患者の皆様へ

膵臓癌

2012年4月から2014年8月までに膵臓癌と診断され、当院にて手術加療を行われた患者さんへのお知らせ

 当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた情報の記録に基づき実施する研究です。このような研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2014年12月22日制定 2017年2月28日一部改正)」により、対象となる患者さんのお一人おひとりから直接同意を得るのではなく、研究内容の情報を公開するとともに、利用の拒否の機会を保障することとされています。この研究に関するお問い合わせ、また、ご自身の診療情報が利用されることを了解されない場合は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。利用の拒否を申し出られても何ら不利益を被ることはありません。

1.研究課題名

浸潤性膵管癌の悪性形質におけるヒアルロン酸ネットワークの関与

2.研究期間

2014年9月 〜 2023年8月

3.研究機関

産業医科大学病院

4.実施責任者

第1外科学 職名 講師 氏名 佐藤典宏

5.研究の目的と意義

 膵癌におけるヒアルロン酸ネットワーク(合成・分解)ヒアルロン酸の調節機構および機能的役割について、当科で切除した膵癌患者の生体試料を用いて(同一症例の膵癌組織と正常膵組織)を用いてヒアルロン酸遺伝子関連蛋白の発現、エピジェネティックスの関与の検討・免疫抗体組織染色、またカルテをもとに悪性度及び予後との関連を含め検討し、今後有用となる腫瘍マーカーの発見、予後因子の発見または治療に有用な遺伝子の発見などを目的とします。

6.研究の方法

 本研究では、診療目的で採取した膵癌組織及び正常膵組織の余剰分の一部(膵癌組織、正常膵組織を各種5mm × 5mm大、2〜3ブロック)を利用させていただきます。膵癌切除症例の生体試料(同一症例の膵癌組織と正常膵組織)を用いて、ヒアルロン酸遺伝子関連蛋白(下記記載)の発現(ELISAまたはウェスタンブロッディング)・エピジェネティックスの関与の検討(メチル化特異的PCR)・免疫抗体組織染色を行います。またカルテをもとに悪性度及び予後との関連を調べるため、年齢、性別、手術時期、再発時期、生存期間、腫瘍マーカーの値、病理診断の結果、再発した場合は診断の根拠となった画像検査の情報、化学療法を施行した際は化学療法の内容、使用容量、継続期間をカルテから取得し検討します。

ヒアルロン酸関連遺伝子・蛋白:HAS1 HAS2 HAS3 CD168 HYAL1 HYAL2 HYAL3 KIAA1199 TMEM2 ETV1 HABP2 miR-216a CD44 RHAMM HABP1

7.個人情報の取り扱い

 個人情報は、対象者が特定できないように、研究実施責任者の厳重な管理の下で、研究実施分担者が個人を識別することができる記述を削除または当該個人と関わりのない記述などに置き換えるなど安全管理措置を行った上で匿名化し、その対応表とともに本学第1外科研究室の鍵のかかる保管庫に保管します。症例を登録する場合には、その内容は「性別、年齢(生年)」までに留め個人を特定できなくします。この研究終了後、収集されたデータは解析を行う産業医科大学第1外科教室において5年間(もしくは当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年間)保管された後、対象者の個人情報等は、研究実施責任者の管理の下、完全に匿名化されたことを確認の後、直ちに廃棄します。また、対応表も、同様の措置にて廃棄します。また、本診療で得られた成果について学会等に症例発表を行う場合は、氏名や住所等の個人情報は一切公表しません。本研究に利用の拒否(オプトアウト)を希望される方は下記までご連絡いただければ、収集した個人情報は破棄し、本研究の対象外といたします。データ利用の拒否申し出があった場合も収集した個人情報は破棄し、それ以降は本研究の対象外とします。

8.問い合わせ先

産業医科大学 第1外科学  093-603-1611 内線 2461
研究実施責任者 産業医科大学医学部第1外科学 講師 佐藤典弘

9.その他

 御本人に対する謝礼、直接的利益は発生しません。本研究の利益相反については、産業医科大学利益相反委員会の承認を得ており、公正性を保っています。

文責:第1外科学教室 更新日:2022年02月28日