平成27年度 産業医科大学病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 561 38 378 430 1012 1299 2525 4226 3090 839
2015年度、当院はのべ15,098名の入院診療を行いました。年齢も、0歳から90歳以上まで幅広く、 受診していただいております。
北九州医療圏唯一の特定機能病院として、今後も科学的根拠に基づく安全かつ質の高い医療を提供します。

※年齢は入院時の年齢を基に集計しています。
※入院後24時間以内の死亡された症例や生後1週間以内に死亡された症例は、厚労省の公開ルールで集計対象外となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070XXXXXXXX 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 143 14.9 15 4.9% 58.8
060050XX97X0XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり, 処置等2なし 134 8.3 11 1.5% 72.6
070560XX99X0XX 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし処置等2なし 132 18.3 17 13.6% 58.5
内科には、院内標榜における、「膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科」、「循環 器内科、腎臓内科」、「消化管内科、肝胆膵内科」、「血液内科」が含まれております。

上記の3疾患に次いで4番目に多い症例としては、「狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし処置等12あり, 処置等2なし, 副傷 病なし」が116症例でした。

内科全体として、全身の疾患を対象に幅広い診療できる体制をとっております。

「糖尿病」については、本学の膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科のホームページ(糖尿病についてはこちら)に詳細ページがございますので、こちらも 併せてご参考にしてください。

「肝がん」については、本学の消化管内科、肝胆膵内科のホームページ(肝がんについてはこちら)に詳細ページがございますので、こちらも併せてご参考にしてください。

「全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患」
リウマチや全身エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患によって、全身の臓器に障害が出ている症状です。
リウマチや全身エリテマトーデス(SLE)についての説明は、本学の膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科のホームページ(リウマチやSLEについてはこちら)に詳細ページがございますので、こちらも併せてご参 考にしてください。

「狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし処置等12あり, 処置等2なし, 副傷病なし」
狭心症や慢性虚血性心疾患で手術はせずに、心臓カテーテルによる検査や血管内超音波検査などを行ったことを示しています。虚血性心疾患については、本学の循環 器内科、腎臓内科のホームページ(虚血性心疾患について はこちら)に詳細ページがございますので、こちらも併せてご参考にしてください。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080X1XXX0XX 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 処置等2なし 45 5.1 5 2.2% 4.7
140010X199X00X 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし処置等2なし, 副傷病なし 25 6.0 6 32.0% 0.0
130170XXXXXXXX 血友病 21 7.1 10 0% 14.3
「肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未 満)処置等2なし」
気道感染症は、小児の感染症でもっとも頻度が高く、当科にも多くの患者様が入院され、加療を行っています。当科の特徴は、健常な小児だけでなく、基礎疾患を有 する小児も多く入院していることです。しかし、基礎疾患を有する小児においても気道感染症の原因に大きな変化はないため、基礎疾患の有無にかかわらず、標準的 な治療を行い良好な経過が得られています。入院期間もほとんどが1週間以内であり、早期に自宅でも対応可能な治療に変更する方針のもと診療を行っています。

「妊娠期間短縮・低出生体重に関連する障害(出生体重2500g以上)、手術なし処置等なし、副傷病なし」
2500g以上でお生まれになった赤ちゃんで、先天的な病気や、呼吸障害、予期せぬ異常があったため治療が必要になった赤ちゃんを示しています。赤ちゃんが入院する NICU(neonatal intensive care unit; 新生児集中治療室)では早産児の全身管理や人工呼吸器などを使用した呼吸障害の治療はもとより、低体温療法、NO吸入療法、 血液浄化療法など高度な治療を幅広く行っています。一方、GCU(growing care unit;新生児治療回復室)では退院後の赤ちゃんとの生活へスムーズに移行できるような 環境づくりと多職種による育児支援を積極的に行い、家族が暮らす地域との連携を積極的に図っています。また、院外の分娩施設で、出生後の赤ちゃんの具合が悪い ときは当院の医師が診察に行き、赤ちゃんの搬送を行ったり、未熟児網膜症の治療のため県外から赤ちゃんを受け入れたりしています。

「血友病」
凝固第VIII因子または凝固第IX因子の欠乏により、出血がおこりやすくなる病気です。小児科では血友病を中心とする出血性疾患のトータルケアに重点をおいており 、整形外科、リハビリテーション科、歯科口腔外科とも連携し、北部九州血友病センターとして出血性疾患を多方面から診療しています。入院は21例で出血時や周術 期の止血治療、自己注射の教育、リハビリテーションなどを行っています。自己注射の教育はかかりつけ医療機関と連携し、九州全域からの依頼を受けています。上 記の21例には含まれていませんが、内科や外科、整形外科などに入院された血友病の方の周術期の止血治療も小児科で行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX97X0XX 肺の悪性腫瘍 手術あり処置等2なし 139 13.9 13 10.1% 70.0
090010XX99X40X 乳房の悪性腫瘍 手術なし処置等24あり, 副傷病なし 73 4.4 4 0% 57.7
060020XX99X30X 胃の悪性腫瘍 手術なし処置等23あり, 副傷病なし 73 6.8 6 0% 68.6
外科には、院内標榜における、「消化器・内分泌外科」と「呼吸器・胸部外科」が含まれ ております。

上記の3症例に次いで「胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等, 処置等1なし, 処置等2なし」も73例となってお り、上記の疾患と同様に多くの症例を診療しております。

当院では、手術後の化学療法治療についても、外科系の診療科も担当しております。そのため、年間の延べ症例数では、手術を実施した症例よりも、手術のない症例 の方が多くなっております。

また、呼吸器・胸部外科は呼吸器内科と連携して、『呼吸病センター』を設置し、呼吸器系の疾患を内科的・外科的に両側面から診療できる体制を整えております。

「肺の悪性腫瘍 手術あり処置等2なし」
肺がんに対して、手術のみを行い、化学療法や放射線治療を行わなかったことを示しています。

「乳房の悪性腫瘍 手術なし処置等24あり, 副傷病なし」
乳がんに対して、手術をせずに化学療法として、「パクリタキセル」や「ドセタキセル」などの抗がん剤を使用した治療を行ったことを示しています。(手術前に化 学療法を実施した症例だけでなく、手術後の継続的な治療として化学療法のみを行っている症例も含まれています。)

「胃の悪性腫瘍 手術なし処置等23あり, 副傷病なし」
胃がんに対して、手術を行わずに化学療法として「トラスツマブ(ハーセプチン)」や「パクリタキセル」や「ドセタキセル」以外の抗がん剤を使用したことを示し ています。(手術前に化学療法を実施した症例だけでなく、手術後の継続的な治療として化学療法のみを行っている症例も含まれています。)
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040XXX01XX0X 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等, 副傷病なし 78 20.9 24 85.9% 68.1
070230XX01XXXX 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 62 19.9 26 90.3% 72.2
070343XX99X1XX 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし処置等21あり 59 3.4 3 0% 72.2
「変形性関節症」「リウマチ性関節炎」の症例を数多く診察しています。当院では、膠原病リウマチ内科と緊密な連携をとりながら最新のリウマチ診療を 行い、必要な患者様に対して人工関節置換術を行っています。術後早期からリハビリを開始し、回復期リハ病院との連携も円滑に行っています。

近隣の医療機関から保存治療で改善しない「脊柱管狭窄症」を数多くご紹介していただいています。通常の手術に加え、 顕微鏡手術、内視鏡手術、インストゥルメンテーション手術を積極的に行っています。

4番目に多い疾患は「前腕の骨折」です。救急科と連携して、「四肢外傷センター」を設置し、四肢外傷の患者様を円滑 に受け入れる体制を整えています。手外科専門医が4名常駐していますので、高い専門性が要求される四肢外傷に対応が可能です。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等, 処置等1なし 37 4.5 4 0% 35.4
080180XX99XXXX 母斑、母斑症 手術なし 24 2.1 3 0% 3.9
020230XX97X0XX 眼瞼下垂 手術あり処置等2なし 19 3.3 4 0% 69.6
形成外科は体表面の外傷、腫瘍、先天異常、瘢痕(きずあと)等を治療する科です。当科 で多い疾患をご紹介します。

「皮膚の良性新生物 皮膚皮下腫瘍摘出術(露出部)等」
 おもに皮膚にできる良性の腫瘍が対象です。粉瘤、脂肪腫、色素性母斑(ほくろ、あざ)などになります。露出部とは顔面や前腕、下腿など人目に触れやすい部位 をさし、この部分の手術ではできるだけ瘢痕(きずあと)が目立ちにくくすることが重要で形成外科に多く受診されています。

「母斑、母斑症 手術なし」
 当院には血管腫治療用の色素レーザーが設置されており、特に乳幼児の方で範囲が広く血管腫がある場合に全身麻酔でレーザー治療を行っています。初回は2泊3日 、2回目以降でご家族も治療になれていただければ1泊2日で治療を行っております。レーザー治療はかなり回数がかかりますので件数として多くなっています。

「眼瞼下垂 手術あり」
 特に加齢に伴って眼瞼(まぶた)が下がってきて視野が狭くなったり下がった眼瞼をおでこの筋肉であげようとすることで頭痛や肩こりが起こったりします。手術 は局所麻酔でゆるんだ眼瞼挙筋腱膜をつり上げる手術を行います。外来でも可能な手術ですが術後安静にして冷却することでその後の腫れをできるだけ減らす目的で 入院治療をお勧めしています。基本的には2泊3日で行っています。またうまれつき瞼が下がっているお子さんに対しては全身麻酔で大腿筋膜移植をして瞼をつり上 げる手術を行ったりしています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050XX02X00X 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等, 処置等2なし, 副傷病なし 47 12.5 10 14.9% 79.0
010060X099000X 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし処置等1なし, 処置等2なし, 副傷病なし 35 13.5 14 34.3% 77.6
010230XX99X00X てんかん 手術なし処置等2なし, 副傷病なし 26 5.7 5 7.7% 54.1
産業医科大学脳神経外科では脳腫瘍の外科治療に特に力を注いでいます。脳腫瘍といって も摘出すれば完治する良性の腫瘍から、外科治療後放射線治療、抗がん剤治療を行わなければならない悪性度の高い腫瘍まで様々です。産業医科大学脳神経外科では すべての脳腫瘍の治療に対する体制が完備しています。当科では年間約400例の手術を行っていますが、このうち約100例が脳腫瘍の外科治療です。その手術件数は九 州圏内の医療機関の中でも多くの件数を実施しており、それだけ経験豊富であると自負しています。

「髄膜腫」
髄膜腫は脳・脊髄を包む硬膜という膜から発生します。硬膜のあるところならどこからでも発生します。脳腫瘍の中でも最も良性の腫瘍ですが、問題は発生する部位 で、脳の奥、特に頭蓋骨の底(頭蓋底部)に発生する髄膜腫は重要な神経、血管を巻き込んで発育し、その外科治療は非常に困難です。頭蓋底外科という特別な手術 手技を用いて手術します。また安全に手術をすすめるために様々な術中モニターを用いながら手術をしなければなりません。こうした体制がすべて完備しています。 近隣の病院からご紹介いただき、多数の頭蓋底部髄膜腫の手術を行っています。

「下垂体腫瘍」
これも良性の脳腫瘍ですが、鼻を経由して手術する特別な手術法が必要です。これまで顕微鏡、内視鏡を用いた手術を行ってきましたが、近年内視鏡単独での手術を 行っています。この方法でより良い視野で、しかも低侵襲に確実な腫瘍摘出を行っています。

「神経膠腫」
脳腫瘍の中でも悪性度の高い腫瘍になります。手術のみでなく、術後放射線治療、抗がん剤による治療が必要になります。治療を進める上でもっとも重要なことはそ の組織型で、近年遺伝子解析まで行って術後の治療を進めなければ良い成績が得られないことがわかってきまいた。術中安全に、できるだけ広範囲に腫瘍を摘出し、 その後詳しい病理検査で組織型を決定し、その組織型にもっとも適した術後の治療法を決定しています。こうした一連の治療は、経験者がいて、すべてが一組織の中 で行われなければならないと考えています。神経膠腫の治療こそ大学病院で行われるべき腫瘍であると考えて、より良い治療成績を得られるようにしています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080XX01010X 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等, 処置等1なし, 処置等21 あり, 副傷病なし 14 36.2 25 0% 69.8
050050XX0111XX 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等, 処置等11,2あり, 処置等21あり - - 28 - -
050180XX97XX0X 静脈・リンパ管疾患 その他の手術あり, 副傷病なし - - 3 - -
当院では循環器内科、腎臓内科と連携して、循環器疾患の診断、治療が行えるようハート チームを形成しております。その中で当科では心臓疾患と血管疾患における外科治療を担当しており、心臓疾患で外科治療の対象となるのは主に弁膜症狭心症などの虚血性心疾患です。

「弁膜症(連合弁膜症を含む)ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術等)、処置等1なし、処置等21あり、 副傷病なし」
心臓弁膜症に対して、人工弁置換術や弁形成術などの手術を行い、補助循環や血液透析などを要しなかったことを示しています。

「狭心症、慢性虚血性心疾患、心室瘤切除術(梗塞切除を含む)単独のもの等、処置等11.2あり、処置等21あり」
狭心症などの虚血性心疾患症例に対して、冠動脈バイパス術等の手術を行い、補助循環や血液透析などを要しなかったことを示しています。

「静脈•リンパ疾患 その他の手術あり、副傷病なし」
下肢静脈瘤症例に対して、ストリッピング等の手術を行ったことを示しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020160XX97XXX0 網膜剥離 手術あり重症度等片眼 103 10.7 11 0% 48.7
020200XX9710XX 黄斑、後極変性 手術あり処置等1あり, 処置等2なし 61 8.0 8 0% 68.6
020240XX97XXX0 硝子体疾患 手術あり重症度等片眼 55 8.3 8 0% 65.0
当院では、白内障手術以外に、緑内障手術斜視手術角膜移植術など も行っています。
また、「未熟児網膜症」に対しても手術を行っています。

「網膜剥離手術あり重症度等片眼」
網膜剥離に対して手術のことを示しています。

「黄斑、後極変性手術あり処置等1あり、処置等2なし」
黄斑円孔,網膜前膜などの硝子体・網膜疾患に対しての手術のことを示しています。

「硝子体疾患手術あり重症度片眼」
糖尿病網膜症などの硝子体・網膜疾患に対しての手術のことを示しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428XXXXXXXX 突発性難聴 61 10.5 9 0% 59.3
030230XXXXXXXX 扁桃、アデノイドの慢性疾患 42 9.1 8 0% 20.8
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 35 7.8 8 0% 56.8
当診療科では、 「突発性難聴」に対し 、ステロイド全身投与+鼓室内投与の併用療法を行っています。特にステロイド鼓室内投与療法は難病である本疾患に対する標準治療として、国内外でその有効性が 認められています。

「副鼻腔炎」「副鼻腔嚢胞」に対し、ナビゲーションシステム や内視鏡を駆使した手術を行っています。また、薬物療法が無効な最重症のアレルギー性鼻炎に対し、下鼻腔介切除や後鼻神経切除術などの手術療法を行っています 。いずれも術後3~5日程度の短期入院です。合併症の発生率は、全国的な平均よりも低く抑えられています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010069XX99000X 脳卒中の続発症 手術なし処置等1なし, 処置等2なし, 副傷病なし 35 20.7 10 0% 63.4
010060X099030X 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし処置等1なし, 処置等23あり, 副傷病なし - - 17 - -
161040XXXXXXXX 損傷の続発性、後遺症 - - 13 - -
「脳卒中後遺症」に対する入院リハビリテー ションとして適応に合わせて上肢機能訓練装置(アームトレーナー、IVES)、経頭蓋直流電気刺激、経頭蓋磁気刺激、下肢機能的電気刺激装置(WalkAide)、懸垂式 歩行器、下肢装具などを用いて、より専門的で先進的な治療に取り組んでいます。

特に記憶障害や遂行機能障害などの専門的な「高次脳機能障害」の診断と治療、ボツリヌス療法を含めた「痙縮」の治療、「嚥下障害」の診断と治療、障害者の職業に関連する能力の評価と職場 復帰の助言・指導・社会復帰に向けた自動車運転適性評価にも力を入れています。

職場復帰後の「治療と就労の両立支援」にも対応しています。さらにCT, MRIの他に神経生理学的検査(筋電図、脳波、誘発電位)、嚥下機能評価(嚥下造影検査、嚥 下内視鏡検査)、三次元動作分析装置により歩行分析などの特殊検査を行っています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040010XX99X2XX 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし処置等22あり - - 31 - -
060050XX99X2XX 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし処置等22あり - - 23 - -
040040XX9902XX 肺の悪性腫瘍 手術なし処置等1なし, 処置等22あり - - 24 - -
放射線科には院内標榜における「放射線科」と「放射線治療科」が含まれております。

放射線科の入院患者数は、主に他院から放射線治療科に直接依頼があった場合で、放射線治療科が主治医として入院管理が必要となった患者数に相当します。ほぼす べてが放射線治療目的の患者であり、全身の癌種が対象となるため疾患病名は多様です。

年間に放射線治療科が施行する放射線治療患者の総数は約850名にのぼり、多くは院内他科からの依頼や外来患者で占められます。放射線科の入院患者の総数52名は、 放射線治療を施行した患者全体の約6%とごく一部の患者の内訳となります。

放射線治療だけでなく、化学放射線療法、温熱療法や疼痛・栄養管理などの緩和ケアまで、幅広く対応しています。

「縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし処置等22あり」
左右の肺と胸椎、胸骨に囲まれた部分である縦隔や胸膜(肺と胸郭の内側を覆う膜)にできた悪性腫瘍(いわゆるがん)に対して、手術や化学療法を行わずに、放射 線治療を行った症例を示しています。

「肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし処置等22あり」
肝臓の悪性腫瘍(いわゆる肝臓がん)に対して、手術や化学療法を行わずに放射線治療を行った症例を示しています。

「肺の悪性腫瘍 手術なし処置等1なし, 処置等22」
肺の悪性腫瘍(いわゆる肺がん)に対して、手術や化学療法を行わずに放射線治療を行った症例を示しています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160XX99X10X パーキンソン病 手術なし処置等2あり, 副傷病なし 41 20.5 20 7.3% 70.8
010110XXXXX40X 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 処置等24あり, 副傷病なし 34 19.7 20 14.7% 54.7
010170XX99X10X 基底核等の変性疾患 手術なし処置等2あり, 副傷病なし 20 20.0 17 0.05% 66.8
「パーキンソン病」
中脳の黒質などにあるドーパミンを産生する神経細胞などが、変性して線条体のドーパミンが減少する進行性変性疾患です。最近の人口の高齢化に伴って有病率が高 くなっています。振戦、筋固縮、動作緩慢、姿勢反射障害が4大症状とされ、初期にはふるえ、手足のこわばり、ぎこちない歩き方などで異常に気付きます。適切な 薬物療法を受けることによって症状が改善します。

「基底核等の変性疾患」
これも上記のパーキンソン病とよく似た症状(筋肉の硬さ、運動ののろさ、歩行障害など)が生じます。大脳皮質基底核変性症や進行性核上性麻痺が代表的な疾患で す。大脳皮質基底核変性症は、大脳皮質症状(手が思うように使えないなど)が同時にみられる病気で、身体の左側または右側のどちらか一方に症状が強く出ること があります。進行性核上性麻痺は、歩きにくく転びやすい、異常な姿勢(頚部を後屈させ上半身が後方にそり返る)、動作緩慢といった症状を示し、進行すると眼球 の運動制限、認知症、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が出現します。

「免疫介在性・炎症性ニューロパチー」
介在性・炎症性ニューロパチーには多くの病型がありますが、ギラン・バレー症候群と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーが重要な病気です。筋力低下やしびれ感 などの症状がみられ、電気生理学的検査(神経伝導検査、筋電図、誘発電位検査など)により診断を行い、それぞれの疾患に特異的な治療を行っています。ギラン・ バレー症候群に対する治療は、免疫グロブリン大量療法および血漿交換療法が有効であることが確立されています。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、免疫グ ロブリン大量療法、副腎皮質ステロイド、血漿交換療法などの免疫治療に良好に反応することが多く、時に難治例がみられます。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006XX01X0XX 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等, 処置等2なし 31 10.4 10 3.2% 82.0
080190XXXXXXXX 脱毛症 31 3.8 4 0% 38.5
080007XX010XXX 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等, 処置等1なし 25 5.2 4 0% 50.5
「皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍 切除術等, 処置等2なし」
有棘細胞癌、基底細胞癌など、さまざまな皮膚癌の手術を行い、化学療法や放射線治療を実施しなかった症例を示しています。

「皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等, 処置等1なし」
表皮脳腫、脂病性角化症などの皮膚良性腫瘍の手術治療を行った症例を示しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070XX0200XX 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術, 処置等1なし, 処置等2なし 156 5.5 7 0.64% 73.0
11001XXX01X0XX 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等, 処置等2なし 37 12.5 13 0% 69.0
11012XXX020X0X 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等, 処置等1なし, 副傷病なし 33 5.5 5 0% 59.5
当科ではがん診療を中心に幅広い泌尿器疾患に対して診療を行っています。がんに対する手術を目的とした入院が最も多くを占めますが、 尿路結石症や前立腺肥大症などがん以外の疾患に対する治療も積極的に行っています。また入院診療にあたってはクリニカルパスを導入し、質の高い医療の提供を行 っています。 詳細は泌尿器科のホームページをご参照ください。

「膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍 経尿道的手術,処置等1なし,処置等2なし」
膀胱がんに対して内視鏡手術を行ったことを示しています。

「腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等,処置2なし」
腎臓、腎盂、尿管いずれかのがんに対する手術を行ったことを示しています。

「上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等,処置等1なし,副傷病なし」
上部尿路切石(腎結石、尿管結石)に対する内視鏡手術を行ったことを示しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010X199X00X 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし処置等2なし, 副傷病なし 97 2.6 6 5.2% 0
12002XXX99X40X 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし処置等24あり, 副傷病なし 75 4.2 5 0% 63.0
120070XX02XXXX 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 57 5.8 6 0% 43.6
「妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 (出生時体重2500g以上) 手術なし処置等2なし, 副傷病なし」
妊娠周期が短縮され、低体重(2500g以上)で出産した際に関連した障害に対し、手術や特別な処置を行わなかった症例を示しています。また、当院には産業医科大学 周産期センターを有しており、福岡県認定の総合周産期母子医療センターの指定を受けており、広くハイリスクな周産期管理を引き受けています。母体・胎児部門と 新生児部門が相互に協力してよりよい管理を施行すべく診療に当たっています。帝王切開分娩児など出生後に細やかな観察を必要とする児はGCU(新生児治療回復室) で治療にあたっています。
当院産科についてはこちら

「子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし処置等24あり, 副傷病なし」
いわゆる子宮がんに対して、手術をせずに化学療法のみを行い放射線治療も実施しなかったことを示しています。(手術前に化学療法を実施した症例だけでなく、手 術後の継続的な治療として化学療法のみを行っている症例も含まれています。)
また、当院産婦人科では、婦人科悪性腫瘍の診断、治療を主として診療を行っています。年間約120例の子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌などの婦人科悪性腫瘍の診断から 、手術・化学療法・放射線治療など一貫した治療まで行っています。化学療法については、個々の治療の特性にあわせ、入院あるいは外来での治療をおこなっていま す。
当院婦人科についてはこちら

「卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等」
卵巣の良性腫瘍に対し、腹腔鏡を使用して卵巣の部分切除を行った症例を示しています。特に、当院産婦人科では腹腔鏡治療を積極的に行っています。良性腫瘍(卵 巣腫瘍・子宮筋腫・子宮内膜症等)だけでなく、初期子宮体癌における腹腔鏡下子宮全摘術や先進治療として早期子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術もおこな っています。
当院で行っている腹腔鏡手術についてはこちら
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040XX9904XX 肺の悪性腫瘍 手術なし処置等1なし, 処置等24あり - - 13 - -
040110XXXXX0XX 間質性肺炎 処置等2なし - - 19 - -
040120XX99000X 慢性閉塞性肺疾患 手術なし処置等1なし, 処置等2なし, 副傷病なし - - 13 - -
当院では「呼吸器病センター」を開設し、呼吸器・胸部外科と呼吸器内科が連携して診療 行為を行っています。

「肺がん」の症例数は特に多く、肺がん診療の地域拠点病院として機能しています。
また、「間質性肺炎」については、地域における重要な診療施設となっているため、重症な間質性肺炎患者が多く、平均 在院日数も長くなる傾向があります。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800XX01XXXX 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 57 13.9 28 96.5% 83.1
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 処置等2なし, 副傷病なし 16 2.1 3 18.8% 43.8
030400XX99XXXX 前庭機能障害 手術なし 13 3.1 5 0% 68.7
救急科では、救急外来に救急車で搬送される患者さんと歩いて受診される患者さんがみえ ます。救急車では約4000名の患者さんが受診され、後者は約3000名の方が受診されています。
転倒などによる大腿骨近位部骨折の患者さんが多数搬送されてきて、救急科の整形班で診察、手術、術後管理を行っているため、「股関節大腿近位骨折人工骨頭挿入術」がDPCコードによる分類上、最多となっています。
また、精神科からスタッフが救急科に派遣されてきており、大量服薬の患者さんも救急科で診療しており、「薬物中毒」 も上位となっています。
総合診療科が当院では無いため、救急科で、めまいの患者さんの入院加療も行っていますので、「前庭機能障害」の患者 さんも多いのが特徴です。
DPCコードによる細かい分類のため、上記3疾患が多くなっていますが、実際には、感染によって発熱などの症状を呈する「敗血 症」の患者さんが最も多く、救急科では第1〜2位を占めます。また、骨盤骨折など重症外傷も頻度が多い疾患です。
精神科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070XXXXX00X 薬物中毒(その他の中毒) 処置等2なし, 副傷病なし - - 3 - -
現在のDPC制度では、通常の精神科の疾患は対象としていません。そのためDPC制度で精神 科の診療実績はほとんど存在せず、「薬物中毒」など救急搬送され入院となった症例が対象となっています。

精神科ではDPC対象以外の疾患として、「気分障害(うつ病、躁うつ病等)」「 ストレス関連障害」「統合失調症」「認知症」「自閉症スペクトラム障害」、大学病院であるという特性を活かし身体疾患や使用薬剤に伴う精神障害など多くの症例を診療してお ります。

尚、以下の疾患に関しては、通常の外来以外に担当医の専門性を活かした専門外来を設けております。これらに関しての詳細は、精神科のホームページがございますので、こちらも併せてご参考にしてください。

「気分障害」
「気分障害外来」及び産業医科大学病院の特性を活かし、複数の企業での産業医経験のある精神科医による「職場の気分障害外来」を設け、治療から復職までのサポ ートを行っております。また、治療抵抗性のうつ病を対象として「修正型電気痙攣療法(m-ECT)外来」を設け、治療の適応性を検討しております。

「統合失調症」
「統合失調症外来」を設け、診断・適切な薬物治療に加え、社会復帰のための機能評価を行っております。

「認知症」
「もの忘れ外来」を設け、認知機能検査、血液検査、画像検査などから診断や療養上のアドバイスを多職種で行っております。

※この他、「小児・思春期外来」を設けております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 70 36 31 97 0 45 7
大腸癌 38 82 97 46 16 35 1 7
乳癌 85 145 37 9 11 90 1 7
肺癌 184 50 120 157 20 339 1 7
肝癌 22 27 13 7 10 168 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、5大がんに限らず全てのがん種において、手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治 療などを組み合わせることで、早期がんや進行がん、再発・転移がんに対し、様々な治療法を提供しております。詳しくは、がんセンターHP内「がん種別診療特徴PR」をご覧くだ さい。

胃がん、大腸がん
主に「消化器・内分泌外科」、「消化管内科、肝胆膵内科」と「放射線科」で診療しております。手術は基本的に腹腔鏡を使用し、切除から再建まで行っております 。早期がんについては、内視鏡を使用した治療も積極的に行っております。切除不能進行がんや再発・転移がんについては、従来の抗がん剤に加え、分子標的治療薬 を用いた治療も行います。平成27年度における当院の傾向として、胃は早期がんが、大腸は進行がんに対する治療が比較的多かったです。

乳がん
主に「消化器・内分泌外科」、「呼吸器・胸部外科」と「放射線科」で診療しております。乳房温存手術を積極的に行い、カメラを使用して傷口を小さくする手術を 導入するなど、最新かつ安全な治療を行っております。形成外科と連携し、自家組織やエキスパンダーを用いた乳房再建手術も積極的に行っております。がん細胞の タイプによっては、抗がん剤やホルモン剤、分子標的治療薬を併用して治療を行います。平成27年度における当院の傾向としては、早期がんと再発・転移がんに対す る治療が多かったです。

肺がん
主に「呼吸器・胸部外科」と「呼吸器内科」、「呼吸器病センター」、「放射線科」で診療しております。平成27年度の当院において、治療数が最も多いがん種です 。また、九州で最も多い肺がんの外科手術症例数となっています。様々な合併症を有するリスクの高い症例に対しても、関連する多職種が協力して最新の知見を駆使 し、安全性の高い先進的な治療を行っております。早期がんについては、胸腔鏡を使用した低侵襲性な手術を行います。進行がんや再発・転移がんについては、従来 の抗がん剤に加え、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬を用いた治療も行っています。平成27年度における当院の傾向としては、早期がん と再発・転移がんに対する治療が多かったです。

肝がん
「消化管内科、肝胆膵内科」、「消化器・内分泌外科」と「放射線科」で診療しております。切除可能な場合は積極的に手術を行っております。手術以外でも、身体 の外から針を刺し、がんに対して局所的に治療を行う療法(ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法)や、カテーテルを用いてがんに栄養を運んでいる血管を塞栓物 質や抗がん剤を混ぜたもので人工的に塞ぐ肝動脈塞栓療法(肝動脈化学塞栓療法)も多数行っております。適応を考えて放射線治療も行っています。また、分子標的 薬を使った治療も行っています。さらに肝がんになりやすいウイルス性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎)の患者さまの抗ウイルス療法を積極的に行っています。平成27年度 における当院の傾向としては、再発・転移がんに対する治療が多かったです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 36 11.8 60.0
重症度 1 44 12.1 69.9
重症度 2 32 17.8 75.8
重症度 3 12 15.7 75.9
重症度 4 - - -
重症度 5 0 0 0
不明 0 0 0
様々な重症度の肺炎患者の入院診療を行っております。
特に、合併症がある患者の場合は、軽症の肺炎でも入院治療の適応となる場合が多くなります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 80 6.7 77.1 5.0%
その他 20 6.4 77.2 0%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0 0 0%
その他 0 0 0 0%
I63$ 脳梗塞 3日以内 1063 24.4 74.8 49.8
その他 180 18.8 72.9 58.9
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 10 11.5 69.4 0%
その他 135 13.2 70.2 14.8
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 31 28.2 61.4 0%
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 0 0 0 0%
その他 15 14.8 34.7 0%
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 0 0 0 0%
その他 0 0 0 0%
産業医科大学病院では平成27年9月に脳卒中センターを設立しました。救急車で搬送される多数の脳 卒中になられた患者さんをより集中的に治療するためです。脳卒中センターには、脳神経外科、神経内科、救急治療部、集中治療部、放射線科、リハビリテーション 科の専門医が連携して治療に当たっています。

脳卒中には、脳出血脳梗塞くも 膜下出血の3つの病気があります。脳出血くも膜下出血の治療は 主に脳神経外科の脳卒中専門医がその治療に当たっています。できるだけ早い脳神経外科的手術が必要になり、緊急手術に対応するようにしています。

近年、脳梗塞、その中でも心原性脳塞栓症の患者さんが増えています。これは心房細動という不整脈が原因で心臓の中に 血栓ができ、これが血流に乗って脳の主要な動脈を閉塞してしまうという病気です。突然意識を失って倒れ、麻痺や言語障害、ひどい時には意識も障害されるという 重篤な病気です。脳の太い血管が突然つまるため、その障害も大きくなります。治療はとにかく一刻一秒をあらそって行う必要があります。発病後、4時間半以内な ら、t-PAという強力な血栓溶解剤を注射して血栓を溶かす治療ができます。しかし、必ずしもt-PAを使っても血栓が溶け るとは限らず、その時には期を逸せず次の治療に移る必要があります。血管内治療といって、つまっている血管まで細いカテーテルをレントゲン下で誘導し、つまっ ている血栓を吸引して回収する治療が必要になります。こうしてつまった脳の太い血管の血流を再開させることで、後遺症なく回復される患者さんも少なくありませ ん。とにかく、重要なことは発病後できるだけ早い時期に病院に救急車で来ていただき、MRI で画像検査を行ったのち、一刻も早く治療を開始することです。

産業医科大学脳卒中センターでは各科の連携が非常に緊密にとれており、救急車から連絡を受けた時点から、24時間、いつでもこうした治療体制を救急治療室でとり 、素早く治療が開始できるようにしています。治療後は集中治療室、あるいは脳神経外科病棟に設置した12床の脳卒中センター病棟で集中的に治療にあたります。

脳卒中の患者さんに対して、できるだけ後遺症を残さないように良好な治療成績を得るためには何をおいても時間が重要で、病院搬送まで、病院搬送後から治療開始 まで、とにかく時間を無駄西ないように各科が連携をとって高度で専門性の高い治療に当たることが非常に重要です。産業医科大学病院脳卒中センターではこうした 体制が完備されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 167 1.4 2.2 0% 67.8
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 145 2.4 7.6 6.7% 73.0
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 104 3.8 5.0 6.2% 71.1
内科には、院内標榜における、「膠原病リウマチ内科、内分泌代謝糖尿病内科」、「循環 器内科、腎臓内科」、「消化管内科、肝胆膵内科」、「血液内科」が含まれております。

上記の術式以外でも、「内視鏡的胆道ステント留置術」が85症例、「内シャント設 置術」が62症例、「経皮的カテーテル心筋焼却術(その他)」が60症例、 「ペースメーカー移植術(経静脈電極)」が50症例など、各内科系診療科で多くの手術・手技を行ってます。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 20 1.0 51.9 10.0% 0.0
K190-5 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 13 4.4 9.3 0% 14.0
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
「新生児仮死蘇生術(仮死第1度)」「新生 児仮死蘇生術(仮死第2度)」
生まれてくる赤ちゃんの約10%は、出生時に呼吸を開始するために何らかの助け(呼吸の刺激や吸引など)が必要とされており、新生児仮死蘇生術とは出生後に元気 に泣かず、ぐったりしている新生児仮死の赤ちゃんが重篤な障害を残さないように適切な処置を行うことです。当院の周産期センターではスタッフ全員が新生児蘇生 法「専門コース」の認定資格を持っており、定期的に講習会も開催しております。院内での帝王切開には全例、通常の分娩でも赤ちゃんの状況に応じて有資格者が立 ち会うことで、予期せぬ異常が発生した場合でも迅速に対応できる体制を整えています。

「重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填」
脳からの運動機能命令が十分伝わらず手足が固くなって自由に動かせなくなった患者さんに行う治療です。体内埋め込み式機械へ「バクロフェン」という筋肉の固さ を取る薬剤を定期補充します。清潔な操作で補充が必要なため、補充は外来または短期入院下で清潔操作下、定期的に行っています。

「水頭症手術(シャント手術)」
早期発見に努め、脳神経外科に主に一期的に脳室‐腹腔シャント手術を依頼しています。

「腸重積症整復術(非観血的)」
症例数は多くありませんが、主に乳児期に発生する腸重積症の整復術を常に行える体制で診療しています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 106 6.6 11.8 10.4% 69.2
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 89 2.4 6.2 1.1% 62.9
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 59 2.8 8.1 3.4% 59.9
外科には、院内標榜における、「消化器・内分泌外科」と「呼吸器・胸部外科」が含まれ ております。

当院では、負担が少ない腹腔鏡や胸腔鏡の手術を多く行ってます。また、消化器・内分泌外科と呼吸器・胸部外科では、悪性腫瘍(いわゆる、がん)に対する診療も 多く行っております。

上記の3術式に次いで、4番目に多い術式には、「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」が58症例でした。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 167 3.7 18.7 85.6% 69.3
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 87 4.3 15.7 47.1% 71.7
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 40 2.1 6.7 20.0% 55.7
股関節や膝関節における変形性関節症やリウマチ性関節炎に対して「人工関節置換術」を数多く行っています。2週間での退院を図ります。必要に応じて術前に自己血を貯血し、99%は他人からの輸血な しで手術ができています。

上位頸椎から仙椎までの全ての脊椎脊髄疾患に対して、「脊椎固定術」「椎弓切 除術」「椎弓形成術」を行っています。ナビゲーションシステムを活用して安全に低侵襲で手術を行うことが 可能です。

整形外科では、「上肢外科・外傷班」「脊椎・脊髄外科班」「下肢外科・人工関節班」に分かれて、高い専門性が要求される質の高い医療を安全に提供できる体制を整えています。

整形外科での診療につきましては、本学整形外科のホームページがござい ますので、こちらも併せてご参考ください。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上) 27 3.4 12.6 2.7% 49.3
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 19 1.8 2.4 0% 61.5
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 15 2.0 11.7 6.7% 68.7
手術件数からみると特に腹部や背部にできる外来手術では対応できない大きな「脂肪腫切除」などの件数が最多です。

疾患別の症例数でも上位になっていた「眼瞼下垂」が2位、皮膚がんの切除、露出部で比較的大きな「良性腫瘍切除」が続きます。

「皮膚がんの切除」では特に顔面の症例が多く、腫瘍を切除することで生じる顔の変形をできるだけ最小限に留めるよう 、まわりの皮膚をずらしたり(皮弁法)、別の部位の皮膚を移植したり(植皮)するなどさまざまな形成外科特有の再建方法で患者様の悩みをできるだけ減らすこと を目指して治療に当たっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 52 2.5 12.3 15.4% 80.4
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 40 7.3 37.3 20.0% 53.9
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 19 1.6 26.1 63.2% 69.3
産業医科大学脳神経外科では、術中のモニタリングの整備を生かして、機能外科にも積極 的に取り組んでいます。特に三叉神経痛顔面けいれんといった疾患に対 する治療は機能外科という範疇に属します。生命を脅かす疾患ではありませんが、患者さんの苦痛は大きいものがあります。こうした疾患に対応できるためには経験 豊富な術者と正確に術中モニタリングできる検査技師との連携が重要です。当科ではこうした体制整備の下、安全で確実に術後の成果を挙げられる治療を行っていま す。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術(1弁) 10 7.9 32.4 10.0% 75.5
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) - - - - -
K552-21 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(1吻合) - - - - -
当科では心臓疾患と血管疾患に対して外科治療を行っております。対象となる主な疾患は 弁膜症虚血性心臓病ですが、最も多いのが高齢者の大動脈弁狭窄症に対する弁置換術した。その他4番目には2弁置換術、5番目には人工弁を用いない弁形成術が5例でした。
2番目に多い手術は狭心症に対する冠動脈バイパス術ですが、このうち高齢者や合併疾患の多い高リスク症例に対しては 人工心肺を用いない手術も行っております。ちなみに人工心肺不使用冠動脈バイパス術2吻合以上は7番目でした。

なお、当科では心臓血管疾患の手術症例数は昨年51例であり、心臓血管外科専門医機構の関連施設に認定されております 。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 535 1.4 2.2 0% 73.4
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 238 2.3 8.5 0.42% 60.7
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 50 2.2 8.4 0% 58.0
「水晶体再建術」は,白内障に対する手術 です。当院では,1泊2日もしくは2泊3日での入院治療を行っています。

「硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)」は,網膜剥離や糖尿病網膜症,黄斑円孔,網膜前膜などの疾患に対す る手術です。

増殖硝子体網膜症や未熟児網膜症以外のその他の硝子体・網膜疾患などに対する手術は,「硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 」です。当院では,約7日間から10日間での入院治療を行っています。

耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 47 2.8 8.0 0% 25.1
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 40 1.3 10.5 0% 55.8
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 31 3.1 7.0 0% 57.7
慢性中耳炎や真珠主性中耳炎に対する鼓室形成術 を行っています。聴力を改善させ、かつ術後再発を低く抑える術式を行います。合併症の発生率は全国的な平均よりも低く抑えられています。

頭頸部癌に対し、化学放射線療法と手術を組み合わせた集学的治療を行っています。また従来治療困難だった再発・進行 癌に対しては、分子標的薬を用いた最新の治療を行い、効果を上げています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 101 4.4 13.6 6.9% 75.1
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 19 2.1 7.8 0% 52.5
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上) 16 2.6 6.0 0% 55.4
悪性黒色腫有棘細胞癌基底細胞 癌などの手術を行っております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 169 2.5 5.0 1.8% 73.2
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 54 2.4 13.2 0% 69.5
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 39 1.9 7.4 15.4% 68.9
当科の手術の特徴としては、多くの手術に腹腔鏡手術を導入していることが挙げられます。腎 臓がん、腎盂・尿管がん、前立腺がん、膀胱がん、副腎腫瘍などが主な対象になります。日本泌尿器内視鏡学会認定の泌尿器腹 腔鏡技術認定医を中心として、安心安全な腹腔鏡手術を提供しています。また腹腔鏡手術以外にも尿路結石や前立腺肥大症に対する内視鏡手術に関しても、新 しい技術、機器を積極的に導入し行っています。 詳細は泌尿器科のホームページをご参照ください。

「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用)」
膀胱がんに対して内視鏡を用いて膀胱の内側からがんを切除する手術です。早期がんの治療や進行がんの診断を目的として行われます。進行膀胱がんに対しては腹腔 鏡下膀胱全摘除術を治療として行っています。

「腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術」
腎臓がん、腎盂・尿管がんに対する腹腔鏡手術の総称です。比較的小さな腎臓がんに対しては、がんを含めた腎臓の一部を腹腔鏡で切除する腹腔鏡下腎部分切除術を 行っています。

「経尿道的尿管ステント留置術
尿管に細い管(ステント)を入れる手術のことで、結石や腫瘍などにより尿管が閉塞し、腎臓で作られた尿が膀胱に流れない状態(水腎症)を改善する目的で施行さ れます。尿管の閉塞に腎盂腎炎を合併した症例、腎不全に陥った症例に対して緊急処置として施行されることが多い手術です。当院は救急医療にも積極的に取り組ん でいますので、緊急的にステントの挿入を要する方が多数受診されます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 103 2.5 5.5 0% 39.9
K867 子宮頸部(腟部)切除術 72 2.0 3.1 0% 40.6
K877 子宮全摘術 68 3.0 8.4 0% 48.2
「子宮付属器摘出術(腹腔鏡下)」
当院では、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。良性の卵巣腫瘍では腹腔鏡での手術を行うことにより、傷が小さく痛みが少ない・入院期間が短縮できる・術後癒 着が少なくできる・出血量を少なくできるなどのメリットがあります。

「子宮頸部切除術」
子宮頸癌は若年の女性での発生が多い悪性腫瘍です。子宮頸癌は、子宮頸部異形成から上皮内癌、浸潤癌と進行することが知られています。子宮頸部切除術(子宮頸 部円錐切除術)は子宮頸部を円錐状に切除することにより、診断を確定し、また、どの程度の追加治療が必要であるのかを明らかにすることにあります。子宮頸部切 除術後の病理検査の結果、病変の取り残しがなければ追加の治療不要ですが、切除断端に病変が及ぶときや浸潤癌と診断された場合には追加治療が必要となります。

「子宮全摘術」
子宮全摘術は主として子宮筋腫や子宮腺筋症に対して行う術式です。子宮筋腫や子宮腺筋症の治療には薬物療法や手術療法があります。腫瘍が大きい場合や癒着が強 いと考えられる場合には開腹術が行われますが、最近では腹腔鏡下の子宮全摘術もおこなっています。個別の治療法について主治医と相談の上決定します。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 36 2.0 12.1 88.9% 81.5
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 24 3.1 12.8 95.6% 80.8
K0731 関節内骨折観血的手術 肩、股、膝、肘 13 2.3 10.2 69.2% 76.9
「骨折観血的手術(大腿)」「人工骨頭挿入術( 股)」は、ともに、症例数が多い大腿骨近位部骨折の患者さんに対する手術術式です。
また、骨盤骨折や内臓損傷など重症外傷の入院も多く、これらの疾患に対し、大腿の動脈からカテーテルを挿入し、出血している損傷部位の血管を詰めて止血を行う 「血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術)」も多くなっています。
他にも、外傷に伴う種々な部位の骨折に対する手術も多数実施しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 10 0.066%
異なる - -
180010 敗血症 同一 28 0.18%
異なる 12 0.079%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 114 0.76%
異なる 31 0.21%
病気やけがの治療を進める過程で、予期できたり、できなかったりする様々な症状や合併症が発生す ることがあります。ここで示している4つの指標はその代表的なものです。

『入院契機』が「同一」とはその症状が原因で当院に入院されたことを示し、「異なる」とはほかの症状で入院をしていたが、その症状の治療をもっとも行ったこと を示しています。

当院では、ほとんどの症状が入院契機として入院していました。

「播種性血管内凝固症候群」
英語でDisseminated Intravascular Coagulationと表現することから、DICとも呼ばれています。何らかの基礎疾患などを有している中で、微小血管内で血栓(血のか たまり)の形成が多発かつ持続し、血液を固める成分が大量に消費されることで出血傾向と微小循環不全となることによる臓器障害をきたす重篤な病態です。詳細に ついては、日本救急医学会の説明ページを参考にしてください。

「敗血症」
感染によって引き起こされた全身性炎症反応症候群です。症状としては、体温の異常、心拍数の増加、頻呼吸、白血球数の増加などがあります。詳細については、日 本救急医学会の説明ページを参考にしてください。

「真菌感染症」
カンジダなどの酵母やアスペルギルスなどのカビなどの真菌が原因となる感染症です。いくつかの真菌は普段から体表や腸内に存在し無害ですが、免疫機能が低下し ている人など真菌の繁殖を抑制するための正常なバランスが崩れたりすると重症になることがあります。

「手術・処置等の合併症」
治療を行う過程でやむを得ず望ましくない症状や状態が発生した症例などを示しています。正しい診療を行っていても、患者の皆様の容態や症状によっては、予期で きない症状が出ることがあります。当院では、北九州医療圏唯一の特定機能病院(大学病院)として、他の医療機関からそのような症状になった症例を引き受けるこ とが多くあります。
更新履歴
2016/09/27 公開
2016/10/11 改訂

2016/12/15 改訂(リンクの修正)