臨床面では急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎、膵癌、嚢胞性膵腫瘍を初めとする膵疾患と肝疾患、膵疾患に合併することの多い糖尿病の診療を行っています。
急性膵炎は良性疾患にもかかわらず、重症化すると致命率が9%に達する疾患であり、循環不全を初めとする多臓器不全を合併することから、救急・集中治療部、腎センターと連携しながら、蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬持続動注療法、持続的血液濾過透析(CHDF)、選択的消化管除菌などの治療法を組み合わせて治療を行っており、良好な成績をおさめています。急性膵炎・慢性膵炎の合併症である膵仮性嚢胞に対してソマトスタチンアナログであるオクトレオチドの投与や経乳頭的嚢胞ドレナージ術を行っています。
自己免疫性膵炎は膵臓外の種々の臓器にも病変が認められる全身疾患として注目されるようになり患者数が増加しています。CT、MR、ERCPをはじめガリウムシンチ、PETなども用いて全身を隈なく検査した後、ステロイドを用いて治療しています。
膵癌は当院消化器・内分泌外科と連携しながら、非手術例に対してgemcitabin、TS-1を用いた全身化学療法、放射線科と連携しTS-1を用いた化学放射線療法を行っています。膵管内粘液乳頭腫瘍、粘液性嚢胞腺腫をはじめとする嚢胞性膵腫瘍も当院消化器・内分泌外科と連携しながら診療しています。
肝疾患、膵疾患に合併する糖尿病以外にも2型糖尿病、1型糖尿病の診療を行っています。糖尿病専門医、管理栄養士、糖尿病療養指導士の指導による糖尿病教育入院(8日間)を行う他に、仕事で入院の時間がとれない患者様に対しては糖尿病療養指導士の充分な指導の下、外来で経口血糖降下薬と併用しながら持効型インスリンを導入しています。 |