[文責:入試課 更新日:平成17年6月29日]

「産業医として選任される資格」
 
産業医を養成する本学医学部の課程では、一般の医学部同様の一般教育、基礎医学、臨床医学の教育に
 加えて、1年次から6年次にかけて一貫した産業医学教育が行われます。さらに、卒業直後に、「産業医学総
 合実習」(10時間)を受講することにより、本学医学部卒業生は医師免許取得と同時に企業の事業場に産業医
 として選任される資格*を取得します。

* 労働安全衛生法により、産業医として選任されるためには、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に
 関する知識について一定の要件を備えたものでなければならないとされています。本学の医学部教育課程及
 び産業医学総合実習の修了はこの一定の要件として国から認められています。
健康教育・労働衛生教育
 
職場で実施する集団教育は、有害物質や有害エネルギーによる健康障害の防止から生活習慣の改善に関するものまであり、産業医は幅広いテーマに対応する必要があります。その中でも最近の企業の状況を反映して、メンタルヘルス教育の実施機会が増えています。
健康診断と事後措置
 
すべての労働者は、毎年1回以上の健康診断を受診することになっていますが、当然のことながら健康診断を実施するだけでは健康状態は改善しません。結果に基づき、生活習慣の改善の指導を行ったり、健康状態によっては本人と職場に対して働き方の改善を助言します。
作業環境による健康リスクの
評価と改善
 化学物質等の有害性に関する情報と、実際の作業環境や労働者の曝露の状況を総合的に判断し、健康障害が発生するリスクを評価します。リスクが高いと判断された場合には、事業者に対して、指導や勧告を行います。
衛生委員会への参加
 
労働者の健康に関する事項を審議する場として各事業場に衛生委員会が設置されることになっています。産業医は衛生委員会の正式なメンバーとして、労働者の健康を保持するための個別的な事項の検討だけでなく、職場の安全衛生体制の構築にも参画します。
職場巡視
 産業医は、毎月1回以上、職場を巡視することが求められています。労働者の実際に働く状況を理解することは産業医として適切なアドバイスを行うための基本であり、また労働者の健康を保持するために改善が必要な環境や作業があれば、その指導を行います。

産業医の仕事と役割

労働安全衛生法では、常時50名以上の労働者を使用する事業場において、
事業者に産業医の選任を義務付けており、1000名以上または有害業務に500名以上の労働者が従事する事業場では、
事業場に専属の産業医が選任されることになっています。また労働安全衛生規則では、その職務を規定しています。
しかし、実際の産業医活動は、企業活動に存在する働く人の健康に関するニーズ全般に対して、
医学を背景として職場や働く人の健康面からアプローチすることであり、そのようなニーズは、企業の業種によっても、
また時代によっても大きく変化するため、現実には非常に幅広い活動内容になっています。
ここではその一部を紹介します。

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