患者の皆様へ

大腸癌研究(MCT4)

大腸癌における予後因子探索に関する研究に、採取させていただいた大腸癌組織を使用することのお願い

1995年5月〜2001年12月の間に産業医科大学消化器・内分泌外科で大腸癌の手術を行い、大腸癌の研究に同意され、大腸癌組織の一部を提供していただいた患者さんおよび患者さんの関係者各位

研究課題名:大腸癌におけるMCT4(Monocarboxylate transporter 4)関連蛋白質発現の予後因子としての意義
研究期間:2015年7月〜2018年3月

a. 研究の意義、目的、方法

a-1.研究の意義、目的

大腸癌は本邦における癌死亡原因の上位を占めており、最近、増加傾向にあります。最近の化学療法の進歩により、予後は幾分向上していますが、さらなる改善を求めてバイオマーカーや分子標的の探索が必要不可欠と思われます。本研究によって新たなバイオマーカーが確立されれば、大腸癌の治療における大きな進歩となり、社会貢献が期待されます。Monocarboxylate transporters (MCTs)は細胞内に蓄積した酸を細胞外に排出するポンプ機能を示し、細胞内のpHを維持するために作用しています。少数例の検討では、大腸癌細胞膜におけるMCT4高発現群は、低発現群に比べ予後不良である可能性が報告されています。今回、より詳細な検討を行い、MCT4が新たなバイオマーカーになり得るかどうかを検討するために本研究を行います。

a-2.研究の方法

生体試料検査同意書により同意していただいた患者さんの切除標本の一部を、採取し保管しています。その生体試料を使用し、MCT4関連蛋白質の発現を検討(免疫染色等)し、予後因子とされている他の蛋白質発現やカルテをもとにした予後を比較検討します。

b.研究機関

産業医科大学医学部第1外科学、産業医科大学若松病院消化器・一般外科

c.研究結果の被験者への開示について

本研究では、試料を提供していただいた患者さん個々の利益につながることは少ないと考えられますので、原則としては個々の解析結果は開示しませんが、お問い合わせがある場合には下記窓口あるいは担当医にお尋ね下さい。

d.研究への参加の任意性とその同意の撤回

本研究に該当する方で、ご自身の生体試料等の使用を希望されない方は、下記担当医師へお申し出下さい。その場合、生体試料および個人情報は廃棄いたします。また、不利益を受けることは全くありません。

e. 採取し、使用した生体試料の取り扱いについて(保管・廃棄方法など)

採取し、使用した生体試料は、本学個人識別情報管理者の管理のもと、研究実施責任者が連結可能匿名化し第1外科研究室に保管しています。研究終了後、使用した生体試料は、研究実施責任者の管理のもと平成35年3月まで保管し、匿名化を確認した後、廃棄します。

f. 問い合わせ

産業医科大学若松病院 消化器・一般外科
診療教授 中山善文
〒808-0024
北九州市若松区浜町1丁目17番1号
電話 093-761-0090 ファックス 093-588-3904

文責:第1外科学教室 更新日:2016年05月18日