環境疫学教授 藤野 善久 さん

産業医科大学 環境疫学
教授

社会と接点を持ち、医学的知識を社会実装することが期待される産業医。
ビジネスとの共同研究など活躍の場はより多彩に。

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藤野 善久 さん

■個人を取り巻く社会環境が健康に大きく影響。産業医学がさらに重要になっています。
人の病気に関係する要因を生活習慣や社会環境から見出し、予防や治療効果を検証する疫学を研
究、教授として指導しています。かつて病気は、食事や運動など個人の生活習慣が主な要因とされてきました。2000年頃からは個人の生活をさらにとりまく社会環境が健康に大きく影響しているという考え方が主流に。職場環境を含む社会経済状況によって起こりやすい病気があり、不利益を被る人がいるという問題は、まさに産業医学の介入が期待され、役割もより重要になっていると言えます。
研究の魅力は、自分の知的好奇心のままに進めて結果を導き出していけること。大学での講義も、ただ知識を羅列するのではなく、学生たちが興味を持ったテーマを自ら学習するきっかけができるように指導。将来、自分の専門分野を自分の言葉で発信でき、また責任を受け止めることができるプロフェッショナルになってほしいですね。

■医師を必要とする場は、さまざまな分野へ。アクティブな学びが将来をより面白くする。
医学的な知識や技能を必要とするのは、病院など医療現場だけではありません。働く人や職場にも医学が必要であり、また最近ではビジネスやあらゆる分野との共同研究も増えています。
産業医とは社会と接点を持つことができ、医学的知識をさまざまな分野に届け、実装できる仕事だと思います。医学的知識が必要とされる場は病院以外にも、社会のいたるところにあります。実際に医師として企業のサービスやアプリ、デバイスの開発に携わるなど、活躍の場も、医療知識を届けられるチャンネルもどんどん多彩に、楽しくなってきました。産業医科大学での学生生活、大学での学習はもちろん、いろんなことに興味を持ってアクティブに学ぶことで、将来も面白くできるはずです。

産業医科大学大学案内2024から抜粋