当講座について

循環器系

循環器内科は、1978年4月の開校と同時に九州大学循環器内科から黒岩昭夫先生が第2内科学初代教授として着任され、翌年7月から大学病院での診療が開始されました。1996年からは中島康秀教授、2006年からは尾辻豊教授、2020年からは片岡雅晴教授が第2内科学の教授として就任し、循環器内科の臨床診療、研究、教育の先頭に立ち、いずれの分野でも全国に誇れる教室づくりをめざしております。

これまで数多くの医局員が在籍し、労災病院を中心に全国の基幹病院へ多くの循環器内科医を輩出し、臨床・研究に日々研鑽しております。また、産業医科大学の特色である産業医学の領域に関して、循環器科の立場から働く人の健康増進や働き方の向上をめざした活動を行っております。

腎臓内科

昭和54年の開院時より診療を開始し北九州地区における基幹病院として腎炎や腎不全など腎疾患の診療に取り組んでまいりました。当院の腎臓内科は、下記の疾患に対する診療を行っています。腎センター(透析室)で行うすべての体外循環治療を腎臓内科で行っています。これからも大学病院ならではの腎疾患診療を地域の皆様にお届けします。

@ 腎炎・ネフローゼ症候群:腎臓病理医と連携し正確な組織診断のもと加療方針を決定しています。ステロイドや免疫抑制剤に加え生物学的製剤の投与、アフェレシス療法(LDL吸着療法、血漿交換療法)も行い、治療が困難な難病にも積極的に対応しています。
A 慢性腎臓病(CKD):食事・生活習慣の管理から新規腎保護治療薬を含めた薬物介入まで、集学的な腎保護療法を実現しています。
B 急性腎障害(AKI):腎機能の回復を目指して、急性血液浄化療法を含め迅速に対応しています。原因がわからない症例では腎生検も行っています。
C 電解質異常:腎不全に伴う高カリウム血症を始め様々な電解質異常や酸塩基平衡異常へ対応しています。遺伝子異常による尿細管機能異常についても適切な診断へ繋げます。
D 透析導入:療法選択外来を設置し、透析が近い患者さんには腎代替療法(腎移植、血液透析、腹膜透析)の選択肢を広く提示しています。血液透析や腹膜透析に関連する手術はすべて腎臓内科で行っています。
E バスキュラーアクセス手術:全種類のバスキュラーアクセス造設・修復手術、経皮的シャント拡張術(PTA)に対応しています。血管および心機能の正確な評価のもと、長期的視点で最適なアクセス造設・再建が可能です。また、当院はステントグラフト(VIABAHN®)および薬剤溶出性バルーン(IN.PACT AV®)認定施設です。

診療実績(2023年1月〜12月)
腎生検:133件(腎臓内科症例66件、第1内科症例:64件、小児科症例:3件)
透析導入:71件(血液透析63件、腹膜透析8件)
血液透析関連手術(バスキュラーアクセス手術)
 内シャント造設術(AVF): 57件
 人工血管内シャント造設術(AVG):13件
 上腕動脈表在化術:13件
 長期留置カテーテル挿入術:8件
 内シャント血栓除去術:15件
 その他(内シャント閉鎖術、内シャント血流制御術、瘤切除術など):4件
バスキュラーアクセスインターベンション治療(VAIVT):161件
腹膜透析関連手術
 腹膜透析カテーテル留置術: 8件
 腹膜透析カテーテル抜去術:9件
 腹膜透析カテーテル出口部変更術:2件

腎臓内科では下記の疾患の診療を行なっています

  • 急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、遺伝性腎疾患(アルポート症候群、ギッテルマン症候群など)、IgG4関連腎症、膠原病(ループス腎炎など)、腎アミロイドーシス
  • IgA腎症に対するステロイドパルス+扁摘術療法
  • 多発性嚢胞腎に対するV2受容体拮抗薬(トルバプタン、商品名:サムスカ)療法
  • 腎生検(光学顕微鏡、免疫蛍光染色法、電子顕微鏡)
  • 尿細管間質性腎炎、酸塩基平衡異常、尿細管性アシドーシス
  • 電解質異常、高血圧症、痛風(高尿酸血症)
  • 急性腎不全、慢性腎不全
  • 血液透析、腹膜透析
  • シャント手術、腹膜透析カテーテル関連手術
  • 透析療法の合併症(腎性副甲状腺機能亢進症、腎性貧血、シャントトラブル)
  • アフェレシス療法(ループス腎炎や重症筋無力症・ギランバレー症候群・乾癬に対する免疫吸着療法、潰瘍性大腸炎や関節リウマチに対する白血球除去療法、血漿交換療法、薬物吸着療法、腹水濃縮再還流法、二重膜濾過法、持続的血液ろ過透析療法、エンドトキシン吸着療法)など
[文責:第2内科学講座 穴井 玲央 更新日:2024年5月20日]