研究室紹介

産業精神保健学研究室の使命・概要

職場におけるメンタルヘルス対策の一次予防から三次予防までの方法論の研究開発、実践に有用なツール・マニュアル類の開発と効果評価、職業性ストレスと労働者のメンタルヘルスに関する心理社会学的研究、および障害や疾病のある労働者のメンタルヘルスに関する研究を推進している。

主な研究の紹介

T.職場におけるメンタルヘルス対策に有効な方法論、ツール、マニュアル類の研究開発

  1. ホームページ「職場におけるメンタルヘルス対策ガイド」制作
    職場におけるメンタルヘルス対策ガイドサイト当研究室で開発したメンタルヘルス対策の支援ツールを紹介するホームページを制作、公開して、問合せにも対応している。現在、無料でダウンロード可能なものとして、メンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR)、メンタルヘルス風土評価尺度(WIN)の活用方法、職場再適応支援チェックリスト(試作版)、アルコール依存症の職場復帰支援マニュアルを掲載している。
  2. 中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策への支援
    2018〜2021年度の3年計画で「小規模事業場向けメンタルヘルス対策支援ツールの改訂に関する研究」、「小規模事業場経営者向けメンタルヘルス対策啓発資料の作成」(ともに一般財団法人あんしん財団との共同研究)を行っている。2012〜2014年度および2015〜2017年度の研究で開発した小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の実務に活用できる8つのツールおよびマニュアル類については、あんしん財団のホームページで、一般に公開している。
  3. 中小企業におけるメンタルヘルス対策のためのツール類の開発
    これまで当研究室で開発した以下のツール、マニュアルの改訂を定期的に行っている。
    教育啓発用映像資料/セルフケアカレンダー/中小企業向け心の健康問題を持つ従業員への対応手順マニュアル/受診・相談時メモ用紙/こころの健康度チェックリスト/心の健康づくり対策充実度診断/セルフチェック&アクションチェックシート

U.職業性ストレスと労働者のメンタルヘルスに関する研究

  1. 原発緊急作業者を対象とした調査研究
    「放射線業務従事者の健康影響に関する疫学研究」の心理的影響のパートを担当し、CIDIの実施者養成や、収集したデータの解析、論文化を進めている。
  2. 労働者参加型の職場環境改善調査研究
    当研究室が開発した2つのツール(WINおよびMIRROR)を用いて、労働者参加型の職場環境改善に関する研究に取り組み、事業所(20か所)と協力してその有用性を評価する介入研究を続けている。
  3. 看護職のメンタルヘルスと職場環境改善に関する研究
    病院看護部と協力して新任看護職等のストレスおよびメンタルヘルスと職場適応、職場改善に関する支援を続けている。
  4. 時間外労働時間と精神的健康との関連についての調査研究
    時間外労働時間と精神的健康との関連について、時間外労働時間の経年変化による影響や、心理社会的職場環境による緩衝効果に関する研究を進めている。
  5. 過重労働による健康障害防止対策やストレスチェックによるメンタルヘルス不調者の2次予防に関する研究
    過重労働による健康障害防止対策や高ストレス者に対する医師による面接指導にあり方に関する検討を行っている。

V.障害や疾病のある労働者のメンタルヘルス

  1. 事業場において治療と仕事の両立を支援するための配慮とその決定プロセスに関する研究
    主に産業医のいない中小零細企業において治療と仕事の両立支援を進めるための方法論、有用なツール・マニュアルの類の研究開発を進めている。
  2. 労働者コホートによる職場の差別が障害や疾病と精神的健康との関係に与える影響の解明
    障害のある労働者が感じる差別を評価するための英語版の尺度の日本語版への翻訳及び信頼性、妥当性の検証を行うための研究を進めている。

W.大学院生、修練医の研究テーマ

  1. 訪問看護における仕事要求度,仕事裁量度と職場の社会的支援がワーク−ファミリースピルオーバーを介してメンタルヘルスに及ぼす影響
  2. うつ病休職者の休業期間に関連する配偶者要因の検討
  3. 抑うつと認知の変化
  4. 職場における働きがいと満足度が腰痛に及ぼす影響
  5. 職場体操がソーシャルキャピタルと健康に及ぼす効果

最近の主な業績

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産業医科大学産業生態科学研究所産業精神保健学研究室

研究室紹介

文 責:産業精神保健学
更新日:2022年4月20日

  • 職場のメンタルヘルス対策ガイド
  • これからの治療と就業生活の両立支援を考える研究会
  • 産業精神衛生研究会
  • 産業医科大学
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