産業医学基本講座 概要

1.産業医学基本講座の目的

 産業医学基本講座は、産業医学の振興と産業医の養成確保という産業医科大学設立の趣旨に基づき、産業医活動の基礎から実践までを体系的かつ集中的に講義と実習を行い、産業医として保持すべき専門的知識と技術を付与することを目的としています。


2.受講対象者

受講対象者は、主として本学卒業生を対象としておりますが、次のとおり広く門戸を開放しております。
(1) 産業医科大学医学部卒業者
(2) 医科大学・医学部医学科を卒業した者

(3) 本学が(2)に掲げる者と同等(修士以上)の学力を有すると認める者

 

3.開催場所

<本学開催> 産業医科大学 産業生態科学研究所 (北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1)

<東京開催> 産業医科大学 東京事務所 (東京都千代田区神田司町2-2)

4.受講定員

<本学開催> 受講定員は、原則として100名程度

<東京開催> 受講定員は、原則として10名程度 


5.開講期間

<本学開催> 平成29年4月3日(月)~5月11日(木) 時間割

<東京開催> 平成29年6月1日(木)~10月31日(火) 時間割 

 

6.受講申込期間

<本学開催> 平成28年12月1日(木)~平成29年2月3日(金) (締め切りました)

<東京開催> 平成28年12月1日(木)~平成29年3月31日(金) (締め切りました)

 
7.受講料(新規受講者予定額)

<本学開催> 210,000円

<東京開催> 500,000円 


8.受講中の身分

 本講座受講中は、「産業医学基本講座受講生」として図書館、保健センター等の学内施設を利用することができます。(本学開催のみ) 


9.一部授業科目の履修認定について

 授業科目のうち一部の科目について履修認定を受けた場合、その科目については、履修認定を受けた日から起算して、原則として3年を経過した日の属する年度の末日まで有効となりますので、それまでに残りの科目を受講して下さい。
 例えば、平成29年度に履修認定を受けた授業科目の有効期限は、平成33年3月31日までとなります。


10.修了認定書および修了証の授与
 本講座の全授業科目の履修認定を受けた者には、産業医学基本講座修了認定書(産業医科大学産業医学ディプロマ)を授与します。
 なお、本講座の修了認定を受けた者(医師・歯科医師に限る)には、「労働安全衛生規則第14条第2項第1号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者」及び「労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則第13条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する者(法人に限る。)が行う講習を修了した者」としての修了証を併せて授与します。

11.産業医学基本講座修了者の処遇について

(1) 労働安全衛生法に定められた研修
  本講座修了者は、労働安全衛生法第13条第2項の厚生労働省令で定める要件に基づき、平成20年3月30日に改正された労働安全衛生規則第14条第2項第1号に規定される「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者」として認定されています。

 

(2) 労働衛生コンサルタント(保健衛生)試験
  本講座修了者(医師・歯科医師に限る。)は、厚生労働大臣が実施する「労働衛生コンサルタント(保健衛生)試験」の筆記試験が免除されます。
  なお、受験申請時は、産業医学基本講座修了証が必要となります。
  受付、受験等に関しましては、(公財)安全衛生技術試験協会のホームページhttp://www.exam.or.jp/にてご確認下さい。

 

(3) 日本医師会認定産業医
  日本医師会認定産業医申請(本人が都道府県医師会に直接申請)は、産業医学基本講座修了認定の日から5年以内に1回に限り申請が可能です。

 

(4) 日本産業衛生学会専門医制度
  日本産業衛生学会専門医制度資格認定試験の受験資格の一つとなっている体系的な基礎研修を修了したものと認められています。


12.その他

(1) 日本医師会認定産業医研修制度との関連
  本講座は、同制度の基礎研修と同等以上の研修として認められていますが、同制度の基礎研修及び生涯研修との単位の互換性はありません

 

(2) 集中的に履修困難な場合
  本講座は、業務等の都合上、1年で履修が困難な場合、4年度にわたって履修することもできます。

13.授業科目

産業医学に関する講義及び、グループによる講義実習を行います。

(1) 授業科目一覧
【講 義】 

授業科目 科目責任者 コマ数
産業医学基本講座導入 森本 泰夫 5
産業医の倫理 堀江 正知 2
労働衛生関係法令 堀江 正知 6
健康情報の保護と活用 河井 一明 2 
労働衛生管理とマネジメントシステム 森   晃爾 4
リスクアセスメント 河井 一明 2
労働衛生教育 岡﨑 龍史 2
因果関係と疫学 高橋   謙 4
作業環境管理と快適職場 明星 敏彦 6
作業管理と作業改善 藤木 通弘 6
一般健康診断と就業適性 大和   浩 2
特殊健康診断  河井 一明 2
過重労働と疲労  堀江 正知 2
心理的ストレスとメンタルヘルス  廣   尚典 4
健康保持増進活動  大和   浩 2
物理的要因による職業性疾病  岡﨑 龍史 5
化学物質による職業性疾病 上野   晋  8
微生物による職業性疾病 河井 一明  2
公衆衛生総論 大神   明  5
保健医療政策 大和   浩  2
行動科学 廣   尚典  5
健康危機管理 森   晃爾 5
産業医活動の実際 大神   明  3

 

【実 習】

授業科目 科目責任者 コマ数
健康管理実習 森   晃爾 5
じん肺読影実習 森本 泰夫 2
メンタルヘルス対策実習 廣   尚典  3
健康保持増進活動実習 大和   浩  4
救急処置実習 岡﨑 龍史  2
作業環境管理実習 明星 敏彦  4
作業管理実習 藤木 通弘  5
疫学実習 高橋   謙  5
有害業務管理実習 上野   晋  2
職場巡視実習 大神   明 4


(2) 科目概要
【講 義】

授業科目 内 容
産業医学基本講座導入

産業医の業務・専門性・教育、産業医学の歴史・現状と今後の課題、経営者・労働者と産業医学、産業医学における国際的活動

産業医の倫理

産業医が企業と労働者の双方との良好な関係を維持し、職業性疾病の予防とともに労働者の就業と健康の両立を支援するための判断や行動のあり方について考える。また、産業保健分野の研究を推進するための手続きや指針について解説する。

労働衛生関係法令

産業医に必要な法令(労働基準、安全衛生、労災補償関係)の概要を解説し、労働衛生行政の組織や役割について解説する。また、自主的安全衛生活動の国際標準を紹介する。

健康情報の保護と活用

産業保健活動における健康情報の取り扱い、健康情報管理の実際

労働衛生管理とマネジメントシステム

マネジメントシステム概論、基本方針・目標・評価、労働安全衛生マネジメントシステムの構成と文書化、監査と継続的改善の仕組

リスクアセスメント

産業保健におけるリスク・ハザードへの対応、職場巡視の意義とその概要

労働衛生教育

労働衛生行政が規定する労働衛生教育の概要、雇入時教育等で実施すべき事項、及び労働衛生教育を実施する際に有用な技法について解説する。教育の内容と産業医の役割、必要な知識、関係者との連携について整理する。

因果関係と疫学

産業医学における疫学の役割、記述疫学・曝露の測定・疾病頻度の測定、症例対照研究、コホート研究

作業環境管理と快適職場

概論・作業環境測定、作業環境のサンプリングと評価値の演習、粉じん職場、有機溶剤職場、騒音とその対策、環境改善の方法

作業管理と作業改善

作業管理の役割、ヒューマンエラーの要因とその低減法、産業睡眠医学、高齢者と労働、作業姿勢と腰痛予防、上肢障害のメカニズムと上肢作業負荷の評価法

一般健康診断と就業適性

一般健康診断の実施内容、判定と事後措置、雇入時の健康診断、適正配置

特殊健康診断

バイオロジカルモニタリング、特殊健康診断

過重労働と疲労

長時間労働や短時間睡眠が循環器疾患や精神障害の発生に与える影響について、近年の疫学研究と社会制度(労災認定基準、労働衛生上の取組)を紹介する。また、人体の概日リズム(サーカディアンリズム)や交替制勤務について解説する。

心理的ストレスとメンタルヘルス

職場のメンタルヘルス概論、ストレスチェック制度の進め方、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援、職場におけるアルコール関連問題とその対応

健康保持増進活動

健康日本21(第二次)、健康増進法、ポピュレーション・アプローチ、第二期特定健診・特定保健指導、健康づくりのための身体活動基準2013、職場における健康づくり活動の実例

物理的要因による職業性疾病

放射線の基本的事項を示し、放射線の人体影響及び放射線障害の歴史を解説する。放射線防護(ICRP等)や放射線関連法案を整理し、放射線の安全取扱及び安全管理を解説する。

化学物質による職業性疾病

産業中毒学概論、化学物質による神経疾患、金属中毒、化学物質による血液疾患、化学物質による皮膚疾患、粉じん・化学物質による呼吸器疾患、化学物質と発がん、酸素欠乏症と有害ガス中毒

微生物による職業性疾病

微生物による労働者の疾病、医療機関における感染症予防対策

公衆衛生総論

公衆衛生活動の歴史、地域保健と母子保健、医療保険制度、社会と健康、災害医療体制と公衆衛生

保健医療政策

公衆衛生関連法令、行政の組織と役割、公的医療制度、介護保険制度、地域包括ケア、社会保障政策

行動科学

健康に関する行動理論の基本的な概念、ヘルスプロモーションの発展とその代表的なモデル、社会経済要因の健康に与える影響、主要な健康政策とその背景となっている行動科学理論

健康危機管理

健康危機管理概論、危機管理体制、大規模災害と保健医療活動、新興感染症対策、食中毒対策、健康危機管理とリスクコミュニケーション

産業医活動の実際

企業内健康管理組織論、産業保健サービス提供組織、経営者・労働者からみた産業医学

 

【実 習】

授業科目 内  容
健康管理実習

健康診断と判定・事後措置、職場の喫煙対策、職場環境改善の実際、質問紙法による評価・データ解析、産業保健活動の経済評価

じん肺読影実習

じん肺の画像読影、じん肺や石綿関連疾患の労災認定、じん肺の申請

メンタルヘルス対策実習

メンタルヘルス対策の計画・企画とその評価、メンタルヘルス不調者の対応に関する事例検討、積極的傾聴法の教育と応用

健康保持増進活動実習

トータル・ヘルスプロモーション・プラン、健康測定、運動負荷試験、50%運動強度、運動処方の実際、健康づくりのための身体活動基準2013

救急処置実習

企業内で生じた大規模あるいは小規模な事故を想定し、傷病者などの初期の対応及び関連機関(警察、消防、機関病院や役所など)への連絡などについて、机上訓練を行う。実際の防護装備を学び、装着する。

作業環境管理実習

作業環境改善実習-粉じん対策-、作業環境改善実習-騒音対策-、排気・換気装置の維持と性能検査

作業管理実習

ピンチメータなどを用いた上肢の筋骨格系障害の評価、姿勢計測手法を用いた重量物取り扱いにおける負荷推定、眠気の主観的・客観的評価方法

疫学実習

疫学的手法を用いた研究企画作成・発表、疫学的手法に必要な統計演習

有害業務管理実習

化学物質のリスクアセスメント【化学物質等による危険性/有害性の特定、特定された危険性/有害性によるリスクの見積り、リスクを低減するための措置内容の検討、優先度に対応したリスク低減措置の実施】

職場巡視実習

DVDによる職場巡視実習を行い、企業・製品の理解、有害業務の内容確認、巡視に必要な装備、指摘方法について理解する。


【本学実習風景】

画像 002.jpg 画像 004.jpg P1060282_2.jpg
作業環境管理実習
作業管理実習
健康保持増進活動実習
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メンタルヘルス対策実習
職場巡視実習
疫学実習


【演習】
特別に興味のあるテーマを持つ受講生は、各科目責任者の個別指導により、さらに詳細な学習を行うことができます。


 

【その他】
各講義について、受講者によるアンケート調査を実施し、産業医学基本講座の充実に役立てることとしています。

 

14.講師

産業医科大学教員及び学外講師

 
15.提出書類

受講申込書、受講票及び受講誓約書

(下記資料請求先まで氏名・送付先・ご連絡先・最終学歴をご連絡下さい。確認次第送付致します。)

医師免許のコピー(他学卒業者) 

 
16.受講許可について

受講決定者には、受講許可書をもって通知します。

<本学開催> 2月下旬

<東京開催> 4月下旬

 
17.受講料の振込みについて
 受講許可書送付の際、別途通知します。
 振込み〆切(予定):  <本学開催>  平成29年3月 3日(金)
   <東京開催>  平成29年5月15日(月)

18.受講取消手数料

 

 取消しの申出時期

返還額 

 講座開講日の16日前まで  振込手数料を差し引いた上で全額を返還する。
 講座開講日の15日前から前日まで

 取消し料20%(振込手数料含む。)を差し引

 上で返還する。

 講座開講日以降  返還しない。

                                                                          注)取消しの申出時期の日数は、暦日によって計算する

19. 資料請求先

産業医科大学 大学管理課 管理第2係(産業生態科学研究所西棟1階)

〒807-8555

北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1 

TEL:093-691-7400 FAX:093-692-1838
E-mail: iiessyom@mbox.pub.uoeh-u.ac.jp

(氏名・送付先・ご連絡先・最終学歴をご連絡下さい。確認次第送付致します。) 



文責 産業医科大学 大学管理課 管理第2係 更新日 平成29年2月22日


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