健康経営のためのウイルス肝炎対策

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。

5.傷病手当金の給付

ウイルス性肝炎に限らず療養のために休業した時は、まず、年次有給休暇を利用する人が多いと思われます。また、会社に疾病休業の制度があれば、それを利用する人もいます。その後、長引いて無報酬となる休業扱いになると、加入している協会けんぽ又は健康保険組合から傷病手当金が給付されることがあります。

協会けんぽでは、本人が給付要件を満たせば、休業が始まって連続3日間の待機期間の後(図1)、4日目から休んだ日1日につき、原則として「支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2」に相当する額が給付されます(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31709/1945-268)(図2)。待機期間は有給休暇を充てることも可能ですが、それ以降は給与の支払が傷病手当金として支払われるより多い場合は支給されません。給与の支払いがなければ満額が給付され、それ以外は満額から給与支給額が控除された額が給付されます。

また、支給期間は給付が始まってから1年6カ月であり、途中に職場復帰するなど給付されない期間があっても通算日数で計算されます(図3)。また、この給付には所得税は課税されません。健康保険組合は同様の制度を設けていますが、国民健康保険に傷病手当金制度はありません。会社によっては、これ以上の給付を行っているところもありますので、詳細は各健康保険組合に確認してください。

図1 待機期間と傷病手当金支給開始日
待機期間と傷病手当金支給開始日

画像:協会けんぽホームページ(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

なお、休業中で無報酬であっても社会保険料の支払いは必要です。そこで、事業主は労働者が無報酬になる場合に、社会保険料の本人負担分や住民税など本人が支払うものを、事業主が指定する日までに、事業主が指定する口座へ振り込むか、現金で持参する必要があることを説明します。労働者が一人暮らしなどで振込等を行うことが困難な場合には、傷病手当金を事業主が代理で受給し、社会保険料を控除した上で、事業主が労働者の口座に振り込むことも可能です。その際は、協会けんぽ又は健康保険組合に提出する「傷病手当金支給申請書」の「受取代理人」欄に、傷病手当金を労働者の口座ではなく、事業主の口座に振り込む旨を記載します。この方法を取る場合は、労働者とよく話し合って実情にあった方法となるように留意しましょう。

図2 傷病手当金の支給額
傷病手当金の支給額

画像:協会けんぽホームページ(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

図3 傷病手当金の支給期間
傷病手当金の支給期間

画像:協会けんぽホームページ(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

(C)2017 IIES UOEH

このサイトは、厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究」 (H26-肝政-一般-002)の成果として開設しました。