大学院医学研究科の構成と教育方針       

   大学院医学研究科長 河野 公俊 

  

 本学の大学院医学研究科は、 医学部医学科 (昭和53年4月1日開設) の基幹となる基礎医学系講座と臨床医学系講座に加え、 大学病院 (昭和54年7月9日開院) と産業生態科学研究所 (昭和61年4月1日設置) の学際領域の研究室等の部局をも含め、 広く産業医学を視野に入れて構成しております。

 本学の大学院の目的とするところは、 学則にあるように 「産業医科大学の目的及び使命に基づき、 医学に関する学術の理論及び応用を教授研究し、 その深奥を究めて、 自立して研究活動を行うに必要な高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を有する教育研究者を養成し、 もつて、 労働環境と健康に関する分野における、 医学の進展と社会福祉の向上に寄与する」 ことであります。
 この目的を達成するために上に述べたような講座等で有機的な協力組織体を構成しています ( 「大学院医学研究科の構成」 , 下記構成図を参照)。

 本学大学院医学研究科の運営は、 大学院医学研究科委員会(昭和59年4月1日設置)によってなされます。 大学院医学研究科委員会には、委員長を置き医学研究科長をもって充て、 その議長となり、 学長、 副学長及び大学院医学研究科担当の指導教授をもって組織し、 本学大学院学則に定められた重要な事項を審議します。 またその円滑な運営を図るため、 その下部組織として主任会議、 専攻会議、 部門連絡会議が置かれており、 主任会議は、 大学院医学研究科長を議長として、 各専攻系の主任、各専攻系に所属する指導教授のうちから互選された者の各1名をもって組織され、 大学院医学研究科委員会から諮問された事項や、 大学院医学研究科委員会に付議する議題に関する調整などにつき審議します。

 本学大学院医学研究科(博士課程)の教育課程は、 大学院学則ならびに大学院履修規程に定められています ( 「大学院医学研究科の組織」を参照) 。

 学生の定員は、 各専攻でそれぞれ入学定員10名 (収容定員40名) で合計160名であります。 平成15年度には昼間に定職を持ちつつ大学院に入学できる、いわゆる社会人入学希望者の募集を各専攻若干名行い、平成16年度より受入れを開始しました。学生は、 早期修了 (3年) の可能性はあるものの、 原則として大学院医学研究科に4年を標準として在学し、 所定の授業科目を36単位以上修得し、 必要な研究指導を受けたうえ研究成果を学術雑誌に公表しこれを学位論文として申請し、 その審査及び最終試験に合格することにより、 博士課程を修了した者として博士 (医学) の学位(甲号)を授与されます。 なお、 提出された論文それぞれに対し、 学位論文審査委員会が組織され、 学位論文審査及び最終試験が実施されます。 これは学位論文公開審査会等として公開されます。 その結果は大学院医学研究科委員会において審議され、 合格又は不合格の判定がなされます。 なお、 論文提出による学位(乙号)についても、 ほぼ同様の審議を経て決定されます。 合格と判定された申請者に、 博士 (医学) の学位が授与されます。

 今世紀に入り、 医学・医療をとりまく社会状況の多様化、 複雑化が急速に進行しつつあります。 本学大学院医学研究科は、 研究分野の細分化や専門化への急速な進行に対応できる優秀な教育・研究者の育成及び産業医学研究の実践と、現代産業化社会、 高年齢化社会が必要とする高度の専門的知識を有した産業医の養成という両方の目的を達成するために努力しなければなりません。 本学大学院医学研究科の果たすべき役割として、今後ますます優れた研究能力を備えた産業医の養成が求められます。将来にわたって本学大学院医学研究科が、常に学問の真理を追究する学究の場でありつづけることが不可欠であります。

大学院医学研究科の構成
大学院医学研究科 生体適応系専攻 生体構造部門
生体機構部門
機能調節部門
環境・産業生態系専攻 環境生態部門
保健・疫学部門
環境適応医学部門
障害機構系専攻 病態機構部門
災害外科部門
災害医学部門
生体情報系専攻 生理情報部門
病態情報部門
生殖生理情報部門

[文責:教務第1課 更新日:平成17年5月23日]