健康経営のためのウイルス肝炎対策

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。

2.検査結果の取り扱い

肝炎検査は、労働安全衛生規則の定めにより会社が実施する法定健康診断の検査項目には含まれていないため、職場で実施した場合は個人情報保護法にしたがって取り扱うことが求められます。個人情報保護法では医療や健康の情報は要配慮個人情報として取り扱う必要があり、事前に本人の同意を個別に得ていなければ取得することが禁じられています。特に、採用選考の際に、検査を実施したり結果を取得したりすべきではありません(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0502-1.pdf)。したがって、肝炎検査の結果は、まず、通常の健康診断とは別に本人だけに通知する仕組みにしなければなりません。平成14年、平成16年及び平成23年に、労働基準局は事業主に対して職場において肝炎対策を推進するよう行政指導を行っています(表、https://www.hospital.or.jp/pdf/16_20110728_01.pdf)。その中でも、肝炎検査の結果については医療機関から直接本人へ通知するよう繰り返し指導しています。万一、結果が陽性であった場合には、本人が適切に判断できるように、健康診断の結果票に地域の肝臓専門医のいる医療機関(https://www.jsh.or.jp/medical/specialists/specialists_list)を記載させるなどの対応を行うことが望ましいと考えられます。

その上で、職場で本人から結果を申告された人ややむを得ず職場で結果通知を受け取る立場の人は、本人に話してもよい相手や情報の範囲を確認しておきます。また、結果通知票等の文書情報があれば、鍵のかかる保管庫で管理し、離席する際には机上やパソコン画面上に放置しないこと、私用のパソコンや電子メール上に情報を載せないことなどを徹底する必要があります。医療職が関わっている職場であれば、健康情報は守秘義務のある医療職に集約するよう制度化しておくことが望ましいでしょう。医療職が不在又は非常勤の職場では、日常的な文書の管理は衛生管理者や衛生推進者などが担当し、医療職の来訪時に取り出して利用することが望ましいでしょう。

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