業場の中から10事業場の産業医の先生方にお集まりいただき、大学関係者と実習に関して、意見交換を行いました。
意見交換会では、東学長、金澤医学部長から、それぞれ実習が無事終了したことのお礼の挨拶があった後、産業医の先生方から実習の報告があり、貴重なご意見・ご要望なども数多く出され、活発な意見交換が行われました。各事業場の産業医の先生方からは、学生たちがマナーも良くきちんと教育されており、真面目に、また熱心に実習に取り組んでいたとの評価をいただきました。
また、今年度も意見交換会の前に産業医学現場実習カリキュラム勉強会を開催しました。今回は、ジヤトコ株式会社の西
賢一郎
先生に産業医学現場実習のカリキュラムについて、ご講演いただき、参加された先生方から「とても参考になった」との発言がありました。
西先生、お忙しい中、貴重なご講演をありがとうございました。
産業医学現場実習は、事業場の産業医をはじめ、産業保健スタッフの皆様の多大なご協力がなければできない実習です。この場をお借りしまして、関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
(産業医学履修内容等検討小委員会委員長 中山 敏幸)
産業医学現場実習
医学部5年次のカリキュラムである「産業医学現場実習」が、昨年11月に全国の事業場において実施されました。この実習は、産業医実務の現場において産業医の役割と活動を学生が実際に体験することで、産業医業務に対する理解を深め、産業医志向をより高めることを目的とした、本学医学部学生にとって大変重要な実習です。
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産業医学現場実習を終えての感想について、医学部5年生を代表して、2事業場の報告がありました。
【プライムアースEVエナジー株式会社】
私たちは、11月12日(月)から16日(金)の5日間、プライムアースEVエナジー株式会社(以降、PEVE)において、産業医現場実習を受けました。PEVEは本社を静岡県湖西市の大森工場に置き、国内では静岡県湖西市の境宿工場と宮城県の宮城工場の3つの工場でハイブリット自動車用のバッテリーを製造し、世界トップシェアを誇っています。ハイブリッド自動車のニーズの拡大により、日々発展を続ける会社であると同時に社内での健康増進活動が積極的に行われており、その実績が評価され昨年健康経営優良法人に認定されています。
今回、私たちは大森工場と境宿工場を訪問し、保健師をはじめ管理職、人事部、経営層、工場の現場など様々な立場から安全衛生への取組や産業医との連携についての意見を聞かせていただきました。立場により健康への価値観も違い、産業医に求められるものは様々でしたが、従業員の健康と会社の持続的成長の双方を成し遂げるという目標は一緒であり、その中で健康面談や健診結果から分析した職場改善点を適切にフィードバックしていく産業医の仕事を学ぶことができました。
また、特定保健指導や禁煙指導、雇入健診、特殊健診の見学をさせていただいたほか、職業疾患防止の教育や工夫を学び、更に職場巡視にも同行させていただき、健康管理室のスタッフの方々がどのように安全衛生の向上に取り組まれているのかを実感を持って学ぶことができました。そして、これらの多くの活動を推進するにあたって部署間の連携が不可欠であることや、会社全体を挙げての取組の難しさも感じました。
最後になりましたが、お忙しい中ご指導くださった多田隈先生をはじめ健康管理室スタッフの皆様に心より御礼申し上げます。
【一般財団法人NSメディカル・ヘルスケアサービス】
私たちは、11月12日(月)から16日(金)の5日間、一般財団法人NSメディカル・ヘルスケアサービスにおいて、産業医現場実習を受けました。NSメディカル・ヘルスケアサービスは、新日鐵住金和歌山製鐵所の健康診断、一般診療、労働衛生教育・コンサルティング、保健指導・活動、健康体力づくりの5つの事業を行っています。健診事業のみにとどまらず、特定保健指導や健康づくりなどを通して労働者の健康を守り、さらに設備の整った診療所を持っており、健康診断で異常が発見されてもすぐに治療を開始できる、過去のデータ参照できる強みがあるとのことでした。また、任意ではありますが労働者の歯科健康管理もされています。
私たちは工場の職場巡視や、作業環境測定に同行させていただいたほか、健康診断の見学や委員会への出席をさせていただき、保健師の方、歯科衛生士の方、運動指導士の方など様々な方のお話を伺わせていただきました。職場巡視では労働者の方も熱心に安全管理や健康管理に取り組まれており、事業所がそれぞれに工夫を凝らした活動をされており、非常に驚きました。健康診断では自覚症状がないために、治療の意志のない人にどのようにして意識付けを行うか、その難しさについても学ぶことができました。「労働者の方の立場に立って、労働者ひいては会社全体に最善な方法を見つけられる産業医になってほしい」と柏田理事長のメッセージが心に強く残っています。
最後になりましたが、お忙しい中熱心に指導してくださった岩根先生、麥谷先生をはじめ、お世話になりましたNSメディカル・ヘルスケアサービスの皆様、安全健康室の田中様、測定士の西様、見学に伺った事業所の皆様に、心より感謝申し上げます。