産業医科大学 臨床検査・輸血部

生理機能検査

循環生理学的検査

 不整脈や心筋障害の評価に心電図を、運動で誘発される狭心症の評価に運動負荷心電図(トレッドミル)を行なっています。
 動脈の硬さや血管のつまり具合を評価する血圧脈波,心室遅延電位を検出して突然死の予知予防に加算平均心電図,自律神経による起立性調節障害の評価にOD負荷を行なっています。
 日常生活の心電図を記録するホルター心電図(24時間)と、さらに最長3週間記録可能な長時間ホルター心電図も行なっています。
 どの程度の運動が安全で効率的に行なえるかどうかを評価する心肺運動負荷試験(CPX)を行なっています。

循環生理関係

血圧脈波     心電図        運動負荷心電図

神経生理学的検査

 成人脳波,小児脳波,睡眠脳波は意識消失やけいれんの原因究明に行なっています。
 末梢から脳幹および大脳皮質の機能評価に体性感覚誘発電位、音を聞く検査ではあるが聴力検査とは違い音に対する脳幹部の反応をみる聴性脳幹反応、視神経の機能評価に視覚誘発電位、末梢神経障害の有無の評価に神経伝導検査、錘体路の機能評価に運動誘発電位を行なっています。
 日中の過度の眠気を引き起こす疾患の評価には反復睡眠潜時試験(MSLT)を行なっています。
 いびきをかいている人は睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査として簡易型睡眠検査を、その疑いがある場合は病院に1泊して終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)を行なっています。

神経生理関係

脳波計            誘発筋電計

聴力平衡機能検査

 標準純音聴力,標準語音聴力,簡易聴力,耳鳴検査,後迷路機能検査(Bekesy),内耳機能検査(SISI,ABLB),チンパノグラム,耳小骨筋反射,耳音響放射検査(DPOAE),音声検査を行なっています。  新生児の他覚的聴覚検査として聴性脳幹反応(ABR),聴性定常反応(ASSR)を行なっています。顔面神経麻痺の検査としてENoGなどを行なっています。
 嗅覚障害の程度や治療効果の判定に基準嗅覚検査(オルファクトメトリー)を行なっています。
●平衡機能関係には以下の検査を実施しています。
 重心動揺検査,自発眼振,注視眼振,頭位眼振,頭位変換眼振,温度眼振,指標追跡検査,視運動性眼振,視運動性後眼振の検査を行っています。検査時は赤外線CCDカメラを用いて眼振の様子を確認して行なっています。

聴力関係

聴力検査            平衡機能検査

腹部・体表超音波(エコー)検査

 エコー検査は被爆が無くどなたでも安心して受けられる検査です。検査部位にゼリーを塗りプローブを当てます。検査時間は10〜30分程度です。腹部エコー検査では主に肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、前立腺、子宮などが対象となり、腫瘍や結石の有無、臓器の大きさなどがわかります。胸の下から腰骨のあたりまで腹部を露出していただきます。検査部位により絶食や排尿を我慢していただくことがあります。体表エコー検査は主に乳腺、甲状腺などが対象となり腫瘍の存在診断のみならず良・悪性診断にも役立ちます。乳腺エコーは上半身の服を脱ぎ、両腕を挙げた状態で検査します。

腹部・体表超音波(エコー)検査室

心臓・血管超音波(エコー)検査

 心臓エコー検査は心臓の形態や動き、弁の状態、血流の状態などをみる検査です。心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全、先天性心疾患など心臓のさまざまな病気の診断や治療に不可欠な検査です。横向きに寝た状態で胸にゼリーを塗り、肋骨に沿ってプローブを押し当てて行います。検査時間は15〜30分程度です。血管エコー検査は頸動脈、下肢動脈、腎動脈、下肢静脈など全身の血管が対象となり、動脈硬化や動静脈の狭窄、閉塞、血栓の有無などを調べる検査です。検査部位に応じて着衣を脱いでいただき、ゼリーを塗りプローブを滑らせて検査を行います。検査時間は20〜60分程度です。

心臓・血管超音波(エコー)検査室

肺機能検査

 肺機能検査には、換気機能検査・ガス交換機能検査・気道可逆性試験等があり、これらの検査を行うことで自覚症状や胸部レントゲン検査に異常が見られなくとも、早期に異常を発見できることがあります。
 その為、健康診断(肺年齢等)でも行われていますが、各種疾患(気管支喘息・肺気腫・慢性気管支炎・肺線維症・間質性肺炎・膠原病・サルコイドーシス・じん肺等)の診断や重症度判定、治療効果の評価、経年変化等に有用な検査です。また、さまざまな手術の術前検査としても利用されています。

肺機能検査室
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