脳卒中患者へのサポートをより円滑に。
脳卒中地域連携パス北九州標準モデルは、2008年6月、北九州市リハビリテーション支援体制検討委員会のもとに脳卒中地域連携パス検討部会を設置して原案を作成し、8月より広報を始め、2009年4月から運用を開始しました。
この地域連携パスの特徴は、100万都市の北九州市および周辺の全域で共通に使用するツールであること、北九州医師会、産業医科大学リハビリテーション医学講座、北九州市保健福祉局地域医療課の三つの組織体が協力し作成し運用することにあります。それぞれの病院は運営コンセプトや医療手法に若干の相違があり、医師の出身母体となる大学も異なるなど、詳細な統一的評価や病日の基準化は困難が予想されました。そのため、必要最小限の取り決めとして北九州標準モデルを作成し、直ぐに北九州市全域で統一的にこの北九州標準モデルが使用されるようになりました。しかし、この「脳卒中地域連携パス北九州標準モデル」は完全ではないので、医療手技の進歩や医療状況の変化に応じてあるいはより実情に沿うように改定を加え、関係機関の連携がより密接となり、患者・家族には分かりやすく満足度の高い医療・介護システムとなることを望んでいます。現在、このパスを利用する医療機関は、急性期病院は15以上、回復期リハビリテーション病院は30以上を数えています。
なお、北九州標準モデルの作成と脳卒中地域連携パス協議会設立には、医師会および急性期病院の代表として石束隆男(当時、製鉄記念八幡病院・院長)、回復期リハビリテーション病院の代表として浜村明徳(当時、小倉リハビリテーション病院・院長)、産業医科大学の代表として蜂須賀研二(当時、教授)が中心的役割を果たし、初代委員長は石束、副委員長は蜂須賀、浜村が就任しました。2015年4月より、委員長は蜂須賀、副委員長は荒川(九州労災病院・部長)、梅津(小倉リハビリテーション病院・院長)、佐伯(産業医科大学・教授)に交代しました。2017年8月からは、副委員長は荒川より有廣昇司(九州労災病院・科長、部長)に交代しました。2020年4月からは、委員長は佐伯に交代、副委員長は有廣、梅津に加え、波多野武人(小倉記念病院・主任部長)が就任し運営を継続しています。(敬称略)
市内医療機関の皆様のご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。
北九州脳卒中地域連携パス協議会委員長
産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座教授
佐伯 覚