産業医科大学 臨床検査・輸血部

臨床研究

患者様へ

 本院は大学病院であり、良質な医療の提供、学生の教育以外に、実地に即した臨床研究(観察研究)を行っています。このため患者様から得られた検査データを後日、研究解析のために使用させていただく場合がございます。
 また、正確で信頼性の高い検査結果を患者様ヘ提供するにあたり、検査を行うためにご提供いただいた検体の残余血液を有効に利用させていただくことがあります。
 この場合、患者様のお名前などの個人情報を公にすることはー切ありません。研究の妥当性を倫理委員会で承認していただきますので、ご安心、ご了承ください。
 本邦独自の研究成果は、今後の診療の上で皆様のお役に立てるものであり、ご理解いただければ幸いです。
 この件に関して、こ不明な点がありましたら、臨床検査・輸血部ヘお問い合わせください。
 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

臨床研究のご紹介

竹内 正明 前部長の業績

1. 心臓MRIフィーチャートラッキング法によるストレイン値を用いた心不全患者の予後予測の検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Magn Reson Imaging. 2017;45;1034-45.

2.心不全患者の予後予測因子としてBNP、NT-proBNPのどちらが有用か?

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
  J UOEH. 2020;42;1-12.

3.3次元心エコーにより求めた左室心筋重量は無症候性重症大動脈弁狭窄症患者の予後予測因子となり得るか?:後ろ向き研究

 ※症例数が充分集まらず、統計学的検出力が不足しているため、論文化は断念し、研究を終了しました。ご協力ありがとうございました。

 

4. 心不全入院患者の予後予測における至適な心エコー図検査のタイミングは?:多施設共同研究

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました
 
ESC Heart Failure. 2020;7;4213-21.

5. 本邦の心不全患者でビタミンD不足は存在するか?

6. ビタミンDは心不全患者の新たな予後予測因子となりうるか?

 ※研究は終了し、結果は5・6をまとめ投稿し、学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
  J Card Fail. 2018;24;803-5.

7.骨髄異形成症候群(MDS)の画像判定サポートシステム開発のための試料提供協力

 ※予定どおり、MDS症例の保存済み末梢血塗抹標本について、熊本大学医学部付属病院中央検査部に試料提供を行い、本研究は終了いたしました。またこの結果をまとめた論文が学術誌に掲載されました。
ご協力、誠にありがとうございました。
 Leukemia research 2018;69:54-9.

8. 心エコー画像の心内膜をトレースすることにより得られる、左室容量・左室駆出率は異なる技師でどの程度ばらつくのか?:介入前後での検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 
Cardiovasc Ultrasound. 2019;17;23.
 

9. 異なる技師による左室容量・左室駆出率の計測に心エコーの画質や疾患の違いは影響するか?

 ※解析結果から新規の結論が出ず、論文化は断念し、研究を終了しました。ご協力ありがとうございました。
 

10. 全自動左室機能解析ソフトの有用性に関する検討

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。
 

11. 心臓3次元自動解析ソフトによる左房容量計測の有用性に関する検討

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

12. 重症大動脈弁逆流患者におけるglobal longitudinal strainの予後予測能に関する検討

 ※研究は終了しました。論文を作成し、現在投稿中です。

13. 心エコー図法を用いた軽度および中等度大動脈弁狭窄症患者における予後予測因子の検討

 ※解析結果から新規の結論が出ず、論文化は断念し、研究を終了しました。ご協力ありがとうございました。

14. 2次元心エコー図法、3次元心エコー図法およびドプラー法による計測値の違いが大動脈弁狭窄症の重症度評価に及ぼす影響についての検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 
J Am Soc Echocardiogr. 2018;31;1080-90.e3

15. 全自動左室機能解析ソフトの予後予測能に関する検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 PLoS One. 2020;15;e0234294.

16. 大動脈弁狭窄症患者における進行度と左室機能の経時的な変化:3次元スペックルトラッキング図法による検討

 大動脈弁狭窄症の重症度の評価は、大動脈弁を通過する血流速度や大動脈弁口面積により行われますが、大動脈弁狭窄症の進行に伴う左室機能への影響は個々の患者さんで異なる可能性があります。しかし、疾患進行に伴う左室機能の変化については明らかにされていません。本研究では、大動脈弁狭窄症の進行に伴う左室機能の変化とその関係を明らかにすることを目的にし、研究結果により個々の症例における左室機能を含めた重症度評価や適切なフォローアップのタイミングを判断することが可能となり、より正確な治療につながると考えています。

 平成24年1月から平成29年7月の間に大動脈弁狭窄症を指摘され、複数回心エコー図検査を受けられた患者さんへのお知らせ

17. 検体の保存条件による25(OH)ビタミンD安定性の検討

  ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。
 

18. 心房細動患者の左室・左房容量計測に必要な平均心拍数の検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2019;32;495-502.e3.

19.自動3次元右室容量・駆出率解析ソフトの比較および有用性の検討

 ※研究を終了しました。比較数が少なく、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

20.右室駆出率の至適カットオフ値に関する検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2020;33;995-1005.e1.
 

21. World Alliance Societies of Echocardiography (WASE) Normal Values Study(世界心エコー図学会連合による心エコー図検査計測値の正常値についての研究)

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2019;32;1396-1406.e2.
 J Am Soc Echocardiogr. 2020;33;1223-33.
 J Am Soc Echocardiogr. 2021;34;286-303.

22.大動脈弁狭窄症の重症度評価の検討にコアラボ(拠点施設)は必要か?

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念し ました。ご協力ありがとうございました。

23. 圧力回復現象による重症度評価は本邦の大動脈弁狭窄症患者の予後予測に有用か?

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2019;32;351-8.e3.
  

24. 3次元心エコーによりもとめた右室駆出率の予後予測能は拡張型心筋症患者と虚血性心筋症患者で異なるか?:単施設後ろ向き研究

 ※研究を終了しました。現在解析中です。ご協力ありがとうございました。

25. 新しい心エコー図指標による心臓再同期療法への治療反応予測に関する検討

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

26.全自動左室容量・駆出率解析ソフト(Heart Model)の至適境界設定値の決定 

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 
PLoS One. 2019;14;e0211154.

27. MALDIバイオタイパー導入による医療効果・経済効果の検討

 ※研究を終了しました。研究結果を学内にて発表しました。ご協力ありがとうございました。

28.トロンビン・アンチトロンビン複合体検査試薬「ナノピアRTAT」の基礎的検討

 ※研究は終了し、結果は第53回日臨技九州支部医学検査学会に発表されました。ご協力誠にありがとうございました。

29. 3次元心エコー図画像を用いた左室・左房容積比(LV/LA volume ratio)の正常値と予後予測能に関する検討


 予後予測に関する研究は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
J Cardiol 2021;78:406-412

 

30. 2次元心エコー検査による心アミロイドーシスの診断におけるapical sparingの有用性に関する検討

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

31. 2次元スペクルトラッキング心エコー図法による大動脈弁狭窄症例における心臓アミロイドーシス合併の検討

 ※研究は終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができましたが、同様の研究結果が学術誌に掲載され、新規性がなくなったため、投稿を断念しました。ご協力ありがとうございました。
 

32. 心エコー図検査及び心臓MRI検査による心機能指標の予後予測能に関する検討

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

33.2次元心エコー及び3次元心エコーによる左房長軸方向ストレイン値の比較と、その相違の要因に関する検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 PLoS One. 2021;16;e0250089.

34. 心エコーにおける次世代解析ソフトウェアの正確性に関する調査研究

 ※研究は終了し、ソフトウェア開発元にフィードバックしました。ご協力ありがとうございました。

35. 2次元心エコー図画像を用いた新しい左室機能自動解析ソフトウェアの正確性及び再現性に関する検討:後向き研究

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 PLoS One. 2019;14;e0221204.

36. 無症候性大動脈弁狭窄症患者における全自動2次元心エコー図ストレイン解析ソフトウェアでの左室、左房、右室ストレイン値の予後予測能に関する検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 Heart. 2020;142;1-12

37. 全自動2次元心エコー図ストレイン解析値、BNP値および心不全リスクスコアによる心不全患者の予後予測に関する検討

 研究は終了しましたが、有益な結果を導けず、論文化は断念しました。

38. 3次元右室機能解析ソフトウェアを用いた3方向右室駆出率、ストレイン値の予後予測能に関する検討

 結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
JACC Img 2023;16:1005-1018

39.3次元心エコー画像を用いた右室ストレイン解析の正常値に関する2施設共同研究

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2020;33;995-1005.

40.本邦の症候性大動脈弁狭窄症患者に対する治療の現況:多施設共同研究

 ※研究を終了しました。解析結果から有意な結論を導くことができず、論文化は断念し ました。ご協力ありがとうございました。

41.心房細動患者における平均左室1回拍出量の推定に必要な連続心拍数の検討

 研究は終了しましたが、有益な結果を導けず、論文化は断念しました。
 

42.左室駆出率の保たれた心不全患者の三尖弁閉鎖不全症と予後との関連についての検討

 ※症例数が集まらず、研究を終了しました。ご協力ありがとうございました。

43.無症候性大動脈弁狭窄症患者に対し、二次元心エコー、三次元心エコー指標を用いたクラスター分析による予後予測の有用性についての比較検討

 ※研究を終了しました。結果に臨床的有用性が認められず、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

44.次世代心エコー解析ソフトウェアを用いた全自動3次元右室機能解析の予後予測における有用性の検討

 ※研究は終了し、結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
 J Am Soc Echocardiogr. 2021;34;117-26.

45.3次元心エコーによる左室、左房、右室駆出率の心予後予測能に関する検討

 ※研究を終了しました。使用予定の解析ソフトウェアが開発中断となり、論文化は断念しました。ご協力ありがとうございました。

46.生化学測定装置による新しいBNP測定法の予後予測能に関する検討

 結果は学術誌に掲載されました。ご協力誠にありがとうございました。
PLoS ONE 2022;17:e0268895

47.全自動左室、左房、右室ストレイン解析とBNPによる心不全患者の予後予測に関する検討

 研究は終了しましたが、有益な結果を導けず、論文化は断念しました。

48.POT(PCR-based ORF Typing)法によるClostridioides difficileの分子疫学解析

 C. difficileは偏性嫌気性グラム陽性桿菌で、腸管内や環境中に広く生息しており、1978年に抗菌薬関連腸炎である偽膜性大腸炎の原因菌として報告されました。
 C. difficileを保菌しても必ず病原性が発揮される訳ではなく、抗菌薬暴露や抗がん剤・免疫抑制薬・副腎皮質ステロイドなどのリスク因子が加わることでC. difficile 関連下痢症や偽膜性大腸炎などの感染症を発症します。C. difficileは、芽胞を形成することで消毒剤や抗菌薬にも抵抗性を示すため、院内感染や抗菌薬関連腸炎の原因菌として重要です。そこで、C. difficileの遺伝子型の解析を行い、病院内でのヒトや環境を介した病原菌の伝搬が過去に発生していないか、検出された毒素と臨床症状の関係性を調査し、今後のより良い院内感染症対策に役立てます。


 2018年1月から2020年12月に偽膜性大腸炎、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)関連下痢症と診断、また、C. difficileが便検体から検出された患者さんへのお知らせ

49.当院において感染性心内膜炎と診断された症例の細菌・生理学的検討

 感染性心内膜炎は、弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌集簇を含む疣腫を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害などの多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患であり、早期診断および早期治療が極めて重要です。
感染性心内膜炎の診断は、敗血症に伴う臨床症状、血液中の病原微生物の確認、疣腫などの感染に伴う心内構造の破壊の確認に基づいて行われ、特に、血液培養、心エコー図検査結果がその診断に必須です。
近年、感染性心内膜炎の主な原因とされていたリウマチ性弁膜症が減少し、新たに人工弁使用者、血液透析、血管カテーテル、ペースメーカーなどの人工物挿入患者の増加、また、原因菌の変化、罹患年齢の上昇などが報告されています。

これらの臨床変化は治療方針に大きく影響を与えるため、当院の臨床的傾向を把握することで、今後の感染症診断および治療方針へ貢献します。


2013年1月から2022年12月までに感染性心内膜炎と診断された患者さんへのお知らせ

50.心臓MRI連続短軸画像から左室、右室の容量、駆出率を自動計測する深層学習人工知能ソフトウエアーの精度、予後予測能の検討

 心臓MRI検査は、時間的・空間的分解能に優れ、心臓の形態や機能を評価できる最も信頼性のある検査として、循環器診療に使用されています。なかでも心臓MRI検査画像から計測される左(右)室駆出率は治療の適応を決める上で重要ですが、その測定は徒手的に行われることが多く、測定者によりばらつきが生じます。
 最近深層学習を心臓MRI短軸画像に応用し、心臓MRIの短軸画像から左室駆出率と右2室駆出率を自動で計測する全自動ソフトウエアーが開発されました。
 そこでこの人工知能ソフトウエアーが本邦の患者さんにも有用であるかどうかを検討することで、その診断精度を検証することは重要であると考えました。


西暦2014年1月から西暦2022年12月の間に当院で心臓MRI検査を受けられた方及びご家族の方へのお知らせ

51.拡張型心筋症と虚血性心筋症患者における3次元右室駆出率の予後予測能に関する検討

 心エコー図検査は、非侵襲的に、簡便に繰り返し施行でき、心臓の形態や機能をリアルタイムに評価でき、心臓病患者さんの診断や治療経過、予後評価を行え、循環器診療においては不可欠な検査法です。なかでも心エコー図検査から得られる左室駆出率は治療の適応を決める上で非常に重要とされています。一方で、右室駆出率は、右室の形態が複雑であるため、2次元心エコー図検査による評価に限界があります。しかし、近年の3次元心エコー図検査における医療機器とその解析技術の進歩により、右室形態や機能評価の正確性が向上してきています。我々はすでに3次元心エコー図検査で求めた右室駆出率は、患者さんの予後を予測する上で有用であることを報告しました(Circulation; Cardiovascular Imaging 2017;10:e005384. 本学倫理委員会審査承認番号:H27-213)。しかしながら、その研究は、様々な心臓病を抱えた患者さんを対象としており、ある特定の心臓病による右室駆出率の予後との関連は検討されていません。そこで私たちは、日常臨床でよく見かける拡張型心筋症と虚血性心筋症の右室駆出率の予後予測能を別個に評価することは臨床上重要であると考え、3次元心エコー図検査から算出された右室駆出率が予後に及ぼす影響についての研究を行うこととしました。

 西暦2008年1月から西暦2018年12月の間に当院で2次元および3次元心エコー図検査を受けられた方及びご家族の方へのお知らせ

  
PAGE TOP