Rasch modelの検証
Rasch modelに関する検証を、14社、約34000人のデータを用いて検証しました。
一次元性(Unidimentionality)の検証
Rasch modelでは一次元性を仮定しています。
WFunが一次元性を満たしているかについて、主成分分析(PCA)という手法で確認します。
第2成分のeigenvalueが2以下であるということは、すなわち、意味のある第2成分以下が存在しないことを示しています。
局所独立性(Local independence)の検証
Rasch modelでは、局所独立性を仮定しています。
局所独立性とは、測定したい概念が所与の際に、各質問項目への該当率が条件付き独立になると呼ばれる仮定のことです。
これについては、残差と各項目の相関を見ることで検証されます。
WFunでは、残差と最も大きな相関がある項目でも、0.28と、相関が小さく、局所独立性を満たしていることが示されました。
Differential Test Functioning(DTF)とSpecific bjectivity
Rasch modelでは、理論的には、得点から推定される能力値が、対象者の属性に影響されないとされています。そのことを検証するために、Differential Test Functioninと呼ばれる検証がなされます。
上段の図は、性、年齢、職種別に、11の属性別に推計を行ったものです。
下段の図は、業種が異なる8つの事業所別に、推計を行ったものです。
いずれの場合も、WFunの点数からRasch modelが推計する能力値(ここでは労働機能障害の程度)は、完全に一致します(級内相関0.99)。
[文責:産業医科大学環境疫学研究室]
[更新日:2015年11月13日]