当院における放射線部の部門としての役割は、X線を始めとした電磁放射線の他、多くのエネルギーを利用して画像診断を行い、診療各科に提供すること、また放射線による治療を行うことです。診療各科ならびに地域医療機関における画像診断の期待に、また、患者様のQOLを尊重した放射線治療に応えるべく日々の業務を行っています。


一般撮影

一般撮影とは、エックス線を使って胸部や腹部、あるいは全身のいろいろな部位の骨などの写真を撮る検査です(いわゆるレントゲン写真のことです。単純撮影ともいいます)。
健康診断などで、胸(肺)の写真を撮ったことがあるのではないでしょうか。
また、撮影する部位に応じて、いろいろな撮影法で撮影します。
単純撮影とはいうものの、単純ではないのです。


当院ではFPD(フラットパネル ディテクタ)装置を導入しています。
FPDは「低線量」、「短時間」で診断に適した高画質な画像を提供することを可能とします。また移動が困難な患者さんの場合は、FPDポータブル撮影装置を利用することで病室にて胸部や腹部のX線検査を受けることが可能です。
検査を受けるときの注意点

撮影する部位に金属物・プラスチック・湿布薬・衣服のプリント・ブラトップなどのゴムの締め付けなどは画像に写ってしまいます。診断の妨げになりますので、撮影前にできるだけ外して、無地の衣服で検査していただくようお願いします。
 FPD(Flat panel detector):AeroDR、CS-7

CR(従来)に比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得られ、被ばくリスクの低減を実現することが出来ます。(コ二カミノルタ社製)
 

乳房撮影


マンモグラフィ検査(乳房撮影)

乳房を圧迫し撮影するX線検査です。圧迫により個人差はありますが痛みを伴うことがあります。乳房を圧迫する理由は以下の通りです。
 ・乳腺を広げることで病変を見つけやすくします。      
 ・動きによる画像のブレを抑えます。      
 ・乳房厚が小さくなるほど撮影に必要なX線量が減るため、被曝が少なくなります。
乳がん検査にはマンモグラフィ検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など様々な検査がありますが、死亡率の減少効果が立証されているのはマンモグラフィ検査だけです。

検査を受ける時の注意点

・妊娠中、妊娠している可能性のある方は、主治医と相談の上検査を行います。
・ペースメーカーを挿入されている方、豊胸手術を行っている方は、圧迫による挿入物の破損のリスクがあります。主治医と相談の上検査を行います。
・授乳中、乳腺組織は肥大するため、マンモグラフィ検査を受けても診断に有効な画像情報が得られないことがあります。


骨塩定量

骨塩定量検査(骨密度)

身体を構成する骨は骨髄腔を除くと、骨基質(コラーゲンなど)と骨塩(カルシウムなどのミネラル)に分けられます。この骨塩を測定するのが骨塩定量検査です。骨粗鬆症や骨軟化症などの骨疾患の診断を行います。 当院では前腕骨、腰椎、大腿骨の骨塩定量検査を行っています。

検査を受ける時の注意点

・妊娠中、妊娠している可能性のあるかたは検査を行うことが出来ません。
・造影検査後は、造影剤の種類によりますが、1日〜1週間程度、検査を行うことが出来ません。
・核医学検査後は、放射性医薬品の種類や投与量によりますが、3日〜1週間程度、検査を行うことが出来ません。

 
歯科撮影

歯科撮影検査

 口腔内の軟組織から発生する疾患は、そのほとんどが直視でき生検が容易であることから、歯科領域のX線診断は歯や骨といった硬組織の診断が大半です。 X線撮影の種類はもっぱら口内法X線撮影と回転パノラマX線撮影と呼ばれる口外法X線撮影によって日常の診療が行れています。

当院では以下の撮影を行っています。

 ・パノラマ撮影:上下顎、歯列全体の評価
 ・頭部規格撮影:歯列矯正を目的とした頭部の正側面撮影
 ・顎関節撮影:顎関節の形態、動態評価
 ・デンタル撮影:う蝕の深達度評価

 
 

最終更新日

2023年 9月 8日

文責:放射線部 大石・藤田・猿渡