産業医科大学 泌尿器科学

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医局トピック

「日本尿路結石症学会2019参加報告」 東島克佳

 8月30日〜31日に石川県金沢市で開かれた第29回日本尿路結石症学会に参加してきました。結石に関して、臨床の分野から基礎系の分野まで多くの発表がありました。私は、「経尿道的尿管砕石術後の有熱性尿路感染症発症のリスク因子と術前抗菌化学療法の検討」という演題で発表しました。諸先生方から多くの意見をいただき勉強させていただきました。
 また、学会2日目の結石治療ハンズオントレーニングを受講してきました。参加者は、日常臨床でTUL(尿管の内視鏡を用いた砕石手術のこと)を多数行っている先生から、つい最近TULを始めた先生まで幅広く参加されていました。結石治療のエキスパートの先生からTULを行うにあたっての姿勢・カメラ挿入・破砕・回収まで一連の手技を指導していただきました。自分のこれまでの手術手技の再確認ができました。また合間には、臨床で治療に難渋するような結石に対して、エキスパートの先生方がどのようなスタンスで治療に挑んでいるのか伺うことでき非常に勉強になりました。講習は基礎編の部分も多く、これからTULをやっていく修練医の先生に是非受講してもらい、まず正しい手技を勉強してもらいたいと感じました。
 今回一人で学会に参加したのですが、寿司処および酒処の金沢に行くからには…と先輩医師にプッシュされていたので、人生初の一人回らない寿司を堪能して参りました。緊張しましたが、夜の部も濃厚で、これもまた社会勉強と満足しました。
 今回は平日から学会へ参加させていただきありがとうございました。学んだこと特にTULの手技に関して若手の先生にしっかり伝えていきたいと思います。

「第17回アジア泌尿器科学会2019 学会参加報告」 松本正広

 2019年8月7日から10日にかけて、マレーシアのクアラルンプールコンベンションセンター(KLCC)において、アジア泌尿器科学会の年次総会である第17回Urological Association of Asia (UAA) congress 2019が開催されました。アジアを中心に世界各国から多くの先生方が参加されていました。大学からは藤本教授と松本が参加し、また宗像水光会病院で後期研修をされている当教室の原田みりい先生も参加しました。前立腺癌や膀胱癌、腎癌などのシンポジウムを中心に、尿路性器感染症、尿路結石、排尿障害、小児泌尿器、女性泌尿器、腎移植など、幅広い内容に関して様々な発表や教育講演が行われていました。ロボット支援手術に関しても多くの演題発表がありました。大規模な多施設共同研究の発表はありませんでしたが、各施設で行われている手術方法などが動画を交えて紹介されており、大変勉強になりました。抄録はInternational Journal of Urology (2019) 26 (Suppl. 2)で閲覧できます。
 私は、尿路性器感染症に関するシンポジウム、Asia Association of UTI & STI (AAUS) symposium 2019に参加しました。日本、韓国、中国、香港、台湾、シンガポールの先生方がシンポジストとして参加され、私は急性細菌性前立腺炎を担当しました。AAUSは当教室の松本哲朗名誉教授らが中心となって2003年に設立した団体であり、現在では100名以上の尿路性器感染症を専門としているメンバーで構成されています。AAUSではAsian Guidelines for UTIs & STIsを作成しており、各国において同じガイドラインに沿って診療にあたることが可能となりました。以下のサイトで閲覧可能です(http://www.safesex.or.kr/aaus/index.php/Main_Page)。AAUSでは現在、このガイドラインの改訂作業を行っており、今回のシンポジウムでは、ガイドライン改訂に関する発表がなされました。今回、海外の先生方から貴重な意見を伺うことができ、今後の参考となりました。
 場には電子掲示板があり、自由に口演、ビデオ、ポスター発表の内容を見ることができるようになっていました。クアラルンプールの訪問は今回が初めてでしたが、中心部には高層ビルが乱立する近代都市でした。コンベンションセンターからは、有名なペトロナスツインタワーが見え、大変景色の良い場所でした。クアラルンプールの日中平均気温は33度前後で、夜も25度前後であり、猛暑が続く日本よりも比較的過ごしやすいと感じました。
 今回、出発当日は台風8号が九州を直撃し福岡に最接近したため、出発できるかどうか不安でした。福岡発着の国内便は概ね欠航でしたが、国際線は何とか出発することができ、学会に間に合うことができました。調べてみたところ、一般的に国際線は国内線と比べて欠航になりにくいようですね。
 最後に、今回のアジア泌尿器科学会ではシンポジストとして参加させて頂き、大変貴重な機会を得ることができました。次回の第18回アジア泌尿器科学会は、2020年10月14日〜17日に、韓国ソウルで開催されます。今後も国際学会で情報発信ができるよう研究を行っていきたいと思います。

「第304回日本泌尿器科学会福岡地方会参加記」 大野大地

 令和1年7月27日に福岡市天神で開催されました泌尿器科学会福岡地方会(福岡大学主管)で発表を行いましたのでご報告させて頂きます。「膀胱血管肉腫」について、いくつかの文献を踏まえて症例提示、検討を行いました。当初、文献や教科書等で調べてもなかなか載っておらず、非常に報告数が少ない稀な疾患であることが分かり鳥肌が立ちました。泌尿器科医になって4か月ほどしか経っていない私にはかなり難しい演題でありましたが、お忙しい中、諸先生方には一日一日指導して頂き、当科の医局会でも発表の練習を設けて頂いて何とか形になり当日を迎えることが出来ました。藤本教授を初め医局の先生方に厚く御礼申し上げます。
 他の演題を拝見させて頂き、発表の仕方やスライドの表現等、とても学ぶことが多かったです。また、Perivascular epithelioid cell tumor(PEComa)の症例報告や、転移性腎細胞癌に対するニボルマブ投与中に生じた急性副腎不全の報告など何れも興味深いものばかりで、あっという間の5時間でした。
 まだまだ未熟者ですが、一つ一つ丁寧に学んで身に付けて今後の日常臨床に生かしていきたいと思います。

第304回日本泌尿器科学会福岡地方会参加記

「第28回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会参加記」 室岡和樹

 2019年7月18〜19日に北海道の札幌医科大学にて開催された、日本腎泌尿器疾患予防医学研究会に参加してきました。
 私は、「腸管利用尿路変向術を伴う膀胱全摘除術時に留置した尿管ステントを抜去する際の予防抗菌薬投与に関する検討」という演題で発表させていただきました。昨年はポスター掲示の発表、前回は口演での症例報告の発表、そして今回は口演での多数の症例を検討した発表を行いました。段階を踏んで様々な形式での発表を経験させていただいています。症例報告と大きく異なる点は、該当する症例のデータ収集に始まり、集めたデータを解析し、出てきた結果からどのような知見が得られるか、を考えるということでした。今までしたことのない不慣れなことであり、私の不手際から多くのご迷惑をかけたことと思いますが、無事に発表を終えることができ胸をなでおろしています。最後まで暖かくご指導いただいた松本正広先生をはじめ、医局の先生方に深く感謝を申し上げます。
 今回、聴講した演題で最も興味を持ったのが、免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法を組み合わせた治療についてでした。ここ2、3年で同テーマによる論文の本数も増えてきており、今後注目されてくる治療分野だと感じました。
 今回得た刺激をもとに、また日々の臨床に励み、発表の機会があれば積極的に関わっていきたいと思います。

第28回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会参加記

TUL ハンズオンセミナー参加報告 山ア豪介

 今回7月13日にTUL(経尿道的尿路結石破砕術)の手術手技の向上のためにハンズオンセミナー(the S.T.O.N.E TUL course)に参加しました。東京での開催でしたが、南は九州から北は北海道まで様々な地方からの参加者がいました。また、私のような若輩者だけでなく長年部長をされている方など様々な年代の先生方が参加されていました。
 まずは座学でしっかりと知識のおさらいを行い、理論も含めて多くのことを学習した後に、実際の尿管鏡(内視鏡)およびレーザーを使用し手技の実習を行いました。まずは軟性尿管鏡(ファイバー)の持ち方・姿勢から指導いただきました。尿管鏡の映像だけではなく操作中の自分の姿も映像で見ることができ、いかに力んで姿勢がくずれているか知ることができました。普段の手技でスムーズに砕石できていない場合の理由の一つが姿勢や持ち方にあることを実感しました。最後に再度座学にもどり合併症例や難治症例の検討、質疑応答の時間もあり、より深く学ぶことができました。
 実際の砕石手術は難しい面も多々遭遇しますが、今回学んだことはすぐに実践に活かすことができることが多く、大変有意義な時間となりました。

TUL ハンズオンセミナー参加報告

「第50回腎癌研究会参加記」 山崎豪介

 2019年7月6日ホテル椿山荘東京にて開催された腎癌研究会に参加してきました。今回は50回の記念大会でした。
 私は、「Nivolumab enabled surgical resection of RCC metastasis in the chest wall and the thoracic spines(腎細胞癌胸壁および椎体転移に対して、ニボルマブ投与後に外科的切除しえた1例)」という演題で発表させていただきました。発表自体は日本語でしたが、提示スライドは英語という今までにない経験をさせていただきました。大変緊張しましたが、無事に終わってホッとしています。
 他の演題の多くは最近のトピックである免疫チェックポイント阻害薬、ロボット支援下腎部分切除術を中心に発表されていました。教育講演では「ロボット腎部分切除における手技の工夫」というビデオシンポジウムがあり、実際の手術ビデオを見ながら名だたる先生方の様々な工夫を学ぶことができました。
 発表に際し、ご指導賜りました当科および整形外科・病理学教室の先生方に感謝の意を表するとともに、今回学んだことを今後の診療に活かし日々精進いたします。

第50回腎癌研究会参加記

「第115回九州泌尿器科連合地方会参加記」  室岡和樹

2019年5月25日に宮崎観光ホテルで開催された、第115回九州泌尿器科連合地方会学術集会へ参加しました。今回、診断上興味ある症例の「後腹膜」のセクションにて発表させていただきました。他大学の提示する興味深い症例を聞き、画像を見ながらどのような診断が考えられるのか、また、どのように対応・治療するのがいいのだろうか、と勉強させていただきました。もちろん一筋縄ではいかない症例ばかりで、知らない疾患もありました。そういった貴重な症例を皆で共有し議論できるのが連合地方会の強みだと感じ、今後も機会があれば積極的に参加して学びたいと思いました。
さて、肝心の私の発表ですが、「デスモイドの尿管浸潤」について発表をしました。学生時代に聞いて以来耳にしたことがなく、今回の症例はかなり稀なケースであり、どのような疾患であるのか調べることから始まりました。他大学の先生方は何を疑問に思うか、また、この疾患を治療するために何を知りたいのか、ということを考えながらガイドラインや文献を調べ、理解を深めていきました。医局の先生方には、予行の段階から多くの叱咤激励をいただき、最後の最後まで発表を良くしようと手直しをしていただきました。
結果として最優秀演題賞をいただくことができました。皆様本当にありがとうございました。
 昨年ポスター発表をさせていただきましたが、今回のような発表形式は初めてであり、スライドの作り方や見せ方、調べる内容の選び方、内容の取捨選択、プレゼンテーションの仕方、多くのご指導をいただきました。今後、発表する機会が増えてくるとは思いますが、今回の経験を糧にして精進していく所存です。

第115回九州泌尿器科連合地方会参加記
第115回九州泌尿器科連合地方会参加記

「第67回日本化学療法学会総会参加記」 松本正広

 2019年5月9日〜5月11日にかけて、第67回日本化学療法学会総会が、東京ドームホテルにて開催されました。会長は、東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科 清田 浩 教授でした。化学療法学会総会は、抗菌薬を中心に化学療法学に係る事業を通じて、化学療法学の進歩、普及を図り、本邦における医療の発展、国民の健康増進に寄与することを目的としている学会の年次総会です。そのため、内科系・外科系の臨床医だけでなく、微生物学などの基礎系の先生、看護師、薬剤師、臨床検査技師、製薬企業など、幅広い職種の方々が参加する会となっており、今回2300名を超える参加者があったようです。
 今回の学会テーマは、「近未来の迅速診断〜Empiric therapy(経験的治療)からDefinitive therapy(標的治療)〜」でした。薬剤耐性菌は日本国内だけでなく、世界的な問題であり、いかに迅速に診断し、治療を行うかが重要な観点となります。感染症治療において、経験的治療から標的治療へ移行する際に、広域抗菌スペクトルを有する抗菌薬を、微生物の薬剤感受性結果をもとに狭域スペクトル抗菌薬に変更する、de-escalation治療が一般的に行われますが、最近では薬剤耐性菌を生まないために、可能な症例ではescalation治療(患者背景を考慮した上で狭域スペクトル抗菌薬を投与し、改善しない場合に広域スペクトル抗菌薬に変更する治療)を行うことも検討すべきであるという考えが広まりつつあります。本総会でもescalation治療に関する教育セミナーが行われ、さまざまな事例検討を交えて解説がなされており、大変勉強になりました。
 2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックが日本において開催されます。世界中から多くの方々が訪日されますが、その際に、様々な感染症や薬剤耐性菌も日本に入ってくる可能性があり、より一層の感染症対策が必要とされています。今回の総会でも、これからの輸入感染症にどう取り組むかについて議論するシンポジウムも開催されました。
 私は、ESBL産生菌感染症のセッションで、当院における尿中分離菌の薬剤感受性の年次推移に関する報告をさせて頂きました。8:45開始の早朝のセッションにもかかわらず、多くの方が参加されており、薬剤耐性菌に関する関心の高さがうかがえました。
 本総会の最終日に、小泉進次郎衆議院議員の特別講演が催され、テーマは『日本を「未来変革」の国へ』でした。3つの100(出生数100万人割れ、一般会計総額100兆円超え、人生100年時代)、3つの壁(発想の壁、年齢の壁、制度の壁)の打破、(萩本欽一さんを例に)認知症予防は病院でなく大学に行こうなど、非常に分かりやすく興味を引く話題が多く、聴衆を引き込むのが大変うまいと感心致しました。また、年齢が38歳と若いことにも驚きました。講演が終わり、会場を出られる際に、偶然にも小泉進次郎氏と握手する機会に恵まれました。大変良い機会となりました。
 さて来年2020年の第68回日本化学療法学会総会は神戸にて開催されます。今後も引き続き、臨床、研究、教育に邁進していきたいと思います。

第67回日本化学療法学会総会参加記
第67回日本化学療法学会総会参加記

「第107回日本泌尿器科学会総会参加記」 岩隈景子

 桜も散り、日に日に忙しくなって行く今日この頃、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
 さてこの度は、2019年4月18日〜21日に名古屋国際会議場にて開催された、「第107回日本泌尿器科学会総会」に参加致しました。ロボット手術、免疫チェックポイント阻害薬の各施設の報告や、3月26日に転移を有さない去勢抵抗性前立腺癌に対して国内承認されたアパルタミドの話題が印象的でした。
 今回本学からは7人が発表を行いました。
富崎一向先生
『前立腺癌における根治的放射線療法後の再発に対する間歇的内分泌療法の検討』
松本正広先生
『レボフロキサシ500mg内服とアミカシン100mg点滴静注併用による経直腸的前立腺生検における生検後感染の危険因子別の予防効果』
湊晶規先生
『膀胱全摘除術を施行した尿路上皮癌特殊型に対する予後の検討』
大西怜先生
『専攻医における基本手術手技認定制度の運用をはじめて~私たちの教育プロクグラム~』
生田弘文先生(4月から産業医)
『医原性尿管損傷に対して尿路修復術を行った症例の検討』
木室里依子先生
『維持透析患者に多血症をきたしたエリスロポエチン産生腎細胞癌の一例』

 また、藤本教授は、総会賞ポスター・前立腺癌の疫学および診断のセッションと、『高齢者前立腺癌治療 監視療法からCRPCまで』のシンポジウムのセッションのそれぞれ座長を務められました。富崎先生は、膀胱腫瘍・手術・TURBTのポスターセッションの座長を務められました。

 私は、『当院における転移性尿路上皮癌に対するPG療法の治療成績』について発表を 行いました。尿路上皮癌に対する化学療法の検討を行うのは昨年に続いて二度目でした。前回は報告を形にすることで精いっぱいでしたが、今回はデータから考察を行い自分の意見を述べることの難しさを感じました。藤本教授、富崎先生、湊先生、大西先生、今回もご指導や情報の提供を頂きましてありがとうございました。また、今回は他施設の発表についても興味深く拝聴し、議論に参加することができました。少し自分の成長を感じることもできて良かったです。他の先生方の発表を参考にしながら、自分でも思考を深める訓練をしていきたいと思いました。
名古屋を訪れるのは初めてでしたが、ひつまぶしパワーで、明日から日常業務に精を出します!ありがとうございました。

第107回日本泌尿器科学会総会参加記

「日本泌尿器科学会福岡地方会参加記」 城嶋 和真

 平成31年2月2日に小倉で開催された福岡地方会第303回例会にて、症例発表を行いました。
今回は私が泌尿器科医になり2回目の学会発表でしたが、準備は毎夜夜遅くまで準備し、発表の直前まで上級医に指導していただきました。何度も手直しを行って満身創痍でしたが、良いスライドを作ることができました。指導していただいた藤本教授をはじめ、富崎先生、大西先生、岩隈先生、山ア先生に感謝しております。
 今回の発表を通して、論理的思考のトレーニングができました。この経験を踏まえ、他の臨床の場でも、多面的な可能性から筋道を立てて治療方針を考え、無駄の無い適切な検査や、最善の治療を考案することができるようになったと思います。今後も学会発表を通して、臨床でも活用できるような様々なことを学びたいと思います。
 発表を終えた夜は、医局員で沖縄料理屋に集まり、美味しい沖縄料理やオリオンシークワーサービール、泡盛などを飲んで、学会の疲れを忘れてしまうくらい楽しみました。皆から楽しく学会の労をねぎらってもらえたのが嬉しかったです。
お世話になった先生方、学会の受付をしていただいた医局秘書さん、ありがとうございました。

日本泌尿器科学会福岡地方会参加記

「日本泌尿器科学会福岡地方会参加記」 湊 晶規

 三寒四温の候、体調管理が難しいものですが、皆さまお変わりなく過ごされているでしょうか。さて、平成31年2月2日にリーガロイヤルホテル小倉にて、福岡地方会第303回例会が当大学主幹にて開催されました。
 藤本教授の開会の挨拶の後、全33演題、5時間1本勝負の長丁場…正直疲れました。けれども多数の発表を申し込み頂き、福岡県内や近隣各病院の先生方には厚く御礼申し上げます。普段鹿児島にいるので、最近お会いしていなかった先生と再会するのも新鮮でした。
 今回当科からは、城嶋和真先生が、『腎外発育をきたした腎血管筋脂肪種の1例』、私が、『産業医科大学泌尿器科における膀胱全摘除術の治療成績』の演題にて口演いたしました。私はこの数年、筋層浸潤性膀胱癌における膀胱全摘除術をテーマにいくつか仕事をさせていただいてきました。膀胱全摘除術は多臓器にわたる手術であり、尿路変向も伴うため、泌尿器科領域では最も侵襲が大きくQOLにダイレクトに関わります。課題も多く、まだまだ興味の尽きない分野です。
 地方会といえば、若手の先生が…といった風潮もありますが、私は別の一面もあると考えています。全国規模の学会であれば、いろんなセッションが各所同時に進行しますが、地方会は参加者全員が一堂に会していますので、おそらく100人以上と通常では最も聴衆が多いので、プレゼンテーション能力がより試される(見られている)気がします。また、過去に教えを乞うた先生や同僚や後輩など、顔見知りが多いからこそ成長の姿を見せる場であるような気がします。だからこそ大事な学会ですよね。ただ、年に2回あるこの会は150年前から続いているのだろうかと、だいぶ前からこっそり思っているのですが、まだ誰にも聞けていません。色々なことに疑問をもち追求できる医師でありたいなと改めて思いました。

日本泌尿器科学会福岡地方会参加記 日本泌尿器科学会福岡地方会参加記

「第34回前立腺シンポジウム参加記」 坂本卓郎

 4年目の坂本卓郎です。平成30年12月8〜9日に東京コンファレンスセンターにて開催された、第34回前立腺シンポジウムに参加したのでご報告いたします。
 初日は、前立腺癌細胞増殖の機序、炎症蛋白と前立腺癌の関係、前立腺癌発生に関与する遺伝子、去勢抵抗性前立腺癌へと進展する機序に関する新たな発見など、前立腺癌の基礎研究に関わる発表がありました。それぞれの研究が新しい癌治療に一石を投じていく可能性を感じることが出来、私自身もゆくゆくは基礎研究で更なる前立腺癌の治療の発展に寄与していきたいと思いました。また、普段聞き慣れない研究用語についても学ぶこともできました。
 二日目は臨床部門で、限局性前立腺癌の治療がテーマでした。当科からは富崎先生が前立腺全摘におけるリンパ節郭清の治療意義に関する発表をされました。臨床部門全体ではロボット支援下前立腺全摘除術に関連する発表が最も多かったのですが、個人的には、高リスク症例に対する外照射併用密封小線源療法に関する演題に興味を抱きました。前立腺癌についてたくさんの学びを得ることが出来た有意義な2日間でした。
 余談ですが、一日目の夜は渋谷を観光して人酔いした後、東京駅付近で一人焼肉を敢行しました。知人に絶品と紹介されて行ってみたのですが、噂にたがわぬ美味しさで大満足の夜を過ごしました。是非来年も参加したいと思います。

一度見てみたかったレンガの美しい東京駅丸の内駅舎も訪れることができました。
一度見てみたかったレンガの美しい東京駅丸の内駅舎も訪れることができました。

「第114回九州泌尿器科連合地方会学術集会参加報告」 坂本卓郎

 4年目の坂本卓郎です。平成30年11月17日、おきなわクリニカルシミュレーションセンターにて開催された第114回九州泌尿器科連合地方会学術集会で発表を行いましたのでご報告させて頂きます。
 当日は朝7時半に折尾駅集合で、私は大学当直明けの出発のため、遅刻しないか心配でしたが、無事電車にも飛行機にも乗り遅れず、皆と一緒に沖縄に辿り着くことができました。
 私は診断に難渋した症例のセクションで副腎疾患について発表しましたが、トップバッターだったこともあり少なからず緊張しました。
 自分であればどのように診断、治療するかなど考えながら他大学の発表を聞くことで、非常に勉強になりました。また、特別講演の前立腺癌小線源療法の長期成績に関する報告も非常に興味深いものでした。
 学会終了後は、皆で沖縄郷土料理店で夕食を頂きました。食事も泡盛も非常に美味しかったです。二日目のボウリング大会は惜しくも賞は逃しましたが、皆で健闘しました。余った時間で首里城の観光に行きました。
 今回、学会参加の準備で副腎腫瘍の論文をいくつか読んで、副腎腫瘍の画像上の鑑別方法について自分なりにまとめることが出来ました。
 今後の臨床業務にも活かして、更に精進します。ありがとうございました。

第114回九州泌尿器科連合地方会学術集会参加報告
第114回九州泌尿器科連合地方会学術集会参加報告

「IUSTI Asia Pacific Sexual Health Congress 2018 学会報告」 松本正広

 2018年11月1日から11月3日にかけて、ニュージーランド(オークランド)で、IUSTI-AP2018(国際性感染症学会アジア・太平洋地域2018)が開催されました。IUSTI-APは2年に1回開催されており、前回の2016年は岡山市で開催されました。IUSTI-AP2018には、アジア、オセアニア地域を中心に、世界各国から多くの研究者が集まり、性感染症に関して活発な討議がなされていました。参加者の多くは感染症医、微生物学者、公衆衛生学者、教育者、看護師などが多くを占め、泌尿器科医はマイナーグループです。日本からは、M砂先生、私を含め、4人が参加されていました。HIV/AIDS、梅毒に始まり、淋菌やクラミジアなど、性感染症に関する幅広いテーマで発表がなされていました。
 現在、日本国内において、梅毒、HIV/AIDSの感染者数が増加しています。梅毒に関しては、2010年頃から世界的な流行が確認されており、特に日本も含めた西太平洋地域における増加が顕著であることが報告されていました。日本同様、世界的にも先天梅毒も増加傾向であり、さらに眼梅毒(診断が遅れると失明する危険性もある病態)に関する報告もなされていました。梅毒は海外では主に同性愛者間で増加していますが、日本では主に異性間で増加していると報告されていました。
 HIVに関しては、PrEP(プレップ:曝露前予防内服)というHIV感染のハイリスク者に対してHIV感染リスクを減らす目的で予防投与する方法が、アメリカやオーストラリアなどの一部の国で行われています。それらの国では、PrEPによってHIV感染者数が減少していると報告されていました。現在、日本ではPrEPは保険上認められていませんが、今後2020年の東京オリンピックを迎えるあたり、HIV感染者の増加が懸念されるため、今後日本においてもPrEP導入を検討する必要があると考えられました(日本では一部の施設において、PrEPが自費診療で行われている施設もあります)。
 淋菌に関しては、多剤耐性淋菌が世界中で散発的に発生しており、今後は複数の薬剤を組み合わせた治療法が推奨されていました。一方で海外と日本では、推奨抗菌薬(セフトリアキソン)の投与量が異なるため(日本では海外よりもセフトリアキソンの高用量投与が可能なため)、日本においては現在のガイドラインに沿った治療法を継続することが重要と考えられました。
 尿道炎の原因微生物の一つであるマイコプラズマ・ジェニタリウムに関しては、日本では検査が保険で認められておらず、検出率は低くなっていますが、海外では検査が保険で認められており、検出率は日本よりも高く、また薬剤耐性菌の割合も増加しているということでした。この菌は培養が困難であるため、これまでに判明している耐性遺伝子を検出し、耐性がある場合には、それに応じた薬剤を選択しているという報告もされていました。
 オークランドは、ニュージーランド北島北部に位置し、人口約160万人(ニュージーランド人口の3分の1)が暮らす、ニュージーランド最大の都市です。ヨットやボートなどの小型船舶を所有する市民の人口比率が世界一で、「シティ・オブ・セイルズ(帆の町)」と呼ばれています。海が近く、海産物が豊富で、名物のフィッシュアンドチップスも堪能しました(写真参照)。中心地にあるスカイタワーが有名で、スカイタワ ーからの眺めは絶景でした。坂道が多く、移動が大変でしたが、景色が非常に綺麗で、また訪れたいと思いました。
 今回、産業医科大学の若手研究者への研究費助成(海外出張旅費支援部門)を利用し、学会に参加させて頂きました。性感染症に国境はないため、日本国内の動向だけでなく、海外の動向にも目を向けて、診療、研究に取り組む必要があると感じました。次回は、IUSTI World Congress 2020が2020年12月1日〜4日にタイ(バンコク)で開催されます。今後も研究に邁進したいと思います。

「第70回西日本泌尿器科学会総会に参加しました」 岩隈景子

 秋も終わりが近づきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。インフルエンザの予防接種を受け、冬の到来を意識し始めるこの時期ですが、今年も11月1日から4日まで長崎ブリックホールで開催された、第70回西日本泌尿器科学会総会へ参加させていただきました。

 当教室からは、生田先生が前立腺肥大症におけるタダラフィルの治療成績および忍容性について、守屋先生が前立腺癌患者における積極的監視療法について、山ア先生が経尿道的止血術について、私が転移性尿路上皮癌におけるゲムシタビン+シスプラチン併用療法の治療成績について発表を行いました。

 トピックはやはり、ノーベル医学賞で話題にもなった免疫チェックポイント阻害薬や、ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術など新しい技術についての話題でした。特に今年2月から癌化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌に保険適応となった、ペンブロリズマブについての報告が多くあったのが印象的でした。免疫治療薬はこれまでの抗がん剤よりも副作用が少なく入院期間も短いため患者さんの負担が少ない印象がありますが、副作用が出現したときはその種類も程度も患者さんによってさまざまで、重症化することもあります。早期発見、早期治療がカギとなると言われています。学会では当院でまだ経験したことのない経過をたどった報告がいくつもありました。他施設の経験もいつ自分が経験してもおかしくないものとして聞かせていただき、非常に勉強になりました。

 夜は、先輩後輩医師と一緒に、日本酒や地魚をいただきました。(後学のため同行してくれた新入局員の高場先生も楽しんでいたようでした。) また、ちゃんぽん、角煮饅頭、ちょっと意外だったのですがうどんも名物とのことで、どれもおいしくいただきました(ちょっと食べ過ぎました)。夜景も綺麗で、また長崎港には軍艦島行きの観光フェリーがあったり、往復の特急電車からは佐賀バルーンフェスタの気球が見えたり、西部九州の活気を感じました。

 秋は学会の季節! 他の学会に参加された先生方の報告も楽しみにしながら、また日々の診療を一層頑張っていきます。

第70回西日本泌尿器科学会総会
第70回西日本泌尿器科学会総会
第70回西日本泌尿器科学会総会

「泌尿器腫瘍学会第4回学術集会に参加しました」 室岡和樹

 今年度より入局した室岡です。
 今回、平成30年10月20〜21日に横浜で行われました泌尿器腫瘍学会に参加させていただきました。発表した演題としては、昨年までお世話になっていた佐渡島の前立腺癌症例の検討についてでした。研修先の指導医と何気なく話していた「佐渡という環境を活かした研究はないか。」という会話から全てが始まりました。初めての発表ということもあり、右も左も分からない状態からのスタートでしたが、一つ一ついただいた課題をこなしていき、前立腺癌について理解を深め、ポスター発表という形に仕上げることが出来ました。多くの先生方にご迷惑をおかけしたとは思いますが、無事に発表を終えることができて一息ついています。
 発表の場では、自分なりに色々と調べたつもりではありましたが、今回の会で多くの先生方からご指摘をいただきました。同じデータでも切り口を変えるだけで異なった結論にたどりつく可能性があること、また、前立腺癌の診断・治療の変遷を調べることでより理解が深まるというご助言もいただき、大変勉強になりました。
 不慣れなことをやったこともあるのか、大変労力がかかりました。ですが、そのおかげで理解が深まり、また、かけた労力の分以上に得られることがありました。もし可能なら、来年度以降も何かしらの発表する場をいただけたらと思います。
 末筆になりましたが、藤本教授を始め、今回の発表に携わっていただいた先生方に感謝の意を表して、私の参加記とさせていただきます。

「第56回日本癌治療学会学術集会 学会参加報告」 大西 怜

 平成30年10月18日(木)‐20日(土)まで、横浜市(パシフィコ横浜)で第56回日本癌治療学会学術集会が開催されました。昨年もこの学会に参加し、また会場も同じでしたので、羽田空港か会場までのバス内では、新鮮さというよりむしろ1年間の時間経過の早さを実感していました。?しかし、昨年とは異なり天気がとても良く快晴でしたので、みなとみらいから臨む東京湾の海面は太陽光に反射してきらきらと輝き大変綺麗でした。

 さて、今回の学会のメインテーマは「調和と融合による次世代癌治療」とされ、中でも多数企画されていたパネルディスカッションでは、癌診療に携わる多職種の立場から、活発な意見交換がなされ、まさに学会テーマを反映したプログラムとなっていました。

 富崎先生と私は、ポスターセッションでそれぞれ発表いたしました。今年は昨年の大型モニタ−を用いたミニ口演型の発表形式から、従来のポスター形式(紙ポスターを掲示する方式)へ戻りましたが、学会自体の国際化を促進する目的で、発表スライドはすべて英語での作成が義務付けられていました(発表言語は英語または日本語)。今後もこのような形式となるのかもしれません。

 学会を通して特に印象的であったのは、2017年12月にプラチナ併用化学療法後の局所進行性または転移性尿路上皮癌に対する2nd.ライン治療として、ペムブロリズマブ(キイトルーダ® )が国内で承認されましたが、これについて現時点での各施設の治療成績の詳細が発表されていたことでした。Keynote045試験、また日本人サブグループ解析の結果を踏まえ、今後どのような治療戦略の組み立てが望ましいのか、様々な考察の基に意見が述べられていました。

 また、中〜高リスクの未治療進行性腎癌に対しても、ニボルマブ(オプジーボ®)、イピリムマブ(ヤーボイ®)併用療法が1stライン治療に位置付けられた中、これまでのTKIやmTOR阻害剤をどう使用すべきか等、こちらも様々な議論が交わされていました。ノーベル生理学医学賞を受賞した免疫チェックポイント阻害剤への期待が、泌尿器癌でも益々注目されていました。

 さらに、癌治療学会の後半には日本泌尿器腫瘍学会が同じく横浜のランドマークタワーで開催されており、そちらにも参加いたしました。

 2つの学会へ参加し、勉強尽くしで少々疲れましたが、日が暮れると毎晩のように繁華街へ出発し、しっかりと食い倒れ、存分に横浜を満喫できた3泊4日の旅でした。また明日からの診療に汗を流して参ります。

横浜みなとみらい
横浜みなとみらい
  • 中華街東門(朝陽門)
    中華街東門(朝陽門)
  • 横浜中華街のお粥の名店
    「謝甜記(シャテンキ)」
    横浜中華街のお粥の名店「謝甜記(シャテンキ)」
  • 「南京亭(ナンキンテイ)」のサンマーメン
    「南京亭(ナンキンテイ)」のサンマーメン

第27回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会 学会報告 松本正広

 2018年7月5日〜7月6日にかけて、第27回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会が、長崎市の長崎ブリックホールにて開催されました。本研究会は、腎泌尿器系に関する様々な疾患に関して、発症予防、早期診断と早期治療、進行予防などを議論する学術集会です。今回の研究会では、前立腺がん検診、Active surveillance、MRI-経直腸超音波融合画像ガイド下前立腺生検、オートファジーや5-アミノレブリン酸と泌尿器疾患との関連、手術手技や抗がん剤と腎機能障害との関連など、様々な演題が発表されていました。

 私は、「経皮的腎砕石術における術後尿路感染症の予防」についての発表をさせて頂きました。泌尿器科において周術期感染予防も重要な課題です。今後も様々な観点から取り組んでいきたいと思います。

 特別講演1は、全身MRI、特に「DWIBS法」((Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression; 背景抑制広範囲拡散強調画像)による前立腺癌骨転移の治療経過観察に関する講演でした。PET-CTと同程度の画像を得られる上、放射線被曝がないこと、食事の影響を受けないこと、PET-CT・造影CT・骨シンチと比べて費用が少なくて済むこと、さらに、骨シンチでは捉えにくい症例や遠隔転移の数が少ない(Oligo-metastasis)症例でも、DWIBS法で評価可能な症例があることも長所のようです。一方で、検査時間が通常のMRI検査より長いこと、体内に金属がある症例では画像に影響が出ることなどが短所として挙げられます。なお、産業医科大学病院でもDWIBS法が可能です。評価方法として、新たな選択肢になり得ると感じました。

 特別講演2は、「リン」と老化(血管の中膜石灰化)との関係についての講演でした。健常者よりもリンが蓄積しやすい慢性腎臓病患者では、特に注意が必要ということです。食品の中で、リン(リン酸)が含まれているものは数多くあります。最近、様々な雑誌でも食品に含まれているリン酸と老化(血管の石灰化)との関係が取り上げられていましたので、ご存知の方も多いかと思います。リンは人体に必須のミネラルですが、過剰摂取にならないように注意する必要があると感じました。

 さて、7月6日(金)は長崎でも大雨となり、列車が全て運休し、高速道路も通行止めになるという状況でした。私も福岡に帰ることができなくなり、長崎にもう一泊することになりました。幸い、翌日には長崎空港から飛行機で戻ることができましたが、緊急時にいかに対応するかについて、色々と考えさせられた研究会となりました。

 よく、「上医は、いまだ病まざる病を医し(いやし)、中医は、病まんと欲するの病を医し、下医は、すでに病める病を医す。」と言われます。昔から予防医学的な考え方があったことを表しています。我々も、予防という視点を取り入れて、医療・教育・研究に取り組んでいきたいと思います。次回の日本腎泌尿器疾患予防医学研究会は、札幌で開催されます。

 最後に、この度の西日本豪雨で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして、亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

第27回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会 第27回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会

本年度産業医科大学泌尿器科学教室に入局した松川卓生です。

 平成30年6月23日〜24日に、熊本で開催されました、第113回九州泌尿器科連合地方会で発表を行いましたのでご報告致します。「診断上興味ある症例」のセッションにおいて、腎周囲膿瘍の症例報告を行いました。発表の準備は、画像編集や動画編集など自分が今までしたことのない作業が必要であり、大変でしたが、先生方に丁寧にご指導いただき、修正を重ねることで、無事に発表を終えることができました。

 翌日はボーリング大会が行われました。当科からは2チーム参加し、なんと生田先生・山崎先生・坂本先生チームが2位入賞という素晴らしい成績を残し、景品を勝ち取ることができました。3年目で構成したチームは、残念な結果となってしまいましたので、次回こそは、先輩方のように結果を残せれるように頑張りたいと思います。

懇親会 懇親会

長谷川孝高先生が理事長賞詞を受賞!

 平成30年7月2日に長谷川先生が理事長賞詞の授与を受けました。理事長賞詞は産業医科大学および病院の中で、その1年間で最も貢献度の高い個人もしくは部門に贈られる栄誉ある賞です。今回、産業医科大学若松病院泌尿器科での診療が高く評価され、受賞の運びとなりました。 長谷川先生は平成26年12月に同院へ初めての泌尿器科常勤医として赴任されて以降、外来はもちろんのことながら、積極的に手術も施行するなどの地道な努力がここに結実したのではかと思います。今後も引き続き、ご活躍を期待したいと思います。

長谷川孝高先生

第92回日本感染症学会学術講演会・第66回日本化学療法学会総会
学会報告 松本正広

 2018年5月31日〜6月2日にかけて、第92回日本感染症学会学術講演会と第66回日本化学療法学会総会の合同学会が、岡山市の岡山コンベンションセンターにて開催されました。今回の学会テーマは、グローカル感染症と化学療法〜理論と実践、更なる高みを目指して〜でした。グローカルとは、グローバルとローカルを掛け合わせた造語で、「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という考え方です。薬剤耐性菌などの問題は、身近な問題でもあり、また世界的な問題でもあります。感染症の予防と対策を行う上で、抗菌薬適正使用・地域連携・チーム医療という視点が、今後ますます重要になってくるかと思います。岡山駅前の桃太郎像を眺めていると、まさにチームワークを表しているのではないかと感じてしまいました。
 今回、3日間で4000人近い参加者があったそうで、大変盛大な学会となっていました。特に、「忘れかけていた麻しんの流行」と題して行われた緊急企画シンポジウムには、早朝にもかかわらず、第1会場に入りきれないくらい多くの方々が参加されており、麻疹への関心の高さがうかがえました。
 特別企画として、厚生労働省健康局の方が、「検査しないとおしおきよ!〜行政広報の新たな可能性〜」というユニークな講演もされていました。ポスターをご覧になった方もいるかと思いますが、アニメとコラボレーションすることで、様々なメディアに取り上げられ、幅広い啓発につなげることができたという事でした。どのようにしてうまく伝えるかという視点は、我々も学ぶべきことだと感じました。
 また、オートファジーのメカニズムに関する発見により、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典氏の元で助教授として活動されていた、吉森保氏(現在、大阪大学医学系研究科遺伝学教授)の講演も聞くことができました。吉森教授もノーベル賞受賞式に同席されたということで、その時のエピソードも聞くことができました。オートファジーは、細胞内浄化により細胞の恒常性を維持するだけでなく、感染症、生活習慣病、神経疾患、心不全、腎不全、発がんなど、多岐にわたる疾患を制御しているという事です。今後の発展が期待される領域です。
 今回松本は、分離菌サーベイランスのセッションで「当科における尿中分離菌の薬剤感受性について」の発表を行い、先生方から貴重なご意見を伺うことができました。泌尿器科においてもキノロン耐性菌やESBL産生菌などの薬剤耐性菌が増加しているため、今後も抗菌薬の適正使用が重要であると感じました。
 そして今回、感染症に関する講演だけでなく、統計疫学の講演や、基礎研究・臨床研究の取り組み方に関する講演も聞くことができ、大変勉強になりました。日頃からクリニカルクエスチョンを持ち、診療や研究にフィードバックするという視点が大切だと痛感しました。
 次回の日本感染症学会総会は2019年4月4日〜6日に名古屋で、日本化学療法学会総会は2019年5月9日〜11日に東京で開催されます。学会に参加することで、新たな視点を得ることができると思います。今後も積極的に参加し、情報発信をしていきたいと思います。

第22回日本分子標的治療学会学術集会 学会参加報告 大西怜

 平成30年5月16日(水)‐18日(金)まで、東京(都市センターホテル)で第22回日本分子標的治療学会学術集会が開催されました。私自身はこの学会への参加は初めてでしたが、参加者は臨床医だけでなく、基礎研究を主とした研究者や製薬企業の研究者など、多分野の研究者がバランスよく参加していました。
 今回のメインテーマは「もっと研究を、もっと研究者を、もっと新薬開発を<More Development, More Doctors, More Drugs!>」と題され、各発表テーマについて、各分野から活発な討議がなされていました。
 私はポスターセッションで、当科における分子標的治療を施行した非淡明型腎細胞癌の臨床的検討について発表いたしました。当然のことなのか、泌尿器科医以外の参加者の質問ばかりで、これまでの学会発表とはまた違って、とても新鮮で貴重な経験ができました。学会を通じ特に印象的であったことは、脚光を浴びている免疫チェックポイント阻害剤の、創薬達成に至るまでの歴史と苦労についての発表でした。壮大なプロジェクトの基、さまざまな変遷を経て、今現在身近な治療薬として患者さんの手元に届いているという状況が解り、普段あまり意識しなかった、研究者の信念や執念を垣間見たようでした。さらに、免疫チェックポイント阻害剤と抗がん剤や分子標的治療薬を併用した複合免疫療法の発表も、興味深いものでした。がん治療は今後も目まぐるしく変化し、近い将来はこれまでの常識が非常識となっているのかもしれません。そう実感させられる学会となりました。
 会期中は藤本教授と夕食をご一緒させていただき、お店の名物である特性オニオンローフと豪快なリブステーキを堪能し、あまりにも美味しかったので時間を忘れるほど頬張ってしまいました。
 また明日から日常の診療に汗を流します。

  • 学会入口にて
  • ボリュームたっぷりの本場アメリカンディナーをたらふく堪能

AUA参加記 藤本 直浩

 今年のAUA(アメリカ泌尿器科学会)は5/18〜5/21にサンフランシスコのMoscone centerで開催されました。今年2月のGenitourinary Cancer symposiumも同所で開催されましたので、地理的な記憶は少し残っていて移動はあまり苦労しませんでした。2月に行った時は暖かいと思いましたが、今回は最低気温が10-12℃、最高気温が20℃以下で風も強く寒く感じました。
 さて、学会はいつものように世界各国からたくさんの参加者であふれており、興味ある講演、発表が盛りだくさんでした。例年のように化学療法やホルモン療法などのmedical oncologistが行う内容は非常に少なく、多くは手術に関する内容で、前立腺癌のactive surveillanceに関する内容も多くありました。時代の流れか病理および画像診断におけるAIやdeep learningの発展、実用化に向けた演題が増加しており、これらの臨床導入はかなり近いと感じました。これらの新規技術は医師にとって替わるもはではなく、医師を補助する、手間を省くものである、と演者が述べており、今後の発展が楽しみです。留学中の永田先生にも2か月ぶりに会いましたが元気でした。彼は4月にRochesterに着いて、空港から大学のラボまで歩いたらしい、と聞きましたので、本人に確認しましたが間違いないそうです。たぶん8-10kmくらいはあり、途中やや危険なところもあると思うのですが、大きな荷物を持って土地勘もない知らないところをスマホだけを頼りに良く歩いたなと思います。性格の片鱗を見せているようです。
 来年のAUAは5/3〜5/6にシカゴで開催予定です。ちょうど連休で時期としてはいまいちですが、参加できるよう皆さん頑張りましょう。

  • AUA2018

2018年度Team泌尿器科

  • 集合写真

 今年度、新たに松川先生(3年目新入局員)、高場先生(3年目新入局員)、室岡先生(3年目新入局員)、坂本先生(4年目)、東島先生(6年目国内留学)の5人の先生が産業医大泌尿器科で勤務されることとなりました。また山ア豪介先生(6年目)、守屋先生(7年目)の2人も4月に戻られ、本年度の泌尿器科常勤医師は合計15人体制です。新たな顔ぶれが加わって、さらに活気ある職場となっています。今年度も産業医科大学泌尿器科講座をよろしくお願いします。

  • 2018年度加入医師

新任医師よりひとこと

松川卓生(2018年入局)

 3年目の松川卓生です。産業医科大学を卒業後、兵庫県の病院で2年間初期研修を行いました。北九州で大学生活を送り、お世話になった大学で働かせていただくことができ嬉しく思います。微力ではございますが、北九州の医療に貢献したいと思っています。泌尿器科の同期や先輩方は、個性的で魅力的な方が多く、医局は大変賑わっています。私も自分を磨き、早くその一員となって盛り上げていきたいと思っています。よろしくお願いします。

高場智久(2018年入局)

 3年目の高場智久です。平成28年に産業医科大学を卒業し、大川市の高木病院で初期臨床研修を終了後、今年度産業医科大学泌尿器科へ入局しました。患者様の為に日々精進して参ります。どうぞよろしくお願い致します。

室岡和樹(2018年入局)

 産業医科大学医学部医学科卒業の室岡和樹です。
 大学卒業後の2年間、出身地である新潟県の佐渡総合病院で初期研修を行い、今年度から産業医科大学病院に帰ってきました。大学時代は陸上競技部とトライアスロン部に所属しておりました。専門種目は中学校時代から続けてきた砲丸投げです。
 泌尿器科は内科から外科まで、また初診から手術、その後のフォローまで全てを行い、患者さんに寄り添えるという魅力に惹かれて入局しました。よろしくお願いします。

坂本卓郎(2017年入局)

 初めまして。泌尿器科後期修練医4年目の坂本卓郎と申します。私は前期研修の2年間と後期研修の1年間を、福津市の宗像水光会総合病院で過ごしました。2次救急病院であったため、前期研修の2年間では救急対応を色濃く学びました。3年目は泌尿器科医師1年目として、多くの叱咤激励を頂きながら過ごしました。医師としても、泌尿器科医としても、まだまだ未熟ではありますが、少しでも早く成熟するために、1日1日を大切に、目の前の患者さんと真摯に向き合っていこうと思っています。よろしくお願いします。

東島克佳(2018年国内留学)

 6年目の東島です。宮崎大学を卒業し、2年間新行橋病院で初期研修を行い、そのまま新行橋病院泌尿器科での専修医3年間を経て、今年4月より産業医科大学病院泌尿器科にお世話になることになりました。体型的に元気なさそうと思われることが多いですが、中学高校時代はハンドボール、大学は野球、前勤務先では早朝野球をやっており、体力・気力はある方だと思います。産業医科大学病院で新しい知識・技術を学び、これからさらに増えるであろう泌尿器科疾患を患う患者様に最適な治療を提供できるように頑張ります。よろしくお願いします。

日本泌尿器科学会総会参加記 湊 晶規

 晩春のひととき、若葉の緑が目にしみる季節となりましたが、皆さまお変わりなく過ごされているでしょうか。さて、平成30年4月19日から22日まで、国立京都国際会館・グランドプリンスホテル京都にて第106回日本泌尿器学会総会が開催されました。産業医科大学泌尿器科ホームページ開設以来、3年連続で総会の記録を書いております。私は、大きな会でしか得られないであろう学びのチャンスが好きで、お祭り男気質です。泌尿器科医になってから、総会での発表は欠かさず続けるようにしています。当医局の後進の先生たちにももっと参加してほしいと思う今日この頃です。
 さて、本学会のテーマは、
 泌尿器科の未来をつかめ―日本からアジアへのメッセージ―
今回は合わせて第16回アジア泌尿器科学会も同時開催であり(日本での開催は28年ぶりだったようです)、国際色のある総会となりました。天候にも恵まれ、少し空いた時間に観光された先生方も多かったと思います。
 参加者は非常に多く、多数の会場がありましたが、いずれも熱気を帯びていました。私の発表の際も、いくつもの指摘・質問いただき、より良いディスカッションの経験となりました。膀胱癌において、今後免疫チェックポイントの使用タイミングを膀胱全摘術後も考慮しなければいけない時期に来ているかもしれません。
 当科からの演題は以下の通りです。

  • 浸潤性膀胱癌に対する膀胱全摘除術後の補助化学療法の効果について
    演者:湊 晶規
  • 腎摘除術を施行した静脈内腫瘍塞栓を有する腎癌の臨床的検討
    演者:大西 怜
  • Risk factor of febrile urinary tract infection after PCNL and effect of preoperative antimicrobial therapy
    演者:松本 正広
  • 尿路上皮癌患者に対する白金製剤を含む化学療法後のPaclitaxel-Gemcitabine療法の効果と忍容性
    演者:富崎 一向
 藤本 直浩教授は、シンポジウム11 MRI/US fusion biopsyの現在と未来、にて座長を務めました。
 会期中、当医局出身の医師で集まり、花の都 京都の象徴 祇園で宴席を設けました。16人集まり、お互いの近況や悩み、今後のこと、泌尿器科医特有のくだらない話に花が咲きました。年代関係なく皆仲良しです。

 泌尿器科の未来をつかめ…というテーマでしたが、日々の積み重ねでしか未来はつかめないと思います。また次にとりかかります。京都は、やはり魅力的ですよね、観光だけで来たかったです。

 第107回は、平成31年の4月に名古屋で開催されます。

  • 日本泌尿器科学会総会参加記
  • 日本泌尿器科学会総会参加記
  • 日本泌尿器科学会総会参加記

第15回九州小児泌尿器研究会 学会開催の報告 富崎 一向

平成30年2月17日(土)に第15回九州小児泌尿器研究会を産業医科大学泌尿器科が担当し、小倉駅北口にある北九州国際会議場にて開催を行いました。  当日は北九州マラソンの前日であったことと、すぐ隣のギラヴァンツ北九州のホームスタジアムでサッカーの試合が行われていたこともあり、学会場周囲が大変にぎやかな様子でした。
本研究会の特長として、会員が泌尿器科医、小児科医、小児外科医など複数の科にまたがり構成さている点が挙げられ、九州各地、遠くは千葉から合計70名もの先生方に参加頂きました。当科の松本博臣先生の症例発表を含む計17演題の小児泌尿器科疾患における研究成果が発表され、活発な質疑応答が行われました。
 また口演発表の後、スキルアップセミナーとして滋賀医科大学泌尿器科 河内明宏先生を講師にお招きし、「夜尿症に関する最新の話題」というテーマでご講演を頂きました。基礎的なデータからすぐに臨床に役立つ知識までをわかりやすくお話頂き、夜尿症という疾患への理解を深め、今後の夜尿症患者のマネジメントに少し自信がつきました。
 当日ご参加頂いた皆様、また開催にご協力いただいた皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

  • 会場遠景。奥に見えるのがギラヴァンツ北九州のホームスタジアム
    会場遠景。
  • 会場入り口
    会場入り口
  • 会場内 活発な議論が行われました
    会場内

第301回日本泌尿器科学会福岡地方会 参加記 原田 みりい

 2月24日に久留米シティプラザで行われた、日本泌尿器科学会福岡地方会に参加して参りました。会に集まった発表内容は、珍しい症例や勉強になった症例、各病院での統計報告など幅広く、発表者も私の様な初心者からベテランの先生まで様々でした。
 今回私は、当院で経験した症例に関する発表を行いました。4月から今まで、同期が地方会で活躍する姿を見守る側でしたが、ついに自分の番が来たなと、とても緊張しましたが楽しみでもありました。学会での症例報告は初めてで、わからないことばかりでしたが、医局員の先生方にたくさんのアドバイスをいただき、なんとか発表に至ることができました。
 今回の発表を通して特に勉強になったのが、経験した症例を通して周りに何を伝えたいのか、この経験を今後どのように生かしていけるかを考える、ということです。正解が決まっていないことに対して、自分なりの意見をまとめて提示するという、今後臨床をしていく中でとても大切なことを勉強し経験できた、とても良い機会となりました。
 最後に、発表の前後に同期や先輩方に優しく声かけをしていただき、改めて産業医大泌尿器科に入局できて良かったなと実感しました。これからも楽しく仕事に励みたいと思います。ありがとうございました。

2018 ASCO-GU参加記 富崎 一向

 2018年2月8日から10日の期間、サンフランシスコで開催された2018 Genitourinary Cancer Symposium (ASCO-GU)に藤本先生と参加して参りましたのでご報告します。
 学会へは世界中から泌尿器科のみならず、腫瘍内科、放射線治療医など幅広い専門家が参加されていました。3日間の日程の中、初日が前立腺癌、2日目が尿路上皮癌、3日目が腎癌を主なテーマとして、最新の大規模臨床試験の結果などの講演が行われ、3000人程度は収容できるメイン会場が熱気に包まれていました。
 私は尿路上皮癌に対するPaclitaxel-Gemcitabine療法に関するポスター発表を行いました。幸い他の参加者からの質問があり、私のポスターを写真撮影される方もおられ、海外の方に自分の発表へ興味を持ってもらえたことに喜びを感じました。
 サンフランシスコへは初めて行きましたが、日本が非常に寒い中、毎日晴天でしかも暖かく非常に過ごしやすい気候でした。学会最終日の午後には有名なケーブルカーに立ち乗りしサンフランシスコの坂を疾走、夜には愛媛大学の雑賀先生にお誘い頂き、シーフードレストランで食事をしました。そこはダンジネスクラブというカニの料理が名物ですが、実は行きの飛行機の機内誌で、このカニが世界中でこれまで食べたカニの中で最もおいしいと絶賛するコラムを読んでいたので、まさか自分がそれを食する機会に恵まれるとは思いもよらず、その場の誰よりも大興奮でカニを堪能させて頂きました。
 ASCO-GUは来年も同じサンフランシスコで開催される予定です。また参加できるよう研鑽を積むことを誓った、内容の濃いあっという間の3日間でした。

  • 会場入口
    会場入口
  • メインホール
    メインホール
  • 表情かたい
    表情かたい
  • ゴールデンゲートブリッジ
    ゴールデンゲートブリッジ
  • サンフランシスコといえばこれ
    サンフランシスコといえばこれ
  • これが憧れのダンジネス
    これが憧れのダンジネス

泌尿器分子・細胞研究会参加記  湊 晶規

 インフルエンザが流行し、私たち医療従事者も各所で注意を払う季節となりましたが、皆さんは風邪などひかれていないでしょうか。常日頃、手洗いの徹底とヨーグルトの摂取に勤しんでおります。
 さて、平成30年2月2日から3日まで、「分子で架ける闇に向かう橋-泌尿器科疾患の解明に向けて-」をテーマに、東京大学にて第27回泌尿器分子・細胞研究会が開催されました。私と藤本教授が参加してきましたので報告します。
 先日の雪の名残が所々に見受けられましたが、交通のトラブルもなく滞りなく開催されました。会場が、かの有名な安田講堂であったため、入場しただけで、いささか興奮しましたし、これまで紡いできた歴史を感じることができました。私自身は大学院に進学していませんので、基礎研究は馴染みの薄い分野であり、聴講しても正直分からないことが多数あります。それでも、世界初の試みであったり結果であったりと、日本の泌尿器科研究の最新の動向が集約された会ですので貴重な知見を得ることができました。中でも、次世代シーケンサーによる癌のゲノム情報を網羅解析し、鍵を握る遺伝子異常を発見、そこをターゲットに創薬、日常診療に導入するための動向は今後も目が離せない分野だと感じました。
 私は、第二病理学教室の野口紘嗣先生と共同で、膀胱癌の臨床研究を行っています。昨年のこの会にて第一報を発表しましたが、今回、その成果の第四報を、ポスターセッションにて以下の演題で報告しました。

【膀胱癌の浸潤とglutathione peroxidase 2(GPX2) 発現の検討】

なお、今年は、前立腺癌の研究も開始するため、現在準備を進めているところです。基礎的な分野に踏み込むため、リサーチに対するモチベーションを活性化する意味でもこの会に参加してよかったです。第28回は、平成31年の2月8日・9日に長崎で開催されます。来年また、この会で発表できるように気持ちを一新、邁進したいと思います。

泌尿器分子・細胞研究会参加記2
泌尿器分子・細胞研究会参加記3 泌尿器分子・細胞研究会参加記4
泌尿器分子・細胞研究会参加記1

International Urogynecology Association(IUGA) Regional Symposia 参加報告 大西 怜

 平成29年11 月30日(木)‐12月2日(土)まで千葉県鴨川市(亀田メディカルセンター、亀田医療大学)で開催された国際ウロギネコロジー学会地方会に参加致しました。
 前日に都内でロボット支援下手術のトレーニング講習会に参加していたため、夕方に東京駅から高速バスで2時間余りかけ鴨川に向かいました。これまで鴨川には一度も訪れたことがありませんでしたが、降車した安房鴨川駅は乗車した東京駅とは全く異なる別世界で、予想以上の大幅な景観の変化に少し戸惑ってしまいました。夜遅くに到着したため駅周辺は真っ暗闇でしたが、日中は海岸沿いの長閑な風景が続きどことなく癒しを感じる町でした。
 さて、IUGAは世界最大のウロギネ領域の学会であり、そのアジア地域における地方会として本会が開催されました。本会の会長である野村昌良先生(亀田メディカルセンター・ウロギネコロジーセンタ−センター長)は本学の卒業生でもあり、このような世界規模の学会を主催されたことは本学にとって誇らしく感じました。学会のテーマは「We love Urogynecology! 。会場はアットホームな雰囲気に満ち、ウロギネコロジーに対し熱き想いを胸に診療されている方々がお互いに熱く討論される内容の詰まったプログラムばかりでした。特に骨盤臓器脱に関する発表では、経膣メッシュ手術におけるFDA警告やGYNEMESHRの使用中止といったこれまで様々な変遷を鑑み、各々の発表者がさらなる最良の治療を目指して術式別の適応症例の再考や手術手技の新たな工夫など日々の診療に努める姿がとても印象的でした。
 超高齢社会を迎え、骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁といった中高年の女性泌尿器疾患はさらに増加していきます。私たちも日常診療でそのような患者さんと向き合うことはもはや必然であり、特殊な専門領域といった先入観は持たず、関連する症状で悩む女性のために知識を深めや技術を習得する必要があると、改めて考えさせられる学会となりました。
 最後に、野村先生、素晴らしい学会を開催いただきありがとうございました。
 そして、本当にお疲れ様でした。

International Urogynecology Association(IUGA) Regional Symposia
International Urogynecology Association(IUGA) Regional Symposia

日本性感染症学会第30回学術大会 学会報告

 2017年12月2日〜3日にかけて、日本性感染症学会第30回学術大会(会長:高橋 聡、札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座教授)が、札幌市の京王プラザホテル札幌において開催されました。本学会は、泌尿器科だけでなく、産婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、内科、外科、小児科などの医師、および性感染症の相談・予防に取り組まれている薬剤師、保健師・助産師・看護師、学校養護教諭など、幅広い職種の方々が参加される学会です。今回600名を超える大勢の方々が参加されていました。
近年、日本では梅毒罹患率が急激に増加していますが、今回の学会でも梅毒に関して多くの発表がありました。梅毒の増加は日本に限らず世界的に増加傾向にあります。また、梅毒の増加と共に新生児の先天梅毒も増加傾向です。第2期梅毒ではリンパ節腫大を伴うことが多く、症例によっては悪性リンパ腫と間違われる症例もあるようです。私たち泌尿器科医もリンパ節腫大を見る機会が多くあります。梅毒が増えている状況を考えると、リンパ節腫大を認めた際には梅毒も鑑別診断に入れる必要があると感じました。その他、淋菌の多剤耐性化、Mycoplasma genitalium感染症の難治化、罹患率が減少することのない性器クラミジア感染症などいろいろな課題があり、それぞれ世界規模での対策が必要な状況です。印象的だったのは、クラミジア腸炎ではイクラ状の粘膜を呈するという発表でした。生検組織の免疫染色ではクラミジアが同定されることが少ないため、PCRによるクラミジア同定を行わないと、見逃してしまうという事でした。
今回、私は「分離培養されたM. genitalium株の薬剤感受性とキノロン耐性遺伝子変異との関連」についての発表をさせて頂きました。M. genitaliumの培養は難しいですが、多剤耐性M. genitaliumが出現している現状を考慮すると、今後も研究を継続していく必要があると改めて感じさせられました。
 北海道赤れんが庁舎を訪れる機会があり、北海道の歴史が展示されていました。アンモナイトの化石(自由にさわることができます)や、間宮林蔵の像、エゾシカのはく製にも出くわしました。2018年には北海道と命名されて150年になるそうです。12月の札幌は氷点下の気温のため道路は凍結し非常に滑りやすくなっており、横断歩道の白線の上を歩くときは特に注意が必要と感じました。札幌ラーメンやジンギスカン、新鮮な海の幸など、食事はとてもおいしく、イルミネーションも幻想的であり、今度は観光でゆっくりと訪れたいと思いました。
 次回は、2018年11月24日〜25日に、東京で開催されます。次回も是非とも参加したいと思います。

学会場 アンモナイトの化石
京王プラザホテル札幌 赤れんが庁舎とイルミネーション

KAUTII Expert Meeting 2017 学会参加報告 松本正広

 2017年11月8日に、KAUTII(The Korean Association of Urogenital Tract Infection and Inflammation:韓国泌尿器感染症研究会)Expert Meeting 2017が、韓国中南部の都市である光州(Gwangju)のKim Dae-Jung Convention Centerにおいて開催されました。KAUTIIは韓国で泌尿器感染症を中心に診療・研究をされている先生方の集まりですが、KAUTII Expert Meetingには毎年日本から2名の有志が参加する、日韓学術交流の場となっています。今回日本からは、獨協医科大学の別納先生と、私 松本の2名が参加しました。
 KAUTII Expert Meeting 2017は、主に英語で発表が行われていきますが、韓国語で発表される先生もいらっしゃいました。発表内容は、尿路感染症、性感染症などの臨床研究を中心に、抗菌薬や薬剤耐性遺伝子解析など基礎研究に関する発表も行われていました。韓国でもカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)などの多剤耐性菌が問題となっているようで、Zerbaxa(セフトロザン/タゾバクタム配合剤)や、Vabomere(メロペネム/バボルバクタム配合剤)といったβラクタマーゼ阻害剤が含まれた新規抗菌薬の話もありました。アメリカFDAでは、新規抗菌薬はそれぞれ2014年、2017年に承認されていますが、いずれもまだ日本では使用できません。今後日本でもCREが増加してくると、このような薬剤を使用せざるを得ない状況が来るのかもしれません。
 今回私は、Interchange Symposium between JRGU & KAUTIIのセッションにおいて、New method for detecting genomes of pathogens for urethritis:clone library method(尿道炎の病原体に関する細菌叢解析:クローンライブラリー法)について発表しました。英語での発表でしたが、無事に終えることができたと思います。いろいろな先生方から貴重なご意見を伺うことができ、今後の研究に生かしていきたいと思いました。
 11月の光州は非常に寒く、日中でも氷点下近い気温でした。研究会終了後は、韓国の先生方に光州の街を案内して頂きました。たまたま同じ期間に、世界キムチフェスティバルが開催されており、キムチに関しても勉強する機会がありました。キムチにはアトピー性皮膚炎の炎症を抑えたり、脂質の増加を抑える効果もあるようです。キムチのサプリメントがあることも驚きました。また、食事も独特でした。韓国料理のひとつで、世界で2番目に臭い食べ物とされる「ホンオフェ」も食しました。ガンギエイの刺身を壺に入れて10日間発酵させたものということですが、エイの持つ尿素などが加水分解されてアンモニアが発生しているようで、臭さと共に口の中がビリビリと刺激される感じでした。ずっと口の中に入れておくと、アンモニアによって口がただれてしまうので注意が必要という事です。世界にはいろいろな食べ物があるのだなと感じた瞬間でした。
 もう一つ驚いたこととして、医学用語が日本と韓国では非常によく似ているという事です。例えば、「泌尿器科」は韓国語で「ピニョギガ」、「産婦人科」は「サンブインガ」、「内科」は「ネェガ」、「外科」は「ウェガ」、そして「酸素マスク」はそのまま「サンソマスク」と発音します。ご興味ある方は、google翻訳などで発音が聞けますので、お試しください。
 海外に行くと、色々と新しい発見があります。見聞を広めるためにも、今後も積極的に海外の学会・研究会に参加し、情報発信をしていきたいと思います。

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第15回アジア泌尿器科学会2017 学会参加報告 松本正広

 2017年8月4日〜6日にかけて、15th Urological Association of Asia (UAA) Congress :アジア泌尿器科学会2017(Congress Chairman:Chi-Wai Man; Chief of Service (Surgery) & Head of Urology Division New Territories West Cluster, Hong Kong)が、Hong Kong Convention and Exhibition Centre (HKCEC)において開催されました。学会には、アジアを中心に、世界各国から数多くの先生方が参加されていました。日本の先生方も多く参加されており、当科からは、M砂先生と永田先生、そして松本が参加しました。  学会の内容は、尿路腫瘍、尿路性器感染症、尿路結石症、腎移植、アンドロロジー、排尿機能、泌尿器放射線、尿路再建など非常に幅広く、大変勉強になりました。特に、ロボット支援手術に関する発表が多くあり、尿路腫瘍だけでなく、腎移植においてもロボット支援手術が積極的に導入されていました。3Dメガネを着用しての3D腹腔鏡手術のシンポジウムもありました。口演、ポスター抄録に関しては、International Journal of Urology (2017) 24 (Suppl. 1)で閲覧できますので、ご興味ある方は参考にされてみてください。

 私たちは、UAA2017で同時開催された尿路性器感染症に関するシンポジウム、Asia Association of UTI & STI (AAUS) symposium in UAA 2017に参加しました。日本、韓国、中国、香港、台湾、シンガポールの先生方がシンポジストとして発表され、M砂先生と私は以下の内容を担当しました。

  • M砂先生:Symposium I: Digest of UAA/AAUS-UTI/GTI/STI Guidelines; STIのシンポジストと、Symposium IIIの座長を担当
  • 松本:Symposium III: Multidrug-resistant bacteria and recurrent UTI; Prevalence of multidrug-resistant uropathogens in Asiaのシンポジストを担当

 尿路性器感染症に関しては、アジアではAAUSが中心となってガイドラインを作成しています。AAUSは松本哲朗名誉教授らが中心となって2003年に設立した団体であり、現在では100名以上のメンバーで構成されています。2017年には、UAA/AAUS-UTI/GTI/STI Guidelinesが作成され、アジアにおいて同じガイドラインに沿って治療にあたることが可能となりました。こちらもIJUにてSummary(DOI:10.1111/iju.13493)が閲覧できます。
 香港は世界有数の観光都市でもあり、世界各国から多くの観光客が訪れていました。人口密度も世界第3位であり、中心街では東京の2倍以上の人口密度ともいわれており、人の多さには驚かされました。非常に人口密度が多いためアパートなども含め建物は上へ上へと伸び、高層ビル群が乱立している風景も印象的でした。食の種類も豊富で、香港グルメの1つ、“火鍋”も堪能しました。街中では普通に太極拳が行われており、ブルース・リーの銅像前は観光スポットになっていました。8月の香港は気温も非常に高く、非常に活気のある所でした。
 次回、第16回アジア泌尿器科学会は、2018年4月17日〜21日に、第106回日本泌尿器科学会総会2018と同時に、京都で開催されます。Gala Dinnerでは次期会長の小川修 京都大学教授がご挨拶をされました。(小川先生のご厚意で、日本から来られた先生方に交じり、私たちも壇上に挙げて頂きました。)日本での開催ということで、国際学会そして英語に触れるよい機会になるかと思います。これからも研究を重ね、学会に参加できるよう精進していきたいと思います。

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第31回日本泌尿器内視鏡学会総会 参加記 渡邉 舟貴

 徳島で開催された、日本泌尿器内視鏡学会総会に参加させて頂きました。『総会』ということで全国の泌尿器科医が集まり、学会の規模はとても大きく、各ブースで発表や熱心に討論している光景がまず印象的でした。自分は医師3年目の泌尿器医でまだ経験が浅いため、TUR–BtやTULのようなエンドウロロジーのセッションを中心に回りました。
 各病院の先生方が症例を通じて工夫された点や失敗から学ばれたことを発表されており、とても興味深く考えさせられる内容でした。また、限られた時間内に分かり易く伝えるために写真や動画を用いた発表が多かったことも印象的でした。
 その中でも非筋層浸潤性膀胱癌に対する5–アミノレブリン酸を用いた5–ALA guided TUR–Btは発表動画がとても鮮明で分かり易かったので会場が盛り上がっておりました。5–ALA guided TUR–Btは、肉眼では判断しにくい上皮内癌の病変までも蛍光させて病変を見やすくし、必要最低限かつ確実に病変を切除する方法です。当院で経験できないような手技や知識を共有できるのも学会の醍醐味であると改めて思いました。会場近くの展示室には当院でも近々導入される手術支援ロボットのda Vinciが設置されており、泌尿器科手術の先進医療を目の当たりにできてとても嬉しかったです。
 今回は自分の発表はありませんでしたが、医局員の先生方のポスターや口頭発表も実際の会場で聞くことが出来、とても勉強になりました。学会終了後の食事会で先輩医師と和気あいあいと徳島の郷土料理を楽しめたことは忘れられない思い出です。この学会の経験を活かして、自分の診療が一段とレベルアップするように日々精進します。

西日本泌尿器科 参加記 原田 みりい

大分で行われました第69回西日本泌尿器科学会に参加して参りました。
恥ずかしながら私にとっては今回が初めての学会参加で、会場に到着したもののまずどうしてよいか分からずウロウロしていたところ、藤本教授に助けていただいてほっとしたところから始まりました。
 今回は主に、卒後教育プログラムを受講しました。名前から想像するに、他の受講者も私のような泌尿器科になりたての先生が多いだろうと思っていましたが、ベテランの先生方も多く受講されており、驚きました。内容は、教科書・ガイドラインにあるような基本的なことから、発表者の先生の長年の経験からしか分からないような貴重なお話まで様々で、とても勉強になりました。
 また、医局員の先輩先生方の発表も間近で見させていただきました。ポスター発表に口頭発表と、多くの人の前で堂々と発表されている姿を見て、より一層尊敬の念を抱きました。
 毎日の仕事の中だけでも、患者さんや先輩先生方から教わることがまだまだたくさんありますが、学会は短期集中的に多くの貴重な情報を得られる良い機会であると実感しました。今後も積極的に色々な学会や勉強会に参加しようという思いが強くなりました。
 最後に、今回の学会は、勉強のためにとの藤本教授のご好意で参加させていただきました。藤本先生をはじめ、医局員の先生方、このような貴重な機会を下さいましてありがとうございました。

第69回西日本泌尿器科学会に参加して 岩隈 景子

11月9日から12日に大分市iichiko総合文化センターで開催された、第69回西日本泌尿器科学会に参加して参りました。今回、当科からは、福田先生、生田先生、私の3人が、発表を行いました。福田先生は当院における高齢者手術について、生田先生は薬剤性尿路結石について、私は前立腺癌に対するホルモン治療の珍しい副作用を来した一例についての報告を行いました。学会準備を進めるにあたり、今回のテーマに沿って前立腺癌のホルモン療法について勉強し直し、さらに女性のホルモン疾患や、胎生期からの性分化など、通常の泌尿器科の業務ではなかなか触れないような領域まで深く学ぶことができ、医師としての幅を拡げる大変良い機会になりました。また、他施設の発表も、治療に難渋された例や、新規薬の治療成績など、日常診療で疑問に感じていたことについて興味深く拝聴させていただきました。
今回は大学から会場が近いこともあり、新入局員である城嶋、原田、山村先生も含めて大人数での参加となりました。懇親会では、山村先生が医局を代表して利き酒大会に参加し、健闘したものの、残念ながら優勝の豊後牛には届きませんでした。懇親会の後は、藤本教授をはじめとした医局員、同門の先生方と共に、脂がのった関サバや関アジを食べながら、美味しく楽しい時間を過ごすことができました。多くの先生方にご参加頂き、同門の先生方の温かさと絆の強さを実感しました。
良い刺激をたくさんいただいた2日間でした。今回は一例の症例報告でしたが、これからは多数例を集めた臨床研究も勉強していきたいと思います。

第69回西日本泌尿器科学会1
第69回西日本泌尿器科学会2
第69回西日本泌尿器科学会3

SIU2017参加記 富崎 一向

 今回のSIU(Societe Internationale d'Urologie:国際泌尿器科学会)は2017年10月19〜21日の期間、ポルトガルのリスボンで行われました。自宅からリスボンのホテルまでは、北九州から羽田、フランクフルトで飛行機を乗り継ぎほぼ丸一日かかる長旅となりました。
 学会はリスボン市中心部からほど近くのCentro de Congressos de Lisboaにて開催されました。テージョ川(川幅が非常に広くまるで海のように見える)に面し、目の前に全長2277mのつり橋がかかり(歩道を市民が散歩しているような)、とても景色の良い場所でした。
 私は膀胱癌に対する2nd TURに関するポスター発表を行って参りましたが、たまたま膀胱癌に関する講演で関連する内容が話され、非常に参考になりました。SIUはEAU(欧州泌尿器科学会)やAUA(米国泌尿器科学会)に比較すると学会の規模は小さいですが、世界的に著名な先生の講演も多数あり、内容は非常に充実したものでした。規模が小さい分、case studyのセッションなどでは、その分野のexpertの先生方の臨床的で白熱した議論を間近に聞くことができ、なかなか通常の講演では得ることが出来ない貴重な経験でした。参加できるともっと良かったのですが、それは今後の課題にしたいと思います。
 リスボンの街は非常に美しく、どこを切り取っても絵になる景色があり、普段ほとんど写真を撮らない私もたくさん写真を撮りました。自撮りを行い、勢いでInstagramを始め、インスタ映えしてみようとも思いましたが、リスボンの美しい景色を汚すわけにはいかないと何とか踏み止まることが出来ました。
 今回一人での参加でしたが、学会およびリスボンという街への興奮とリスボンと感動で寂しさを感じる時間はほとんどありませんでした。また、幸い同じバスに乗り合わせた他大学の同世代の先生方と一緒に食事をする機会にも恵まれました。これも海外の学会ならではの貴重な時間であると思います。またこのような素晴らしい機会を得るべく、研鑽を積んで参りたいと思います。

SIU2017参加記1 SIU2017参加記2
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学会場とテージョ川

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リスボンは坂の街ジェロニモス修道院

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サン・ジョルジェ城より市内全景

SIU2017参加記8

小道も絵になる

日本泌尿器腫瘍学会参加記 湊 晶規

 夜ごとの虫の音に、深まりゆく秋を感じる頃となりましたが、皆様風邪などひかれていないでしょうか。さて、平成29年10月22日から23日まで、東京コンファレンスセンター品川にて第3回日本泌尿器腫瘍学会が開催されました。私と藤本教授が参加してきましたので報告します。季節外れの大型台風で大荒れの天気でしたが、滞りなく開催され、最新の知見が集約された学びの多い会となりました。
 私が泌尿器科医になった頃は去勢抵抗性前立腺癌に予後延長明確なエビデンスのある薬剤はほとんどなく、現在ではビンテージ治療と呼ばれるホルモン治療を2次3次とやり繰りしていました。その後、ドセタキセルが登場し、今では新規ホルモン剤であるアビラテロン、イクスタンジ、新規抗癌剤カバジタキセル、α線放射線治療薬のRa223と多数の治療選択肢が増え、そのstrategy、sequential治療をいかに構築していくかが現在の潮流です。
 同じ頃、腎細胞癌における薬物療法は効果が不十分なサイトカイン療法しかありませんでした。腎癌は抗癌剤が効かない癌腫です。それが、分子標的薬という新しい薬剤が登場し、現在ではソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、アキシチニブ、パゾパニブと6種類が使用できるようになり、今では腎細胞癌の患者さんの予後は倍以上に延長しています。さらに肺癌や悪性黒色腫で周知の免疫チェックポイント阻害薬・ニボルマブという全く新しい薬剤も昨年から使用できるようになり、さらには今後複合免疫療法の時代の波が押し寄せてきます。
 前立腺癌のロボット手術導入から5年経過し、腎細胞癌の部分切除も昨年保険収載されました。放射線治療の分野では、陽子線・重粒子線治療も非切除軟部腫瘍では可能となり、先進医療であった前立腺癌の局所治療も保険適応に向けた段階に入っているようです。
 十年ちょっとの間で、本当に多くのことが変わってきたなと振り返りつつ、新規治療が認可されるごとに実臨床を通して多くのことを学んできました。常に新しいことをいち早く勉強し、いち早く診療につなげていく姿勢を今後も持ち続けたいと思いました。

 私は、浸潤性膀胱癌におけるvariant typeであるsquamous differentiationについての臨床研究の結果を発表しました。藤本教授は、後腹膜腫瘍のマネジメントにおけるシンポジニストを務め、稀な疾患である脂肪肉腫(高分化・脱分化)・神経鞘腫・平滑筋肉をはじめとした後腹膜軟部腫瘍の九州における症例特性・治療成績・予後について発表されました。
 夜は、当医局出身の山口雷蔵先生(前帝京大学泌尿器科教授・現神戸大学先端医療テクノロジー開発・応用学部門 特命教授)に久しぶりにお目にかかって、3人で楽しい会食になりました。メキシコ料理はタコスしか知りませんでしたが、どれもおいしかったです。〇〇大統領、壁は作らなくてもいいんじゃないでしょうか。
 第4回は、平成30年の10月に横浜で開催されます。

日本泌尿器腫瘍学会参加記1 日本泌尿器腫瘍学会参加記3
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第55回 日本癌治療学会学術集会 学会参加報告 大西 怜

 平成29年10月20日(金)‐22日(日)まで横浜市(パシフィコ横浜)で第55回日本癌治療学会学術集会が開催されました。学会期間中はあいにくの雨模様でみなとみらいから臨む横浜ベイブリッジはぼんやりとしか見えず少し残念でした。
 さて、今回の学会テーマは「それぞれの癌、それぞれの生」と題され、各領域にわたり様々なプログラムが企画されていました。とてもシンプルでキャッチ−なテーマですが、その意味は深く、がん治療に携わる多くの方が日頃の診療を思い返し新たな気づきがあったのではと思います。
 私はポスターセッションで「進行尿路上皮癌に対するPaclitaxel‐Gemcitabine療法の効果と忍容性」について発表させていただきました。従来のポスター形式(紙ポスターを掲示する方式)とは異なり、大型モニターにPPTスライドを表示して発表するミニ口演型の発表形式でした。質疑応答では多くの質問を受け有意義な発表となりました。
 学会を通して特に印象的であったことは、各種がん治療で著しい進歩を遂げたがん免疫療法についての内容でした。なかでも免疫チェックポイント阻害剤は今後ますます期待される治療法として注目されていました。泌尿器癌においてもニボルマブ(オプジーボ®)がすでに腎癌治療の新たな選択肢となっていますが、今後は尿路上皮癌においてもプラチナ併用化学療法後の局所進行性または転移性尿路上皮癌の二次治療としてこの免疫チェックポイント阻害剤(ペムブロリズマブ:キイトルーダ®)が治療選択肢として使用可能となる日も近いようです。しかし、このように使用可能な薬剤が増え治療選択が拡がることは大変喜ばしいことですが、一方で治療の複雑化も問題点として挙げられます。
患者さんの予後やQOLは私たちの治療によって大きく左右されます。今一度その意味を考え毎日の診療に取り組んでいきたいと思います。

 最後に言い忘れていましたが、横浜の夜景を一人で眺めたことが最も残念な出来事でした。

日本癌治療学会学術集会学会参加報告1 日本癌治療学会学術集会学会参加報告2 日本癌治療学会学術集会学会参加報告3

九州泌尿器科連合地方会 学会報告 山村 走平

 本年度産業医科大学泌尿器科学教室に入局した山村走平です。
 平成29年10月14日〜15日に、鹿児島で開催されました、第112回九州泌尿器科連合地方会で発表を行いましたのでご報告致します。「診断上興味ある症例」のセッションにおいて、後腹膜原発の粘液性嚢胞性腺癌という稀な疾患の症例報告を行いました。臨床研修医の時に院内発表の経験はありましたが、専門的な学会発表は初めてで、規模も大きいためかなり緊張しました。しかしながら、医局内の予行演習において、諸先生方の手厚いご指導の時間の方が緊張の連続だったので、本番は無事に終えることができました。
 翌日はフェリーで桜島まで渡りました。溶岩グランドにて恒例の大学対抗親善野球大会に参加しました。対戦相手は強豪の鹿児島大学でした。結果は1対15と案の定惨敗でした。強豪相手に1点もぎ取って一矢報いるのが精一杯というところでした。自分の次の目標は塁に出られるように頑張ることです。

九州泌尿器科連合地方会学会報告@

日本排尿機能学会 参加報告 福田 敦史

平成29年9/28-9/30にかけて、第24回日本排尿機能学会が東京ビックサイトで開催されました。
今回我々は、「前立腺全摘術・鼠径ヘルニア根治術後の尿失禁に対し人工尿道括約筋植え込み術が必要となった1例」という貴重な経験を得た演題にて発表を行ってまいりました。
昨年まで長年当科で活躍されていた西井 久枝先生(現・国立長寿医療研究センター)も教育セミナーにて、「高齢者のLUTS治療における新視点:フレイル・サルコペニア」という演題で講演されており大変勉強になりました。排尿機能の専門家の諸先生方の薬剤の使い方や排尿管理の問題点など、多角的な視点から多数の話を聞くことができて、大変有意義な学会参加になったと感じております。明日からの診療において、すぐにでも活かしていきたいと思いました。
来年は9/27-9/30 名古屋にて開催されます。

日本排尿機能学会 参加報告@ 日本排尿機能学会 参加報告A

第299回日本泌尿器科学会福岡地方会 症例発表 渡邊 舟貴

 平成29年7月22日の第299回日本泌尿器科学会福岡地方会で発表させて頂きました。
 私は約半年前まで初期研修医でしたが、今回は研修医の頃の発表とは異なり、福岡県内の泌尿器科の先生方が集結されるので、しっかりとしたプレゼンテーションをしなければならないと思い、とても緊張しました。
 私が発表した膀胱原発MALTリンパ腫の再発は稀な症例でしたが、上級医や他病院の先生方のお力を借りながら、無事に発表を終えることができました。
 第299回福岡地方会は、演題数が約40ととても多く、産業医科大学出身の先生や他病院の先生方が経験された貴重な症例を勉強することができ、とても良い経験になりました。
 また、発表の方法も十人十色であり、写真やグラフを使ってわかりやすくプレゼンテーションされている発表もあれば、術中の動画を使って臨場感が湧くような発表もありました。発表する際には、自分が症例を理解するだけでなく、聴者に分かり易く伝えることがいかに難しいかを実感しました。
 これから幾つもの学会に参加することになりますが、学ぶことが沢山あると思います。今後も発表や学会参加を通じて、学んだことを日々の臨床現場に活かしていきたいと思いました。

2017年度第111回九州泌尿器科連合地方会 症例発表

ご報告が遅れましたが、2017年度第111回九州泌尿器科連合地方会に城島先生が症例発表を行いました。
城島先生からのコメントを頂いたので写真と一緒にご覧ください。

本年度産業医科大学泌尿器科学教室に入局した城嶋です。去る5月に長崎で行われました第111回九州泌尿器科連合地方会で発表を行いましたのでご報告致します。診断に苦慮した症例のセッションにおいてBCG膀胱内注入療法後の結核性精巣上体炎について発表しました。初めての学会発表で緊張しましたが、大学の先生方が丁寧にご指導くださり、無事に発表を終えることができました。発表は準備が大変でしたが大変勉強になり、日常診療にも役立つ知識を多く得ることができました。今後も機会があればより大きな学会で発表したいと思います。また、翌日のボーリング大会では久々の投球に悪戦苦闘し、見事ブービー賞を獲得しました。狙ってとれる賞ではないので我々のボーリングを愛する気持ちがボーリングの神に通じたのではないかと思っています。

2017年度第111回九州泌尿器科連合地方会@ 2017年度第111回九州泌尿器科連合地方会A
2017年度第111回九州泌尿器科連合地方会B

第91回日本感染症学会総会・学術講演会/第65回日本化学療法学会学術集会 学会報告
松本 正広

 先日、平成29年4月6日(木)から4月8日(土)の3日間で、第91回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:岩田 敏、慶應義塾大学医学部感染症学教室教授)と、第65回日本化学療法学会学術集会(会長:草地 信也、東邦大学医療センター大橋病院外科教授)の合同学会が、京王プラザホテル(東京)において開催されました。
 学会のテーマは「継続は力〜感染症と化学療法の明日に向かって〜」でした。長年培われた日本の感染症ならびに化学療法の診療・研究の歴史を後進に伝え、日本医療の原点である"患者さん第一の医療"を継続することを願ったものということです。
 今回、様々なシンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップが設けられました。当科からは、M砂准教授と、松本が参加し、以下の発表を致しました。

  • M砂准教授
    シンポジウム 性感染症の治療におけるUp to date:「非淋菌性尿道炎の第一選択薬に何を選択すべきか」
    一般演題(口演)尿路感染症:「ESBL産生菌が検出された複雑性尿路感染症に対するfaropenemの臨床的検討」
  • 松本
    ワークショップ 周術期抗菌薬療法の"適正"を考える:「泌尿器科領域における周術期予防抗菌薬の適正使用」
    一般演題(口演)分離菌サーベイランス・疫学:「当科における尿中分離菌の年次推移と薬剤感受性の検討」

 現在、抗菌薬の不適切な使用を背景として、薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、国際社会でも大きな課題となっています。今後ますます、「適切な薬剤」を「必要な場合に限り」、「適切な量と期間」使用することが重要となります。我々も引き続き、感染症ならびに化学療法の診療・研究・教育に携わることができればと考えています。
 4月の東京は丁度桜が見頃で、学会場近くの東京都庁の桜もきれいに咲いていました。また、学会終了後は同じ分野の先生方と一緒に食事をさせて頂き、様々な意見交換をすることができました。
 来年は、2018年5月31日〜6月2日にかけて、第92回日本感染症学会学術講演会と第66回日本化学療法学会総会の合同学会が、岡山にて行われます。

第91回日本感染症学会総会・学術講演会/第65回日本化学療法学会学術集会@ 第91回日本感染症学会総会・学術講演会/第65回日本化学療法学会学術集会A
第91回日本感染症学会総会・学術講演会/第65回日本化学療法学会学術集会B
第91回日本感染症学会総会・学術講演会/第65回日本化学療法学会学術集会C

Advancements in Urology 2017 若手医師プログラムへの参加報告

 2017年1月11-14日に開催された日本泌尿器科学会、米国泌尿器科学会主催のAdvancements in Urology 2017の若手医師プログラムに参加して参りましたので、ご報告致します。
 場所は昨年のAUA同様California州San Diegoで行われ、日本からは50数名の先生が参加されていました。今回のプログラムの特徴の一つとして、アメリカの実際の医療現場に触れる機会が多く設けられていた点にありました。プログラムのほとんどはCalifornia大学San Diego校の大学病院であるJacobs Medical Centerで行われ、手術見学や手術のLive中継、カンファへの参加など非常に充実した内容でした。
 病院の敷地は大変広く、病院内は開放的で病院というよりはホテルに近い雰囲気でした。私はRALPを見学したのですが、高名な先生の手術を生で見ることのみならず、直接質問する機会を得ることが出来たのは大きな収穫でした。手術室のスタッフは皆さん明るく優しく受け入れて下さり、ドラマなどで見ていた世界に自分が迷い込んだような不思議な気分でした。
 カンファレンスで印象に残ったのは1カ月の間に生じた合併症症例など治療に難渋した症例を皆で見直す機会を作っていたことです。Residentが病歴を簡潔に提示し、最後に"what's happened" " why's happened" " what could we do"の項目に沿って、その症例の治療経過における問題点の整理、対応策を述べ、上級医がコメントやアドバイスを行っていました。経験した症例の中で示唆に富む症例を皆で共有する、非常に教育的で我々も取り入れるべき内容と感じました。
 プログラムの一つの特徴は、同世代の他大学の医師と時間を共にすることです。私を含め、多くの先生は一人の参加で、寂しさや心細さも手伝ってか、皆見学中やバスの移動中などに積極的に交流を深めていました。他大学でactiveに活動している同世代と話すことは非常に刺激的で、人の繋がりは大きな財産になりました。
 今回のようなプログラムは定期的に行われていますので、後輩にも機会があれば是非参加することを勧めようと思います。

Jacobs Medical Center 全景

Jacobs Medical Center 全景

Jacobs Medical Center入院棟

Jacobs Medical Center入院棟

カンファレンス風景

カンファレンス風景

学会参加記 湊 晶規

 早足に桜の季節も過ぎて、つつじが美しく咲く頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、平成29年4月21日から24日まで、私の故郷であります鹿児島市(城山観光ホテル・宝山ホール・県民交流センター)にて第105回日本泌尿器科学会総会が開催されました。前日までは雨模様でしたが、天候にも恵まれ、城山からの桜島の景色も目を見張るものがありました。1年間の泌尿器科医の集大成の学会であり、23の会場各所で汗ばむ陽気同様にアツイ発表、ディスカッションが繰り広げられました。
 私は今回、多数の手術セッションに注目していました。腎盂尿管移行部狭窄や膀胱尿管逆流症の小児泌尿器科手術、腎部分切除術の工夫、エキスパートからの提言;膀胱全摘除術、ここまで進んだ泌尿器科ロボット手術、ロボットに負けない泌尿器科手術、と大変興味深く拝聴しました。また、腎細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の治療経験についてもデータが出始めていました。20年来、本邦で治療法がほとんど変化していない尿路上皮癌に対する免疫チェックポイント阻害薬への期待も高まるところです。

 私は、第2病理学教室の野口紘嗣先生と行っている浸潤性膀胱癌の共同研究について、その成果の第2報を発表しました。当院からは以下の演題にて発表が行われました。

  • 膀胱癌におけるGPX2の発現:通常型尿路上皮癌と扁平上皮への分化を伴う尿路上皮癌との比較
    演者:湊 晶規
  • 去勢抵抗性前立腺癌に対する新規ホルモン剤の初期治療経験
    演者:福田 敦史
  • Abbot Real Time CT/NG assayを用いた、うがい液からのNeisseria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis検出の検討
    演者:松本 正広
  • 中・高リスク限局性前立腺癌に対する骨盤内リンパ節郭清術の意義
    演者:富崎 一向
  • 産業医科大学病院における入院患者の下部尿路機能評価〜特定機能病院で排尿自立指導は必要か
    演者:西井 久枝

濱砂准教授は、Update企画 尿路感染症・性感染症〜ゴールドスタンダードを考える〜にてシンポジニストを務め、ランチョンセミナー 慢性前立腺炎を斬る にて演者を務められました。

藤本教授は、JUA International sessionで以下の口演を行い、
Cessation of primary androgen deprivation therapy for men with localized prostate cancer; Is it acceptable?
以下のプログラムで座長を務められました。
Emerging Urology企画;T3前立腺癌の治療戦略

私の地元でありましたので、黒豚とんかつ、しろくま、地鶏、きびなごや鰹、炊き肉、薩摩揚げ、とんこつラーメン、焼酎と各種かごしまならではのグルメを皆に堪能してもらいました。

今回の総会で学んだことは、また日々の臨床に還元し、それぞれのリサーチ・臨床研究を来年に向けてまたこれからも積み上げていきます。
第106回は、平成30年の4月に京都で開催されます。

分子細胞研究会 参加報告 湊 晶規

 春の日差しが心地よくなってきました。桜の開花が待ち遠しい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 さて、平成29年3月10日から11日まで、大分県大分市の全労災ソレイユにて、第26回泌尿器科分子・細胞研究会が開催されました。私と藤本教授が参加してきましたので、報告します。本会は、基礎研究の登竜門とされ、4月に開催される泌尿器科学会総会の前哨戦という位置づけもあるようです。
 私は、昨秋から当院第2病理学教室の野口紘嗣先生と、浸潤性膀胱癌に対する共同研究を始めましたので、その成果の第一報を発表しました。
 「扁平上皮への分化を伴う尿路上皮癌におけるGPX2免疫染色の検討」
 基礎の会での発表は初めてでしたので、柄にもなく少し緊張しました。今後も少しずつこの仕事を形にしていければと思っております。
 会を通して、泌尿器科の基礎研究の最先端を目の当たりにしました。正直圧倒されましたが、無知の知!自分も気を引き締めてこれからも精進しようとモチベーションを刷新することができました。興味のある分野である前立腺癌の発表は特に勉強になりました。
 道中のソニックから望む別府湾の景色はすばらしかったです。さすがの温泉県と言いましょうか、ビジネスホテルでも温泉大浴場があり、日々の疲れも洗い流すことができました。仕事ではなく、ゆっくりと温泉宿に行きたいですね。
 また、あじ・さばはさすがに美味で、二人で舌鼓を打ちました。

 第27回は、平成30年の2月に東大の安田講堂で開催されます。これまた興味深いですね。
 まずは、来月に開催される第105回日本泌尿器科学会総会 in 鹿児島を目指してまた頑張ります。

解剖実習のご報告 藤本 直浩

 平成29年3月5日に、「平成28年度 泌尿器科における実践的な手術手技向上研修」を行いました。本年度で3回目となります。
本研修が九州では当大学だけであることから、昨年に九州沖縄各大学泌尿器科教授に本研修の案内をいたしました。その結果すぐに予定の15名の応募数に到達し、同門会以外からの先生方にも多数ご参加いただきました。同門会以外からは久留米大学および関連施設4名、長崎大学3名、佐賀大学および大分大学それぞれ2名、福岡大学1名、新行橋病院1名の先生方にご参加いただきました。

 講義および実習についての説明の後、解剖実習室に移動して、ご用意いただいた男性3体、女性1体で実習、各テーブルに当科助教以上が2名づつついて、補助を行いました。
両側の腎尿管、膀胱摘出、男性の場合は前立腺、尿道、精索、鼠径管から陰嚢内容の解剖理解、女性では子宮、卵巣の摘出を行いました。関連臓器として肝臓、脾臓摘除、腸管吻合も行った先生方もおられました。
終了後に参加された先生方から、次年度へ向けての改善点など、我々が気づかなかったような貴重なご意見をいただき、大変参考になりました。ありがとうございました。
参加していただきました先生方にとりまして、本研修が先生方の手術手技向上に役立つことを願っております。
 最後になりますが、ご献体いただきました皆様、準備等に多大なご協力をいただきました解剖学教室の先生方、スタッフの方々に教室員および参加者一同より深謝いたします。

平成29年3月10日

産業医科大学泌尿器科学講座
藤本直浩
教室員一同

第23回日本排尿機能学会 学会参加記 西井 久枝

 2016年12月6-8日 第23回 日本排尿機能学会(会長 東京大学大学院医学系研究科 コンチネンス医学講座 井川靖彦先生)が"コンチネンス医学:基礎と臨床の調和的発展"をテーマに東京国際フォーラムで開催されました。例年は9月に開催されますが、今年度は9月にICSが東京で開催されたために、クリスマスイルミネーションの美しいこの時期となりました。
 招請講演3題、教育講演1第、シンポジウム5企画、教育ワークショップ4企画、口演セッション12、ポディウムポスターセッション8つ、ポスターセッション8つ、さらには教育セミナーやイブニングセミナーが14企画と3日間に、濃密なプログラムが組まれていました。海外からは、Karl-Erik Andersson教授、Francisco Cruz教授、Marcus Drake教授、吉村直樹教授が、下部尿路機能のPharmacotherapyの将来や、間質性膀胱炎について、LUTSの新しい知見、低活動膀胱についての講演をされました。歴史的な背景や、これまでに判明したこと、これからの研究や治療ターゲットについての最新の講演が拝聴できました。
 また平成28年度からは排尿自立指導料が保険収載され、排尿ケアに対し公的サポートの足がかりができました。「地域包括ケアシステムにおける排泄指導の課題」というテーマのシンポジウムでは、医療施設や地域での医師、看護師などによる取組や連携についての議論がなされ、大切に取り組み結果を出して、カテーテル留置患者以外へも排尿ケアのすそ野を広げようという熱気を感じました。
 学会賞選考委員を仰せつかった縁で、学会長賞候補演題の臨床部門の座長を静岡県立総合病院の吉村耕治先生と一緒に務めさせていただきました。47題の応募から抄録を参考に基礎4題、臨床4題が選考され、発表8分、質疑5分で発表されました。どのご発表も内容、プレゼンテーションともに洗練されておりました。質疑では会場から多数の質問があり、活発な議論がなされました。
 男性用親水性コーティングカテーテルについての臨床研究の結果をポディウムポスターセッションで発表しました。カテーテルの選択肢が増えるのは、患者にとって恩恵と思われます。カテーテル使用を余儀なくされるのは排出障害患者ですが、どの時点で、どの検査結果をもってカテーテル使用を決断するか、というご質問があり、皆さん同じようなお悩みをお持ちだなと感じました。排出障害は、これからの大きな研究テーマであり未知の分野です。教育ワークショップ Female LUTS診療 updateでは、この尿排出障害:排尿筋低活動・低活動膀胱〜現状の問題点と今後の方向性〜についてお話しました。"定義"が提唱されましたので、今後はこちらを中心に、検査法などがより確立されていくものと思われます。
 教育セミナーでは間歇導尿の過去・現在・未来について発表しました。文献を調べてみますとエジプトの時代から導尿はなされており、さまざまな道具を利用して導尿がなされていました。対象疾患もかっては膀胱結石、前立腺肥大症であったものが、神経因性膀胱へと移行してきていること、素材の変遷、清潔間歇導尿の登場、留置カテーテルの登場など興味深い内容でしたので、聴衆の皆さまにも伝わるように発表を工夫しました。本邦の多くの多目的トイレの前には車いすマークが表示されていますが、導尿を行う患者の全員が車いすを使用しているわけではなく、導尿環境の整備も必要と思われることを発表しました。  多くの講演や発表を聴講し、まさに、基礎と臨床の調和的発展を具現化したような充実の3日間で、大変inspireされました。次回の日本排尿機能学会は2017年9月28日から30日まで東京で開催されます。

性感染症学会参加報告 松本 正広

 2016年12月1日から12月4日まで、岡山コンベンションセンターにおいて、19th IUSTI Asia-Pacific Conference(国際性感染症学会アジア太平洋地域)と第29回日本性感染症学会学術大会が共同開催されました。岸本寿男会長(岡山県環境保健センター所長)のもと、当科のM砂良一准教授が事務局長を務められました。M砂准教授の人脈により、アジア、オセアニア地域だけではなく、ヨーロッパやアメリカなど、世界各国から参加者が集まりました。学会参加者は、日本人の方が600名以上、海外の方も100名以上の方が参加され、非常に活発なディスカッションがなされました。懇親会では、会長自ら尺八を演奏されるなど、大いに盛り上がりました。
 今回、M砂准教授をサポートするため、松本の他、木室先生とベトナムからの留学生であるLeさんにも学会に参加してもらい、各会場の責任者として頑張って頂きました。木室先生が担当された会場にて、発表の先生が見当たらないというトラブルもありましたが、木室先生が英語で臨機応変に対応し見つけて頂き、大きな問題なく進行することができました。
 Leさんは、「男子尿道炎患者の口腔内から検出される性感染症原因微生物の検討」について、日本語で発表をしました。発表だけでなく質問に対しても日本語で答えることができていて、とても素晴らしい発表でした。
 松本は、「The detection of Neisseria gonorrhoeae or Chlamydia trachomatis from the oral wash specimens by Abbott RealTime CT/NG assay - prospective comparative study」という、Abbott Japanとの共同研究についてポスター発表をさせて頂きました。他施設の先生方とも有意義なディスカッションをすることができました。
 近年、世界各国で性感染症が増加傾向にあります。そして日本でも梅毒が増加傾向にあり、今回の学会でも梅毒について多くの話題が出ていました。また、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌と並んで「切迫したレベルの脅威のある微生物」とされている薬剤耐性淋菌は、世界各国で問題となっており、クラミジアやマイコプラズマと共に、薬剤耐性に関する問題が取り上げられていました。その他、性器ヘルペスやHIV、ジカ熱などのセミナーもあり、非常に有意義な学会となりました。
 次回2017年の第30回日本性感染症学会は札幌で開催されます。そして、次回20th IUSTI-APCは、2年後の2018年にニュージーランドで開催されます。

西日本泌尿器学会総会 参加報告 湊 晶規

 早いもので師走、本年も押し詰まってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。流行語大賞は「神ってる」とのことですが、そういう状況には遭遇されたでしょうか。
 さて、平成28年10月24日から27日まで、お隣の山口県は海峡メッセ下関にて、第68回西日本泌尿器科学会総会が開催されました。
 近場ということもあり、今回の学会は会場にこもりっきりで勤しみました。今トピックである腎の部分切除術、抗PD-1抗体オプジーボ(ニボルマブ)の教育講演は勉強になりました。当科におきましても、転移性腎細胞癌に対してオプジーボ投与開始の準備が間もなく整います。免疫チェックポイント阻害薬は北九州地区でも投与できる施設が限られます。当院は湊と藤本教授を窓口として症例の相談を受けますのでよろしくお願いします。
 また、ディベート企画「巌流島対決:前立腺肥大症、腎結石、男性不妊症、小児泌尿器科学のcontroversy」を大変興味深く拝聴しました。
 私自身は、当科における膀胱全摘除術の治療成績とNLRの有用性、予後の検討について演題発表しました。
 関門海峡の風は強く、寒かったですが、有意義な学会を過ごすことができました。なお、当医局出身の森山先生と富田先生に偶然お会いしました。また同門会での再会を楽しみにしております。

学会参加報告 富崎 一向

 秋も一段と深まり、朝夕の寒気が身にしみる時節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。この度私は11月17日から19日の3日間に大阪で開催された、第30回日本泌尿器内視鏡学会総会へ参加して参りましたのでご報告致します。
 今回会場となったグランフロントはJR大阪駅に隣接しホテル、多数のショップやレストラン、コンベンションセンターを有する巨大複合施設で、先日訪れた横浜にも負けず劣らず近未来的景観を呈しています。今回私はTUL術後の有熱性UTIをテーマにポスター発表を行いました。
 日本泌尿器内視鏡学会総会には今回初めて参加しましたが、すべての発表は動画を含んでおり、やはり画像やシェーマなどに比較すると理解が得やすく、今後の日常診療でも取り入れることができるような内容が多数ありました。また近年発展の目覚ましい分野であることから、新しい術式や機器を用いた工夫に関連した発表が多くみられ、普段からより良い手技を模索し創意工夫を行うことの重要性が身に染みる機会になりました。比較的若手の演者が多く、自分と同じくらいの先生が活躍されていることは、非常に刺激となりました。
 充実した学会参加であっという間の3日間でした。学会があまりに充実していたので、ほぼ学会場で時間を過ごし、串カツだるまへの訪問以外に現地調査を行うことができませんでした。来年徳島で開催される予定の第31回総会へも是非参加したいと思います。

癌治療学会参加報告 富崎 一向

 秋晴れの心地よい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 この度私は10月20日から22日の期間に横浜で開催された、第54回日本癌治療学会学術集会へ参加して参りましたのでご報告致します。
いきなり余談ですが、実は私は研修医の2年間を横浜で過ごしました。そのため羽田空港から横浜へ向かうバスがベイブリッジにさしかかり、みなとみらいのビル群が見えた時、青春の思い出が頭に浮かび、少しセンチメンタルな気持ちが胸にこみあげて参りました。そんなことが周りの人々に悟られぬように平静を装い一路会場へ向かいました。
 今回私はポスターセッションにおけるモデレーターと「膀胱癌に対するsecond TUR-Btの治療的意義」という演題名で発表を行いました。セッションへの参加人数はそれほど多くはありませんでしたが、その分ざっくばらんで活発な討議が行われ非常に充実した時間になりました。
 癌治療学会では、他科のがんに関する話題に触れることができることや著名な研究者の講演を聞くことができるのも魅力です。昨年はPD-1を発見された本庶先生、今回はノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅先生が講演をされていました。これまで講演を聞いて感じたのですが、本当に偉い先生は難しい内容を非常にシンプルにわかりやすく説明されます。スライドの内容にはほとんど文章が無く、ゆっくりお話しになります。自分の発表にも是非取り入れていくべき点であると思います。
 学会終了後は藤本先生と中華街で美味しいですが量の多い水餃子を堪能し、さらに念願であったハワイのパンケーキ屋「Eggs 'n Things」へおじさん二人で突入し、生クリームがチョモランマのようにそびえるパンケーキを食しました。残念ながら水餃子が胃に重くのしかかり、完食はできませんでしたが、気分がアガり気が付けばアロハポーズで記念写真に納まっていました。もちろん隣の女性客はあからさまに苦虫を噛み潰していました。
 来年の第55回日本癌治療学会学術集会も横浜で行われます。また1年研鑽を積み、参加をしたいと思います。以上ご報告致します。

第2回日本泌尿器腫瘍学会 参加報告 湊 晶規

 平成28年10月22日から24日までパシフィコ横浜にて、第54回日本癌治療学会学術集会が、24日から25日までランドマークホールにて、第2回日本泌尿器腫瘍学会がそれぞれ開催されました。当科からは湊、富崎、藤本教授が参加しました。
 私は泌尿器腫瘍学会で演題発表を行いましたので、泌尿器腫瘍学会の報告をします。大阪大学が主管、「伝統の継承と新たなる潮流」のテーマにて開催されました。
 日本人の2人に1人が癌に罹患し、3人に1人が癌で亡くなる時代です。その状況下で泌尿器領域の悪性腫瘍はほぼすべて増加傾向です。特に前立腺癌が国民病となるのは目と鼻の先です。我々悪性腫瘍の診療を主戦場としていますので、絶えず最新の知識を習熟することに奔走しております。今年度は、腎細胞癌にオプジーボが適応承認され、泌尿器科領域においても、抗がん剤から分子標的薬へ、分子標的薬から免疫チェックポイント阻害薬の時代へ移りゆく過渡期に入ってきています。
 関東は九州よりもやや肌寒く感じましたが、会場は熱気に包まれて多くの参加者で賑わいました。今回の学会プログラムは集中的にシンポジウム企画が練り込まれており、大変勉強になりました。これから専門医を目指す先生たちには系統的な学びの機会だと思うのでおすすめです。特に、精巣腫瘍における癌サバイバーの問題点と、長年治療法が変わらない膀胱癌における免疫チェックポイント阻害薬の可能性、については聞き入りました。

私は次の演題発表を行いました。

・尿路上皮癌における扁平上皮への分化は筋層浸潤性膀胱癌の予後不良因子である

以下、私が参加したプログラムです。

【22日 土曜日】

オープニングセミナー;腎細胞癌治療における免疫チェックポイント阻害薬の位置づけ
ランチョンセミナー;骨転移バイオマーカーとしてのBSI
シンポジウム1; 高リスク前立腺癌の治療
シンポジウム2 ; 膀胱癌治療の現状と今後への期待
シンポジウム3 ; 進行性精巣腫瘍治療における長期副作用と問題点

【23日 日曜日】

招聘講演 : Toward Personalized Management in Bladder Cancer; The Promise of Novel Molecular Taxonomy
シンポジウム4 ; 腎盂癌のマネジメント~放射線科医・病理医とのコラボレーション~
ケースディスカッション ; 診断・治療困難な腎癌症例
ランチョンセミナー ; CRPCにおけるCYP17阻害剤のClinical benefitを引き出すためのAEマネジメント
シンポジウム5 ; 前立腺癌診療における新しい取り組み

九州泌尿器科連合地方会学術集会参加記 山崎 清玄

 平成28年10月15日(土)、久留米市内の萃香園ホテルにて第110回九州泌尿器科連合地方会学術集会が開催され、症例発表を行いました。
 この学術集会は九州の各大学病院を中心に、診断に難渋した症例や治療に難渋した症例を持ち寄り、診断・治療方法などを発表するのですが、通常の学会発表とは異なりややフランクなのがこの学術集会の特徴です。具体的には画像所見を中心にクイズ形式で発表され、画像所見からどのような疾患が考えられるのか予想していくというものです。泌尿器科疾患ですので、副腎・腎・後腹膜・尿管・膀胱・前立腺・精巣(陰嚢)・生殖器と多岐にわたり、各大学とも非常に稀な疾患を発表されますので、画像所見からの診断するのはかなり難しかったです。画像所見の後は、その他の検査や術中所見が発表され最終的に病理結果を踏まえて最終的な診断がつきます。
 私も当院での稀な尿管疾患を発表しましたが、直前までは発表内容に不十分な点が多く、先生方に多大な叱咤激励・ご協力をいただき何とか発表にこぎつけることができました。今回の発表を通して、一つの疾患に対して診断に至るまでのアプローチ方法や整理した内容を分かりやすく伝えることの重要性を再認識させられました。
 翌16日は小雨の降りしきる中、恒例の野球大会が開催され、熊本大学さんと対戦しました。試合が進むにつれ、日頃の運動不足が顕著に表れていきましたが、全員大きな怪我なく試合を終えることができました。試合に参加するたびに「日ごろから体力をつけねば」と痛感させられますが、次回の開催までには実行に移すことができればと思います。

International Continence Society 学会参加記 西井 久枝

 2016年9月13-16日 ICS (International Continence Society; ICS; 国際尿禁制学会)が東京国際フォーラムで開催されました。アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米、南米、中東、アフリカなど世界中から2000名をこえる参加がありました。ICSの特徴は泌尿器科医のみならず、婦人科医や看護師、理学療法士や作業療法士など尿禁制や下部尿路機能に関わる様々な職種が参加することで、下部尿路の基礎から臨床、治療も手術、薬物治療からリハビリテーションまで幅広いテーマが取り上げられていました。
 今回のICSはState of the Art Lecture 3セッション、Round Table Discussion 10セッション、Point Counterpoint Discussion 1セッション、Satellite Symposium 3セッション、Podium 3セッション、Podium Short Oral 29セッション、Podium Video 1セッション、Podium Express 1セッション、Open Discussion ePoster 3セッション、Workshop 26セッションで盛りだくさんでした。Underactive bladderのworkshopでは、定義されていない定義の提案や、診断方法についても最新の話題提供があり、興味深く聴講しました。基礎、臨床部門で多くの日本人が発表されていました。
 また Internatonal Consultation on Incontinenceも同時開催されており、下部尿路機能に関する最新の見地をEpidemiology、Cell Biology、Fistula、Management using Continence Products, Pharmacotherapyなど23にわけてLectureがあり別室で音声とスライド放映されるほど盛況でした。出産に関連したFistulaなどは発展途上国では大きな問題なようでFistulaのセッションでも時間をとって取り上げられており、地域による医療の差を感じました。
 Podium Short OralのUrinary tract Inflammation and InfectionのセッションでイギリスのDr Lawrence Stewart, 台湾のDr Yao-Chi Chuangとともに座長を務めました。尿路感染症、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎など12の演題について発表がありました。フロアから質問がなかった場合に備え事前準備をして質問も用意していたのですが、杞憂で、白熱した議論があり、もっぱら時間調整に普請することとなりました。初めての国際学会の口演座長で大変に緊張していたのですが、Q & Aも盛り上がり、時間通りに終了できほっといたしました。貴重な経験をさせていただき感謝しています。
 Gala dinnerは椿山荘で開催され、早々にsold outとなっていたためか、会場でキャンセル待ちの長いリストが出ていました。dinnerは和やかな雰囲気で開催され、あっという間に終了の時間となっていました。
 ICS2017はFlorence, Italyで9月に開催予定です。

学会参加記 松本 正広
第13回国際尿路結石症学会(ISU2016)/ 日本尿路結石症学会第26回学術集会(JSUR2016)

 2016年7月19日〜22日に、第13回国際尿路結石症学会(会長:千葉大学大学院医学研究院 泌尿器科学 市川智彦 教授、共同会長:金沢医科大学 泌尿器科学 宮澤 克人 教授)と、日本尿路結石症学会第26回学術集会(会長:帝京大学ちば総合医療センター 納谷 幸男 教授)が、幕張メッセ国際会議場にて合同開催されました。
 本学会には世界各国から泌尿器科医だけでなく、内科医や基礎医学系の先生方も多く参加されており、尿路結石症が幅広い分野に及んでいる疾患であることを改めて感じました。また今回は日本開催という事もあり、日本の先生方も多く参加されていました。
 プログラムは、尿路結石の治療に関することだけでなく、尿路結石の形成や、再発予防に関する内容もあり、いかに尿路結石症の発症リスクを減らすかという事が重要なテーマとなっていました。
 今回私は、「Risk factor of febrile urinary tract infection after TUL and effect of preoperative antimicrobial therapy」についてポスター発表させて頂きました。日本尿路結石症学会での発表でしたが、ISU2016にも掲示され海外の方々も閲覧されるという事で、英文での作成となりました。尿路結石症の周術期感染症については他の先生方も非常に関心が高く、活発な意見交換ができました。
 また、JSUR2016では、Hands-on Seminarも開催され、私も「Stone Dusting / Fragmenting」に参加させて頂きました。大口東総合病院 松崎 純一先生による指導のもと、Dustingについて学ぶことができました。今後の診療にも直結するような、大変有意義な講習会でした。
 次回、日本尿路結石症学会第27回学術集会は、2017年8月25日(金)〜26日(土)に、野々村 祝夫 会長(大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科学 教授)のもと、千里ライフサイエンスセンターにて開催されます。また、国際尿路結石症学会は4年毎に開催されており、次回は2020年にギリシャにて開催予定です。

日本泌尿器科学会福岡地方会 第298会例会 参加報告 木室 里依子

 平成28年7月23日、第298回福岡地方会(電気ビルみらいホール)に参加してきました。
 泌尿器科医となって初めての発表でとても緊張しました。稀な症例についての発表だったので、症例を考察する際は上級医の先生や他科の先生に相談したりアドバイスを頂きながら、発表に向けて準備を行いました。福岡県内の泌尿器科のDrが集結する会で、泌尿器科1年目の私が発表するのはとても緊張しましたが、とてもよい経験となりました。
 今回の例会は30演題と多数あり、産業医科大学出身の先生方の発表や、他病院の先生方が経験された貴重な症例の発表を聞くことができ、とても勉強になりました。泌尿器科医として働き始めて4ヶ月、たくさんの症例を学ばせて頂きましたが、今回の例会で発表された症例の中にはまだまだ知らなかった病気や、今まで経験した症例と同じ診断でも、病態が異なったり、治療や経過が異なったりしていて、興味深いものばかりでした。他の先生方の報告で学ぶことがたくさんあり、このような会に参加して学ぶ機会を増やす大切さを実感しました。また金沢大学の溝上敦先生のご講演も聞くことができ、とても勉強になりました。
 今回、発表を通じて症例に対する考え方や文献を活用して臨床へ生かすことの大切さを学ぶことができました。また、他の先生方の発表を聞いて学ぶこともたくさんありました。今回学んだことを今後の臨床現場で生かしていきたいと思います。

第47回 腎癌研究会(25周年記念大会) 参加報告 福田 敦史

 2016年7月9日、第47回 腎癌研究会(会長 浜松医科大学 泌尿器科 大園誠一郎先生)が品川インターシティホールにて開催されました。
 Oral Sessionで20題、教育セミナーで愛知医科大学 病院病理部 都築豊徳先生の「分子標的薬剤治療後の腎癌の病理学的変化 −TKIは腫瘍血管にどのような変化をもたらすのかー」、International SessionではDr.Alain Ravaud、Dr.Steven C.Campbellの講演、Poster Sessionで19題、Symposium6題の発表がありました。都築先生の講演では、4種類あるTKIがそれぞれ腎癌の腫瘍に対してどのように作用しているのかを、多くのスライドでご講演いただき非常に勉強になりました。
 私は「腎癌に対する分子標的薬治療中に重篤な有害事象を認めた3症例」という演題でポスター発表を行いました。多くの先生方にディスカッション・コメントをいただき今後の治療の参考にさせていただきたいと思いました。
 腎癌研究会は今後法人化を行っていくとのことで、次回からは第1回腎癌学会とし、2017年7月8日(土)品川インターシティホールでの開催予定です。

第18回 日本女性骨盤底医学会 内視鏡と骨盤底医学 学会報告 長谷川 孝高

 2016年6月11日、12日 第18回日本女性骨盤底医学会 内視鏡と骨盤底医学(会長 産業医科大学・産婦人科学教授 蜂須賀徹先生)が北九州国際会議場にて開催されました。日本女性骨盤底医学会は2002年に発足したウロギネコロジー研究会を母体として2006年に日本女性骨盤底医学会と発展してきました。ウロギネコロジー(骨盤底医学)が、女性の高齢化に伴い出現する子宮、膀胱、尿道、直腸の骨盤底臓器の下垂や機能障害を診断・治療する分野であるため、泌尿器科医だけでなく、産婦人科医、下部消化管外科医、看護師、臨床検査技師、ソーシャルワーカーなど多彩な職種の医療従事者が集う学会となっております。
 私は2014年12月に若松病院に赴任したのですが、それ以前には骨盤臓器脱(POP)の診療に携わることはありませんでした。ただ、若松病院では産婦人科診療教授吉村和晃臨床先生を中心に骨盤臓器脱に対してTVM,LSCを合わせて年間に150例以上施行されており、術前後の排尿機能評価のコンサルトを受けていくようになりました。今回、学会発表させて頂きましたのも2015年7月に開催された第17回日本女性骨盤底医学会に誘っていただいたことがきっかけでした。
 学会を通して感じたことは、今回のテーマ「内視鏡と骨盤底医学」にもあるように初めて参加した昨年と比較してLSCに関連した発表が増えており、POPの領域も腹腔鏡手術が急速に広まっているなということでした。私の発表もLSCに関連したものでありましたが、まだまだ始まったばかりの術式であり、今後わかってくる点が多数ございます。症例の多い病院に勤務させて頂いているので来年も発表できるように努力を続けて参ります。

 産業医科大学からは、以下の演題にて発表が行われました。

  • 一般演題「排尿」骨盤臓器脱に対するLSCとTVM術後のLUTSについての検討
    演者: 長谷川 孝高
  • シンポジウム「各領域の内視鏡手術の現状とPOP手術について」
    泌尿器科の内視鏡手術の現状とPOP手術について
    演者: 藤本 直浩

 また、西井久枝先生は一般演題「排尿」の座長を務めました。
 第19回は2017年7月に福井大学医学部泌尿器科教授の横山修先生を会長に開催されます。

第64回 日本化学療法学会総会 学会報告 松本 正広

 2016年6月9日〜11日に、第64回 日本化学療法学会総会「化学療法の今後は?〜多方面からの再考〜」(会長 荒川創一)が神戸国際会議場で開催されました。日本化学療法学会は化学療法学に係る学理及びその応用に関連する事業を行うことにより、化学療法学の進歩、普及を図り、本邦における医療の発展、ひいては国民の健康増進に寄与することを目的としています。そのため、医師だけでなく、薬剤師、看護師、臨床検査技師など、様々な職種の方々が参加される学会で、今年は約2300名が参加されていました。
 内容としては、抗菌化学療法に関する基礎的・臨床的な内容から、チーム医療、そして創薬に至るまで様々なプログラムが組まれていました。特に、先日の伊勢志摩サミット(2016年5月26日、27日開催)でも議題に取り上げられ、世界的に問題となっている「薬剤耐性菌」に関して多くのディスカッションがなされており、改めて本学会の重要性を認識する場となりました。
 今回私は、尿中分離菌の薬剤感受性についての発表をさせ頂きました。他の施設からも同様の発表が多数なされており、多くの先生方と薬剤耐性菌に関して議論を交わすことができました。また、M砂准教授は、尿路感染症に対する抗菌薬治療に関する発表、尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドラインに関するシンポジウムでの講演、カテーテル関連尿路感染症に関する教育セミナーを担当されました。
 特別教育講演では、113番元素を発見された森田浩介教授がお招きされており、「113番元素発見への道のり」についてご講演されました(写真は、当日配布された、理化学研究所発行のパンフレット)。本学会が開催される前日の6月8日に、「ニホニウム」という元素の名称案が発表されたばかりであり、非常にタイムリーな話題となりました。新元素発見への難しさについて深く考えさせられる内容で、大変勉強になりました。ちなみに、森田教授が北九州市若松区出身であるという事にも驚かされました。
 そして、特別講演として、松本哲朗名誉教授による「尿路感染症への臨床試験が抗菌薬創薬に果たしてきた、そして今後果たすべき役割−UTI研究会からUTI共同研究会そしてAAUSへ―」のご講演もお聞きすることができました。「研究の重要性」について深く教わることができました。
 今回、いろいろな発見のある充実した学会となりました。次回は2017年4月に東京にて、第65回日本化学療法学会総会と第91回日本感染症学会総会の合同開催が予定されています。今後も積極的に参加し、情報発信を行っていきたいと思います。

元素発見の歴史
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第29回 日本老年泌尿器科学会 学会参加記 西井 久枝

2016年5月13日、14日 第29回日本老年泌尿器科学会 高齢社会に輝く泌尿器科〜過不足ない医療・介護を目指して〜(会長 原三信病院副院長・泌尿器科主任部長 山口秋人先生)が福岡国際会議場にて開催されました。老年泌尿器科学会は1989年に老人泌尿器科研究会を母体として発足し、早くより看護、介護関係者が参加されたとのことで、今回も泌尿器科医のみならず、看護師、介護士、理学療法士など多職種の参加が見られました。
基調講演2つ、特別講演2つ、教育講演3つ、シンポジウム4つ、教育セミナー9つ、イブニングセミナー4つに加え、学会賞口演5つ、一般口演9つ、ポスターセッションと一日半に充実したプログラム満載でした。シンポジウム2 地域で取り組む排泄ケアで北九州市における行政主導の排泄ケアへの取り組みを発表いたしました。行政主導で排泄ケアに関する多職種ネットワークが形成され、市民から相談を受ける相談窓口があり専門相談員が常駐している点、啓発の場があることなど、大変恵まれた環境の中、排泄ケアに関する活動ができていることを改めて感じました。会員懇親会では、福岡の美味しい食べ物、お酒が提供され、全国から集まった参加者の皆さんは大変喜ばれていました。2日目には学会賞口演 尿失禁のセッションの座長を務めさせていただきました。泌尿器科医、看護師、理学療法士といった立場の異なる方の、さまざまな取り組みが発表され、質疑応答も多いに盛り上がりました。特別講演2では、厚生労働省医政局の迫井正深先生が地域包括ケアシステムについて講演され、これまで書物やwebで知っているつもりになっていた地域包括ケアシステムがどのような仕組なのか、どのような意図を含むものかがよく分かりました。臨床現場では医師は病院に来院される患者に対し診断、治療を行うことが主たる仕事ですが、超高齢化日本においては、「介護」、「医療」、「予防」という専門的なサービスと、その前提としての「住まい」と「生活支援・福祉サービス」が相互に関係し、 連携しながら在宅の生活を支えていくという点を念頭におく必要があるとのことでした。
800名を越える方が参加され大盛況のうちに学会は終了いたしました。山口会長の掲げられた"高齢社会に輝く泌尿器科〜過不足ない医療・介護を目指して〜"のテーマの通り、高齢社会での泌尿器科の役割、不足だけではなく過剰ではない医療・介護を考えさせられる学会となりました。第30回は2017年6月に東京にて日本大学 泌尿器科の高橋悟先生を会長に開催されます。

学会参加記 AUA2016 富ア 一向

2016/5/6-10の期間に開催されたAUA2016(米国泌尿器科学会)に参加して参りましたので、御報告します。
今回の開催場所であるサンディエゴはカリフォルニア州の南部に位置し、州内ではロサンゼルスに次ぐ第二の都市です。メキシコ国境に近く、市内にはメキシコ料理店やメキシコ出身であろう人々多数見かけます。南部なので暖かいイメージを持っていましたが、むしろ気温は日本より低く、夜は肌寒いくらいの気候でした。市街は比較的コンパクトで治安は良く、夜間の外出も大きな不安は感じませんでした。
今回私は上部尿路上皮内癌に対するBCG療法に関する発表を行いました。初めての海外での口演発表であったこともあり、発表前日夜中2時に目が覚めてしまうなど非常に緊張しましたが、何とか無事に終えることが出来ました。
本学会には参加したのは初めてでしたが、普段は第三者を経てしか聞くことが出来ない最新の話題を身近に聞くことができ、世界のトレンドを肌で感じることが出来たのは大きな収穫でした。また、海外の演者のプレゼン能力の高さには驚きました。まるで演説を聞いているかのごとく引き込まれる話術と、若い医師でも自分の意見を堂々と話す姿勢は見習うべきものでした。
学会には米国以外にも欧州や日本からも多数の参加者が訪れており、学会期間中に他大学の先生方と食事をする機会がありました。研究活動を非常にアクティブに行われている先生方との話は、興味深く大いに刺激を受けました。
来年の米国泌尿器科学会は東海岸ボストンで行われる予定です。次回も学会へ参加できるようまた一年間頑張りたいと思います。最後にご指導頂いた藤本先生、不在期間ご迷惑をおかけした医局員の皆様に深く感謝いたします。

学会報告 EAU 2016

今年のEAU(欧州泌尿器科学会)は3月11日〜15日までドイツのミュンヘンで開催されました。本学会は米国のAUAと共に世界で最も大きくかつ充実した学会で、今年も118か国から約13000人が参加し、日本からも毎年多くの泌尿器科医、医療関係の方々が参加されます。内容はほとんどの泌尿器科に関連する基礎的・臨床的内容で、新しい情報から歴史に至るまで多彩な内容に富み、なんとなく座って聞いていても得るものがあります。私が担当した膀胱癌の基礎のセッションでは、長きにわたり目覚ましい進歩がないように感じる膀胱癌も基礎的には非常に面白く将来が楽しみな発表がありました。また14演題中4題が日本の先生方の発表で同じ日本人としてうれしく思いました。来年は当科からも多くの発表ができることを期待します。数年前までかなり多くのセッションを占めていたロボット支援手術やCRPCに対する新規薬剤の発表は少し落ち着いた感じがありました。EAUと各国(日本、韓国、中国、イラン、アラブ諸国など)の泌尿器科学会とのjoint sessionも多数あり、各国の状況を覗くのも面白いです。
ミュンヘンはビールとBundesligaの強豪バイエルンミュンヘンで有名です。町は歴史を感じる趣のある建物も多く、私たちが行ったビヤホール(HOFBRAUHAUS)はヒトラーが演説したと言われるところで、多くの人で賑わってました。日本人観光客が多いのかウェイターは片言日本語を話してました。食事は特にすばらしいということはありませんでしたが、ビールはおいしい気がしました。ドイツの食事は基本的には質素で飾り気はなく、一つの皿しか使わないone plateということを聞きました。また、鹿児島大学の中川教授に誘っていただき、ロマンチック街道を通って日帰りバスツアーに行きました。目玉はシンデレラ城のモデルになったノイシュバンシュタイン城の見学で、外観だけではなく内部も確かに見て損はない、という見る価値あるところです。ただ山の中腹にあり、かつ多くの観光客がいるのでなかなかいいアングルでの写真は撮れません。その中で看板にできるような見事な写真を撮っている中国からの人がいましたが、それもそのはずで目の前にある本物のお城ではなく、入り口に立ててあるお城の看板を撮影してました。また世界遺産の教会も見学、珍しいホットワインも体験し雪がちらつく日でしたが体が温まり充実したツアーでした。 その他BMWの本社の見学に行き、頑張れば買えるかな、頑張っても買えないな、という車をたくさん見ました。
学会に参加することにより多くの刺激と今後へのヒントを得ることができますので、積極的に参加されることをお勧めします。来年はLondonです。

学会参加記 湊 晶規

この度は、熊本震災に被災された方々、およびその関係者の方々には、心よりお見舞い申し上げます。
平成28年4月23日から25日まで、第104回日本泌尿器科学会総会が、杜の都 仙台で開催されました。伊達政宗公像のお膝元、仙台国際センターが会場でした。
天候にも恵まれ、今年も盛況な会となりました。

【23日 土曜日】

泌尿器科領域においても、新専門医制度への移行が決まりました。私自身、来年度更新控えていますので、単位取得に奔走した初日となりました。
卒後教育プログラムでは、泌尿器科外傷・救急のマイナーエマージェンシーを皮切りに、必修項目である医療安全、医療倫理の単位を取得しました。また、指導医教育コースの高齢者癌治療について参加し、単位取得しました。

【24日 日曜日】

私が重きを置いている分野に焦点を当てる1日としました。
まず、高リスク前立腺癌に対する治療戦略や、去勢抵抗性前立腺癌の新規ホルモン剤の選択などのパネルディスカッションで学びました。昼からは、手術手技の向上を目指して、フロンティア企画の膀胱全摘、前立腺全摘術後尿禁制対策、腎癌の集学的治療と集中的にシンポジウムに参加しました。

【25日 月曜日】

泌尿器科腫瘍の放射線治療のプログラムを受け、上部尿路癌のシンポジウムに参加しました。午後、自らの口演発表を無事に終え、帰路につきました。

当院からは、以下の演題にて発表が行われました。

  • 好中球/リンパ球比(NLR)は局所浸潤性膀胱癌の予後予測因子となりうるか
    〜ネオアジュバント化学療法後の膀胱全摘症例の検討〜
    演者: 湊 晶規
  • 尿路ドレナージを要した閉塞性腎盂腎炎の検討
    演者: 福田 敦史
  • 当院における膀胱全摘除術の手術部位感染症に関する検討
    演者: 松本 正広
  • DICを伴った尿路感染症患者に対するATおよびγTM投与の効果
    演者: 大坪 広樹
  • 膀胱癌に対するsecond TUR-BTの必要性
    演者: 富崎 一向
  • 産業医科大学病院に入院した尿路上皮癌患者治療における緩和医療との連携
    演者: 西井 久枝

また、藤本教授は、前立腺腫瘍/マーカーのセッションの座長を、濱砂准教授は、感染症/膀胱・DICのセッションの座長を務めました。

総会は、日本で行われる泌尿器科の学会では最も大きな会であり、1年間の集大成の場でもあります。自らの発表だけではなく、多くのシンポジウム、セミナーも企画され、この上ない学びの場です。今後、当医局の後進の先生方にも積極的に発表・参加していただきたいなと考えています。
来年は私の地元、鹿児島で開催されます。

学会参加記 西井 久枝

2016年3月31日から2016年4月2日に第14回 Asia-Oceania Federation of Sexology がThink Sexual Rights, Talk Sexual Healthをテーマに韓国 釜山で開催されました。桜が満開の良い気候に恵まれ、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、モンゴル、インド、パキスタン、台湾、中国、日本、ウズベキスタン、カザフスタン、日本から泌尿器科医、婦人科医、社会学者、セックスセラピスト、性人権活動家が集まりました。アジアにおける性、性の歴史、コンドームの歴史、メディアと性といったテーマから、EDやPremature ejaculationの治療、男性および女性不妊と性、女性性機能障害、性教育、bisexualやtransgender、性暴力といったテーマで1つの大会場、2つの小会議場にて、Satellite symposium 4つ、Plenary Session 2つ、Symposium 2つ、Special lecture 2つ、Podium 4つ、Urology Expert Meeting が行われました。日本からは私の発表を含めて、東邦大学、川崎医科大学、昭和大学からPodium Sessionでの発表がありました。藤本教授はSymposium I : Sexuality in AsiaのセッションでSexual Function of Working Men and Patients in Japanを講演され、草食系男子について会場から多くの質問を受けました。私はBPH/LUTS男性に対するtadarafil 5mgのLUTSおよび性機能に与える影響をPodiumで発表させていただきました。EDやPEについてのまとまった講義を受け、日本の性機能学会でも取り上げないようなテーマ、国特有の事情など知ることができ貴重な学会に参加させていただいたと感謝申し上げます。
3月31日はGala dinnerがあり韓国の民族音楽が披露され、4月1日はPresidential Dinnerが開催され韓国Girls' Percussion Groupによる打楽器演奏が披露され大変盛り上がりました。またこの席で3名の学会長賞の発表があり、"Size does matter?"について発表されたインドネシアの先生、"Unexplored Problems of PCOS Patients"について発表されたインドの先生、" 陰茎/上腕血圧比の検討"について発表された川崎医科大学の先生が受賞されました。 アットホームな雰囲気で開催され和やかな雰囲気で最終日を迎えました。第15回 AOFS conferenceは2018年8月にIndia Chennaiで開催されます。

文責:産業医科大学泌尿器科学
更新日:2019/10/08

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