大学院医学研究科
産業衛生学専攻

博士前期課程「医学概論領域」

医学概論は、生命倫理学と医療人類学を主な学問領域とする社会医学であり、人間の文化的価値観や歴史的変遷の観点から医療システムのあり方を科学的に分析する学問です。「特論」では、産業衛生学の基盤となる医学概論(生命倫理学・医療人類学)の基本を学び、発展応用する能力の習得を目指すのが目的です。「演習」では、産業衛生における医学概論の幅広い基礎知識を実践的に習得するともに、プレゼンテーションおよびディスカッション能力の基礎を身につけます。自ら研究テーマを見出し、解決していく能力の獲得を目指します。「実習」では、指導教員の下で具体的な研究の方向性や手技・手法、研究倫理などに関する議論を行い、研究の組み立てを学びます。研究結果に至るまでの討論などを通して、科学的及び倫理的なものの考え方、リサーチマインドを理解します。「論文指導」では、実際に論文を書きながら、指導教員との議論、繰り返しの修正過程などの経験を通して、論文の構造・構成、記載法、さらに論文投稿・発表の倫理などを系統的かつ実践的に修得します。この学問領域の特色は、人間の歴史的な文化的背景(慣習・価値観・倫理など)から医学・医療のあり方を科学的に探求することにあります。この科目を通して、産業保健システムの国際比較、労働者の健康意識・思想と健診結果との関係、精神障害者の職場復帰時の倫理的諸問題といった課題を解決することができる能力を付与します。

博士後期課程「産業疫学・医学概論領域」

産業疫学・医学概論は、疾病の予防、寿命の延伸、生活の質の向上を目指して、職場に所属する個人・集団・組織を対象に科学的根拠に基づいた効果的な支援を行うために、職場の健康状況とそれに関連する要因の分布および健康の文化的価値観(生命観・病気観・死生観等)を疫学、予防医学、生命倫理学、医療人類学、保健学、看護学、行動科学等の学際的な観点から明らかにする学問です。具体的には、働く人々の心身の健康維持増進を図るための科学的・実践的アプローチを習得すると共に、産業社会および産業保健システムの歴史的変遷を生命倫理の視点も含めて考察し、労働者や職場にとって有効な支援方法や産業保健システムのあり方を検討します。「特別論文指導」では、文献調査の方法、データ収集方法、統計解析、研究倫理など必要不可欠な能力を習得すると共に、プレゼンテーションおよびディスカッション能力を養います。さらに、自ら課題の明確化や分析・解決アプローチ方法を具体的に考案でき、最適な方法に基づいて研究活動を展開できることを目指します。本領域の博士課程の最終目標として、自らの疑問や課題意識に基づいて収集した研究データを分析し、国内外の学会で研究発表を行い、国際的に一流の産業保健関連雑誌や生命倫理学雑誌に掲載することを目指します。この科目を通して、産業保健の現場での疾病の予防、低減に向けて独力で科学的根拠に基づく支援を行う能力を習得します。

詳細につきましては、下記リンクより産業医科大学ホームページをご覧ください。

産業医科大学ホームページ