健康経営のためのウイルス肝炎対策

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。

職場で守秘義務をかけて保存し、その解釈は医療職の意見を聴きましょう。

1.肝炎検査結果の通知と利用

職場で行っている健康診断と同時に肝炎検査を行った場合、検査の結果は、本人だけに通知するのが原則です。労働衛生行政も、肝炎検査の結果については医療機関から直接本人へ通知するよう繰り返し指導しています。その理由は、本人の同意なしに職場で知られることで雇用や労働条件の差別を受けるおそれがあるからです。また、会社としても要配慮個人情報を適切に保護する義務や労働者の健康に配慮すべき義務(安全配慮義務)が拡大することも負担になるからです。それでも、実際には会社では健康診断や健康保険組合の担当者が肝炎検査結果の通知を受け取ってしまう場合もあります。その際、書類として取り扱うことがあっても、本人に転送することにとどめ、自分が管理する情報として保存したり解釈したりしないようにしましょう。

会社が自主的に行う健康診断の目的は、通常、@業務適性の評価、A医療費や疾病休業の抑制、B福利厚生の充実などです。肝炎検査を職場で行うことはAやBが目的となりますが、そのために検査の結果を職場で上司や人事が把握して通院を指導することまでは、通常、必要ではないと考えられます。ただし、本人が自ら申告した場合ややむを得ず職場で結果通知を受け取った場合は、精密検査の受診や通院の継続を促すとともに、本人に職場で結果を共有してもよい相手や情報の範囲を確認するようにします。特に、産業医や産業保健職が関与している職場では、積極的にこれらの医療職を利用して、本人と面談させて保健指導を受けさせるとともに、健康情報の保存方法についても相談します。

(C)2017 IIES UOEH

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。