健康経営のためのウイルス肝炎対策

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。

9.就業規則

労働基準法第89条は常時10人以上が働く事業場は就業規則を作成して労働基準監督署に届け出る義務を規定しています。私傷病を治療するための通院や入院が必要な人は、就業規則に定められている休業・休職、休暇の制度を利用することになります。

多くの会社は私傷病で労務提供が困難となった場合を想定した休業や休職の制度を設けて就業規則に記しています。会社によっては休業や休職とは別に休暇の制度を規定していることがあります。厚生労働省による平成25年就業条件総合調査によれば、調査対象4211社のうち22.4%が「病気休暇制度がある」と回答しています。通院は業務外の行為ですから、所定労働時間内に通院する必要がある場合は、年次有給休暇を利用する方法が考えられます。就業規則に私傷病による休暇の制度が規定されている場合は、この制度を利用できる可能性があります。年次有給休暇をすべて消費してしまった場合に利用できる休暇の制度が無い場合は、通常、その後の所定労働時間内の通院は欠勤の扱いとなります。そのような欠勤や外出の場合であっても、通常、事前に職場の上司等による承認が必要です。休業、休職、休暇の制度は会社ごとに適用要件が異なるため、詳細は就業規則を確認する必要があります。

休職制度は、多くの場合、一定期間の休業をもって解雇される又は自動的に退職になることを定めており、休職制度を利用している人に対応する医療職は常に残りの休業や休職が可能な期間に注意を払いながら対処する必要があります。なお、労働基準法第20条は解雇の30日前までに予告する義務を規定していることにも留意が必要です。

病状の回復に伴って休業中の労働者が職場復帰を希望した場合は、会社は、主治医や産業医の意見を聴取して就業上の措置を検討する手順を踏みます。職場復帰を円滑に進めるには就業規則に手続きを定めることが望まれます。

なお、休業や休暇の制度を制定する際には、厚生労働省のモデル就業規則(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html)の第9条及び第27条を参照することができます。

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