輸血関連 NEWS EYE 2004.4.2 |
医師の血液型判定ミスによる不適合輸血の報道がありました. |
[共同通信ニュース速報] 宮崎大学病院で輸血ミス 男性死亡、直接の死因否定 [2004-04-02-22:25] 宮崎大学医学部付属病院(宮崎県清武町、江藤胤尚院長)は2日、食道がんで入院中の血液型O型の男性に誤ってA型の血液を輸血するミスがあったと発表した。 男性は輸血後に死亡。病院側は「直接の死因は大動脈破裂だが、輸血ミスが何らかの影響を与えた可能性は否定できない」としている。 同病院によると、男性は同県内に住む40歳代。3月29日午後9時すぎ、食道近くの大動脈破裂により大量吐血。血圧が低下するなどしたため緊急輸血をすることになった。男性の血液型が分からず、消灯後の病室で検査した医師がA型と判定し約15分間輸血した。 一時的に血圧などが回復したが、その後の精密な血液型試験でO型であることが判明して輸血を中止。大動脈からの出血は止まらず、O型の輸血などを続けたが、男性は30日未明死亡した。 輸血ミスの原因について、病院側は緊急を要した上、病室が暗かったため担当医師が血液型の判定を誤ったとみている。 治療に当たった医療チームは死亡直後に、遺族に輸血ミスがあったと謝罪。病院は今月2日になって宮崎南署や厚生労働省などに報告した。 江藤院長は「原因究明と再発防止のために学外の医師を招き調査委員会を設置したい」と話した。(了) [時事通信ニュース速報] 輸血ミス、男性死亡=「死因は大量出血」−宮崎大病院 [2004-04-02-21:34] 宮崎大学病院(宮崎県清武町)は2日、入院していた同県在住の40代男性患者に血液型を間違って輸血したと発表した。 男性は約3時間半後に死亡したが、江藤胤尚院長は「直接的な死因は大動脈破裂による大量出血」と説明している。 同病院によると、男性は食道に腫瘍(しゅよう)ができて入院。放射線治療などを受けたが完治せず、再入院して検査中の3月29日夜、大量に吐血した。血液型を把握していなかったため、5、6年以上の経験を持つ医師が簡単な検査でA型と判断して輸血。15分後に詳細な判定でO型と分かり、血液を切り替えたものの、翌30日未明に死亡した。 [時事通信社] 【コメント】 情報が十分ではないので明らかなことはいえませんが・・・・
ABO血液型の判定は赤血球を検体として用いるオモテ試験と,血清を検体として用いるウラ試験の両方の結果を基に血液型を確定します. 今回のケースの場合,医師がベッドサイドで全血を用い簡単な検査(おもて検査)のみで血液型を決定してしまった点,血液型未登録の緊急輸血ではO型MAP血で対応するところを,医療事故安全マニュアルを遵守しなかった点が問題となります. 当院では血液型の判定が確定しない間の最緊急輸血はABO不一致輸血による溶血性副作用が起こらないO型赤血球製剤(MAP)輸血で対応しています. 【最緊急輸血時のお願いです】
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更新日:2004.4.15 文責:輸血部 |