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令和6年度 事業計画

Ⅰ 令和6年度事業運営の基本方針
 本学においては、「産業医大未来構想2040」に基づく「第4次中期目標・中期計画」について、3年目の実施年度となり、数値目標を確実に達成するため、令和6年度における事業計画を策定する。
 社会経済環境が大きく変化する現在、本学が、その「目的・使命」を達成し続け、永続的に発展していくため、教育、研究、診療、社会貢献及び大学運営の基盤を強化し、更なる飛躍を遂げるため、現状と課題を十分に認識し、本学の特色や強みを活かした運営を行う。

1 教育
 産業医学・産業保健を通して社会の成長発展に寄与できる人材を輩出する。

2 研究
 医学・医療に貢献できる研究はもとより、産業医学とそれらの融合的研究を推進する。

3 診療
 急性期診療棟が稼働し、大学病院と若松病院がさらに共同して、高度で先進的な医療を提供し地域社会における基幹病院としてあり続ける。

4 社会貢献
 産業医学の知見を国内外に発信し、産業保健の活動を支援する。さらに、地域社会に信頼される医療機関として、地域の人々の健康増進を図る。

5 大学運営
 本学の永続的な発展に向けて、社会経済構造の変化に対応し、課題解決を図る大学運営を進める。

Ⅱ 令和6年度事業計画

1 教育

◆第4次中期期間中の 教育 に係る主な数値目標       

1 国家試験合格率
   医学部(医師) 全国順位上位4分の1以内  または合格率95%以上
   産業保健学部 看護学科(看護師・保健師) 全国平均合格率5ポイント以上 上回る

2 常勤の産業医輩出数
   420名以上/6か年 

3 産業保健関連職場就職者数
   460名以上/6か年

4 志願倍率
   令和9年度に
    医学部 23倍以上
    産業保健学部 看護学科 4.0倍以上  産業衛生科学科 4.0倍以上 

5 大学院
   入学定員充足率 65%以上
   標準修業年限内 学位取得率 60%以上(長期履修者除く)

(1)産業医学・産業保健を通じて社会に貢献するプロフェッショナル人材の育成

① プロフェッショナル人材の育成

ア 医学部

・ 令和4年度入学生から適用した産業医科大学キャリア形成プログラムについて、在学生についても本プログラムへの参加をあらゆる機会を捉えて勧奨し、低学年次から産業医志向を育み、産業医として養成するとともに、将来のキャリア形成を支援する。

・ 本学の特色である「産業医学」については、内容の見直しを行った1年次の「産業医学Ⅰ」を令和6年度から実施する。また、2年次以降の「産業医学Ⅱ」等の科目について、卒前教育から卒後教育へ系統的に学修できるようさらに見直しを行い、卒業後の産業医養成へとつなげる。

・  現行カリキュラムを円滑に実施し、公的化された共用試験に適切に対応する。

・  成績下位学生の学力向上を支援するために、休業期間等に特別学習指導(Academic Support Program)を行い、進級率の向上を図る。

◆数値目標 進級率 1~3年次 90%以上 4・5年次 95%以上 

イ 産業保健学部

・ 現行カリキュラムを円滑に実施するとともに、学力向上を支援するために、担当教員による指導及びフォローアップを行い、進級率の向上を図る。

・  産業衛生科学科については、1年次から4年次の各学年にわたり安全衛生及び化学物質管理教育を系統的に行う。

◆数値目標 進級率 1~3年次 95%以上 

ウ 大学院

  学位取得までのスケジュールを大学院便覧等で明示するとともに、学位申請の手引きにより、計画的な研究を促す。さらに、オンライン講義を積極的に活用することにより、標準修業年限内の学位取得に努める。また、医学専攻で新たに始まる「次世代の九州がんプロ養成プラン」により、がん専門医師を養成する。

◆数値目標 修業年限内学位取得率 60%以上

② 学生の確保

ア 両学部共通

・  各学部の魅力を発信するため、教職員のみならず、在学生・卒業生による出身高校等への訪問をはじめ、ホームページの改善、YouTube等を活用した積極的な広報活動を展開する。

・ 入学時及び入学後の成績や学修成果など多角的な分析を行い、入学者選抜方法等の継続的な検証・改善を図る。

・ 本学における手厚い学費サポート制度を強調した広報活動を行う。

イ 医学部

・ 本学ホームページ等において、本学の設置目的、アドミッション・ポリシーを周知し、本学が求める学生像を周知する。また、卒後の従事要件やこれを踏まえた支援制度である産業医科大学キャリア形成プログラムについて、周知を図る。

・  卒業後に産業医をはじめ、臨床医、研究者、医系技官等、多様なキャリアが選択肢としてある旨の広報を実施する。

・ 令和6年度入試(令和5年度実施)から新たに導入した総合型選抜や一般選抜の複数方式について円滑かつ確実に実施する。

・ 在学中、自己負担なしでの修学を可能とする産業医大未来応援プラン(キャリア形成サポート奨学金給付制度)の広報を積極的に行う。

◆数値目標 志願倍率 20倍以上 

ウ 産業保健学部

・ 両学科において、令和4年度入試(令和3年度に実施)から導入した入学成績上位の学生を確保するための特待入学者制度の広報を行う。

・ 両学科において、令和7年度入試(令和6年度に実施)における入試制度変更に伴う試験業務について円滑かつ確実に実施する。

・ 産業衛生科学科について、平成16年度の学科開設(旧:環境マネジメント学科)以来、継続的に就職率100%であること、卒業と同時に2つの国家資格が取得できることに加え、卒後における「産業医大認定ハイジニスト」資格(令和5年度に制度化)や、「衛生工学衛生管理者」の国家資格の取得について、積極的に広報する。

・  産業衛生科学科について、学校推薦型選抜「理数型(仮称)」を新設するとともに、一般選抜A方式の個別学力検査を廃止し、学生の個性を重視した選抜方法への変更を行う。 

◆数値目標 志願倍率 看護学科 4.0倍以上  産業衛生科学科 3.6倍以上

エ 大学院

・ 大学院入試広報用リーフレットなどを活用するとともに、ホームページの充実を図り、在学生や卒業生だけでなく、広く学外者に対してもこれらを活用した積極的な広報活動を行う。

・  18時以降の授業の設定、オンライン講義の実施に加え、休日の集中講義の設定など社会人大学院生が受講しやすい環境を整え、専門医資格を取りながら、大学院の履修が可能であることを強調した広報を行う。

◆数値目標 大学院医学研究科 入学定員充足率 65%以上

(2)医学、看護学、産業衛生学を基に人材教育のベースとなる専門分野の卒前、卒後教育の強化

① 卒前教育

ア 両学部

・ 学生が主体的に学べる学習評価システム(病院実習用eポートフォリオ)により学修成果の可視化及び把握、評価を行う。

・ 学生による授業評価について、eラーニングを利用した調査を行うとともに、科目担当教員から回答の指導及び未回答学生への督促等を行い、回答率の向上を図る。

・  ファカルティ・ディベロップメント(FD)をハイブリッド(対面と遠隔)、オンデマンド方式により行い、参加率の向上を図る。

・ FD後のアンケート結果をIR推進センターで分析することにより、FD内容の質向上を図るとともに、教員評価についての検証を行う。

◆数値目標 学習評価システムの利用率 100%、授業評価回答率 80%以上、FD参加率 80%以上  FD 3回以上/年

イ 医学部

・ 授業評価結果に基づき、科目担当責任者及び教務委員会で今後の方針等を策定・検討し、授業内容の改善を図る。

・ 医療面接や身体診察法などの基本的かつ実践的な診察診断に関する知識を深め、臨床実習に必要な基本的臨床能力を習得させるため、臨床診断学を実施する。

・ 医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂)に対応した新カリキュラムを令和6年度入学生から実施する。

◆数値目標 授業評価 3以上/4段階評価、共用試験合格率 95%以上、研究室配属時の研究目標達成度 70%以上、臨床実習学生評価3以上/4段階評価

ウ 産業保健学部

・ 多様化する産業看護及び社会に求められている化学物質管理をはじめとする労働安全衛生の諸問題に対処する実践力強化を図るとともに、授業評価結果に基づき担当教員が策定した次年度への授業に関する改善策を学生にフィードバックし、教育の質向上を図る。

・ 産業保健専門職に新たに求められる専門的知識・技能等に対応するため、令和8年度入学生からの新カリキュラム導入に向けて検討を行う。

◆数値目標 授業評価平均 4.2以上 

② 国家試験

ア 医学部

・ 医師国家試験結果の分析を行い、学習指導の強化を図るとともに、模擬試験や総合試験の成績下位者へは徹底した学習指導を実施する。

・ 医師国家試験対策のネット講座の受講費用援助、予備校講師による国試対策講義及びチューターによる面談等を実施する。

◆数値目標 医師国家試験全国順位 上位4分の1以上 または合格率95%以上 

イ 産業保健学部

 看護師・保健師国家試験結果の分析をはじめとして対策の強化を図るとともに、徹底した学習指導を実施する。

◆数値目標 看護師・保健師国家試験全国平均合格率を5ポイント以上上回る

③ 卒後教育  

ア 大学院

 アジア各国の医科大学(医学部)に募集要項を送付し、産業医学研究に関心のある外国人留学生を積極的に受け入れる。

◆数値目標 外国人留学生の受入れ 2名以上/年 

イ 卒後研修

・ 卒業生を対象とした産業医学・産業保健に関する各種研修を開催し、実践力・指導力に富む優秀な産業医・産業保健専門職を多数養成する。

・ 産業医学卒後修練課程と専門医制度との整合性を担保し、社会医学系及び臨床領域ごとの専門医の資格取得の促進を行う。

・ 現行カリキュラムに適切に対応し、卒前教育から卒後教育に発展するため、卒後修練課程研修内容の見直しを行う。

・ 令和5年7月に出された労働安全衛生規則等の改正通達により、化学物質管理専門家の要件として「産業医科大学産業衛生科学科を卒業し、産業医大認定ハイジニスト制度において資格を保持している者」が新たに追加されたことを受け、産業衛生科学科卒業生に対して「産業医大認定ハイジニスト」の取得を推奨し、令和7年度以降の化学物質管理専門家の輩出につなげる。

・ 令和5年度に引き続き、産業衛生科学科卒業生に対して、衛生工学衛生管理者資格取得のための講習会を卒業直後に実施する。

◆数値目標 産業医学基本講座 本学卒業生修了者 25名以上/年、他学卒業生を含む産業医学実務講座の受講者 100名以上/年、産業保健コアカリキュラムの評価 4.0 以上/5段階評価、産業看護実務研修の満足度 80%以上、専攻医新規登録者数 70名以上/年、 衛生工学衛生管理者講習 令和6年度産業衛生科学科卒業生受講率100%/年

(3)日本を代表し世界をリードする産業医学、産業保健教育の拠点の確立

① 産業医、産業保健専門職の養成

ア 医学部

・ 個々のキャリア形成を見据えた進路指導を行うとともに、卒業後のきめ細やかな就職支援を行い、指導的立場になる産業医、産業保健の中核となる産業医を数多く輩出する。

・ メンター制度を活用した指導のほか、離脱者防止対策を積極的に実施し、各講座等においてPDCAを回す。

・ 低学年次からの在学生に対するキャリア形成のプログラムを充実する。

・ 一般財団法人日本専門医機構発出の「地域枠および従事要件のある専攻医の取扱い」を受けて、不同意離脱等に対応するため、「キャリア形成プログラム」への参加勧奨を積極的に行うなど、多様なキャリア形成を支援する。

・ 専属産業医の活躍事例、産業医経験のある臨床医の活躍事例をはじめとする産業医の活躍場面の拡大などの魅力発信を行う。

・ 産業医学臨床センター及び両立支援室において、産業医として実践的な能力を向上させるための教育等を行う。

◆数値目標 常勤の産業医輩出数 70名以上/年、求人企業  80 社以上/年、求人数 100 名以上/年、産業保健情報提供サイトへの新規登録 40 名以上/年、メンター制度活用率 90%以上/年、前期課程から後期課程移行時の離脱者数 30名以内/年、学生の事業所訪問等プログラム 評価満足度 90%以上/年

イ 産業保健学部

・ 就職活動に直結した進路指導に関係する行事を学年に応じて実施するとともに、求人企業開拓を積極的に行い、優秀な産業保健専門職を数多く輩出する。

・ 学科の垣根を超えた産業保健学部卒業生研修会を開催し、産業保健活動への知識と理解を深める。

・ 環境マネジメント学科卒業生に対して、衛生工学衛生管理者資格取得のための講習会を実施する。

◆数値目標 産業保健関連職場就職者数 80名以上/年、求人企業 50社以上/年、求人数 100名以上/年、産業衛生科学科 就職率 100%、看護学科の本学病院への就職者数 30名以上/年、卒業生研修会満足度 90%以上

② 他学卒業生の産業医養成 

 本学で培った産業医学の知見を広く提供するため体系的な研修を実施し、他学卒業生を産業医として養成する。

◆数値目標 他学卒業医師の産業医養成数 1,000名以上/年、他学卒業医師の産業医学基本講座修了者 20名以上/年、他学卒の産業医学基本講座、またはインターンシップ事業の修了者の他学卒産業医就職 2名以上/年、首都圏プレミアムセミナー受講者 250名以上/年

(4)新たな教育シスムの整備

① 学生への支援

 指導教員による学生面談を2回(前期・後期)実施し、教育面やメンタルヘルス面など学生が抱える様々な問題を早期に把握し支援する。

◆数値目標 在校生の個人面談実施率 100%

② 世界に通用する産業医等教育の構築

  医学部は交換医学教育、産業保健学部は国際産業保健特別演習を実施するなど海外の大学と交流を行う。

◆数値目標 医学部 交換医学教育派遣学生数 15 人以上/年、産業保健学部 学生の海外学術交流 2回以上/年

(5)その他教育全般

・ 新型コロナウイルス感染症対策を引き続き行い、学生向けの感染対策に万全を期す。

・ IR推進センターにおいては、教育研究質保証推進委員会等と連携し、教育研究活動の改善を促進する。

◆数値目標 支援件数 5件/年(データ支援、データ分析)

2 研究

◆第4次中期期間中の 研究 に係る主な数値目標     

1 労災疾病臨床研究事業及び厚生労働科学研究採択、産業医学に関する社会実践事業 15件以上/年

2 各組織の研究者と共同で実施する産業医学関連新規研究数 40件以上/6か年

3 専門誌等執筆及び論文投稿数 120件以上/年 (産業医学関連の研究内容に限る)

(1)産業医学と他の研究分野との融合発展の推進

① 各組織の特色を融合した研究の推進

 産業医学と他分野との融合的な研究の推進を図り各組織間の繋がりを構築する。

◆数値目標 各組織の研究者と共同で実施する産業医学関連新規研究数 7件以上/年

(2) 世界をリードする新たな知の創造と産業医学分野の中心拠点形成

① 国際水準の研究、国際交流等の推進

 国際センターにおいて、産業医学研究者交流・受入事業、交流協定に基づく活動、国際遠隔講義の開催、国際シンポジウムの開催等、国際学術研究交流活動を支援し、本学の国際的な地位の向上を図る。

◆数値目標 専門誌等執筆及び論文投稿数 120件以上/年(産業医学関連の研究内容に限る)、国際交流に係る研修事業等参加者 45名以上/年、臨床系及び病院所属教員の英語論文発表数 70件以上/年

② 研究基盤の確立

 産業保健データサイエンスセンターにおいて、産業保健研究事業への参加企業及び健康保険組合の拡大に努める。また、産業保健研究の精度を高め、様々なニーズに対応するため、取り扱うデータの充実及びDSCデータベースの利用者の増加に努める。

◆数値目標 産業保健研究事業への新規参加企業 3社以上/年、または加入者 3万人以上/年、学会発表及び論文投稿数 5件以上/年

(3)産業・社会構造の変化に対応した研究の推進

① 社会への普及

 労働者の福祉の増進及び国民の保健医療、福祉、生活衛生、労働安全衛生等に関する研究事業の公募について、学内研究者に対して情報提供を行い積極的な公募申請を図る。また、ワーキンググループにおいて、事業採択率の向上のため研修を実施する。

◆数値目標 労災疾病臨床研究事業、厚生労働科学研究、産業医学に関する社会実践事業採択 合計 15件以上/年

② 産学官連携による研究の促進

・ 産業界、他大学及び行政等の外部機関との連携・協力を促進し、研究成果としての発明をより高いレベルに進化させるため、特許展示会・技術説明会への参加、発明に関する共同研究・受託研究の受入れ、実用化を支援する公的研究費への公募申請等を意欲的に行う。

・ 研究データの管理・利活用の促進のため、研究データポリシーの策定を行い、管理対象データを適切に保存するとともに、内閣府統合イノベーション会議で提唱されている「オープン・アンド・クローズ戦略」に基づく公開・共有できる仕組みを構築する。

◆数値目標 本学の知的財産を基にした公的研究費共同研究・受託研究の獲得件数 9件以上/年

③ 高年齢労働者の研究の推進

・ 高年齢労働者産業保健研究センターにおいて、高年齢労働者の労働災害の防止と健康の確保のほか、産業医学を中心とした組織横断的な研究を推進する。

・ 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の大型予算プロジェクト「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」獲得に向けた取組を積極的に行う。

◆数値目標 高年齢労働者の健康等に関する学会発表または論文投稿数 5件以上/年

④ 大規模災害発生時の産業保健に関する研究の推進

 災害産業保健センターにおいて、災害産業保健に関する研究の推進及び人材育成の取組、卒業生産業医等とのネットワークの構築に努める。

◆数値目標 災害産業保健に関する講演・セミナー・学会発表等 5回以上/年、災害時対応・支援(BCP作成支援含む)6回以上/6か年 

⑤ 新たな感染症に対する研究の推進

 医学部感染症科学講座において、本学独自の産業医学の視点を活かした感染症対策及び感染管理教育ができる人材を養成する。

◆数値目標 産業医学教育を履修し感染制御の専門的知識を有する医療従事者の認定取得 12名以上/6か年、感染症対策新プログラム受講者 600名以上/6か年

3 診療

◆第4次中期期間中の 診療 に係る主な数値目標    

1 病床稼働率
   大学病院 93.0%以上 若松病院 93.0%以上 

2 新入院患者数
   大学病院 18,000人以上/年 若松病院 3,900人以上/年(大学病院からの転院含む)

3  紹介患者数
   令和9年度に 大学病院 紹介患者 19,000件以上/年 若松病院 紹介患者 3,300件以上/年

(1)職業関連疾患専門医療機関としての先進的医療の提供 (大学病院)

 がん相談支援センター、就学・就労支援センター及び両立支援科において、企業等の産業医や産業保健スタッフとの連携体制、両立支援に関する患者及び家族からの相談対応、学会、講演等による両立支援に関する知見、活動手法等の広報等を推進する。

◆数値目標 両立支援相談件数 285件以上/年、がん相談支援件数 1,300件以上/年

(2) 特定機能病院としてふさわしい高度で最先端かつ安全な全人的医療の提供 (大学病院)

① 特定機能病院及び高度急性期病院としての役割とがん診療

・ がん診療については、地域がん診療連携拠点病院として、地域No.1を堅持し、新たながん対策基本計画に基づく整備指針に則り、新たな遺伝性腫瘍に関連する検査について、円滑な運用を実施できる体制を構築する。また、新たながん治療薬の使用に対応するため、レジメン検討委員会で検討を行う。さらに、地域がん診療連携拠点病院の指定要件として新たに追加されたがん・生殖医療ネットワークへ加入する。

・ 造血器悪性腫瘍診療の高度な専門性と充実したスタッフ体制を活かし、令和4年度の造血幹細胞移植センター設置、無菌室の8床増設を踏まえ、より充実した造血器悪性腫瘍の診療を行う。

・ 放射線治療の更なる充実を図るため、高精度照射対応リニアックへの機器更新を検討する。

◆数値目標 DPC支援システムから抽出したがん入院件数 5,950件以上/年、遺伝カウンセリング加算 80件以上/年、無菌室稼働率 90%以上

② 安全かつ質の高い医療の提供等

・ インシデント・アクシデントレポートによる報告及び医療安全監査委員会による監査結果報告等により明らかになった問題事項について、医療の質・安全管理委員会において検証し、改善を行い、医療安全対策の強化を行う。

・ 高難度新規医療技術及び未承認新規医薬品等を用いた医療については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、病院倫理委員会での審議を経て適正に提供する。

・ 患者に理解しやすい言葉を用いて疾病ごとのインフォームド・コンセント(IC)説明文書の標準化をより一層推進し、ICの説明に対する患者満足度調査を実施する。

・ 医薬品の保管、流通、投与等に関する安全管理を厳格に行う。

・ 院内感染サーベイランスを実施し、感染症の発生状況の把握を行い、感染拡大の予防を図る。

◆数値目標  IC新規登録・見直しを行う。前年度IC登録数の3%以上、医療安全職員全体研修会受講率:100%、ICの説明に対する患者評価 95点以上(100点満点)

・ 患者満足度調査及び患者待ち時間調査を着実に実施し、調査結果の分析、検討から改善点の検討を行い、サービスの向上及び患者アメニティーの充実を図る。

◆数値目標 患者満足度調査 外来平均 82.5点以上、入院平均 86.5点以上、患者待ち時間調査 新規(予約有) 60分以内、患者意見箱 回答率 100%

③ 安定した病院収益の確保

・ 急性期診療棟の機能を全面的に発揮し、大学病院で診療を受けたい患者の希望をかなえ、地域医療に貢献できるよう、数値目標として設定された手術件数の増、新入院患者の増等、診療実績を確実に実現する。

・ 各診療科へのヒアリングを年2回以上実施し、各科からの運営改善やコスト削減提案を病院運営に反映させる。また、各科の現状把握による年度目標を策定し、目標達成状況の確認及び必要な改善等を行うとともに、病床稼働率向上のための病床管理について検討を行い、効果的な病院運営を図る。また、看護部へのヒアリングも引き続き実施する。

・ 毎月開催される診療科長会議、医長連絡協議会の経営改善に関する議論の一層の活性化を図るとともに、優れた改善を進めている診療科等に対する経営貢献表彰を実施する。

・ 高齢化の進展により罹患数が増加傾向である脊椎と人工関節について、当院の専門性の高さを活かした診療を行うため、令和5年度に設置した「脊椎脊髄センター」及び「人工関節センター」において、急性期診療棟稼働後の手術件数増を図る。

・ 医薬品及び診療材料の経費削減について、主に使用する診療科の医師、病院長等同席での各メーカーとの価格交渉を行う。医薬品については、入院・外来での使用状況による収益性を考慮した上で高額薬剤の後発品への切り替えを進め、調製後廃棄等の削減にも引き続き取り組む。診療材料については、新規登録時に、大学病院等のベンチマークデータの標準値以下となるように交渉し、使用量の多い診療材料について臨床上問題ない範囲でより安価なメーカーへの変更、手術時の共通消耗品の適正使用等を行う。

・ 大学病院と若松病院と相互の機能、地域性等を活かした協力、補完を行い、運営・経営を抜本的に強化し改善を図る。

・ 大学病院の先進かつ専門的診療について、県内全域及び隣接医療圏への情報提供を行うとともに、集患増が見込める医療機関への訪問挨拶を実施する。

・ 年度始め、ゴールデンウィーク、年末年始の稼働率低下を防ぐため、診療科等毎に様々な措置を実施する。

・ 令和5年10月に設置した大学病院の「収支改善ワーキングチーム」及び「広報・集患ワーキングチーム」による積極的な活動を進め、収支改善とそのための広報・集患を行う。

・ 令和6年度診療報酬改定、医療制度改正に対応する。

◆数値目標 病床稼働率 93.0%以上(精神科病床除く)、平均在院日数 11.0日以下(精神科病床除く)、DPC入院期間Ⅱ以内の退院率 75%以上(急性期診療棟稼働後の目標)、包括範囲内薬剤比率対前年度比 0.4%減、新入院患者数 18,000人以上/年、手術室稼働件数 8,500件以上/年

④ 機能的かつ効率的な病院運営

・ 福岡県地域医療構想、近隣医療機関の診療動向等を意識した病院運営を行うとともに、令和6年度の診療報酬改定及び医療制度改正に的確に対応する。

・ 病院機能評価について、病院機能評価の更新に向けて、令和7年3月の訪問審査を受審する。

◆数値目標 関係法令の改正に併せて組織の新設・廃止等検討・実施件数2件以上/年

・ 急性期診療棟稼働後の病院本館等について、部門等の場所移転による機能を充実させ、改修費用等を抑えた効率的な体制整備を行う。

◆目標 急性期診療棟への部門移動後の病院本館内の跡地整備について、跡地整備基本計画の中から予算内で実施可能な場所を検討する。

・ クリニカルパスを新規に増やすとともに有効活用を推進し、令和4年1月から運用を開始した総合医療情報システムの安定的稼働を実現する。

◆数値目標 クリニカルパス適用率46%以上、システム障害件数0を目指す

⑤ 臨床研究の推進

 治験受託件数増加のために、学内の各診療科代表者あてに更なる依頼を行い、安定した治験受託件数の獲得を目指す。また、臨床研究については、大学と共同で臨床研究審査システムの運用を行い、研究者の利便性の向上と臨床研究全般の推進を図る。

◆数値目標 新規治験件数 30件以上/年

(3)地域の人々が安心できる地域基幹病院としての医療体制構築

① 両病院における感染症対策及び医療の提供 (大学病院・若松病院)

 新興感染症への対策をはじめとした院内感染症対策の強化を図るとともに、地域の基幹病院として、新興感染症と通常診療を両立し、必要な医療の提供に努める。

◆目標 行政等からの要請には可能な限り対応する。

② 大学病院における医療機関との連携 (大学病院)

・ 病診連携を円滑に進めるために紹介元医療機関への受診報告及び返書作成を促す返書管理業務及び入院時、退院時の報告を確実に行い、紹介元医療機関との関係性をより一層強化する。これにより、紹介患者数の増を着実に進める。

・ 紹介元医療機関への逆紹介及び回復期、慢性期に移行した入院患者の転院の推進により、高度急性期医療が必要な患者をより多く受け入れる。

・ 地域住民及び医療機関への情報提供のために、臨床指標の公開、診療実績・機能等を公開する。

◆数値目標  紹介患者 16,000件以上/年、逆紹介患者 12,500件以上/年、 若松病院への紹介患者(外来紹介・入院転院)30件以上/月 

・ 患者サポートセンターによる退院困難な要因を持つ入院患者への早期介入等、入院から退院・転院・在宅医療までの包括的支援の充実を図る。

◆数値目標 対象入院患者入院前支援率 85%以上、医療連携相談支援件数 2,250件以上

・ 診療を担当する医師の医療機関訪問を通して、大学病院の先進かつ専門的診療について情報提供を行うとともに、顔の見える有機的な連携を構築する。

③ 若松病院の運営 (若松病院)

・ 経常収支差額の黒字化を実現する。このため、「若松病院の運営・経営改善プロジェクト 」の検討結果を受けた各施策を確実に実施する。若松区の基幹病院として、地元医療機関との連携を強化するため、訪問を促進するとともに、地域連携窓口で、患者の迅速な受入れを可能とする取組を行うほか、返書や退院時の報告を確実に行う等により紹介患者増を図る。また、大学病院と若松病院で、患者の振り分けを実施することに加え、大学病院からの患者転院の促進を図るなど、大学病院との一体運営を進めていく。

◆数値目標 紹介患者数 3,000件以上/年、逆紹介患者数 1,900件以上/年、大学病院からの紹介患者(外来紹介・入院転院)30件以上/月、地元医療機関等の訪問数50か所以上/年 

・ 若松病院の特徴を活かし、収益を確保するため、病院内で診療科毎のPDCAを回し経営改善を図り、手術件数の増、新入院患者の増等につなげる。また、毎月開催される連絡調整会議における経営改善に関する議論の一層の活性化を図るとともに、優れた改善を進めている診療科等に対する経営貢献表彰を実施する。

・ 年度始め、ゴールデンウィーク、年末年始の稼働率低下を防ぐため、診療科等毎に様々な措置の工夫を実施する。

・ 各診療科へのヒアリングを実施し、各科からの運営改善やコスト削減提案を病院運営に反映させる。また、診療科ごとに目標病床数及び目標新入院患者数を設定し、達成状況の確認及び必要な改善検討等を行うとともに、病床稼働率向上のための病床管理について検討を行い、効果的な病院運営を図るなど、病院内でPDCAを回して経営改善に努める。

・ 入院患者の増加対策として、大学病院からの患者の外来紹介・入院転院の促進を図る。

・ 訪問看護事業及び居宅介護支援事業を通して、在宅療養支援を強化する。

・ 信頼される病院、魅力ある病院を目指して、患者の意思を尊重した医療を提供するとともに、安全かつ質の高い医療を提供するため、医療安全対策の強化及び患者サービスの向上を図る。

・ 若松病院の必要な組織・人員の見直しを行う。

・ 令和6年度診療報酬改定及び医療制度改正に対応する。

◆数値目標 年間累計の経常収支差額の黒字化、病床稼働率91.5%以上、新入院患者数 3,900人以上/年(大学病院からの転院含む)、手術室稼働件数1,650件以上/年、平均在院日数13.0日以下、外来患者数360人以上/日、入院患者数137人以上/日、訪問看護利用数5,000件/年以上、居宅介護契約数1,200件/年以上

・ 医療の質・安全管理委員会においてインシデント・アクシデントレポートによる報告検証し、改善を行い、医療安全対策の強化を行うとともに、高難度新規医療技術・未承認新規医薬品等を用いた医療については、適正に提供できる体制を構築することで、安全かつ質の高い医療を提供する。

・ 医薬品の保管、流通、投与等に関する安全管理を厳格に行う。

・ 院内感染サーベイランスを実施し、感染症の発生状況の把握を行い、感染拡大の予防を図る。

◆数値目標 医療安全研修の受講率 100%

・ 信頼される病院、魅力ある病院を目指して、患者の意思を尊重した医療を提供するとともに、患者サービスの向上を図る。

数値目標 無料送迎バス利用者数 500人以上/月、患者意見箱回答率 100%

・ 若松病院に必要な組織・人員の見直しを行う。

◆数値目標 組織新設・廃止等検討・実施件数1件以上/年 

(4)人間愛に満ちた医療人の育成 (大学病院・若松病院)

① 学生の実習

 各種感染症対策を行いつつ、感染状況に応じた実施可能な実習(実習時間・人数の制限、患者への接触、手術室での実習等)を実施する。

◆数値目標 臨床実習学生評価3以上(4段階評価)

② 大学病院の高度な知識と技術を備えた専門職の養成

  マッチング率100%を目指し、臨床研修医の確保に努めるとともに、基幹型臨床研修病院として、良好な研修環境及びプログラムにより地域医療機関と連携した優秀な臨床研修医の育成を図る。

◆数値目標 マッチング率 100%、基本領域別専門研修プログラムのシーリング対応可能な連携施設を確保した診療科:100%

③ 医療制度改革に対応するタスクシフティングの達成

・ 両病院共に、医師、看護師の負担軽減及び本来業務に専念できる環境整備のため、特定行為看護師の養成、医療技術職へのタスクシフティング項目の具体的検討、看護補助者の欠員補充・夜間配置等を継続して行う。また、大学病院においては、特定行為看護師(術中麻酔管理領域)の手術室への配置(3名)を継続し、令和6年度新たに2名の養成を行う。看護と特定行為の業務時間配分、配置等の活動体制について、適宜見直し検討を行う。医師事務作業補助者の業務内容についても引き続き、拡大検討を行う。

・ 診療報酬算定の精度を高めるため、優れた診療報酬請求能力を持つ人材の育成に取り組む。

◆数値目標 特定行為看護師50名以上/6か年、認定・専門看護師10名以上/6か年、急性期看護補助加算25:1(5割以上)を維持、 急性期看護補助加算 夜間100:1を満たす数を維持、大学病院 査定率0.45%以下/年、若松病院 査定率0.6%以下/年、 病院経営・診療報酬請求等に関する関係団体等が行う研修2名受講/年

4 社会貢献

◆第4次中期期間中の 社会貢献 に係る主な数値目標   

1 海外機関とのWeb会議または現地での対面指導
   3回以上/年

2 福島第一原発事故対応
   要請対応100%

3 他機関での産業医養成の協力
   講師派遣50名以上/年

4 行政への協力、支援
   可能な限り対応する

5 北九州医療圏の医療機関との連携
   令和9年度に大学病院 紹介患者 19,000件以上/年、逆紹介患者 14,000件以上/年、若松病院 紹介患者 3,300件以上/年、逆紹介患者 2,200件以上/年

6 特許等の出願件数
   60件以上/6か年 (再掲)

(1)我が国における産業保健の推進

・ 過労死等防止対策を推進するため、専門知識を有する特命講師が、全国の主要都市において研修事業を実施し、学外に知見を広く提供する。

◆数値目標 過労死等防止対策セミナー受講者数 500名/年  満足度 90%以上

・ 産業保健関連情報の発信及び普及を進める。

・ 産業医として、多様化する事業場のリスクやニーズに的確に対応し、労働者の健康保持増進に貢献するため、本学で構築された実践的な研修を広く提供するため集合型研修及びeラーニング形式で開講する。

・ 日本医師会等の認定産業医に係る研修会等に講師を派遣する。

◆数値目標 産業医学実践研修の満足度 90%以上、産業保健関連報道件数 25件以上/年、産業医学関係研修会への講師派遣50名以上/年

(2)学術団体及び国際的な産業保健活動への協力

・ 海外学術機関及びWHO等国際機関との学術交流を推進する。

・ 国、地方自治体が実施する事業等に対する協力・支援の要請に応える。

◆数値目標 学会活動支援 2回以上/年、海外機関との学術交流 3回以上/年、国、地方自治体への派遣等 5回以上/年、国、地方自治体への委員会、事業支援に係る派遣等件数 90件/年

(3)地域及び全国における保健医療活動の支援

① 北九州医療圏の医療機関との連携

 新型コロナウイルス感染症に関連した行政の要請に協力するとともに地域医療への貢献を行う。

◆目標 行政からの支援に可能な限り対応する。

② 生涯学習の機会提供

・ 一般市民を対象に医学、看護学、産業衛生科学をテーマとした大学市民公開講座の実施、地域イベントへの出展等を通して、貢献を図る。

・ 病院の知名度向上や、新規患者の獲得を目指し、出前出張公開講座を開催する。

◆数値目標 地域住民からの公開講座要望対応 100%、出前出張公開講座の開催件数 10回以上/年

③ 本学の知見の社会への還元

・ 産学官連携活動による研究シーズとニーズの把握、産学連携・知的財産本部による研究室訪問を通じての発明発掘活動、実用化を目指した知的財産の保護・管理等により、質の高い特許等の創出に努める。

◆数値目標 特許等の出願件数 10件以上/年 

・ 自然災害、NBC テロなど災害現場で、初期対応者となる行政職員等を対象に、大規模災害対応講習会を実施し、災害対応の知見を提供する。

◆数値目標 開催回数 1回以上/年、参加者数 50人以上 

・ 能登半島地震に関連した被災者の支援や復旧工事に従事する方々に対する健康支援を実施する。

・ 東日本大震災・福島原発事故に関連した作業を行う労働者の健康支援活動を引き続き実施する。

◆数値目標 要請対応 100%

④ SDGsへの対応

 SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」のディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の取組を行うほか、本学のSDGsの取組についてホームページを活用して紹介し、多くのSDGsの項目に貢献する。

◆目標 本学の取組についてホームページでの紹介を拡充する。

5 大学運営

◆第4次中期期間中の 大学運営 に係る主な数値目標

1 時代の要請に積極的に対応した運営を行う。
   組織の見直し検討件数 2件以上/年、年次有給休暇取得 平均10日以上/年

2 強固な財政基盤を確立する。
   第4次中期目標・中期計画期間における財政計画の達成

3 常に改善の意識を持ち、DXを積極的に推進する。
   提案件数 50件以上/年、DXによる業務効率化 2件以上/年

(1)大学の発展を支える教職員の育成と活力ある組織づくり

① 第4次中期目標・中期計画の遂行

 「産業医大未来構想 2040」に基づき策定した数値目標見直し後の「第4次中期目標・中期計画」について、数値目標の確実な達成に向けて、学内全部署において、具体的な「目標・計画」を作成し、PDCAに取り組む。

◆目標 学内全部署における目標・計画設定とPDCAの実施

② 私立学校法改正への対応

 令和7年4月に施行される改正私立学校法への対応を行うため、寄附行為をはじめとする学内制度の見直しを行い、寄附行為の変更について、文部科学省の認可を得る。

◆目標 改正私立学校法に適正に対応する。

③ 多様な人材の確保

・ 70歳までの高年齢者就業確保措置を確実に実施していく。

・ 職員の多様な特性等を踏まえ、就労意欲や能力を十分に発揮でき、かつ、本学に貢献しうる者の継続雇用を実施する。

・ 組織強化のために、中長期的な観点に立った適正な職員配置を目指し、新たな採用方法を検討する。

・ ダイバーシティに関する基本方針の策定に着手する。

◆数値目標 教育職、医療技術職、看護職、事務職65歳を超える再雇用者数 65歳までの雇用者の30%以上/6か年

④ 職員の能力向上・人事評価制度の構築

・ 人事評価制度に基づく公平かつ客観的な評価を実施するとともに、職種や階層によって求めるスキルや役割の明確化を行い、多様な研修環境を整備する。

・ 新たな人事評価制度の運用を進める。

◆数値目標 研修後の行動変容(学びの実践)70%以上 階層別等研修満足度80%以上

⑤ 働きやすい職場環境

・ 提案制度を継続して実施し、DXをさらに積極的に進め、業務(時間)の省力化、効率化、収益増、経費削減をはじめとする大学運営等の活性化及び業務改善を促進する。

◆数値目標 提案件数 50件以上/年、ランチミーティングの回数 18回以上/年、DXによる業務効率化 2件以上/

・ 業務の効率化及び平準化を進めるとともに、時間外労働が多い部署について、その原因を明らかにし改善を促す。また、労働安全衛生マネジメントシステムに基づく、産業医等による面談やきめ細やかな個別面談を実施する。

◆数値目標 医療技術職、看護職、事務職 超過勤務実績 2%減/年

・ 令和6年4月から施行される医師の働き方改革に対応するため、本学の医師労働時間短縮計画に基づき、勤務計画書の作成、勤務実績報告、副業・兼業時間の把握のほか、様々なタスク・シフト/シェアの推進をはじめとする労働時間短縮に向けた取組を着実に実施する。

◆数値目標 医師労働時間の削減率 2%(令和4年度実績比) 

・ 学生と職員の生活を健康面で支え、男女共同参画推進センターにおいて、引き続き男女共同参画の推進に係る諸施策の着実な実現のため、全ての職員が仕事と家庭を両立することが可能となる働きやすい環境を整備していく。また、柔軟な働き方に対応し、テレワークを実施する。

◆数値目標  平均10日以上の年次有給休暇取得/年、学生・職員健康診断受診率 100%、テレワーク実施率 10%/年

⑥ 自己点検評価結果を大学運営の改善に反映

・ (公財)大学基準協会の第3期の評価において指摘された是正勧告及び改善課題について、必要な改善を行い、同協会にこれらの改善状況を記載した改善報告書を令和6年7月末までに提出する。

◆目標 是正勧告及び改善課題への改善対応の実施並びに改善報告書の提出

・ 令和4年度医学教育分野別評価で指摘された点について、必要な改善を行うとともに、(一社)日本医学教育評価機構に、改善状況を記載した年次報告書を令和6年8月末までに提出する。

◆目標 年次報告書の提出

・ 病院機能評価について、病院機能評価の更新に向けて、令和7年3月の訪問審査を受審する。

◆目標 期中における自己点検評価を確実に実施
目標 令和7年4月の病院機能評価の認定を得る

⑦ コンプライアンスの徹底

・ 情報化社会における社会的責任として情報セキュリティの維持及び向上を図るため、講習会を実施し、eラーニングを活用し、情報機器及びツールの適切な利用についての啓発に努める。

・ 個人情報保護に関する講習会を実施する。

◆数値目標 講習会後の意識啓発 70%以上/年、USBメモリ等媒体紛失 0件

・ 研究活動及び研究費不正使用に係る不正防止についての研修会の開催に加え、研究に係る各委員会及び関係部署で連携を図り、組織的な取組を実施する。

◆数値目標 研究不正発生件数 0件

⑧ 病産連携

 病産連携窓口において、卒業生からの産業保健現場をはじめとする医学的な疑問や悩みに対応する。

◆数値目標 2週間以内の卒業生への回答率100%

(2)大学発展のための強固な財政基盤の確立

① 財政基盤の安定化

・ 四半期ごとの財務状況及び毎月の両病院診療実績の把握と分析による経営管理を行い、経営上の問題点を把握するとともに、原因分析及び具体的な改善を行う。また、第4次中期目標・中期計画の達成に向けた予算管理を継続して行う。

・ 大学運営費補助金は、必要な新規事業の予算要求を行う。

◆数値目標 管理経費 前年度比0.5%削減、自主財源 前年度比0.5%以上増、実現した大学運営費補助金新規要求件数2件以上、第4次中期目標・中期計画期間における財政計画の達成、入札実施率 前年度比3%以上増、診療材料契約金額のベンチマークB以上を60%以上 

・ 大学運営基金及びその他の運用資金について、学外の専門家の意見を反映し安全性を重視しながら最大限の利回りを確保する運用を行い、自己資金の確保を図る。

◆数値目標 資金運用計画において定める年間目標利回りの達成

② 自己収入及び外部研究資金の獲得

・ 急性期診療棟建設に係る寄付事業を継続し、学内外から幅広く寄付を募るための活動を促進し、外部資金の確保を図る。

◆数値目標 令和6年度末の累計金額 3.5億円 

・ 外部研究資金の一層の獲得を図るための支援に努めるとともに、文部科学省及び(独)日本学術振興会による科学研究費助成事業、厚生労働科学研究費補助金、厚生労働省労災疾病臨床研究事業費補助金等の採択率向上に取り組み、安定した獲得を目指す。

◆数値目標 科学研究費助成事業の新規採択件数 40件以上/年 (新規採択率20%以上及び新規申請率 45%以上)、科学研究費助成事業以外の公的研究費の新規採択件数15件以上/年 (新規採択率 20%以上)

・ 産業医学・産業保健をリードする大学としての強みを活かし、企業や研究機関からの共同研究・受託研究・学術コンサルティングの増加に努めるとともに、学術助成金・奨学寄附金のさらなる獲得を推進する。

◆数値目標 共同研究・受託研究・奨学寄附金の獲得件数合計 500件以上/年、学術コンサルティング 5件以上/年

(3)産業医学・産業保健の教育研究拠点及び特定機能病院としてふさわしい施設環境の実現

① 施設整備

・ 「キャンパスマスタープラン2023」に基づき、施設整備を進める。令和6年度はBOT方式を活用し新職員宿舎の整備を行う。また、併せて、女子学生寮及び看護師宿舎の統合に向けて準備を行う。

・ 病院本館8A病棟跡地に整備した神経・精神科病床(現:東病棟)の稼働を開始する。

・ 大学竣工以来未更新である大学冷温水管の改修工事に着手し、令和6年度は大学本館2号館の工事から開始する。

◆数値目標 工期及び予算順守

②  大学施設・設備・機器の更新

・ 令和6年度の施設整備保全計画については、工期、予算を順守し実行する。

◆数値目標 施設整備保全計画の100%実施及び予算順守

・ 若松病院の老朽化した医療機器の計画的な更新を引き続き実施するとともに、必要な基幹設備の更新に係る財源確保について検討する。

◆目標 若松病院 空調熱源改修(3か年計画の3年目)の実施及びその他基幹設備の更新

③ 労働安全衛生マネジメントシステム及び環境マネジメントシステム

・ 職員等に対して安全衛生教育等を実施し、安全衛生管理・事故防止への意識の高揚を図る

・ 実験廃液等排出責任者等を対象とした講習会を、eラーニング等も活用し毎年1回開催する。

◆数値目標 労働災害(不休災害を含む)発生件数 41件以下/年、実験廃液違反 0件/年

④ 情報システム等

・ 効率的な業務運営、事業継続のために、情報セキュリティの十分な確保をはじめとする必要な情報システムの整備を行うとともに、情報資産の保全を図る。

◆数値目標 1時間以上の停止を伴うシステム障害 3件以下/年

(4)本学の魅力や強みを発信する積極的広報

  YouTube「産業医大オフィシャルチャンネル」及びホームページを活用し、引き続き本学の強みを活かした情報発信を行い、ブランディングの向上を図る。
 また、UOEH 病院戦略(広報)を積極的に推進し、産業医科大学病院・若松病院の地域における病院のブランディングを確立し、昨年度設置した、大学病院広報・集患ワーキングチームと共同で近隣医療機関との連携を強化し、より多くの患者を獲得するため、病院LINE公式チャンネルの活用、病院ホームページの充実、出前出張講座の開催等により、広報戦略を展開する。

◆数値目標 プレスリリース後、報道された件数 10件以上、ホームページ閲覧件数 600万件以上/年、YouTube閲覧件数 3万件以上/年、大学病院 ホームページの閲覧件数 200万件/年、若松病院 ホームページの閲覧件数 60万件/年、SNS(LINE)による発信の登録者数 500/