Department of Blood Transfusion Medicine,UOEH 

 業務案内                                                        MENU
血液製剤供給・管理 輸血関連検査 自己血採血 治療関連 血液汚染事故管理 輸血教育・啓蒙 24時間体制

 ■ 自己血貯血申込方法(医師用)   輸血部自己血採血室:3335

  1. 患者様に「自己血輸血に関する説明と同意書」を用いて説明を行う.
       
  2. 自己血貯血申込書に必要事項を記入し,同意書と申込書を初回貯血予定日の前日午後3時までに輸血部に届け採血時間を予約する
       
        「自己血輸血に関する説明と同意書」(PDFファイル)

 ■ 自己血輸血の適応基準(以下の全ての条件を満たす場合)

  1. 全身状態がほぼ良好で緊急を要しない待機的手術.
    ASAによる術前患者状態評価I度及びII度.心疾患を有する場合はNYHAによる心機能分類I度及びII度を原則とする.
      
  2. 術中出血量が循環血液量の15%以上(成人の場合およそ600ml以上)と予測され,輸血が必要と考えられる場合.あるいはRh(−)や既に免疫抗体を持つなど特別な場合.
      
  3. 患者様が自己血を希望し,採血に協力できる場合.
      
  4. 年齢は制限しないが,小児および高齢者は特に慎重に対処する.
    6歳未満の小児は1回採血量5mlまでとする.また,70歳以上の高齢者は自己血採血による心血管系への悪影響,特に狭心症発作などがないか事前に確認する.
      
  5. 体重は制限しないが,40kg以下の場合は特に慎重に対処する.
      
  6. 血算:Hb10g/dl以上.初回貯血前は11g/dl以上が望ましく,11g/dl以下の場合は,特に慎重に対処する.
      
  7. 血圧:採血時測定にて最高血圧90mmHg以上170mmHg以下,最低血圧95mmHg以下.
      
  8. 自己血採血・自己血輸血により症状が悪化すると思われない場合.
      

 ■ 採血場所・採血実施者・採血時間帯

  1. 輸血部自己血採血室にて各科担当医が採血する.採血中の担当医の輸血部在室を義務づけ,採血終了まで離室しない.
        
  2. 採血時間帯は9:00〜12:00,13:00〜15:30
    午前は11:00まで,午後は15:00までに来室すること.但し,初回貯血の場合および採血困難症例は14:00までに来室すること.

         

 ■ 造血剤の投与

  1. 採血による鉄欠乏性貧血を予防するため,貧血のない場合も,初回貯血1週間前から鉄剤の経口投与を開始する.
        
  2. エリスロポエチン製剤は保険適応・症状・使用上の注意等を十分に考慮して適正に使用する.
        

 ■ 注意事項

  1. 初回貯血前検査に不備がある場合は,採血を実施できない.
    血算は1週間,生化学は1ヶ月,感染症は3ヶ月以内のものとし,それ以前の場合は,初回貯血時までに再検査する.
       
  2. 必要書類に記載不備がある場合は,採血を実施できない.
       
  3. 四肢静脈以外での採血は入院採血に限る.
       
  4. 鎮静剤使用等で意識レベルの低下した患者様からは採血しない.
       
  5. 感染症:陽性の場合も採血対象とするが,採血バッグの余白に赤線で表示する.
       
  6. 上記以外の注意事項や詳細については,事前に輸血部職員に確認する.
       
  7. 患者の強い希望などで,基準外の貯血を実施使用とする場合は,輸血部医師に相談し,事前に承諾を得る.
       
  8. 細菌感染の可能性がある患者様および体調不良の患者様からは採血できないので毎回採血前に問診にて確認のこと.発熱,下痢,抜歯3日以内の場合,治療を要する皮膚疾患がある場合,抗生物質服用中,3週間以内の麻疹・風疹・流行性耳下腺炎の発症者は原則として採血できない. 

 【資料1】 ASAによる患者の状態評価
      (American Society of Anesthesiolosists :physical status)
  • I度: 手術対象となる疾患は局在的であり,全身的な生涯を認めない

  • II度: 軽度ないし中等度の全身的障害がある
        例:軽症糖尿病,軽度本態性高血圧,貧血,新生児および80歳以上,高度の肥満,慢性気管支炎

  • III度: 中・高度の全身疾患を有し,日常生活が制限されている患者
        例:重症糖尿病,中・高度肺障害,コントロールされた虚血性心疾患

  • IV度: 生命を脅かすほどの全身疾患がある
  •     例:多臓器不全

  • V度: 手術施行の有無にかかわらず,24時間以内に死亡すると思われる瀕死の患者
        例:心筋梗塞によるショック,大動脈瘤破裂,重症肺塞栓
    
 【資料2】 NYHAによる心機能分類
      (New York Heart Association :Classification of Cardiac Patients)
 
  • 心機能分類
    I度: 日常生活における身体活動では,疲れ,動悸,息切れ,狭心症状は起こらない

  • II度: 日常生活における身体活動でも,疲れ,動悸,息切れ,狭心症状の起るもの

  • III度: 軽い日常生活における身体活動でも,疲れ,動悸,息切れ,狭心症状の起こるもの

  • IV度: 身体活動を制限して安静にしていても,心不全症状や狭心症状が起こり,わずかな動作で訴えが増強するもの

| MENU |  

更新日:2004.3.11 文責:輸血部