WFunの検証
WFunは、COSMIN(COnsensus-based Standards for the selection of health Measurement INstruments)と呼ばれる指針に沿って、妥当性の検証を行っています。
収束的妥当性
概念的に、労働機能障害を経験していると考えられる状態との関連についての検証を行いました。
上で示したような状態をどれくらい経験したかと、WFunの得点との関連を示しています。
(図中 「1: まっったくない」、「2:月に1回程度」、「3:週に1日程度」、「4:週に2日以上」、「5:ほぼ毎日」)
弁別的妥当性
概念的に、労働機能障害の経験と関係ないと考えられる状態との関連を示しています。
性別、年齢階級、雇用形態、職種、年収と関連がないことを示しています。
疾患重症度との関連
収束的妥当性の一環として、疾病重症度との関連について検証しました。Presenteeismの原因として多いとされる、うつ、および、痛みとの評価を行いました。
- 精神科外来にうつ病にて通院中の労働者を対象。うつの重症度との関連を検証。
- 体に痛みを訴える労働者を対象。痛みの程度との関連を検証。
反応性(Responsiveness)の検証
Cosminでは、自己報告式アウトカム指標の妥当性は、疾病重症度との相関だけではなく、重症度が改善もしくは悪化した際に、自己報告式アウトカム指標も同じ方向に変化する必要があるとしています。これを、反応性と呼びます。
WFunは、うつ病患者のうつ症状、および体の痛みを訴える労働者の症状の改善/増悪に反応することを検証で示しています。
うつ病で外来受診している労働者を6ヶ月フォローし、毎月の受診時に、QIDSとWFunで評価しました。QIDAとはうつ症状の臨床的重症度を評価する指標です。この結果、QIDSの変化量に対して、WFunは同じ方向に変化していることが示されました。
[文責:産業医科大学環境疫学研究室]
[更新日:2015年11月13日]