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多施設共同研究/EDITOR-J

新規にステロイド投与される膠原病患者の骨代謝マーカーによるステロイド骨粗鬆症の早期診断の確立と早期薬剤介入による治療意義に関する検討
(EDITOR-J:Early DIagnosis and Treatment of OsteopoRosis in Japan)

EDITOR-Jは、ステロイド投与における骨代謝マーカーによる早期診断の確立とアレンドロネート週1回製剤を中心とした早期薬物療法の有用性を検討する多施設間共同(主任研究者 産業医科大学医学部第1内科学講座教授 田中良哉)のRandomized Controlled Trialです。
グルココルチコイド(ステロイド)は、膠原病、リウマチ、自己免疫疾患などの多くの疾患に繁用されていますが、副作用としてのステロイド骨粗鬆症は骨密度低下および骨折リスクの上昇など最も重篤なものです。骨量減少はステロイド投与量に依存し、ステロイド療法開始後早期(3〜6ヶ月)に著明です。本邦においてもステロイド投与に伴う骨粗鬆症に関するエビデンスが集積され、2004年にステロイド骨粗鬆症の治療と管理のガイドラインが公表され、早期からの薬物介入を推奨します。しかし、ステロイド投与による早期診断が未だ確立されておらず、薬物介入の治療意義に関するエビデンスがない為、多施設共同研究にて「ステロイド骨粗鬆症の早期診断の確立と早期薬剤介入による治療意義」に関する検討を行っています。

参加施設:

産業医科大学 第1内科学講座
北海道大学 第2内科
札幌時計台記念病院
相模原病院 リウマチ科
京都府立医科大学病院 膠原病・リウマチ・アレルギー科
広島市民病院 リウマチ膠原病科
愛媛大学 膠原病・アレルギー内科
長崎大学 第1内科
鹿児島赤十字病院 リウマチ科

研究期間:
平成19年6月1日〜平成22年3月31日

目的:
ステロイド剤には炎症やアレルギーを抑える強力な作用があるため、リウマチ性疾患やアレルギー疾患など様々な病気の治療に広く用いられています。非常に高い効果を示しますが、長期に渡って服用するといろいろな副作用もでてきます。その中でも、骨粗鬆症は注意すべき副作用の1つです。
骨粗鬆症とは骨の量が減って脆くなり骨折を起こしやすくなった状態で、閉経後の女性や高齢者に多くみられます。ステロイド剤を長く服用すると若い方や男性の方でも脊椎の圧迫骨折や肋骨骨折を高頻度に起こし、脊椎骨折により身長が短縮することもしばしばあります。

ステロイド剤を服用した場合、腸でのカルシウムの吸収が落ち、尿へのカルシウム排泄がふえて、そのため骨をつくる力が落ちて逆に骨を壊す力は増えている状態になり、骨粗鬆症が起きると考えられています。
骨粗鬆症の治療薬に「活性型ビタミンD3(アルファカルシドール)」があります。この薬はカルシウムの吸収を増やし、骨の代謝を活発化させることで骨の量を増やし、骨折を減らす効果が確認されています。また、最近、「アレンドロネート」という新しい薬が骨粗鬆症の治療に使えるようになりました。アレンドロネートも骨を壊す力を抑え、骨量を増やして骨折を減らす効果が確認されています。両薬剤とも閉経後骨粗鬆症などに広く使われ、ステロイド骨粗鬆症にも効果が期待されています。

既に、日本においても、ステロイド骨粗鬆症の予防や治療に関するガイドラインが2004年に発表されており、両薬剤も推奨される薬にはいっています。しかし、経口ステロイドを3ヶ月服用予定あるいは使用中の患者さんに対する記載です。最近、ステロイド服用早期での骨量減少がその後の骨折発生に重要であると指摘されております。
そこで、今回新規にステロイド投与される膠原病患者さんの骨代謝マーカーによるステロイド骨粗鬆症の早期診断の確立と早期薬物介入の治療意義を検討するために臨床試験を行います。

研究方法:
これから通常の診療の中で、骨粗鬆症の治療を開始します。骨粗鬆症に対する治療は
「アルファカルシドール」
「アレンドロネート週1回製剤」
「アルファカルシドールとアレンドロネート週1回の併用」

のどれかに振り分けられます。
薬による治療効果を判定するため、治療開始から2年間に以下の検査を実施し、それらのデータを研究で使います。

@骨の量 (骨量測定器で測ります)
A骨折の有無  (胸腰椎のレントゲンをとります)
B血液、尿検査 (採血[約3mL]します。尿[約2mL]採取します) 

対  象:
ステロイド剤未治療で新規にプレドニゾロン換算20mg/日以上を一週間以上投与される18歳以上の女性膠原病患者(ただし、妊娠女性、今後一年以内の妊娠を希望される女性は除外する)

<選択基準>(次の条件を満たした患者を対象とする。)
18歳以上の女性(ただし、妊娠女性、今後一年以内の妊娠を希望される女性は除外する)

<除外基準>(症例の選択に際し、次のいずれかに該当する患者は対象としない。)
1) 妊娠女性、妊娠を希望される女性
2) 男性
3) ステロイドをすでに服用している患者
4) ビスホスホネートの投与を受けている患者
5) 食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者「本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。」
6) 30分以上上体を起こしていることや立っていることができない患者「用法・用量の関連する使用上の注意」の項参照
7) アレンドロネートあるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴がある患者。
8) 低カルシウム血症の患者「「重要な基本的注意」の項参照」
9) 担当医師が被験者として不適当と判断した患者

<中止・脱落基準>
@ 症状・臨床所見の悪化により、継続投与が困難な場合
A 重篤な有害事象の発現により、継続投与が困難な場合
B 合併症の悪化または偶発症の発現により、継続投与が困難な場合
C 骨折や骨密度の急激な低下があり、主治医が中止と判断した場合
D 同意が撤回された場合
E 来院しなくなった場合

<目標症例数>
被験者数 合計60症例(10施設で total 120症例)

医学からみた客観的意義:

アレンドロネートは本邦において骨密度、骨折発生頻度に関する第V相試験での有効性が確認され、「骨粗鬆症」という適応症で毎日製剤および週1回製剤がそれぞれ薬価収載されました。ステロイド性骨粗鬆症では、ステロイド投与早期より骨代謝異常が誘発され、その結果骨折を起こしQOL、ADLの低下をもたらすことが明らかであり、日本骨代謝学会のステロイド性骨粗鬆症の治療と管理のガイドラインでも早期からビスホスホネートの介入を推奨しています。しかし、ステロイド投与による骨粗鬆症に関しては、早期診断が未だ確立されておらず、薬物介入の治療意義に関するエビデンスがありません。本研究では、ステロイド投与における骨代謝マーカーによる早期診断の確立と早期薬物療法の有用性を示すことにより、骨折防止、患者QOLの維持が期待できると考えられます。
文責:第1内科学講座 中山田 真吾 更新日:2009年08月09日
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