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ご挨拶

鈴木秀明

産業医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

鈴木秀明 Hideaki Suzuki

 1978年の産業医科大学創立に伴い、岡本健初代教授の下に耳鼻咽喉科学講座が開設されました。その後1990年から2代目牧嶋和見教授が、2003年から私が3代目として講座運営を担当しており、100万都市北九州市に立地する医科大学の講座・診療科として耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の診療・研究・教育に取り組んでおります。

 耳鼻咽喉科という領域は、もともと聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚などの感覚器や摂食・嚥下・呼吸・発声などの重要な機能を担う咽喉頭を取り扱いますが、これに加えて近年は、頭部〜顔面〜頸部に発生する良性/悪性腫瘍を取り扱う、頭頸部外科という領域が大きな比重を占めるようになっています。特に高齢化社会が進む現在、その発生率が次第に増加しています。頭頸部癌は、全身の癌の約5%を占めるに過ぎませんが、人間が日常生活を送る上で重要な臓器から発生するために、治療の成否がQOLに非常に大きく影響します。

 講座の体制は、私以下、講師3名、学内講師2名、助教3名、専門修練医4名、大学院生1名、海外からの留学生1名、検査技師1名、秘書2名の総勢18名です。当病院の総床数は678床で、うち耳鼻咽喉科の専用ベッド数は34床です。診療は疾患別に、(1)耳科疾患、(2)鼻副鼻腔疾患、(3)頭頸部腫瘍、の3つの領域に分けて担当し、専門診療体制をとっています。

 卒後教育前期課程では選択科目として2年目で耳鼻咽喉科を選択することができます。後期課程では耳鼻咽喉科所属の医局員として上記3つの診療グループに配属され、4ヶ月ごとにローテーションします。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の資格は最短で卒後7年目(満6年)で取得できます。その後は上記の3領域のうちの1つを選んでさらに臨床の技術を磨き、研究テーマを持って知識を深めていきます。社会人大学院制度も導入されており、臨床を行いながら大学院で勉学することも可能です。さらにその後は、大学病院で高度医療を中心とした臨床・研究を継続していく、一般病院で臨床を中心に活躍する、診療所を開業してプライマリケアを中心に地域医療に貢献していく、などの選択肢があります。

 研究分野では、炎症性鼻副鼻腔疾患の病態、中耳真珠腫の病態、上気道細菌叢と病態の関連、頭頸部癌におけるシスプラチン耐性関連転写因子、などについての研究を展開しています。また大学院生は、現在、生理学教室で視床下部・下垂体系におけるストレス反応についての基礎的研究を行っています。さらに産業医学とも関連する領域として鼻呼吸障害や睡眠呼吸障害についての研究も行っています。

 耳鼻咽喉科はひじょうに専門性の高い診療科といえます。ここでいう「専門性が高い」とは、取り扱う疾患の部位が頭部〜頸部に絞られているという意味にとらえていただくと分かり易いと思います。この領域を身体の中の体積として考えるとそれほど大きくないのですが、ここに多様な臓器・組織が密集し、たくさんの機能を担っています。そのためここから発生する疾患は、聴覚、平衡覚、顔面神経、鼻・副鼻腔、嗅覚、免疫アレルギー、味覚、発声、言語、嚥下、呼吸、など様々な機能・病態と関係しており、広大な領域として眼前に拡がっています。

 国内の耳鼻咽喉科の医師数は現在約10000人で、全医師数の3.5%程度です。頭頸部癌が全ての癌の5%を占めるという数字からみても明らかに不足している状況です。しかしそうした中にあっても、当講座では引き続き耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の診療、研究、教育に鋭意・努力してまいりたいと思います。

文責:産業医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
更新日:2014年11月1日

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