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研究内容

現在、当講座で取り組んでいる研究課題は以下の通りです。

(1) 炎症性鼻副鼻腔疾患の病態

肥厚性鼻炎や鼻茸では組織の体積が増大します。その病態について成長因子やタイト結合の観点から研究を行っています。

(2) 中耳真珠腫の病態

中耳真珠腫とは結局、表皮嚢胞に過ぎないのですが、著しい骨破壊をもたらすために重大な機能障害を来します。このため中耳真珠腫の大部分では診断がつき次第手術を余儀なくされます。この骨破壊の機序について化学的骨溶解の観点から研究を進めています。

(3) 上気道細菌叢と病態の関連

正常な上気道粘膜の表面は常在菌叢でびっしり被われており、宿主免疫能と絶妙のバランスを保ちながら病原菌のニッチを打ち消しています。いろいろな病態でこの細菌叢がどのように変化するか、クローン・ライブラリー法によって解析中です。

(4) 頭頸部癌における抗癌剤耐性関連転写因子

頭頸部癌に対する化学療法は1990年代のシスプラチンの導入によって、その有効率が著明に改善しました。2000年代に入ってからのドセタキセルの導入でさらに有効性が高まっています。しかしこれらの抗癌剤に対して抵抗性のある腫瘍細胞が出現してくることが治療上の問題点となっています。当講座では転写因子発現の観点から、この耐性獲得の機序について研究を行っています。

(5) 鼻呼吸障害と睡眠呼吸障害との関連

鼻呼吸障害は睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害を高率にもたらします。当講座では睡眠時無呼吸専門外来を通して、この両者の関連を臨床的な面から検討しています。また鼻閉感と鼻呼吸抵抗とはしばしば乖離することがあり、その機序を、鼻粘膜に存在する気流感知受容体の面から研究しています。

文責:産業医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
更新日:2014年11月1日

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